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2013年9月 8日 (日)

官僚的組織と意思決定

死の淵を見た男 門田 隆将 PHP研究所(2013/8/21)」を読んで、官僚的組織と意思決定について考えた。

官僚的組織と意思決定

 日本型階層組織(官僚的組織)の特徴は、権限と意思決定が分離していながらそれなりに機能しているところである。

 ワンマンなリーダやフラットな組織のリーダは権限を持ち意思決定を行っているけれど、日本型階層組織では、実は意思決定は部下が行っていることが多い。たまに複数案を提示することはあるが大方の方向は決まっていることが多く、権限を持つ者は部下の意思決定に誘導されている。

 権限を持っている者は、予め意思決定された事項を追認しているだけであって、組織の運営について意思決定するのではなく、自分が責任を取れるか取れないかという観点で意思決定していることがほとんどである。

 このような組織では、権限を持った者全員の承認を得るための儀式(スタンプラリーともいう)が必要なので、組織としての意思決定が遅くなる。これはよく指摘されている。

  このような組織が機能しないかというと、現場に有能な者がいればちゃんと機能する。

緊急時においては

 リーダが権限と意思決定を行っている組織において、緊急時にリーダが不在またはリーダが機能不全に陥るとその組織全体が烏合の衆と化す。
 しかし、権限と意思決定が分離している組織は、現場にいる有能な人材が適切な意思決定を行い、組織として機能不全になることがない。

 日本型階層組織においては、ピーターの法則のとおり各階層は無能な人材で埋められていて、有能な人材は能力に対して低い階層にいることが多いので、緊急時には、権限を持った者の承認を得ないで現場の有能な人材が自律的に意思決定することが可能だ。

福島原発事故においては

 福島原発事故はこれまでない規模になったが、結果的に致命的な状態を回避できたのは、現場で上の指示に依らず自律的に行動した人達がいたからである。(結果論)

 当事者に対するインタビューによれば、東電本社、原子力保安院、官邸は意思決定すべきトップが正しい意思決定できる組織ではなかったようである。

 一方、現場では東電本社や官邸の命令に従わず、所長が意思決定しで海水を注入したことで結果的に最悪の被害を回避したわけである。

今後の組織

 官僚的日本型階層社会は機能不全に陥っていると指摘されて久しいが、現場に自律的に動ける人材がいる組織は緊急時においても機能が失われるわけではない。
 この点については、もっと検討されてもよいのではないかと思う。

 旧来の上意下達的で融通のきかない硬い結合の組織から、目標を共有し自律的に行動する緩い結合の組織に変えられないものか。

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 と書いた後で、昭和史1926-1945 半藤一利 平凡社ライブラリ を読んだら。↑の考察は不十分だと思う。

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