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2012年12月 3日 (月)

技術の伝承

空気の教育(2012/3/3) で技術の伝承について書いたが、身近に好対照の事例があった。

 とある部署では、未経験者が配属されたとしても手取り足取り教えるわけではない。当然即戦力にはならないが1年が経過する頃にはちゃんと仕事ができるようになったそうだ。
その新人君が言うには、「最初は何をやればよいか、何を聞いてよいか分からなかったが、やることは自分で考えて見つけ、質問する前に自分で考えてから質問するようにした」のだそうだ。
 周りには技術を持った上司・先輩がいるのだが彼らは積極的には教えない。聞かれたら教える程度で、困っているとちょっとしたアドバイスをするくらいだ。

 とある部署では、若年者を集めて何回か講習を行ったが、効果が見えるようにならないらしい。原因は、現場の業務が忙しく講習の後で復習することができないことや、そもそも受講者にやる気がないとマネージャーは言っているようだ。

 後者の問題点は、その職場には、「日常業務が忙しいなら技術の習得ができないとしても仕方がない。」という雰囲気が上司や部下の間にあることではないかと思う。
 技術の習得や自己の成長に対する優先度が低いことが許される「空気」であり、ましてや、「日常業務が忙しいなら休日にでもやらなければ*1」という「空気」ではないのであろう。

 技術を伝えられる側の姿勢の問題はあるが、能力に大きな差は無いように(特に学歴と技術の習得能力との相関は無いように)感じる。
あるのは、自発的な前者と、受動的な後者との差、自発的な行動を促す前者の周囲と業務多忙という言い訳を許す後者の周囲との差である。

 もう何年も前から若い人達が受ける研修で話す時間をもっている。
 もう少し若かった頃は、自分が持っている知識や技術を後輩たちに伝えなければと思っていたのだが、ある日気がついた。自分が持っている技術は既に古い、または5年後には古くなるのではないかと。
であれば、伝えるべきは、自分が持っている知識・技術ではなく、知識の学び方や”技術を修得する”技術ではないだろうかと考えるようになった。

 聞いている人達は大変だと思う。
個別の具体的な技術の話は、分かりやすい(理解できるかどうかは別として)が、”知識を学習するための”知識や、”技術を習得するための”技術についての話は抽象的になりやすく分かり難い。かといって、体験談は年寄りの昔話になるので、しらふでは聞きたくないだろう。(酒の席ではもっと聞きたくないか ^^;)

 研修で話す程度で彼らの職場の空気を作れるわけではないのだけど、彼らの職場が悪い空気に満ちた時でも彼らがダークサイドに堕ちないための”何か”を感じてもらえたらと思っている。


*1”時間外であること”が重要ではなく”自発的に学習すること”が重要という意味。
  日常業務を時間外まで行っている職場では技術の伝承は困難。

 

 

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