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2016年10月21日 (金)

Linuxの革命 <ハッカー倫理とネット社会の精神>

Linuxの革命 -ハッカー倫理とネット社会の精神- ペッカ・ヒマネン リーナス・トーヴァルズ マニュエル・カステル 河出書房新社

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 「Hacker Ethic」の翻訳本。なぜか邦題は「Linuxの革命」 Linusが書いているのはプロローグだけだけどタイトルにLinuxを入れないと売れないと思ったんだろうね。まあ「ハッカー倫理」では売れそうにない。

 マスコミの無知が原因でHackerの意味が間違って広まってしまったことは、ペッカ・ヒマネン氏が指摘するとおりだ。

 最近のWhiteHackerという言い方には違和感を感じる。EticalHackerに至っては違和感を通り過ぎて腹立たしささえ感じる。

 もともとHackerには善悪の意味は含まれていないので、善悪を意味するWhite/Blackを付けるのは間違ってはいない。(いわゆるBrackHackerはCrackerというのだけれど、Crackerは広まっていない。)

 Hackerは反権力主義の人が多いから、権力主義の人にとってHackerは悪のイメージがあるのではないだろうか。 また、EticalHackerとわざわざEticalを付けるのは、一般的なHackerは、倫理的でないと思っているからだろう。

 HackerにはHackerの倫理がある。倫理は人それぞれだし、国、民族、企業、職業など集合体ごとに存在するものだ。Hackerが倫理的でないと考えている人は、自分の倫理こそが正義だと考えている原理主義的な人達で、自分とは異なる倫理を認められない人達ではないだろうか。

 ペッカ・ヒマネン氏は、Hackerの労働倫理をプロテスタント的労働倫理と比較して説明している。 「プロテスタント的労働倫理」はいかにも欧米的で、キリスト教由来の倫理に基づいている。

 つまり、ペッカ・ヒネマン氏のHackerの労働倫理に関する考察はキリスト教由来の倫理から始まり、これと対比することで理解しようという試みだ。では、キリスト教由来の倫理を持たない民族にはHackerの労働倫理がないのだろうか?

 Hackerの労働倫理は、プロテスタント的労働倫理との対立として存在しているのではなく、もっと普遍的に存在するのではないだろうか。例えば、Hackerは日本にも存在し、同じようなHackerの労働倫理も存在する。それは、ペッカ・ヒネマン氏が述べているプロテスタント的労働倫理との対立で存在しているわけではない。

 Hackerという言葉はもともとMITから始まり、ネット社会の期限も米国だから、欧米の価値観でHackerを考えるのは仕方ないのかもしれないけれど、Hackerはもっと普遍的だと思う。

 訳者の一人山形浩生氏が書いた、
Hacker Ethic 訳者(のひとり)による解説 (無削除完全版) (http://cruel.org/books/hackethicnote.html)

を読むとよくわかる。

閑話休題

 HackerにはHackerの倫理があるけれど、数ある倫理のうちの一つに過ぎない。当然ながら、他の倫理と衝突することもあるだろう。しかし、この衝突は、技術者倫理が企業倫理と衝突するのと変わらない。

 Hackerは反権力主義者が多いから、企業倫理と衝突することが多いかもしれない。だからと言って、Hacker即ち悪ではない。

Hacker倫理と企業倫理との衝突の例は、

を読むとよくわかる。

 マスコミはハッカーという言葉を使わないでほしいと思う。

 高度な技術を持つ技術者は、わざわざHackerと呼ばず「高度技術者」とでも呼ぶほうが、正確に伝わるのではないだろうか。

 多くの読者は、「高度技術者」が反権力主義者であろうとオタクであろうと関係はない。また、多くの記事が伝えたいことも、「高度技術者」が反権力主義者であろうがオタクであろうが関係ない。 ならば、「高度技術者」と伝えれば良いではないか。

 名刺の肩書きがHackerだったら別だけど:p もっとも本者のHackerは自らHackerと名乗ったりしないけどね。


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