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2018年6月27日 (水)

事故がなくならない理由 安全対策の落とし穴

事故がなくならない理由 安全対策の落とし穴 芳賀 繁

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事故が無くならない理由を心理学から説明した本。

この本を読んで分かったことは、

  • 高い技能を提供するなら、リスク・マネジメントが必須で、大きな事故を想定しておく。
  • 最悪は能力を過信し、リスク・マネジメントもできないこと

リスク・ホメオスタシス理論

この本の中で「リスク・ホメオスタシス理論」が紹介されている。

(1)
 どのような活動であれ、人々がその活動から得られるであろうと期待する利益と引き換えに、自身の健康、安全、その他の価値を損ねるリスクの主観的推定値をある水準まで受容する。
(2)
 人々は健康・安全対策の施行に反応して行動を変えるが、その対策によって人々が自発的に引き受けるリスク量を変えたいと思わせることができない限り、行動の危険性は変化しない。

 簡単にいうと、「人はリスクが一定になるようにネガティブ・フィードバックが働く」というもの。

 例えば、防波堤ができると津波警報で非難しない人が増えたり、ABSの装着を義務付けると雪道を平気で運転するため事故が減らななどが挙げられるそうだ。

 フィードバック・ループの外側にある知覚的技能、意思決定の技能、運転操縦の技能がどれだけ改善されても事故率に影響を与えないということも、リスク・ホメオスタシス理論の重要な主張である。

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まず、リスクの基準を下げることが必要らしい、では、安全運転対策(事故対策)無駄かというと、そうではないことは説明してある。 

 事故防止を考える人は、人にはこのような性質があることを理解しておく必要がある。人はリスクを避ける性質があるという前提は危険だ。

リスク・アセスメント

 リスク・マネジメントの勉強した人は理解できるだろう。

 普通の人はリスクを受容するという観点がないからリスクゼロを目指してしまう。 ハイリスク・ハイリターンと言われるようにリターンに見合うリスクを取ればよい。 しかし、特に減点主義の組織では、取ったリスクに見合うリターンが得られないことが多いから、リスクは取らない。

リスク・マネジメント

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 自動車の運転を例に、リスク・マネジメント能力と運転技能で評価する考え方は参考になる。 注意しなければならないのは、事故は無くならないということ。

  • リスク・マネジメント能力が高ければ事故は減り、低ければ増える。
  • 運転技能が高ければ事故発生時の被害は大きく、低ければ被害は小さい。(運転技能が低いことを認識していることが必要)
  • 最悪なのは、運転が下手なのにそのことを自覚せずに能力を過信し、リスク・マネジメントもまともにできないドライバーである。

 この理論が人間個人から個人の集合である組織に適用できると仮定すると、

  • 高い技能を提供する業務では、リスク・マネジメントは必須。
  • しかも、大きな事故が起こる可能性がある。
  • 最悪なのは高い技能がないことを自覚せず能力を過信し、リスク・マネジメントができないマネジャ

ということだろうか。逆に、

 高い技能を必要としない業務は、リスク・マネジメントができていないとしても、技能が低いことを自覚していれば、事故は発生するが被害は小さい。

ということだろうか。


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