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2017年9月24日 (日)

STC12C2052

aitendoSTCmicro Technologyのマイコンを売っている。 8051コアのCPUは特に珍しくもないのだが、前から気になっていたので買ってみた。

 どちらも、8051の上位コンパチでいろいろ拡張されている。

Stc12c2052_s

 STC12C2052は8051のSRAMを256byteにして、2kのフラッシュメモリを内蔵して、外部バス(AD0-7)とポート2(P2.0-7)を取って、SPI、I2C を付けたような感じだ。

 何と言っても安い100円。SBL(Serial Boot Loader)を持っているので、専用のプログラマがなくてもファームウェアを書くことができる。

Stc12le5604ad_s

 STC12LE5604ADは8051のSRAMを256byteにして、4kのフラッシュメモリ、256byteのRAMを内蔵して、外部バス(AD0-7)とポート2.6,P2.7を取って、A/D,SPI,PCA を付けたような感じだ。

 STC12C2052で遊んでみた。

コンパイラ

 SDCCが使えるので、F/W(ファームウエア)はCで書ける。
8051コンパチだからプロセッサオプションは -mmcs51でよい。include/mcs51/stc12.hに拡張されたレジスタが定義されている。

 コンパイルオプション、リンクオプションは↓

sdcc -o testuart.c.rel -I. -mmcs51 --model-small --no-xinit-opt -c test.c
sdcc -o test.ihx   -mmcs51 --model-small --code-loc 0x0000 --code-size 2048 \
     --idata-loc 0x0000  --iram-size 256  --out-fmt-ihx   test.c.rel obj

ライタ

 このMCUはPowerOnReset時にP1.0とP1.1がGNDに落ちていると。内蔵のISP monitorが走るので、ライタ用のハードウェアを用意しなくてもシリアル経由でプログラムを書き込むことができる。

 とはいえ、PC側のツールは必要だ。ネットを探すと、STCmicroからDLできるSTC-ISP.exeを使った説明が多いのだが、STC-ISP.exeは一部のワクチンソフトに引っかかるらしい。 他のツールを探すと stcgalが見付かった。

 stcgal (https://github.com/grigorig/stcgal)はpythonで書かれていてver3.2以降のpythonが必要らしい。Windowsでpythonを使うにはいくつか方法がある。

  1. Windows版のpythonを使う
  2. Cygwinのpythonを使う
  3. Bash On Windowsのpythonをつかう

1と2は使えることを確認した。3はシリアルデバイス(ttyS?)が見えない。

シリアルポート
 stcgalは/dev/ttyUSB0をデフォルトで使うので、ポートを指定しなければならない。
  1. Windows版のpythonは
    C:> python stcgal.py -p COMx 
    COMxはデバイスマネジャーで探す。
  2. Cgywinのpythonは
    $ python -p /dev/ttySx  
    ttySxは ls /dev で探す
ISP確認

 データシートの「1.6 STC12C2052AD series MCU Typical Application Circuit for ISP」にある回路図は、X'talとRST(Pin1)にCRが繋がっている。STC12C2052はR/C発信器を内蔵しているので、外付けX'talは接続しなくてよいようだ。また、RSTのCRも接続しなくてもよいようだ。

↓手前の青白ジャンパーはシリアル、奥側の白ジャンパー×2はP10,P11をGNDに接続、左側の赤ジャンパーは電源(未接続状態)

Stc12c2052_s

 ISPの手順は↓のとおり。

  1. GNDだけ接続。(VCCはまだ接続しない)
  2. STC12C2052のP3.0/RxD、P3.1/TxDをパソコンのシリアルに接
  3. STC12C2052のP1.0とP1.1をGNDに接続
  4. stcgal.py -p /dev/ttyS2  ←stcgal実行
  5. "Waiting for MCU, please cycle power:" ←が表示される。
  6. 電源投入(VCC接続)
  7. ↓のようなメッセージが表示される

$  ~/stcgal/stcgal.py  -p /dev/ttyS2
Waiting for MCU, please cycle power: done   
Protocol detected: stc12a
Target model:
  Name: STC12C2052
  Magic: F202
  Code flash: 2.0 KB
  EEPROM flash: 4.0 KB
Target frequency: 5.654 MHz
Target BSL version: 5.8D
Target options:
  low_voltage_reset=low
  clock_source=internal
  watchdog_por_enabled=False
  watchdog_stop_idle=False
  watchdog_prescale=256
  eeprom_erase_enabled=False
  bsl_pindetect_enabled=False
Disconnected!

 電源を接続しても "Waiting for MCU, please cycle power:" から進まないときは、一旦電源を切断して電源を接続しなおす。 タイミングがあるようで、1回で良い場合もあるし何度も接続しなおさなけば進まないいこともある。

Lチカ

書き込んだプログラムが動くか、Lチカで確認してみた。

$ stcgal -p /dev/ttyS2 testled.hex
Waiting for MCU, please cycle power: done
Protocol detected: stc12a
Target model:
  Name: STC12C2052
  Magic: F202
  Code flash: 2.0 KB
  EEPROM flash: 4.0 KB
Target frequency: 5.627 MHz
Target BSL version: 5.8D
Target options:
  low_voltage_reset=low
  clock_source=internal
  watchdog_por_enabled=False
  watchdog_stop_idle=False
  watchdog_prescale=256
  eeprom_erase_enabled=False
  bsl_pindetect_enabled=False
Loading flash: 807 bytes (Intel HEX)
Switching to 19200 baud: checking setting testing done 
Erasing 4 blocks: done
Writing 1024 bytes: ........ done
Setting options: done
Disconnected!

Lchika
↑リンク先に STC12C2052_Lchika.avi (1189.7K)


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2017年9月22日 (金)

スペシャリストとプロフェッショナルの違い

スペシャリストとプロフェッショナルの違い」 トライバルメディアハウスNews 共感・思ふこと 2012.05.08

 スペシャリストvsゼネラリストの議論はよくある。そこにプロフェッショナルvsアマニュアいう軸を加えて2軸で考える。そして、市場価値があるのは、Professional かつ Specialist と Professional かつ Generalist。つまり、プロフェッショナルであることに市場価値があって、スペシャリストかゼネラリストかは問わない。

Provsama
(http://www.ikedanoriyuki.jp/?p=3113)

池田 紀行氏は

ビジネスの世界であれ、スポーツの世界であれ、エンターテインメントの世界であれ、「プロの仕事」か「アマチュアの仕事」かを評価するのはいつだって「顧客」なのです。仕事は顧客が満足して初めて「プロの仕事」になります

と仰る。

 まずプロフェッショナルであることが前提で、スペシャリストかゼネラリストかは志向の違いに過ぎないということだ。

 周りを見ると、技能を高めるべきとか、スペシャリストのキャリアパスがないなどの議論は多い。ところが、顧客に価値を提供しているのかの議論が無い。

 彼方此方で、顧客における価値の話をするのだけれど反応はイマイチだ。
これまで議論してこなかったから、不意を突かれた感じなのだろうか?。

 「特定の部門の勤務が長くなると将来に別の部門に異動したときに困るのではないか?」という不安や意見を最近よく聞くようになった。スペシャリスト志向はリスクが高いのではないかという心配だ。

 その都度、「将来その別の部門は存続しているの?」と質問するのだが、質問に答えてくれる人はいなくて、たいていフリーズしてしまう。 彼らは、将来別の部門が顧客にとって価値があるのか、また将来に亘って顧客に価値を提供し続ける方法を考えたことが無いのだろう。

 十数年前に新しい部門を立ち上がった当初は、顧客と顧客に提供できる価値を考えていた。たいそうなことではなくて部門の存在価値と同じだから考えざるを得なかったのだ。 当時は、漠然としたイメージはあったが「顧客に提供できる価値」のような「言葉」こなっていなかった。

 日々が経過し、部門の立ち上げ時代を知らない人たちが増えたら、「顧客に提供できる価値」や「部門の存在価値」について語られることがなくなった。

 「部門の存在価値」を考えなくても部門は存在しているし、「顧客に提供できる価値」を考えなくても日々の仕事は存在する。 そして、自分や自部門を客観視しなくなり、視点が組織の内に向かう。そうすると、組織内での立ち位置や、スペシャリストvsゼネラリストの議論しかできなくなる。

 組織の老化とはそういうものだろう。
ところが、顧客にとっては、スペシャリストであろうがゼネラリストであろうが関係ないのである。

 部門の立ち上げのときに考えていた「部門の存在価値」はなぜ次の世代に受け継がれなかったのか考えた。 当時は、「部門の存在価値」は共有されていたが、暗黙知だったように思う。分かりやすい言葉や図で表現しなかった、つまり、形式知化していなかったのだろう。

 形式知化していない知識は継承されない。

 暗黙知は時間と空間を共有しなければ伝えることはできないから、部門が急激に拡大したら暗黙知は伝わらない。 一方、形式知は、時間と空間を共有しなくても伝わる。

 SONYの設立趣意書(https://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/prospectus.html)や、松下(Panasonic)の企業理念(http://www.panasonic.com/jp/corporate/management/code-of-conduct/chapter-1.html)は、今でも誰でも見ることができる。

 顧客における価値を考えないで

  • 自部門内でのスペシャリストvsゼネラリストを議論する者
  • 将来に亘り無条件に組織が存続すると考える者

が増加した原因は何か?

 部門を立ち上げた人たちは時間と空間を共有することで暗黙知を共有できた。しかし、暗黙知を形式知できなかったことが原因だと思う。

 部門が立ち上がった当時、周りの人と暗黙知を共有していた記憶がある。今、自分がなすべきことは、暗黙知の形式知化とそれを次世代に伝えること。

 あとは方法論かぁ。(^^;


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2017年9月20日 (水)

学習する組織 <現場に変化のタネをまく>

学習する組織 現場に変化のタネをまく 高間邦男 光文社

S

 組織改革について網羅的に書いてある。
風土改革に取り組んでいると、「そうそう」という内容がいたるところに出てくる。幅広く網羅的だから一人では考えが及ばないことがたくさんある。そして、難解なナントカ理論ではないので、分かり易い。

 「組織は変わらなくては」、「風土を変えなくては」と思った人は、チェンジ・エージェント(変革を推し進める伝道師的役割の人)になれる。
チェンジ・エージェント候補がまず困るのは、第一歩目は何から取り組めば良いの分からないことだ。相談する場があったり、自分の思いを発信する環境があれば、一歩目の敷居は低い。しかし、このような環境がなく、閉塞感が充満しているような環境では、第一歩目の敷居は限りなく高い。

 首尾よく第一歩目を踏み出せたとして、第2歩目も困ってしまう。
改革に取り組んだことがある人のアドバイスがあると心強いが、閉塞感が充満しているような環境では、チェンジ・エージェント経験者を見つけるのは難しい。

 この本は、2歩目を踏み出す助けとなると思う。
例えば、運良く現れた賛同者に「で、具体的に何をやるの?」と訊かれたときに、行動が提案できる。また、チェンジ・エージェントに足りないスキルが明確になるので、スキルを持った人を勧誘するなり、セミナーを受講するなりしてスキルを獲得することができる。

 しかし、この本は、ノウハウは書いてないから、具体策やノウハウを補う必要がある。
高間邦男氏のスタンスは、具体策とノウハウはコンサルを雇ってね。といういことだろう。

 ボトムアップ、ミドルアップの場合は、コンサルを雇うことができないことは多い。コンサルと契約するために何らかの結果を出さなくてはならないこともある。そんなときには、経験者を活動に引きこむのは有効だ、経験談(失敗談)を聴くだけでもずいぶん参考になる。

 経験者のアドバイスが得られないなら、本を読んでみるのも良い。
組織改革の概論ではなく、ノンフィクションや実話を基にしたフィクションが参考になるだろう。

 何かを変えようとしたとき、最も厄介なのは、賛同が得られないことではない。
厄介なのは抵抗勢力だ。抵抗勢力の中で、声高に反対する人よりも、影で足を引っ張る人よりも、善意で「止めた方がいい」とアドバイスしてくれる人が困る。

 抵抗勢力にどう対応するかは経験するしかないのだが、予備知識がないと心が折れてしまいかねない。予備知識があれば、思いどおりにいかない場合でもダメージを少なくできる。

 例えば、
オフサイト・ミーティングを開いたら、最初は愚痴や他部署の批判だったが、誰かが「愚痴ばかり言ってないで、建設的な議論をしよう」と言ったら全員の意識が変わった。というのは、ありがちな成功ストーリーだが、そんな絵に描いたようにうまくいかない。

 このように思いどおりにならない場合に、建設的な議論になるまで、愚痴大会や批判合戦を継続しようか、建設的な参加者を選えるようか、ミーティングのスタイルを変ようかと冷静に考えることができる。

 まとめ

 組織改革、風土改革って何?と思っている人や、いきなりチェンジ・エージェントを任された人が知識を得るにはとても良い。
 しかし、実際に、組織改革、風土改革のチェンジ・エージェントになろうとすると、具体論、具体策が必要になるので、書籍を読むとか、経験談を聞くとか、コンサルと契約するとか、知識を行動に移す方法を考えなくてはならない。


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2017年9月18日 (月)

iPhone バッテリー交換とクロネコポスト追跡

 娘のお古のiPhone5を使っている。最近充電時だけでなく使っているときも熱を持つようになってきた。そして、とうとう本体とガラスの間に隙間ができて、広がってきた。

Battery1

電池の寿命がきたようだ。半日くらいは使えなくはないのだが、交換することにした。

Battery

バッテリーを外してみると、かなり膨らんでいるようだ。

 ネットで探すとiPhoneの交換バッテリーはたくさん見つかる。交換バッテリーだけで良いのだが、たいてい交換用の工具付きで売っている。

 1つポチったらほどなくして配達されたので、さっそく交換してみた。

 ところが、起動しない。 (;_; 充電コードを繋ぐとリンゴループだ。

 端子の電圧を測ってみると電圧は出ている(3.9v)。いったん取り付けて、取り外した直後に測ると電圧が低い(2.2v)。バッテリーの不良なのか、単に充電不足なのか?

 販売店に連絡してみると、よくあるクレームなのだろうか、あれこれ言われることもなく交換してくれるという。ところが、入荷まで1週間必要なので、キャンセルも可能だという。しかも、不良品のバッテリーだけでなく、交換用工具も返品不要だという。返品されても手間が増えるということなのだろうか。

 結局、バッテリーは別の販売店から購入して交換した。

ところで。

 別の販売店は、14時までの注文は即日発送してくれた。 クロネコポストで発送したらしく追跡番号が送られてきた。

 追跡してみると、9/14 14:58に江戸川区の営業所に持ち込まれたらしい。これまでのパターンは夜中に千葉港配送センターに送られて、翌日配達というパターンだ。

 ところが、2日経過してもステータスが変わらない...
荷物が迷子になっているんじゃないだろうかと心配になって、確認してみようと思っていたら、届いた。

 でも、配達された後でもステータスは変わっていない。

Nekopost

追跡できていないじゃないか。データの管理ができていないのか?

 最近クロネコさんはゴタゴタ続きだけど、大丈夫かな?。


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2017年9月16日 (土)

RPA革命の衝激 

RPA革命の衝激

Rpa

 AI・人口知能Expo2017に出展していた。「AI・人工知能EXPO(2017/7/2)
展示会は人が多すぎて、落ち着いて話も聞けない状況だったので、ブースに山積みしてあった本を読んでみた。

 RPA(Robotic Process Automation )は、簡単にいうと、ソフトウェア・ロボットを使って定型作業を自動化しましょうということのようだ。

 AIを利用すると、人しか判断できなかったことが判断できるようになるという。何回か人間がお手本を見せるとあとはロボットが人間のように判断して作業してくれるようになるそうだ。

 システムの出力を人間がコピペで他のシステムに入力しているような、非効率な処理は多い。今時人件費が一番高いから、なるべく非効率な人手の処理はなくしたいが、どうしても残ってしまう。 さらに、人件費はタダと思っているヤカラが繁殖していると、人力のコピペ作業がそこらじゅうにある。残っているというレベルではない...(^^;

 この非効率な手作業をを代行してくれる、コピペロボットがいるならお願いしたい仕事はたくさんある。

 しかし、ウチでは無理だろう。

 非効率でもいいから新しいシステムを作りたいヤカラはたくさんいるけど、現状の非効率を解消しようという人はいない。いたとしても、コピペロボットを導入すると、モラルハザードが進行してますます非効率なシステムが増殖してしまう。

 困るのは、ユーザーに非効率を平気で求めることだ。 WLBというならば、金をかけて非効率を解消すれば良いものを、非効率は改善せずに労働時間を減らすことを求める。


 展示会などでいろいろな人に聞いてみると、「いや~まだまだ使い物にならないんですよ」という人や、Softbank BrainのようにAI+既存システム+RPAを実用化している例もある。

(2017/08/04)


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2017年9月14日 (木)

相談対応 <真意を聴きだす>

 現場からの問い合わせの電話が、隣の部署から転送されて来た。今の職場は、現場から遠く、現場のニーズを掴み難いので問い合わせの電話は現場のニーズを掴む良い機会だ。

 ところが、その質問はざっくりしていて要領を得ない。質問する側も何が聞きたいか整理ができていないようだ。質問がボンヤリしているからドンピシャの担当部署が見つからなくて転送されて来たのだろう。

◯◯の知見はありますか?や
◯◯の問題を解決したことはありますか?
のように、本当に聞きたいことは何なのか真意を計りかねるような質問だ。

◯◯の問題を解決したことはありますか?
のような質問は厄介だ。

 真意は「◯◯の問題を解決して欲しい」場合と、「解決できないと言って欲しい」場合がある。 前者は、遠回しに問題の解決を依頼している。ストレートには頼み難いのだろう。日本人的奥ゆかしさだ。 後者は、質問者がやりたくなくて上司などを説得する際の権威づけに使用したいのだ。はっきり言って勘弁して欲しい。

 真意が分からなければ、聞き出せば良いのだが、真意を確認せず相手の問いに答えてしまうことがある。隣の部署も真意を聞き出せたらほとんど答えられるのだろうが、真意を確認せずに質問に忠実に答えようとするから、よその部署に回してしまうのだろう。典型的なタライ回しというやつだ。

 やり取りを聞きながら、マネジャの視点で考えた

  • 対応した者のコミュニケーション能力の問題
  • 対応した者や職場の仕事に対する姿勢
  • 相談に対する職場のスタンス

〇コミュニケーション能力の問題

 顧客の真の要望を聞き出したり理解するにはコミュニケーション能力が必要だ。

 営業職は顧客の要望を聞き出すのが仕事だから、コミュニケーション能力がなければ仕事にならない。問題は技術職だ。

 技術職が全員コミュニケーション能力が無いというわけではない。営業職と違うのは、コミュニケーション能力が足りなくても仕事ができるということだ。そして、技術力の向上を優先しまい、コミュニケーション能力の獲得や向上は後回しになる。

 技術職は相談に対して口頭試問のように質問されたことに素直かつ全力で答えてしまう人が多い。真意は別にあることに思いが及ばない人が多い。 

 マネジメントするようになると自分のコミュニケーション能力不足に気が付く。先天的にコミュニケーション能力が不足している場合には、工夫が必要だ。

〇仕事に対する姿勢

 本来業務ではなく「しなればならない」とも「してはならない」とも明示されていないような仕事にを積極的に自分の仕事とするのか、それとも可能な限り避けるのか、
また、問い合わせた人のために最大の労力をかけるのか、最小の労力ですませるのかなど、どのような姿勢で仕事をしているのかで対応は大きく異なる。

 最小限の労力で済ませる人は、相談対応には向いていない。
他人の行動様式を変えるのは困難だから、相談対応担当にしないとか、自ら希望しないことが重要だと思う。相談した人が迷惑だから。

〇職場のスタンス

 職場(所属)としての相談に対するスタンスを明確にする必要がある。
例えば顧客でない人からの相談や相談に答えることが成果でない場合は、相談に対応することはリソースのロスになるので対応しない方が良い。もっとも、礼を失さない最低限の配慮は必要だ。対応できる部署を紹介するなどは最低限の対応だろう。
逆に、相談相手が顧客であったり、相談に答えることが成果になるのであれば、十分な対応を行うのは当然だ。

 職場のスタンスが徹底されていないと人によって対応が異なる。相談した人は、前回は親切に対応してくれたのに、今回はタライ回しにされたなど戸惑うことになる。戸惑いは往々にして怒りに変わる。

職場(所属)として相談に対応するときに考えなければならないことは、

  • 対応者のコミュニケーション能力
     全員が対応する可能性があるならコミュニケーション能力を向上させる必要があるだろう。コミュニケーション能力がある者が相談者とのやり取りを行い、回答に必要な調査、回答案は全員が対応するという方法もある。
     コミュニケーション能力を補う仕組みは重要である。緊急的にはコミュニケーション能力が足りない者に対応させないことが必要かもしれない。
     
  • 対応の標準化
     誰が対応しても過不足がない対応にするためには仕組みが必要だ。
     チェックシートを利用する。マネジャが回答案をチェックする。データベースを作るなど、マネジャがメンバーに口頭で指示すれば良いものから、予算をとってシステムを導入するものまで方法はたくさんある。
     具体的にどのような方法を選択するのかはマネジャが考えなければならない。
     
  • 業務改善
     相談を業務に活用するために相談内容や対応を関係部署に周知する。
     簡単そうで意外と難しい。縦割りの壁や組織風土が妨げになる。指示されたこと以外の行動は減点対象になるという風土があると、参考情報を連絡するのも半端ない労力が必要だ。オヤジが好きなホウレンソウの「連」なのだが。

 これまで相談に対応する側のだったので、対応の標準化はいろいろやった。データベースを作ってみたり、チェックする仕組みを作ってみたり。それに比べて、マネジャ観点のコミュニケーション能力向上と業務改善の観点が足りないことが分かった。

 マネジャの観点としては、こと細かく口を出すとマイクロマネジメントになり、本質的な目的や成果が意識されなくなる。かと言って、ざっくり過ぎるとやはり本質的な目的や成果が意識されなくなるから難しい。

  • 自分や部署の知見を誰かのために使うと、その連鎖が巡り巡って顧客に届く。
  • 相談に対応すると新たな発見があり、それを蓄積すれば再利用できる。

 行間や場の空気が読めない性格で、しかも話しながら考えることが苦手だ。相手の言葉は額面どおり受け取る(素直な^^)性格だから、相談者の真意を理解することが難しい。
 それでも、仕組みを創ったり、あらかじめ対応を準備しておけば、それなりの対応ができるのではないかと思う。


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2017年9月12日 (火)

ガイアの夜明け <キリン炎上>

キリンビール社員の飲み会映像に激しい反発 「だからアサヒに勝てない」とネットで非難轟轟 JCASTニュース 2017/9/ 7

2017年9月5日放送の「ガイアの夜明け」は見た。昭和的だと思ったら案の定ネットで炎上しているらしい。

 J-CASTニュースはキリンの広報にインタビューしたらしいが、ありきたりの回答だ。

 放送される内容は不祥事ではないからキリンの広報は予めチェックしているのではないか。パワハラやアルハラに敏感なご時世だから、広報が気がつかないはずはないだろう。それでも放送を許可したということは、「飲みニケーションが重要」というキリンのメッセージなのだろう。

 ネットで、叩く年代はビールを飲まないという読みもあるのだろうか?。

 多くの小売には、昭和的な営業が有効だから、「ビジネスライクではなく泥臭く売ります」という小売店へのメッセージだろうか。

 それとも、「昭和式飲みにケーションができる人を募集しています」という就活学生へのメッセージだろうか。 万年2位と揶揄される体質を変えるには、「ビールは飲みません」「飲みニケーションには参加しません」という新人ではだめだというメッセージなのか?

 ところで、説教している年代はアサヒに逆転された年代、逆転されてもまだ大丈夫と思っていた年代ではないだろうか。説教されていた年代からすると「お前らが言うか!!」なことは事実だ。


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2017年9月10日 (日)

ググれカス <ググったらカス>

「知識を手に入れるための知識」がない人にとって、Google検索はあまりにも難しい。 熊代 亨2017/6/2

 「ググれカス」から「ググったらカス」になっているというもの。

 すぐに他人に質問する人は「ググれカス」と言われる。「まず自分で調べろ」という意味だ。

 以前はgoogleで検索すると、比較的容易に目的の情報を見つけることができた。 googleはロボットで収集した情報を独自の順位をつけて表示するしくみだから、googleの順位を信用して順位が高い順に情報を精査するのは良い方法だった。

 検索結果にユーザと関連が深い広告を表示し、広告収入を得るのがgoogleのビジネスモデルだったが、最近は、自サイトを検索上位に表示させるテクニックが商売になる時代になってきた。 googleは恣意的でなくても、検索される側が恣意的に検索結果上位に表示させる工夫をしているから、ユーザにとって検索結果は恣意的だ。

 つまり、googleの検索結果で順位が高い情報にはノイズが多く、「ググったらカス」が表示されるというわけだ。

 複数の検索キーワードを指定するなどの方法でノイズを減らさなければ、目的の情報にたどり着けないようになった。つまり、「知識を手に入れるための知識」が必要になっているということらしい。

 「知識を手に入れるための知識」に自信が無い人は、いっそ情報源をGoogleやインターネットに頼らず、図書館や書店に通ったり、新聞やテレビといったマスメディアに頼ったりしたほうが良いのかもしれません。

は笑えない冗談だが、「ググる方法」は今や情報リテラシーなのかもしれない。

 ググる(2016/07/29)や 「ググる」の功罪(2016/07/04)で書いたように、googleは大量のデータからキーワードに対する検索結果を表示してくれるサービスであって、ユーザが欲しい情報を見つけてくれるものではない、ましてや自分にない知識を教えてくれるものではない。googleは機械であって先生ではないのだ。

 googleは強力な機械だから、この機械を使う方法を知らなければならないということだ。
簡単な方法は、検索結果をコピペせず自分の頭で解釈して使うことだ。これだけでgoogleという機械が使えるようになる。



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2017年9月 8日 (金)

デジタルが全てを破壊したフォントのはなし <変化できないものは消え去る>

デジタルが全てを破壊したフォントのはなし。 PRETTZ MAGAZINE 2017年7月29日

 文章にはその内容と見え方(版組)がある。
昔LaTeXを使っていたころ、TeXを使うメリットとして「内容」と「版組」の分離はよく言われていた。 それまでは一太郎を使っていたので考えたことがなかった。

 さらに、ユーザがフォントを選べるようになって初めて、デジタル・データ化された符号としての文字と人間が視認できる文字の姿形の違いを認識した。

文章が

 文章 = 内容 + フォント + 版組

とすると、いわゆるデジタル化により、デジタル・データ化し易い「内容」を媒介する媒体は紙からNETや電磁的記録媒体に変わり、「見え方」も印刷から電気的なディスプレイに変わった。

デザイン業界の人は

文章 = 内容 + (フォント + 版組)←分離不可

と思っている人が多かったわけだ。

だから、

デジタルの戦いに背を向けた写研と、真っ向から向かい合ったモリサワ。

デザイン業界にいる人はこのような対立軸に感じるのだろう。

 もう少し違う観点で見ると、

 そもそも、普通の人々にとって「文章」を扱うときに不可欠なものは「内容」で、「フォント」や「版組」は必要最低限で良かったということではないだろうか。

 デジタル化しようと考えたときに、「内容」をデジタル化することのメリットの方が「フォント」や「版組」の「美しさ」より重要だったということだ。 もちろん、 内容のデジタル化<「フォント」や版組の美しさ という場面はあるだろう。そのような場合は、美しいフォントと職人技が必要になる。 逆に言うと、そのような場面でしか、美しいフォントと職人技は必要とされないということだ。

 つまり、デジタルの戦いというけれど実際は、

  • フォントと版組が分離できるか、できないか
  • フォントと版組の美しさを優先したか、内容のデジタル化を優先したか

の違いと観ることができる。 

 デザインには疎いので、 フォントと版組が本当に切り離せないのかは分からないのだが、歴史的に見ればCPUパワーは数々の不可能を可能にしてきた。

 「フォント」と「版組」が分離不可能で「内容」のデジタル化よりも重要であり続けるなら、写研のアプローチは正しいのだろう。 競合他社より「美しいフォント」「美しい版組技術」を持っていることは貴重な資産になるから、これらをデジタル化したフォントを公開しないという戦略は合理的だ。

 しかし、「内容」のデジタル化が重要であれば、競合他社より「美しいフォント」「美しい版組技術」を持っていることは貴重な資産にならないから、デジタル化したフォントを公開する戦略の方が合理的だ。

 デジタルが全てを破壊したわけではなく単に経営戦略の話ではないのかな?

 ルールや価値観が劇的に変わるのは、アナログ時代にもあったことだ、そして、変化に対応できない者は忘れられる定めもアナログ時代から変わらない。

閑話休題

 技術屋なので、美しい「版組」を実現する職人技の方に注目してしまう。

 既存のルールや価値観の中で成功しているものは、変化に追従できないことが多い。しかも、変化の兆しに気が付き警鐘を鳴らすものは異端児扱いされる。

 技術・技能を売りにしている場合も同じだ。技術的な優位性に捉われて、その技術・技能の必要性に目を向けないことがある。 いくら技術的に優位であっても、その技術・技能に必要性がなければ、あるいは、技術が低コストで代替できるなら、職業として成り立たなくなる。

 高い技術・技能を持っている者ほど、その事実を受け入れられない。その結果、記事中に引用されている、「 オレ達はオレ達のプライドに殺される」ことになる。

 「高度な〇〇」のような謎フレーズに惑わされてはならない。求められているのは〇〇の必要性だ。ここを見誤ると10年後にはお飯食い上げになる。

 変化の兆しに気が付いた者は異端児扱いされても警鐘を鳴らさなければならない。

 現在高い評価を得ている者(高度な〇〇を持っている者)には、 異端児が単に異端児なのか救世主なのかの判断はできないと思う。


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2017年9月 6日 (水)

はじめての課長の教科書

はじめての課長の教科書 ディスカヴァー・トゥエンティワン 酒井 穣

Photo

読んだのは2008年刊行の旧版ではなく2014年刊行の新版の電子書籍。
著者の名前に見覚えがあると思ったら、「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト(2012/12/19) の著者だった。

 旧版が書店に並んでいたころから見ていたが、いかにもHowTo本のようなタイトルなので敬遠していた。読んでみて、HowTo本には違いないが、奇をてらった裏技が書いてあるわけではない。いたって普通にやるべきことが説明してある。

 マネジャーになる前に読むと「へ~」で終わりそうな感じだから、マネジメントするようになって読んだのが良かったのかもしれない。

 「ミドルアップ・ミドルダウン(2017/07/30)」という言葉が引っかかって読んだ。

歴史的には

 組織拡大 → ミドル増大 → ミドル機能不全 → フラット化 → 失敗 → ミドル再認識

という流れなのだろう。

 「中間管理職無用論」とか「組織のフラット化」が流行ったのは1990年代だった。当時はフラット化した組織が理想に見えた。 しかし、結局上手くいかなかったのは、ソフトバンク孫社長のように末端から上がる膨大な情報を処理できるスーパー管理職はいなかったからだ。

 ピーターの法則によれば、階層構造の組織の各階層は無能レベルに達した管理職で占められているから、ミドルだけが無能というわけではない。当然経営層も大半が無能だ。

 無能といえどもフィルタリングくらいの機能はあったミドルを排除すると、無能な経営層が大量の情報を処理し、意思決定して、目標管理までやらなくてはならない。

 このことは当時から指摘されていたように記憶しているけれど、深く考えないで「フラット化」に飛びついた経営層が沢山いたのだろう。

 そして歴史は繰り返す感はあるけれど、単に繰り返したのでは能がない。
20~30年前のように「機能不全ミドル」(失礼)ではなく能力があるミドルになれば階層型の組織のメリットが活かせるのだと思う。

閑話休題

 課長の8つのスキルに「オフサイト・ミーティングでチームの結束力を高める」があった。

 数年前からミドルマネジメントを集めてオフサイト・ミーティングを企画している。そこで目指していることが、「ミドルアップ・ミドルダウン」ということだった。

 現時点では「ミドルアップ・ミドルダウン」が有効に機能しているとは言い難いので、次回のオフサイト・ミーティングの参加者にはミドルアップしようと言ってみよう。

 そのためには、ミドルマネジメントが有能であることを示さなくてはならない。


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