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2017年6月14日 (水)

ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人

ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人 荒井玲子 技評SE新書

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 ソフトウェア開発だけではなく、技術職一般に言えることではないだろうか。

  • 抽象概念を持っていない技術者は、自分が過去に経験したのとまったく同じ状況まったく同じ現象についてのみ経験を活かすことができるのに対して、抽象概念を持っている技術者は、未知の現象についても経験を活かすことができる
  • 日本語は曖昧な言語ではなく、曖昧なのは自分の思考の方だと考えるべき。
  • 「目標を達成しよう」と行動をおこすと、不思議なことに、自分に適した仕事、やりたい仕事がまわってくる。

は、技術職として働いたことがある人なら経験があるのではないだろうか。

 荒井玲子氏はトレーニングに携わっておられるからだろう。

「教育すればなんとかなる」「教育して使えるようにして」という発言がよく見られますが、教育が効果をあげるのは、本人が向上を望む場合にのみ有効です。「技術の底上げ」というのも、幻想でしかありません。ここは、学校で植えつけられた悪平等の思想がみられます。技術者が流動的に動く時代では、雇用した技術者全員を長期的に企業が教育し続け育てていく、ということが難しくなってきています。企業側が投資損になることがあるからです。

は、経営層やマネジャが感じていても言い出せないことだ。

 本来、学習は自発的なもので、教育は自発的な学習を助けるものだ。
ところが、今の教育は学習を強制するものになっているから効果は上がらない。学習を強制する教育を学校で長年受けているから、皆、効果があると錯覚しているのだ。

 内輪の話だけれど、ウチは無線設備を多く持っているので無線関係の仕事をしている人は多い。
ところが、ずいぶん前から、教育すればなんとかなるだろうと、無線の専門教育を受けた者を採用しなくなった。理工系で高学歴の者を採用して、採用後に無線の教育をすれば良いと考えたのだろう。

 確かに彼らは総じてアタマはいいから無線従事者の資格は取れる。無線通信士以外の無線の資格は過去問を覚えれば取れるので、いわゆるアタマのいい子には簡単だ。 実は、昔も過去問を覚えて資格を取っていた者は多い。

 では、何が変わったかというと、昔は、無線が好きで無線の仕事がやりたいと思っている者がいたが、今はいなくなったということだろう。その結果、無線の専門家と呼べる技術者が育たなくなった。ユーザにとって有線か無線は関係ない。しかし、通信関係の業務では無線の技術者は必要なのに。

 一度失われた技術を取り戻し伝承するには20年必要だといわれているから、今後、無線の専門家と呼べる技術者を育てて、技術やノウハウを伝承することは難しいだろう。

 全ては「教育すればなんとかなる」から始まったことだ。

閑話休題

 もう何年も部内の教育に関わっている。
若い人たちには、技術力=理論+技能+暗黙知 だと言っている。

  • 理論は記憶することができる。
  • 技能の習得には自ら体を動かして経験することが必要だ。
  • 暗黙知を獲得するには実戦経験が必要だ。

 最近の経営層や若い人には、「記憶すればなんとかなる」と考えている人が結構いるように見える。しかし、技能と暗黙知は記憶だけではなんともならない。そして、技能と暗黙知の習得には時間が必要だ。

 技術力の習得について、

 経営層やマネジャは「教育すればなんとかなる」と考えてはいけない。

 技術者を目指す者は「記憶すればなとかなる」と考えてはいけない


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