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2017年11月30日 (木)

10年後、君に仕事はあるのか?

10年後、君に仕事はあるのか? <未来を生きるための「雇われる力」> 藤原和博 ダイヤモンド社

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 高校生と高校生を持つ親向けに書いてあるので非常に分かりやすい。

 大半の大人は自分を取り巻く環境が今のまま続いて欲しいと思っているのではないだろうか。慣れというものは恐ろしいもので、子供などにに進路などの将来のことを相談されたときに、自分の過去の経験や、現在の環境を前提に答えてしまう。

 子供が知りたいのは10年、20年先の話だから、現状を前提に答えられない。ましてや、親の経験は20~30年も昔の経験だから、30年も昔の経験で20年も先の未来を考えられない。 答えられるのは、人間って何?のような極めて抽象的な問題くらいだろう。

 職場でも同じだ。40、50歳台のマネジャと話すことがある。若い人の将来に不安があるらしい。彼らは、若い人達が専門性を高めると将来別の仕事に移ったときに困るのではないかと考えているらしい。

 よく聞いてみると、彼らは未来が現在からどれだけ変わっているのか考えていないように見える。 「その部署は将来も有るの?」と尋ねると、キョトンとしている。将来その部署が存続し続けているのか無くなっているのか答えてくれたマネージャはいない。おそらく彼らは現在の環境が未来永劫続くと考えているのだろう。

 50歳台の人は10年後、定年退職した後自分がどれくらい評価されるか考えなくてはならないから心穏やかではない。しかし、今現在の評価が退職後も続いていると考えると心穏やかでいられる。でも、それは思考停止だ。

 そして、思考が停止した状態で他人にアドバイスするのは無責に過ぎる。

 将来の見通しや展望を語るのは難しいけれど、年の功で将来を考えるのが年寄りの役目ではないだろうか。

 藤原和博氏は、生きるために必要な力は、情報処理力、情報編集力、基礎人間力だとおっしゃる。 そして、これまでの日本の教育は情報処理力:情報編集力の比率が9:1だったものが、今後7:3になるだろうとおっしゃる。

 技術者にとって情報処理力は重要なことは今後も変わらない。 今後重要性が増すであろう情報編集力に揚げてある、

  1. コミュニケーション・リテラシー(異なる考えを持つ他者と交流しながら自分を成長させること)
  2. ロジカルシンキング・リテラシー(常識や前例を疑いながら柔らかく「複眼思考」すること)
  3. シミュレーション・リテラシー(アタマのなかでモデルを描き、試行錯誤しながら類推すること)
  4. ロールプレイ・リテラシー(他者の立場になり、その考えや思いを想像すること)
  5. プレゼンテーション・リテラシー(相手とアイディアを共有するために表現すること。

はいずれもマネジメントに必要な能力だ。技術者がマネジメントできない原因の一つはこれらの能力が足りないのかもしれない。

 技術力が高い者はコミュニケーション能力が低いと言われる。

 もともと情報処理力(数学、理科)に適性があった者が技術者になって、さらに情報処理力を磨く。仕事柄若いうちは情報処理力を高めなければ技術者として食っていけないという事情もある。 情報処理力と情報編集力とのバランスが悪いことに気がつかない。

 このように考えると、技術者だからコミュニケーション能力が低いのではなく、教えられてないからコミュニケーション能力が低い者が多いのではないだろうか。

 学校では、コミュニケーション能力は偏差値に影響しないから積極的に教えない。
技術者ばかりの職場に入ると先輩・上司は教えてくれない。いや、教えられないのだ。教えてもらった経験がなければ人に教えることはとても難しい。

 マネジメントをやるようになると、情報編集力が足りないことが問題になる。当然マネジメントに支障をきたす。問題に気付かないで乗り切ろうとする強者もいる...

 ここで情報編集力を獲得したり、高めるトレーニングをすれば良いのだが、古い組織は官僚制で対応しようとする。上意下達というやつだ。 上意下達でも日本人は一から十まで命令しないから行間を読むことは必要だ。ところが行間を読む能力はとても高度なコミュニケーション能力だ。 かくして、技術者上がりの使えない管理者が増殖することになる。

 同世代のマネージャと話すことが多い。彼らと「人材育成」の話をすると、10人中9人は情報処理力の向上の話をする。人材育成には情報編集力の向上も必要では?と問うと、明らかに困惑している。彼らも同じように情報編集力を教えてもらっていないのだ。実は、人材育成担当も同じような傾向がある。おそらく組織的な問題だろう。

 学校教育で情報編集力の割合を増やしてくれるのは大歓迎だ。
今のところOJTで情報編集力の向上は見込めないから、研修で情報編集力向上のトレーニングをやらなければならない。

 まず、人材育成担当に働きかけてみよう。


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