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2012年6月14日 (木)

なぜマネージメントは壁につきあたるのか

なぜマネージメントは壁につきあたるのか 田坂広志 東洋経済新聞社
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余白
 田坂広志氏の書籍を読むと文字が少なく余白が多いと感じる。しかし、内容が薄いというわけではなく、むしろ濃い。
 欧米の書籍は、自説を補強するための事実や引用が多い。カーネギーの「人を動かす」も、「あなたがリーダーに変わるとき」もそうだ。そこまで、くどく引用しなくてもと、ちょっと辟易してしまう。
 一方、田坂氏は明快だ。自説を最小限の言葉で伝えようとする姿勢が伝わる。余白は、読者にみずから考えよというメッセージか。
 多民族であるが故に、常識、人生観、価値観が異なる他人に伝えるためには自説だけでなく自説を補強する事実を示さなければ伝わらない民族と、常識、価値観を共有しているが故に、多くを語る必要のない日本人の差であろう。

成長の場
 第11講 なぜ「教育」しても部下が育たないのか? 「成長の場」ということ
から引用すると。

「成長の場」ということを考えるとき、マネージャーが絶対に忘れてはならない条件があるのです。

それは、「空気」という条件です。

組織には、「メンバーを成長させる空気」というものがあるのです。
そして、我々マネージャーが、部下の成長を支えたいと願うならば、職場に、その「空気」を生み出すことができるかが問われるのです。

空気の教育で外山滋比古先生が、「好きなこと」だけで生き抜く力で宮脇氏が述べているように、人を育てるには「空気」や「場」が必要ということである。そして、「空気」が生まれる条件として田坂氏は次のように述べている。

  • マネージャー自信が、成長すること。
  • マネージャー自身が、成長し続けること。
  • マネージャー自身が、成長したいと願い続けること。

更に、

マネージャーに求められるものは、一人の上司として部下に「何を教えるか」ではありません。
マネージャーに求められるものは、一人のビジネスマンとして自分が「何を学ぼうとしているか」です。

つまり、「場」を作り「空気」を生むのはマネージャーであり、新人の教育は現場の担当に任せ、マネージャーは適宜報告を受けておけば良いという姿勢では人材は育たない。

暗黙知
 今や、人材育成はマネージャーに課された大きな課題である。
部下がどのような人材に成長してほしいかを考えるとき、答えは簡単だ。「マネージャーを越える人材に育ってほしい。」である。
 マネージャーを越えるためには、自ら成長できる人材になることが必要である。部下が自ら成長できるようになれば、マネージャーを越えることが可能で、将来訪れる困難な問題も解決できるだろう。
 自ら成長する方法は暗黙知が占める割合が多いので形式知、言語知にすることは困難である。人材育成はマネ―ジャー自身が、いかに暗黙知を得て、いかに暗黙知を伝えるかということであるが、暗黙知を伝える方法もまた暗黙知であるから明文化された「暗黙知を伝える手法」(マニュアル)は無い。
 では、部下を育てるためにどうするか?マネージャー自身が暗黙知を得る課程を育てようとする部下に見せること以外には無い。

 今現在どんなに高いスキルを持っていようが、どんなに高い地位にいようが、成長が止まったマネージャーは人材を育成することはできないのである。

一人考える
 頭の良い人たちは、人材育成の普遍的な方法があると勘違いしているのか安易に「人材育成」を口にする。
人材育成=自らの成長 と考えれば、相当の覚悟が必要なことは自明なのだが。

 人材育成には、組織を構成する者がいかに行動すべきかという組織の理念が重要である。その理念が脇に置かれ人材育成の手法だけが議論されてはならない。

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