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2016年8月 2日 (火)

エンジニア、テクノロジスト、テクニシャン

 日本人は技術に携わる人を技術者と一括りにするけれど、欧米では、エンジニア、テクノロジスト、テクニシャンに区別している。

 エンジニア、テクノロジスト、テクニシャンの違いは、このブログの「技術者になること(2014/01/16)」や金沢工業大学の「技術者と技能者」のページにある。

 また、おちさんのブログ「エンジニアとテクニシャンあるいは技術屋と職人の違い」でおちさんは、

  • エンジニア  : アイディアから設計図をデザインできる人
  • テクニシャン : 設計図から現物を作る人

だという。これは分かりやすい。

 第2代会長の大橋秀雄氏が書かれた「企業の方々への
JABEE認定プログラム修了生
活用のお願い
」に定義があって、

国際舞台でEngineeringに関する議論をするとき、我々日本人が先ず戸惑うのは言葉の意味付けです。日本で技術者というと、それには現場の作業者から設計技術者・開発研究者までさまざまな役割の人が含まれており、人によって頭に描くイメージはさまざまです。欧米でもこのように混乱した時代がありましたが、現在では次のように定義が固まってきました。技術を担うもの (engineering practitioner)は、知識の応用と構想力を中核能力とするエンジニアengineer、技能を中核能力とするテクニシャン technician、両者の中間的性格をもつテクノロジストtechnologistの三つの職務に分類されます。中核能力の違いに応じてそれに必要な基礎教育期間も異なり、中等教育終了後エンジニアには4年以上、テクノロジストには3年以上、テクニシャンには2年以上の専門教育が求められます。簡単にいえばエンジニアは工学系の学士課程、テクノロジストは工業高等専門学校、テクニシャンは技能訓練学校の修了者と考えればよいでしょう。

とある。つまり、エンジニア、テクノロジスト、テクニシャンの定義は、

  • エンジニア(engineer)           : 知識の応用と構想力を中核能力とする
  • テクニシャン( technician)     : 技能を中核能力とする
  • テクノロジスト(technologist)  : 両者の中間的性格をもつ

だ。

この図↓が分かりやすい。

(https://www.ieice.org/jpn/jabee/siryo2_image/image001.gif)
「技術者教育認定制度が目指すもの」大橋秀雄(https://www.ieice.org/jpn/jabee/siryo2-1.html)

つまり、技術者は知識ベース、技能者はスキルベースということだ。

 欧米は理学と工学は区別されるけど、日本では理工と一括りにされるから、技術者と技能者も区別されないのだろう。

 以前ウチに研修に来たアメリカ人に「engineerとtechnicianの違いってなに?」って聞いてみたら「学歴の差かな」って言ってた。

 JABEEのページにもあるように

  • エンジニアは工学系の学士課程
  • テクノロジストは工業高等専門学校
  • テクニシャンは技能訓練学校

の修了者だから、あながち学歴というのは間違っていないけど、当然ながら学校を出ただけで、エンジンア、テクノロジスト、テクニシャンを名乗れるわけではない。

閑話休題

 ウチの職場はテクノロジストがベストだけど、テクニシャンも必要だ。 つまり、知識ベースではなく、スキルベースの技能が不可欠だ。

 ところが、エンジニアになろう(なれる)と思ってた人は、知識ベースの仕事をしてしまう。 テクノロジストやテクニシャンは知っているだけではメシは食えない。できなければ商売にならない。

 エンジニアで雇ってもらえなかったからテクノロジストやテクニシャンでいいやと考えて職を選んだ人がいるような気がする。 このような人は知識ベースでテクノロジストやテクニシャンの仕事をやろうとするから、使えない技術者モドキになってしまう。

 「テクノロジストやテクニシャンは技能ベースの仕事である。」学校の先生は、ここのところを教えておいてほしいと思う。



  • 科学、技術、技術者、技能者の図へのリンクが切れたので修正(2018/03/09)

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コメント

学士レベルの基礎教育ではなく、工学士レベルの基礎教育と記載すべきです。
日本の大学教育は学部学科の区別がついていない大卒と言っても理系と文系でレベルが違いすぎます。
文系学士は理系の高卒レベルでなく中卒レベルです。

匿名さんコメントありがとうございます。
今の日本で学歴は「その学校に入学したことがある」という意味で、学士は「勉強したことがある」という意味でしょう。
今もこれから先も重要なことは、その人にどのような価値があるのかだと思います。
30年以上働いてきて感じるのは、理系か文系とか大卒とか中卒とかは人の評価にはあまり関係ないということですかね。 ^^)

>文系学士は理系の高卒レベルでなく中卒レベルです。
そういう偏った見方はどうかと思いますねー。「自分のほうが理系ですごいのに、文系のあいつのほうが地位は上で許せない!」と言っているようにしか見えません。

匿名さんコメントありがとうございます。

理系トップはなぜダメなのか (2012/06/28)
http://yoshi-s.cocolog-nifty.com/cpu/2012/06/post-353f.html
にも書いたのですが理系vs文系の議論は血液型性格占いのようなもので、ステレオタイプの思い込みだと思います。

この記事は、日本では技術者と一括りにされるけど、知識ベースの技術者と技能ベースの技能者に分かれていて、今後両方を併せ持ったテクノロジストが必要となる。そのためには技能が重要という、長く現場にいて考えていたことを書きました。

長く働いていると、理系でも文系でも体育会系でも関係なくて、仕事ができるかできないか、人が良いか悪いかが重要になりますね。

わかりやすい説明をありがとうございます。
私は某国立大学の研究所の元技官の技術職員ですが、昔から
君はTechnician だから、実験施設に24時間常駐し、建物の掃除、修理、洗濯、装置の操作を装置、建物からひと時も離れず、行わなければならない。それなのに、君は毎日、9時(午後)くらいに帰って、一体どういうつもりや!(もちろん残業はしていないことになっていました。)」と複数の教官に言われ続け、比較的最近でも、某教員に「技術職員(私は大卒、公務員試験二種採用試験合格です。)はTechnicianとは違う(大学の英訳表にもTechnicianは技能職員と訳されている。)と言ったところ、「何を言っているんや!僕は、ちゃんと英語の辞書を引いて調べたけど、Technicianは技術職員、技官となっていた。」と言っていたので、「大学の英訳表にもTechnicianは技能職員というふうに載っています。」と言ったところ「それは大学の事務職員が、英語力が低いもんやから、間違えてるだけや!僕も、今まで大学の事務職員の学力の低さで、どれだけ泣かされたかっ!」と吐き捨てるように言っていました。
日ごろから、自分が言ったことや、勝手に考えたことは真実だと思っているような先生なので、今更何言っても無駄とはわかっています(泣きたかったのは大学の事務職員のほうだろ。)。
因みに、いろんな書店に行く度に、店員の目を気にしながら、いろんな出版社の英語の辞書を引いてみましたが、Technicianを技術職員、または技官と訳しているものは、いまだ発見できていません。
図書館でも調べてみましたが、出版年が1950年代のものに「技術者」という訳が、かろうじてありました。
比較的最近の辞書には、少し”技術”と”技能”の区分がされてきたせいかどうか”Technician”のところに”技術”という言葉は記されていないものが多いことがわかりました。
因みに、十数年前から、うちの大学でも法人化後、出退勤システムなるものが出来、残業をごまかすのが難しくなったので、18:00過ぎには帰れるようになり、残業手当も出るようになって、昔に比べれば天国です。
”理系猿”という種類のサルも生息しているところなので、面白いです。
参考まで。

のらえもんさんコメントありがとうございます。

大変な職場ですね。お察しします。

研究所、研究室の仕事はよく知らないのですが、技能者だから雑用をやらなければならないというのは変ですね。技能者を示すTechnicianではなく「テクニシャン」という職種でしょうか。

私も技官だったことがあるのですが、技官という官職には技術職と技能職がありますね。行政職俸給表(二)が適用される職は技能職ですが、行政職俸給表(一)でも職務の内容は技術が求められる職、技能が求められる職、事務職があったように思います。

呼び方に拘るのは意味がないと思います。呼び方を変えても目の前の仕事が変わるわけではないので。

欧米ではpositionが固定されているので経歴書にengineerと書くかtechnicianと書くかは重要なのでしょうが、日本では、技術も技能も区別しないし、移動できるので拘らないのでしょう。 拘らない代わりに、求められているものが「知識の応用」なのか「技能」なのかを意識しないで働いている人は多いように感じます。

私が働いていたIT分野の部署では、学校で何を学んだかより、今何ができて、何を学んでいるかが重要で、最も評価が高いのは「知識の応用」も「技能」もレベルが高いテクノロジストでした。(JABEEの定義ではなくドラッカー先生のいうテクノロジスト)

「技能」より「知識の応用」の方が価値が高いのではなく、代替できない技能を持っている人、、代替できない知識の応用ができる人が価値が高いのだと思います。

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