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2016年8月16日 (火)

工学系卒業生のキャリア形成(下)

工学系卒業生のキャリア形成(下) 工学系卒業者の誰が「優れたマネージャー」になるのか  産学官連携ジャーナル 2008年6月号 濱中 淳子

 ちょっと古い記事だけど面白いデータがあった。産学官連携ジャーナル 2008年4月号から6月号に連載された濱中淳子氏の記事だ。

 連載の最後は大学教育とその後マネジャーになる人との関係だ。

 役職とは関係なく自分の仕事を「マネジメント業務」だと回答した者の比率は、

  • 年齢を経るにつれて高くなる。
  • 旧帝大クラス大学院重点化大学>地方国立大学>私立単科大学

という傾向があるらしい。

 マネジャになる要因として年齢は理解し易いが、出身の大学も関係するらしい。調査結果では、A大学26.9%>地方国立B大学24.3%、C大学23.9%>私立単科D大学20.6%、E大学20.3% らしい。

ところが、業績について調査してみると、

この小論の目的から指摘しておくべきなのは、業績区分と年齢、あるいは出身大学との間には、なんら関係が見いだされないということだろう。先に、「マネージャーになる/ならない」については、年齢および出身大学の影響があると述べた。けれども、いったんマネージャーになった後の業績は、年齢や出身大学では決まらない。経験を積んだからといって優秀なマネージャーになるわけではないし、大学院重点化大学出身だからといってマネージャーとしての業績が優れているというわけではないのである。

 出身の大学間で有意な差はみとめられなかったらしい。 では、マネジャとしての業績に関係が深い要因は何かというと、

技術者の場合、効果があるのは、専門の授業、研究室教育、そしてアルバイト活動。やはり専門を仕事とする者の場合、研究室のみならず、専門の授業に対する熱心さもその後の業績につながっているようだ。

だがここで見方を変えれば、マネージャーだろうが、技術者だろうが、将来の業績向上につながる有効な学習機会は論文執筆だということになる。

 つまり、学生時代の論文執筆がその後の技術者やマネジャーとしての業績に影響が大きいということらしい。 マネジメントは個人の適性や職業経験などの要因の影響が大きいと思っていたので、学生時代の論文執筆がマネジャーの業績に影響するのは意外だ。 採用時の面接で、どんな論文を書いたか聞いてみるのもよいかもしれない。

 マネジャとしての業績は、年齢や出身大学では決まらないということは、感覚的には多くの人が感じていることだ。

 しかし、古い体質の組織では、先入観という手強いバイアスがかかっている。このバイアスのおかげで、業績が上げられないマネジャが増える。 また、古い体質の組織では、役職とマネジメントが分離できないことも業績が上げられないマネジャが増える原因ではないだろうか。


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