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2017年7月10日 (月)

日経ビジネス 2017/6/26 <アナデバのリニア買収>

日経ビジネス 東芝の"遺言" 2017/06/26

20170626

 ビジネス誌はこぞって東芝を特集している。とうとう"遺言"になってしまった。

 東芝問題より気になった記事は

「日本と共に最も困難な設計課題に挑む新生アナログ・デバイセズ」

 この記事で、アナログデバイセズ(ADI)がリニアテクノロジー(LT)を買収したことを今更知った。

 LTはアナログIC専門のメーカーだ。創業者で会長のロバート・スワンソン氏は、

「リニアテクノロジーはカリスマ経営者による会社ではない。優秀な人たちが動かしている会社である。」

と言っている。

 そのリニアテクノロジーは利益率40%を超える超優良企業だから、なぜ今経営統合なのか気になるところだ。

 気になって調べてみると、アナログIC業界はTexas Instruments(TI)独り勝ちのようだ。

↑(http://news.mynavi.jp/photo/news/2016/06/02/250/images/011l.jpg)

ADIはTIの1/3、LTはADIの1/2くらい。

 半導体業界全体から見れば、TIは業界8位くらいだけれど、上位はみなCPUやメモリなどデジタルICだ。ADIもLTもTOP20には入っていない。(アナログIC専門だからか)


↑(http://news.mynavi.jp/photo/news/2016/08/16/370/images/011l.jpg)

TIといえばICを発明したジャック・キルビー博士がいた会社で、TTLの標準SN74xxシリーズを作った会社だ。デジタルICの老舗だけど最近は、2000年にバーブラウン(BB)を2011年にナショナルセミコンダクタ(NS)を買収している。どちらもアナログICメーカだ。

 IoT社会になるとモノがNetにつながるようになる。そのモノ(エッジ・デバイス)には組み込み用のCPUが必要になる。儲かりそうだ。当然TIも持っているけど、競合他社が多い。

 他にエッジ・デバイスに不可欠な半導体は、A/D、D/A用IC、電源用IC、つまりアナログICだ。

 アナログ技術者はデジタル技術者とくらべて育成に時間がかかるといわれている。最近は新人を確保するのが難しいから、後発メーカは参入しにくい。ブルーオーシャンだ。

 ADIとLTは早くからアナログICを事業の柱にしてきたメーカーだ。高い技術力でデジタルICメーカと差別化を図って高い収益率を上げている。「いい物を正当な価格で買ってもらう」というビジネスモデルだ。 「誰もやめない会社(2013/02/20)

 迅速な経営判断と物量作戦で市場を独占する、メモリなどデジタルICを作っている半導体メーカとはビジネスモデルが違う。

 TIはスマホ用CPUでQualcomに負けて、アナログIC分野に方向転換した。技術者の育成は時間がかかるので、技術力を手に入れようとすると企業買収しかない。そして、アナログIC業界で断トツのシェアを占めるまでになった。

 ADIとLTにしてみれば、TIとは規模が違いすぎるので、このままでは将来TIに飲み込まれかねない。その前に経営統合して規模を確保しておこうという考えたのだろう。

 アナログ技術者はユーザー企業にもいないから、技術の結晶であるアナログICを売るだけでなく、アナログ技術者の知恵を付加価値として提供するメーカが今後生き残るのではないだろうか。

 アナログ技術は廃れない。


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コメント

こんにちわ

あの東芝がのイメージですが・・・。
技術的には、そうなんですね。よくわかりました。ありがとうございました。

ひでさんコメントありがとうございます。
♪光る~光る~の東芝ですからね。

電気回路が分かる人が少なくなって困っています。

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