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2017年7月

2017年7月30日 (日)

ミドルアップ、ミドルダウン

 小松製作所相談役 坂根正弘氏がクオリティフォーラム2016で公演された際の事前インタビュー

坂根正弘氏は「これからのマネジャーに求められるもの」の問いに

坂根:
一言で言うなら、「ミドルアップ、ミドルダウン」ですね。

聞き手:
ミドルアップ、ミドルダウン?

坂根:
かつては、課長が会社を動かしていた一面が多くの場面であったと思います。それは、部分最適が全体最適につながる時代(高度成長期)だったからです。しかし、今は必ずしも部分最適が全体最適にはならない時代であり、課長がいくらがんばっても、事業の選択と集中はできない。トップがやらなければいけません。トップダウンがしっかりした上で「ミドルアップ、ミドルダウン」が日本流の強さが維持できれば、この国は負けないと思います。

トップダウンでもボトムアップでもなく「ミドルアップ、ミドルダウン」が求められるということ。

 昔新米だった頃、先輩から「トップダウンは浸透しない。ボトムアップは挫折する。」と言われたことがある。

 当時のミドルは、朝来て茶を飲んで新聞を読んで午前中終わりのような人がいた。そういう時代った。 今のミドルは、そういう昔のミドルを見てきていて、自分もそうなるのかと思ったら。そんな雰囲気ではなくなっていた。 時代が違うから環境が全く違う。昔のミドルのようになりたいわけではない。しかし、ミドルがどのように振舞えばよいのか分からないのである。 教えてもらったのは上手くかわすコツぐらいのもので、成果を上げる方法は教えてもらったことはない。

 恨み節を言っていても時代が逆戻りすることはないことは知っている。全てのミドルがやる気がないわけでもない。

 ミドルでオフサイト・ミーティングをやって分かったことは、ミドルは年齢の幅が広いし、経歴も違う、就職の動機も違う。 無理を承知で2つに分けるとすれば、年齢ではなく、逃げ切ろうと思っている人と、逃げ切れないと思っている人。 逃げ切ろうと思っている人を責めても仕方のないことだし、一緒に活動するのも大変、変えることは無理だと思う。それより、逃げ切れないと思っている人と一歩踏み出すほうが100倍簡単だ。

 ミドルアップして現場を知らないトップの意思決定を支援し、ミドルダウンで現場の成果を上げるのは、漠然と考えていたことだ。

 「ミドルアップ、ミドルダウン」と言えばいいのか!


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2017年7月28日 (金)

サイバーセキュリティ人材不足 <時流に踊らされてる?>

セキュリティ人材育成の現在地―どのような人材が、どれくらい必要なのか Security Online 2017/07/24

 東京電機大学教授の猪俣敦夫氏とデロイトトーマツサイバーセキュリティ先端研究所 所長の丸山満彦氏の対談。

丸山 オリンピックで煽っているだけで、オリンピックのあと、どうするのか。

猪俣 問題はそこなんです。いろんな大きな組織でセキュリティの部署をまとめて、横断的なほにゃららセキュリティといったグループを作ることが流行っていますけど、オリンピックが終わったあと本当に、それで生きていけるんですかっていうのがとても心配です。いや、本当に真面目な気持ちで。

 同じことを考えている人がいた。

 確かに最近は2020東京オリンピックを出汁にしたサイバーセキュリティ・バブルだ。オリンピックのような国家事業ではハコ物関係がバルブになる。それを狙って誘致している側面もあるが、一見関係がないように見える情報セキュリティも危機感を煽ってバブルにしようとしている感じがする。

 情報セキュリティ分野に限らずIT分野の技術者は人材不足であることには違いないから、人材が増えるに越したことはない。しかし、残念なことに、処遇改善やIT業界の体質改善の議論は聞こえてこない。
たいていは、ホワイトハッカーとかトップガンとか橋渡し人材とかふわふわした議論ばかりだ。

 世間がこんな風だから、部内でもサイバーセキュリティ関係の部署は熱に浮かされて、ふわふわしている感じは拭えない。
オリンピック終了後を睨んで、この機に乗じて人を増やしておくなどの強かな戦略があれば良いのだが、部門内で人のやり繰りをするから、ふわふわした仕事をする人が増え、地に足が付いた仕事をする人が減る。 結局バブルなのに現場はちっとも楽にならない。楽にならないどころか、技術やノウハウの伝承は切実な問題になっている。

 バブルが終了して皆が正気に戻って、自分たちが本当にやるべき仕事に気づいたとき手遅れになってなければ良いのだが。

 「時流に乗る」のと「時流に踊らされる」とは違う。


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2017年7月26日 (水)

Softbank World 2017 <速い!いやウチが遅すぎる>

Softbank World 2017に行ってきた。

 都営大江戸線赤羽橋を降りると目の前には東京タワー

Tokyotower

 東京タワーはいつ見てもいいなあ!

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 午後から出かけて4つ講演を聞いてきた。残念ながら朝一の孫正義氏の不適切な発言(基調講演)は聞くことができなかった。

 興味を引く講演がない時間帯があった。しかたなく(^^;、「ICTで人の流れを呼び込むまちづくり」と題した藤沢市副市長 河野一行氏の講演を聞いた。SoftbankWorldだからIT企業やITを活用している企業や有識者の講演が多い。その中で地方自治体の講演は異質だ。

Fujieda

講演を聴いたら藤枝茶をもらった。

 SBと藤枝市は地方創生の実現にむけて包括連携協定を結んでいて、その事業として、IoTプラットフォームを利用した実証実験を行っているらしい。実証実験テーマは公募していて、ネットワーク構築や半年の利用料をSBが負担するそうだ。

 講演を聴いて分かったことは、IoTと地方自治体の事業は親和性が高いということ。
調べてみると、全国で自治体と企業が提携して、福祉、防災、農業分野で実証実験が実施されているようだ。その中でも

は実証実験のテーマを公募している。

 SB、NTT、KDDI等キャリアがインフラを無償提供してまで実証実験を行うのかと考えた。
今先行しておけば後々全国の自治体に売りやすい。国の助成金がつけば、現在の無償提供は安い投資ということだろうか。

 LPWAネットワークはLoraWANがデファクトになるのだろうか。

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 展示会では、Pepper君がエスプレッソを淹れてくれた。

Pepper

 Pepper君が客の好みを聞き、ネスカフェアンバサダーとリンクしてコーヒーを淹れるというもの。登録すると、好みを覚えてくれて次回は選択しなくてもよくなるらしい。

 感情認識機能も持っていて「今日はげんきですね」などと言うらしい。IT系のオフィスに導入すると「今日も疲れてますね」「また徹夜したんですね」しか言われるんじゃないだろうか。

 なぜPepper君?と思ってしまうが、マーケティング情報収集装置と考えると無機質な自動販売機より人が集まりそうだ。

 実際にPepper君は全国120店舗でお仕事をしているらしい。

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 SBWorld2017から帰る途中、SBの自動運転バスがあった。ハンドルがない!
一般公開試乗会
をやっていたらしいのだが通りかかったときには終わっていた。

1 2

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 流石にSBは速い。ウチと比べて10倍以上速いと感じる。ウチの意思決定が遅いことは今に始まったことではないが、絶望的な速度の差を感じる。

 それより、気になるのは、ウチの技術屋さんたちが組織の速さに合わせているのではないかということ。組織の遅さを変えることは容易ではないが、技術者として外の速さに合わせて行かなければと思う。


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2017年7月24日 (月)

「問題解決」基礎講座 <テキストに良いかも>

「問題解決」基礎講座  松浦剛志 中村一浩 日本実業出版社

Photo

トヨタの問題解決8ステップは

  1. 問題の明確化
  2. 現状把握
  3. 目標設定
  4. 要因分析
  5. 対策立案
  6. 実行
  7. 評価
  8. 標準化と定着

だ。この本では問題解決のプロセスを

  1. 問題提起
  2. 問題確認
  3. 目標設定
  4. 原因分析
  5. 解決策立案
  6. 解決策評価

の6ステップとしている。解決策実行と評価はわずか数ページ触れているだけだ。

 解決の実施には権限が必要になることが多いから、プロジェクト・リーダーやマネジャ、管理職にとっては問題だ。逆に言うと、プロジェクト・メンバーや、部下の立場ではどうしようも無いことも多い。そのような事情を考慮して、解決策立案までのプロセスを解説しているのだろう。

 それぞれのプロセスでのハマりどころや、疑問に答えてあるので、マニュアル的に利用できるのではないだろうか。

 基本的にはトヨタ方式を踏襲しているので、更に理解を深めるには、「トヨタの問題解決」を読むと良いと思う。

 特にマネジャクラスには、解決策を実行してその結果の評価が求められる。
解決策は、マネジャ1人では実行できないから、メンバーに「なぜ?」を説明できなくてはならない。そのためには方法論だけではなく、理念が必要だ。

 解決しそうにない対策を実行したり、対策案は他部署(他人)が実行すべきと主張したりといった、問題解決に取り組んでいることにする風土がある。縦割り官僚的な組織だから問題解決は難しい。それでも、問題解決手法を知ることで、解決できる問題もあるはずだ。

 テキストに使うなら、「トヨタの問題解決」よりこの本の方がわかりやすくてよいかもしれない。


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2017年7月22日 (土)

エンジニアは業務時間外でも勉強するべきなのか

エンジニアは業務時間外でも勉強するべきなのか 残業ゼロのIT企業AXIA社長ブログ  2107.7.18

AXIAの社長 米村歩氏によると

プライベートで勉強しなくても何とかなります
目の前の業務を消化することを考えればプライベートでの勉強はやらなくても何とかなりますが、それにはいくつもの「但し書き」が付きます。

だそうだ。但し書きとは、

但し書き1:勉強しない人は勉強する人には勝てません
但し書き2:勉強しない人は勉強する人ほど給料は上がりません
但し書き3:勉強しない人は勉強する人ほど重要な仕事を任されません
但し書き4:業務時間で習得したスキルは10年後使えなくなるかもしれません
但し書き5:勉強しない人は転職が厳しくなるかもしれません

そして、

スキルがないならマネジメントで勝負!は迷惑だからやめてねw
よく勉強せずにエンジニアとしてのスキルが未熟な人が、「俺は技術じゃなくてマネジメントで勝負してる」などと豪語する人がこのIT業界の中には少なからずいます。

マネジメント力が高くて本当にマネジメントで勝負している人ならそれでもいいのですが、マネジメントって簡単ではないですからね。

マネジメントはITスキルの勉強すらおろそかにしてしまうような人が安易な気持ちでできるようなあまいものではありません。

自分が技術習得を怠ったまま時間だけが過ぎていくと、立場的には「先輩」という立場になりますので、技術のある後輩を従えて後輩の手柄までまるで自分の手柄のようにしてしまう輩もいますがこれは迷惑です。

スキルではなくマネジメントで勝負!はあっても良いと思いますが、それならそれ相応の覚悟を持ってマネジメントスキルの習得のための努力をしてください。

きっとプログラミング言語一つ覚えるよりもはるかに大変なことですよ。

と仰る。

 勘違いしている人は多い。「マネジメント」は窓際に座ってハンコ押す仕事ではない、生産性の無い会議に出ることでもない。チームやメンバー個人が成果を上げられるようにすることだ。

  米村歩氏が仰るように、マネジメント・スキルはプログラミング言語を覚えるより相当難しい。しかも、マネジメントの勉強しなくては成果は上がらない。

 さらに、マネジャになると時間内に落ち着いて勉強しているヒマは無いから、若い時に時間外に勉強しなかったのに、歳を取ってそれができるとは思えない。

 生産性の低い管理者になって、辞令1つで彼方此方飛ばされて、飛ばされた先で周囲から疎まれても、世の中を渡って行くスキルがあればなんとかなるけど。

さらに、

企業が行う教育と個人が行う勉強
勉強は人にやらされるものではない
   (
    )

だから勉強したいと思っている人だけ勉強すれば良いのではないでしょうか。ただしくどいようですがその場合自分で勉強してスキルアップしている人と同じ権利は主張しないことです。

勉強は人にやらされてするものではなくて、自分で行うものです。

自分で勉強することは投資である

と仰る。

 時間外に勉強しろと言うでもなく、すべきではないというでもなく、勉強しなくてもいいけど、勉強している人と同じ権利を主張してはいけないというのは実にシンプルだ。

 シンプルだけに相当厳しい。 

 勉強していない人は、勉強している人が羨ましいから何かにつけて理不尽な不平をいう。そういうものだ。

「勤務時間外に勉強しろと言うなら超過勤務手当を出せ」とか
「仕事の勉強をしているのだから書籍代を払え」とか。

 自分の主張が筋が通っていないと分かっていればまだ救いはあるのだが。

 本気でこの主張をするのは、技術で食っていく覚悟ができていない人たちだ。 技術者ならば時間外であっても勉強し続けるのは当然だ。 勉強は自己投資だから自腹を切って本も買うのも当然だ。 しかし、技術で食っていく覚悟ができていない人にとっては、理不尽な要求なのだろう。

 技術者は「技術」を金に換えて食っていく。技術で食っていく覚悟ができていなければ、「時間」や「体力」を金に換えて食っていくしない。そして、「時間」と「体力」には限界が訪れる。これがいわゆる35才限界説というやつだ。

 一般的には、
これから先、自分は「何を」金に換えて食っていくのか考えてみればよい。

  賃金=「何か」の価値×量

だから、

  1. その「何か」に希少価値があって、時間とともに減らないものならば、何もしなくてよい。
  2. その「何か」に希少価値はあるが、時間とともに減るものならば、価値を補わなければならない。
  3. その「何か」に希少価値がないならば、量を稼ぐために「時間」が必要だ。つまり、長時間労働が必要だ。

時間外の勉強、つまり自己投資は2番目だ。

 自己投資が嫌で希少価値を持っていない人は、長時間労働や理不尽な異動を受け入れざるを得ない、つまり社畜にならなければならないということ。

 技術とかマネジメントとか管理とか職種の問題ではない。


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2017年7月20日 (木)

完璧な個人が集まらなければ、いい組織ができないのか?

完璧な個人が集まらなければ、いい組織ができないのか?
柴田朋子~キャリアデザインでHAPPYになろう~ (2017-07-19)

 柴田朋子氏は研修セミナー参加者が、話し合いやプロセスの共有ができないとおっしゃる。

完璧な個人が集まらねばいい組織ができないわけではないし
凄腕のリーダーが率いなければいい組織ができないわけでもない
いろんなタイプの人がいて、いろんなリーダーがいるのが当たり前なのだから

個人が完璧であろうとするより、主体的であること
凄腕のリーダーを待つよりも、相互にきちんと関わりあうこと
それが「気持ちよく」「前向きに」「活性化した」チームへの道じゃないかしらね。

…ってこれ、会社の話しじゃなく全部同じだ(笑)

 周りを見渡すと、表向き完璧なフォロワになろうとしている人は多いような気がする。でもそれは、自分が主体的に行動しないための言い訳だったりする。自分もそうだ。長年の習い性だから簡単には変わらない。

 「失敗するのが目に見えている」と言う人も多い。失敗した者は改善点が見えてくるので、成功の目が出てくるが、失敗しない者はいつまでたっても成功することは無い。それに、失敗するなら大勢の方がいい。

 失敗したら「責任が取れない」と言う人も多い。しかし、経験では「責任」を問われたことはほとんど無いし、少なくとも自分の仕事や立場に「責任」を持たなければならない。

 経験から言うと、思い切って主体的に行動したら意外にも文句を言われることもなかった。聞こえてこないだけかもしれないけれど、認知できないものは存在しないのと同じだ。v(^^

 何より、行動しない言い訳を考えているより、行動する方法を考えている方が楽しい。
行動したといっても、リーダーシップを発揮した訳ではない。行動しようと呼びかけただけだ。

 来週あるミーティングが楽しみだ。次のステップに行こうと呼びかけよう。


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2017年7月18日 (火)

伝えることから始めよう <創業者を乗り越えるのはいつの時代も若い人の力>

伝えることから始めよう 高田明 東洋経済新報

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 ジャパネットたかたの創業者 高田明氏の自叙伝。読んでいて、高田明氏のあの声が頭の中に響いているような気がする。

 ジャパネットたかたの社長交代は世間が注目していた。そして、2015年に高田明氏は宣言どおり社長を交代して経営から引退された。

 世間では、社長交代で業績が低下し、高田明氏が再び社長に就任するのではないかという憶測があった。

 テレビショッピングのMCを降板することが最大の営業リスクとまで言われたが、予定どおり2016年にMCを降板された。そして、現在まで復帰することもなく、2017には赤字だったV・ファーレン長崎の社長に就任された。

 多くの創業者が晩節を汚すなか、見事な引き際である。

 社長を交代されたころのインタビュー記事がある

高田明氏はインタビューの最後の中で、

繰り返しになりますが、100年続く会社にすることが私の悲願であり、私の代で終わってはいけないのです。

創業者を乗り越えるのはいつの時代も若い人の力です。

とおっしゃる。

年寄りは若い人の力を信じて、若い人の邪魔をしないようにしなければならない。

 創業者を乗り越えるのはいつの時代も若い人の力だ。


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2017年7月16日 (日)

業務改善を現場に求める狂気

「業務改善を現場に求める狂気」 megamouthの葬列 (2016-11-19)

「改善できない業界もあるんですよ」 megamouthの葬列 (2016-11-18)

カイゼンを行うには「教育」と「コミュニケーション」が必要だということを言った。この二つが意味を持つには雇用の安定と年功序列が不可欠である。

の続編。このエントリは

「見えない非効率 ー 今、動いているんだからいいじゃないか」 タイム・コンサルタントの日誌から (2016-11-13)

を受けての感想で、IT業界での業務改善がなぜ困難なのかが書いてある。

  • 業務のボトルネック、または無駄を見出す広い視点を持つ
  • ワークフローの強制と、システム化をする
  • 社員それぞれの問題意識を知ることができる
  • 結果責任を負うことができる

さえできれば効率化は可能であると言える。

↑これは経営者がやべき仕事という主張だ。

そして、実際に困っている人のブログ。

市教委「今年から通知表を電子化します…が、お金はかけられないのでExcelです。」「あ、これ絶対しわ寄せが現場にくるタイプだ…」 パパ教員の戯れ言日記 ( 2017-06-30)

 「業務改善を現場に求める狂気」に書いてあるようなことで困っておられるようだ。

「megamouthの葬列」さんが仰るように、管理職・管理部門がやるべき仕事は現場ではできないし、やるべきでない。という指摘は的を射ている。

管理職・管理部門がカギを握っているのだが、一番困るのは、業務改善能力は無いが関心はある管理職や管理部門だ。

  • 業務のボトルネック、または無駄を見出す広い視点を持つ
  • ワークフローの強制と、システム化をする
  • 社員それぞれの問題意識を知ることができる
  • 結果責任を負うことができる

ができないのに、業務改善に関心があるのだから周囲が困る。

 業務改善能力がないので掛け声だけだけになる。当然のように実務は部下や現場に丸投げする。そして、最後には現場の一番詳しい者が担当する。はっきり言って貧乏くじだ。

 上司である管理職や管理部門は改善能力がないので、担当者の支援をしない。いや、どのような支援をしてよいのか分からないのである。

 「パパ教員の戯れ言日記」さんには申し訳ないが、破たんしそうな匂いがする。
それでも、このケースでは、少なくとも周りの人が幸せにすることができるのでまだ良い。
管理部門が目的や用途が分からないシステムを作って現場に使用を強制するケースでは、誰も幸せにならないから、それよりマシだ。

 今回頑張って作っても、おそらく根本的な問題は解決しないだろう。
デキナイ管理職・管理部門は現場が業務改善しているのを見付けると、何も考えないで展開しようとする。なぜ、現場レベルで業務改善が必要だったかを考えないし、一部の現場での業務改善方法が全体で使えるかなど考えない。当然効果の検証はやらない。

 管理職・管理部門は「管理すること」が目的だから「問題を解決する能力」は重要視されなかったのだろう。 しかし、マネジメント(管理に非ず)しようとすれば、「問題を解決する能力」を獲得しなければならない。 

 獲得できなければ、成果を上げるどころか、不幸になる人が増える。



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2017年7月14日 (金)

トランジスタ技術1971年5月

 長い間、富崎新氏が設計したTTLで作ったコンピュータATOM-8の資料を探している。

 CQ出版の「作るシリーズ2 つくるコンピュータ」


↑(https://twitter.com/search?f=tweets&q=%23夢の図書館 つくるシリーズ2&src=typd

 に掲載されているらしいのだが、この本はなかなか手に入らない。

 「つくるコンピュータ」に収録する前にトランジスタ技術1973年5月号、6月号に掲載されていることが分かった。

 ネットで探すと、トランジスタ技術1973年5月号は、ハイファイ堂で古本を1,200円で売っているのを見つけた。もしやと思い、ヤフオクで検索したら300円出品されていたので即決で落札した。

Trgi197105

 ワクワクしながら開いてみたら、ATOM-8の記事がない。 ?_?) よく見ると 1971年5月号ではないか!(表紙だけではわからない)

 トラ技1971年5月号の特集は「実用回路デザイン集」だ。回路図集マニアなので、これはこれで興味がある。

 最近のトラ技と違って、単なる回路図集ではなく、「半導体とは」から「回路設計法」までトランジスタ回路設計の基礎がある。

 実用回路は「オーディオ回路」「高周波回路」「リニアIC回路」「パルス回路」「ロジックIC回路」「定電圧電源回路」が解説付きで掲載されている。

 「製品詳解」にパイオニアの当時ハイエンド機TX-100の紹介記事があって、回路図付きで詳細に解説してある。

1971trgi_tx00

 TX-100のFMフロントエンドは 3SK35-2SK19-2SK19(MIX) のRF2段だ。
初段にデュアルゲートMOS-FETを使用し次段とミキサに接合型の2SK19を使っている。

 デザイン集に掲載されているFMフロントエンドは2SC784-2SC785(MIX) と 2SK19GR-2SK19Y(MIX)の2種類だから、それから比べると贅沢な回路だろう。

 藤商の広告がある。懐かしい!

1971trgi

3SK35と2SK19の値段を調べると、3SK35が570円、2SK16が150円だ。

1971trgi2

 物価を1971年と比べると約4倍だ。(少年ジャンプ比:週刊少年ジャンプの値段の推移) 3SK35は今の値段にすると2,280円くらい。2SK19は600円くらいだろうか。

 高いなあ。始めて買ったデュアルゲートMOS-FETは3SK59だった。1978年頃には3SK35より3SK59が安く、200円くらいで売られていたと記憶している。

 通販広告を見ていて気が付いた。
TTLを扱っているのは1社だけで、TIの74シリーズがない。1975年頃のCQ誌にはたくさん出ていたと記憶しているのだが、「トランジスタ技術」だからトランジスタだけ?

閑話休題

 1973年5月号は1,200円の古本を買うしかないのか。因みにこの頃のトラ技の値段は280円。


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2017年7月12日 (水)

そんなに武士になりたいか? <昔の価値観に捉われる>

そんなに武士になりたいか? Chikirinの日記 2013-03-19

 30年前の価値観と現在の価値観は当然違う。30年前の価値観に捉われてはいけないということ。

 できる人が会社を滅ぼす (2017/02/07)で同じようなことを書いた。
平成も29年が過ぎようとしているけど、いまだに昭和の価値観で仕事をしている人は多い。日清戦争が明治27年-28年だからその29年前は江戸時代だ。

 職場のオジサンたちに、

自分たちを日清戦争当時に例えるなら、激動の東アジアにおいて世界の列強に屈しないために国を近代化していた時に、ちょんまげ、大小挿しで尊王だ攘夷だと言っているようなものだ。

言ったら、多くの人はキョトンとしていた。

 夏目漱石は「明治の木には仁王は埋まっていない」と言ったが、平成のオジサンには仁王が見えているのかもしれない。でも、やっぱり、仁王は埋まっていないのだ。

 オジサンたちが価値観を変えられないのは分からなくもない。
問題なのは、

  • 若い人たちが昔の価値観に捉われていること、
  • オジサンたちのが、若い人たちがオジサンたちと同じ価値観をもっていることに危機感を感じないこと

だ。

 オジサンたちは、「これだからユトリ君は...」などと若い人たちの行動様式を非難しがちだ。 しかし、行動様式はいつの世も年寄りには受け入れられない。それは、オジサンたちも経験があるだろう。

 オジサンたちもユトリ君もおなじ「安定志向」だ。
オジサンたちは上司から「変われ!」と命令されたら「変わったフリ」をしていたけれど、ユトリ君は「変わる意味が分かりません」と言うところが違うだけで、変わりたくないのはオジサンもユトリ君も同じだろう。

 オジサンたちの時代は「変わらないこと」は理にかなっていたのかもしれないが、はたして今どきは理にかなっているのか考えなくてはならない。

 考えるのはユトリ君たちだけでなくオジサンたちもだ。

 決してちきりんさんのマネをしたわけではない。

 そんじゃーねー


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2017年7月10日 (月)

日経ビジネス 2017/6/26 <アナデバのリニア買収>

日経ビジネス 東芝の"遺言" 2017/06/26

20170626

 ビジネス誌はこぞって東芝を特集している。とうとう"遺言"になってしまった。

 東芝問題より気になった記事は

「日本と共に最も困難な設計課題に挑む新生アナログ・デバイセズ」

 この記事で、アナログデバイセズ(ADI)がリニアテクノロジー(LT)を買収したことを今更知った。

 LTはアナログIC専門のメーカーだ。創業者で会長のロバート・スワンソン氏は、

「リニアテクノロジーはカリスマ経営者による会社ではない。優秀な人たちが動かしている会社である。」

と言っている。

 そのリニアテクノロジーは利益率40%を超える超優良企業だから、なぜ今経営統合なのか気になるところだ。

 気になって調べてみると、アナログIC業界はTexas Instruments(TI)独り勝ちのようだ。

↑(http://news.mynavi.jp/photo/news/2016/06/02/250/images/011l.jpg)

ADIはTIの1/3、LTはADIの1/2くらい。

 半導体業界全体から見れば、TIは業界8位くらいだけれど、上位はみなCPUやメモリなどデジタルICだ。ADIもLTもTOP20には入っていない。(アナログIC専門だからか)


↑(http://news.mynavi.jp/photo/news/2016/08/16/370/images/011l.jpg)

TIといえばICを発明したジャック・キルビー博士がいた会社で、TTLの標準SN74xxシリーズを作った会社だ。デジタルICの老舗だけど最近は、2000年にバーブラウン(BB)を2011年にナショナルセミコンダクタ(NS)を買収している。どちらもアナログICメーカだ。

 IoT社会になるとモノがNetにつながるようになる。そのモノ(エッジ・デバイス)には組み込み用のCPUが必要になる。儲かりそうだ。当然TIも持っているけど、競合他社が多い。

 他にエッジ・デバイスに不可欠な半導体は、A/D、D/A用IC、電源用IC、つまりアナログICだ。

 アナログ技術者はデジタル技術者とくらべて育成に時間がかかるといわれている。最近は新人を確保するのが難しいから、後発メーカは参入しにくい。ブルーオーシャンだ。

 ADIとLTは早くからアナログICを事業の柱にしてきたメーカーだ。高い技術力でデジタルICメーカと差別化を図って高い収益率を上げている。「いい物を正当な価格で買ってもらう」というビジネスモデルだ。 「誰もやめない会社(2013/02/20)

 迅速な経営判断と物量作戦で市場を独占する、メモリなどデジタルICを作っている半導体メーカとはビジネスモデルが違う。

 TIはスマホ用CPUでQualcomに負けて、アナログIC分野に方向転換した。技術者の育成は時間がかかるので、技術力を手に入れようとすると企業買収しかない。そして、アナログIC業界で断トツのシェアを占めるまでになった。

 ADIとLTにしてみれば、TIとは規模が違いすぎるので、このままでは将来TIに飲み込まれかねない。その前に経営統合して規模を確保しておこうという考えたのだろう。

 アナログ技術者はユーザー企業にもいないから、技術の結晶であるアナログICを売るだけでなく、アナログ技術者の知恵を付加価値として提供するメーカが今後生き残るのではないだろうか。

 アナログ技術は廃れない。


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2017年7月 8日 (土)

モラル <ルールとは違う>

多発する中高生のサイバー犯罪-誰でも起こせるのか? 金子 清隆 JIJICO 2017/6/21

 国内初のランサムウエア作成容疑で中学生が逮捕された事件についての論評。

金子清隆氏はITモラル教育の必要性について

ITモラル教育の必要性

インターネット上にはサイバー犯罪に利用できるツールや情報が散在しており、未成年でも入手可能なので、年齢に関係なく誰でもサイバー犯罪を行えます。
最近ではこうしたツールやサービスを取引できるアンダーグラウンド市場も存在し、サイバー犯罪を行う技術的ハードルは低下しています。

サイバー犯罪は物を盗む、人を傷つける、といった物理的行為が伴わないため、犯罪を行うという意識が希薄になりがちです。
特に未成年の場合はその傾向が強いでしょう。
現代の子供たちは幼い頃からインターネットに触れていますが、サイバー空間での不適切な行為を教わったり、止められたりする機会はありません。
むしろ仲間の中では「かっこいい」と称賛されることもあります。
現在、学校ではIT教育に力を入れていますが、知識やスキルだけではなく、サイバー空間でやってはいけないことなどのITモラルに関する教育にも力を入れるべきだと考えます。

と、述べておられる。
ITモラルの教育に注力すべきという金子 清隆 氏の主張には賛成である。重要なのは各論で、IT業界に身を置く者としてどう関わるのかが重要だと思う。

 本筋ではないところに引っかかる悪い癖で、どうしても気になったのは最後の

サイバー空間でやってはいけないことなどのITモラルに関する

という部分だ。

ルール
やってはいけないこと → 法、規則 → 強制力あり
モラル
やらなければいけないこと → 道徳、倫理、規範 → 強制力なし

ではないだろうか。

 この記事の元になった事件は、刑法168条の2,同条の3「不正指令電磁的記録に関する罪」(不正指令電磁的記録作成・保管)だから、法(ルール)に違反している。モラルの問題ではない。

 また、法令順守とモラルは異なる。
例えば「不正指令電磁的記録に関する罪」は2011年の刑法改正で新設されたので、2011年まではウイルスを作っても罪には問われなかった。 つまりルール違反ではなかった。
しかし、ウイルスを作ったり使ったりするのは2011年以前からモラルには反した行為だ。

 日本人はモラル、ルール、マナーの区別をしないで議論しているのではないだろうか。
(因みに、交通ルールはマナーと区別しないで議論されることが多いようだ。)

モデル

モラルについて、↓のようなモデルを考えてみた。

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 モラルとは、「あるべき理想の姿があって、その理想に近づこうとすること」という解釈だ。
理想から離れてるにつれてモラルが低くなる。これ以上理想と離れてはいけないところにルールがある。そして、ルールは明文化された法や明文化されない掟などの強制力を持つことが多い。

 人には理想(モラルの中心)から離れる力が働いていて、自然にしていると、モラルは低くなり、ルールをいつか犯してしまう。(黒い矢印) 一方で、人の意識には理想(モラルの中心)に向かう力(白い矢印)があって、2つの力がバランスしたところが現在のモラルだ。

 モラルが高い人やモラルが高い国というのは、2つの力が理想に近いところでバランスしている。モラルの低い人やモラルが低い国は理想から離れたところでバランスしているということになる。

理想(モラルの中心)

 ルールは理想からこれ以上離れてはならない境界だ。人が集まったときモラルがバラバラでは社会生活を営む上で問題があるので、理想からの許容範囲を決めたものだ。 重要なことは、この境界は人が決めたということである。したがって、時代や、社会情勢によって変わる。(ウイルス作成罪のように)

 モラルの中心にある理想は人によって異なる。
一神教の人たちは「神の教え」があるのでモラル中心は明確で、個人によるバラつきも少ない。理想を追い求める、矢印(白)の方向も明確だ。

 一方、日本人は、一神教でない人が多いので「神の教え」のような明確な中心がないので、中心はボヤけている。 理想を追い求める矢印(白)の方向は、中心がぼやけているので方向が定まらない。ルールは比較的明確なので、矢印の方向はルールを目指してしまう。

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日本人はなぜモラルとルールが区別できないか

 このモデルで考えると、一神教の人たちは明確なモラルがある。一神教の人たちが日本人を見るとモラルが無いように見えるのではないだろうか。 しかし、日本人にもモラルはある。ルールから内側にかけてグラデーションがかかったようで見えにくいだけだ。この問を考えたのが新渡戸稲造で日本人のモラルを武士道だといった。

 全ての日本人が新渡戸稲造のように時間をかけて考えているわけではないから、多くの日本人はモラルの正体がよくわからない。 その結果、見えやすいルールについて論じるのではないだろうか。そして、ルールを守ること(法令順守)もモラルとして論じてしまう。

「ITモラル」(サイバー空間におけるモラル)

 「ITモラル」があるとすれば、汎用的なモラルの一部分だろう。モラルは中心に近づけば近づくほど抽象的になるので、「ITモラル」があるとするとルールの境界付近で、ルールと区別できないのではないだろうか。その結果、「ITモラル=IT技術を悪用してはいけない」になる。

 つまり、「ITモラル」が必要と言っている人たちが教えたいのは「モラル」ではなく「ルール」ではないか。ならば素直に「ルールを守りましょう」といえば良いのではないだろうか。

 交通安全教育で「交通ルールを守りましょう」と言うように「パソコン・スマホを使うときのルールを守りましょう」、「ネットを使うときのルールを守りましょう」といえば良いのではないだろうか。

 「ITモラル」は、基本的には現実空間の一般的なモラル(道徳)をサイバー空間に置き換えればよいと思う。 置き換えるときに技術的な知識は必要だが、サイバー空間用のモラル(道徳)を考え直す必要はない。

 サイバー空間はIT技術が不可欠だ。技術を使っているからモラルが低下した際の影響は現実空間より大きい。

 例えば、「陰で悪口を言わない」は現実空間ではモラルだ。しかし、「SNSや掲示板で悪口を匿名で書かない」はサイバー空間ではルールになる。

 「他人の個人情報を話す」は現実空間では問題にならなことが多い。しかし、「他人の個人情報を掲示板に書く」のはモラルに反する。

セキュリティ技術者に求められるモラル(倫理)

 セキュリティ技術者育成に関わっておられる方は皆さん倫理は重要と仰るのだが、聞いてみると「やってはいけないことを教えなければならない」と仰る。これはルールだ。

 技術者には技術者特有の倫理(モラル)が必要だ。セキュリティ技術者には技術者としてのモラルの他に、弁護士や医療関係者など他人の秘密を扱う者に求められるモラルが必要だ。

 「ルールを守りましょう」など次元の低い議論がまかり通るのは、ITに長けた者はルールを犯す者という意識があるのだろう。しかしセキュリティ技術者においては謂れの無いことだ。

自称識者に求めること

 自称識者の諸氏にはモラルとルール、規則と倫理はきちんと分けて説明してもらいたいものだ。


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2017年7月 6日 (木)

気にしないこと”こそ最大の防御

“攻撃は最大の防御”ではなく、“気にしないこと”こそ最大の防御」 公務員 島田正樹 ~仕事と私事と志事と~ (2017年07月01日)

「課外活動やってる暇があったら、本業を頑張れ!」と言われている人に対して、島田正樹氏は

活動をしている当事者の側に伝えるべきことはないのか、と考えたときに、思うことがあります。

それは、

当事者ではない人(例えば人事当局の担当者とか職場の同僚とか)の言うことや、言外の雰囲気とか、

気にする必要無いよね

ということ。

という。

 「課外活動やってる暇があったら、本業を頑張れ!」と言う動機は「嫉妬」だと思う。
そして、この人たちは、いろいろなリスクを挙げるが大したことはない。

リスク=発生確率×発生時の被害額

だが、文句を言う人たちは、

リスク=0

でなければならないと言うので、どこまで行っても平行線だからお話にならない。

 結局、本業でしか頑張れない(本業でも頑張れない)人は、自分ができない(と思っている)課外活動をやっている人が羨ましいのである。そして、外活動で輝いている人を見ると、組織の中で埋もれて希望を失っている自分がふがいなく思える。しかし、外に出て活動する勇気も、気力もない。

 課外活動をしている人の存在自体が許せないのである。

 「嫉妬」している人に正面から対応するのは疲れる。ハッキリ言ってそんなことに関わっていると自分の活力が吸い取られる。「嫉妬」という 負の感情が溢れているから。

 そんな負の感情に付き合う必要はないということだ。

 「愛情の反対は無関心」というから、かなり強力な防護策だ


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2017年7月 4日 (火)

東洋経済2017/5/27 <知の探索>

東洋経済2017/5/27

20170527

「日本が弱体化したのは日米半導体協定のせいではない。時代の変化に気がつけなかったためだ」
「サムソンは日本から技術を盗んだが、それが強さの要因ではない。李社長にはDRAMで成功してからも強力な危機感とリーダーシップがあった。」

 日本の半導体が総崩れの原因は、変化できない体質だ。

 今問題になっている東芝半導体の売却は、どこに売るかではなく、今後どう経営するかを考えなければならないが簡単にはいかないようだ。日米韓連合が有力視されているけれど、意思決定が早くなるのか疑問は残る。現在優良企業だがこのまま衰退していくのではないだろうか。

 入山章栄・早稲田大学准教授はインタビューで

イノベーションは知と知の掛け合わせで生まれる。だから、企業はつねに新しい情報を求める。「知の探索」をしなければならない。
同時に企業は、獲得した知を掘り下げ、収益の源泉として改良する必要がある。
知の探索と深化を両立できる企業が、収益の伴った継続的なイノベーションを起こせる。
知の探索は想像以上に難しい。コストも人も時間も必要だし、やっと獲得した知が必ず収益をもたらすとは限らない。つまり、知の探索には失敗が伴うのだ。
だから、企業組織は本質的に、知の深化に偏りがちになる。

という。

 「知の深化」は誰かに命令されなくてもできる。ところが「知の探索」は誰かに命令されてもできない。 「知の深化」は明確な方法論があるが、「知の探索」には方法論が無い。

 入山章栄准教授が言うようにイノベーションは知と知の掛け合わせだ。
「知」のバリエーションが多い方ほど、掛け合わせる組合せが増えるから、イノベーションを起こせる確率は増える。

 「知の探索」に向いている人と「知の深化」に向いている人がいると思う。
「知の探索」に向いていない人は、「知」の対象を自分の専門分野や成果が出そうな分野に限定しているのではないだろうか。逆に言うと「知の探索」に向いている人というのは、自分の専門分野に限らず、損得勘定を度外視して「知」を得ようとする人で、簡単に言うと心のおもむくままに「知」を得ようとする人ではないだろうか。

 周りを見ると「知の探索」に向いている人が少ないと感じる。「知の深化」の方が成果を上げやすいと考えている人が多いのだろう。 また、ほとんどの管理者は「知の深化」しか考えていない。部下も管理者を忖度して「知の深化」を考えるようになる。更に、管理者は「知の深化」に向いている者を集めるようになる。

 そして、「知」について、管理はするがマネジメントしていない。管理者はいるがマネジャはいない状態になる。

 「知の探索」と「知の深化」が両立できるまでどのくらいかかるのだろうか?


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2017年7月 2日 (日)

AI・人工知能EXPO

 

AI・人工知能EXPOに行ってきた。

 大盛況で、「通路に立ち止まらないで下さい」状態だった。皆、AIや人口知能に期待しすぎのような気もするのだが。これがブームというものだろうか。

 画像認識、チャット・ボット、自然言語処理関係の展示が多い。実用化レベルに達しているのだろう。
その中で、引っかかったのはRPA(Robotic Process Automation) 分かりやすくいうと、人間がパソコンを使ってやっている定型的な作業をロボットに代行させるとういうもの。
ここでいうロボットはソフトウェア。Pepper君がパソコンを操作してくれるわけではない。^^)

 現在は、ちょっと賢いマクロくらいの感じだが、AI技術の進歩すると自律的に作業ができるレベルになるという。

 説明を聞いた感想は、有効かもしれないが、問題を解決しているわけでは無く、本来業務フローを見直すべきところを、場当たり的に対策するようなシロノモだと思った。

 ところが、一晩経寝ると、イイかもと考えが変わった。
現状、システムによくある問題は

  • システムを構築する際にヒューマン・リソースを考慮していない(人件費は只)
  • 業務フローを考えていないからシステム間の連携が困難で手作業が多い
  • システムを構築する者は使用しないからは改善は眼中にない
  • 文句は言うけど、「改善しようと」いう人がいない(極わずかにいる)

だから、問題を根本的に改善することは困難だ。(無理かも)

 一方で、現場では、用途不明のデータ入力が貴重なリソースを浪費して本来業務を圧迫している。

 ならば、先割れスプーン的でも使う価値はあるのかもしれないと思う。

 もう一つの問題は、情報システム部門に「ユーザの生産性を向上させるためのシステム構築」という考え方が微塵も無いこと。(致命的だ)

 「お上(情シス)が構築したシステムを使わせてやるからありがたく思え」的なスタンスだからいつまでたっても使いやすくならないし、業務は効率化できないし、生産性は上がらない。
 Excel方眼紙のデータを埋めろというメールが来るとアホかと思ってしまうが、仕方がない。情シス部門が効率化を邪魔しているのだから。

 「民は之に由らしむべし之を知らしむべからず」というお上思想が根強いから、情報を共有しようとすると、とんでもなく苦労する。 普通の人は、そこまで苦労して情報を公開しようとは思わない。情報共有できれば1+1が3になる可能性はある。しかし、現状は1+1は0.5だ。ロスが多いのである。

 愚痴になってしまった。 (^^ゞ

 「ユーザのために」とはいわないので、先割れスプーンでもいいから導入してくれないかな。


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