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2019年8月

2019年8月31日 (土)

27C322

16bitのUV-EPROM(27C322)を買った。

27c233x10

↑未使用らしい。10個も使う予定はないのだけれど、ちゃんとしたところで1個買うより安かったりする。

27c322x1

↑16bitのEPROMは大きい。窓も大きい。42pinのDIPは立派だZ80より大きい。

↓マーキング

27c322_marking1

UV-EPROMはデータ消去が大変でフットプリントも大きいので使いやすいFlashメモリに変わっていった。

紫外線ではなく電気的にデータを消去できるEEPROMも昔からあったけど容量も少なく高かったので買った記憶がない。 

パソコンのBIOSも初期の頃はUV-EPROMが使われていたが、EEPROM(DIP)が使われてるようになった。
探したら出てきた。上からMX29F002(256K×8bit)、SST29EE020(256K×8bit)、W29C011(128K×8bit)

Bios_flashrom

 ところで、27C322は2M×16bitで、持っているロムライタ(TOP2007)は対応していないので読み書きできない。

こんな↓アダプタを使って、ターゲットを27C4096(256k×16bit)にして何回かに分けて書くらしい。

 

このアダプタはTL866用で、持っているロムライタ(TOP700)は16bitのEPROMに対応していないようなので、さらに上位8bitと下位8bitを分けて書かななければならない。



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2019年8月29日 (木)

コミュ障で損しない方法38 <相手と協力して「気まずさ」をやっつける>

コミュ障で損しない方法38 吉田尚記 日本文芸社

Photo_20190817163901

「コミュ障」という言葉をよく聞くようになった。定まった定義があるわけではなく、「一風変わった人」くらいのニュアンスで使われることが多い。

 この本では「コミュ障」は

医学的な理由でコミュ二ケーションを取れない。という深刻な場合を指して言うのと違い、慣れない人と会うときに緊張してしまう、うまく喋れる自信がない、そんな気持ちを抱えた人

のことらしい。多くの人が当てはまるのではないだろうか。

 なかなか会話ができない人は、会話をコミュケーション=ゲームだと思うとよいのだとおっしゃる。

 コミュケーション=ゲームのルールは簡単で

  • 相手と協力して「気まずさ」をやっつける
  • 制限時間まで、気まずさが訪れなければ勝ち

というもの。

 会話の相手と戦うのではなく会話の相手と協力して気まずさが訪れないようにするのがミソだ。

 「コミュ障」の人が一生懸命コミュニケーションを取ろうとするとたいてい一人で空回りするから、相手と協力すると考えると、ちょっと気が楽になる。

 吉田尚記氏はアナウンサーだから、聞き手としてのコミュケーションが必要だ。
仕事で必要になるコミュケーションには、説明や交渉、合意形成などもある。コミュケーションを拒否している相手とのコミュケーションが必要な場合もある。このコミュニケーションははハードルが高いけど、それ以前に肯定的なコミュケーションも苦手という人はコミュケーション=ゲームから初めると良いかもしれない。苦手克服と考えると憂鬱になるから。

 吉田尚記氏は「空気を読む」のではなくテンションを合わせると良いとおしゃるのだが、テンションを合わせることが苦手な人もいるんだよね。


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2019年8月27日 (火)

転勤廃止 <感情論ではなく考えてみる>

AIGで話題 「転勤廃止」企業に勤める意外な“落とし穴”とは? ITmedia ビジネスオンライン (2019/08/01)

 AIG損保は希望しない転勤を廃止するそうだ。WLBに配慮すると強制的な転勤は見直す必要がある。強制的な転勤を経験した人は、つい感情的なる。冷静に考えてみると、闇雲に廃止すればよいわけではなさそうだ。ピーターの法則から考えてみた。

〇結論

  • 終身雇用制、年功序列制の組織がWLBに配慮して強制転勤を止めたら生産性は低下する。
  • 転勤の金銭的なロスは、終身雇用制、年功序列制が継続すれば補填できる。
  • 若い人は、成長機会が得られる職場に転勤すること。

ライターの加谷珪一氏は

極論すれば、日本で強制的な転勤が受忍されてきたのは、全て終身雇用制度を維持するためだったといっても過言ではない。

と指摘される。なるほど。

 終身雇用制度の職場では若い間は給料以上に働き、歳をとると働き以上の給料をもらうことで生涯の収支が合うようになっている。

 給料以上の働きには転勤に伴う出費も含まれているし、単身赴任で家族と離れて暮らすことも含まれる。転勤が多い人が出世する職場だ。

 業務面では、異動先の環境に慣れるとか、業務の引継ぎ、カウンターパートとの人間関係の再構築、などの業務上のロスは多い。

 それでも、強制的な転勤が無くならない理由を考えると、
階層型組織では、ピーターの法則どおり各階層は無能レベルに達した者では埋め尽くされる。当然、生産性は低いし、環境の変化に対応することも難しいが、無能レベルに到達していない者が少数いて、ピーターの第3法則どおり多くの業務は彼らが遂行している。

 そして、彼らが業務を遂行しやすくする方法として転勤は有効だ。
年功序列制の組織では年長者を追い抜くことは容易ではないが、転勤を利用して、無能レベルに達していない者が無能レベルに達した者を追い抜くことができる。また、無能レベルに達した者を「強制上座送り」にすることで、無能レベルに達していない者に活躍の場を与えることができる。

 無能レベルに達していない者に仕事をしてもらわなければ、無能レベルに達した年寄りは若いときに給料以上働いた分を回収できなくなるので、大部分の年寄りは終身雇用制度が無くなっては困る。

 だから、ピーターの法則に縛られている組織では、強制的な転勤はなくならないだろう。
一方、ピーターの法則に縛られない組織は、強制的な転勤制度はロスが多くメリットが少ないので、廃止できるのだろう。

〇転勤させる側の観点では

 昔は昇任と転勤はセットで、転勤を希望しないとは言いにくい風潮があったが、最近は大ぴらに言えるようになった。問題は、無能レベルに達していない者が転勤を希望しないと言ったときにどうするかだ。

 彼らが大半の業務を遂行しているから、それでなくても低い生産性が更に低くなる。

〇転勤させられる側の観点では

 若い頃に給料以上に働いて、今は残念ながら無能レベルに達してしまってしまった人は、無理して有能感を出さずに転勤のロスを減らして、若い頃のマイナス分を回収するのが得策だろう。

 リスクは、歳をとってから、終身雇用制度がなくなることだ。何しろ無能レベルに達しているので、能力どおりの給料しか貰えなくなると生涯賃金の収支がマイナスになる。

 このリスクは、終身雇用制度と年功序列制がこの先も続くと思っている若い人も抱えている。しかも、若いほどリスクは大きい。

 終身雇用制度と年功序列制が長くは続かないだろうと考えている若い人は、若い間に給料以上に働いた分は将来回収できなくなると思っているだろう。
このように考える若い人のリスクは、理不尽な転勤による金銭的なロスや成長機会のロスだ。

〇転勤はロスだけか?

 転勤は金銭的にロスになる可能性が高いが、転勤先によっては成長機会を得ることができる。

 例えば、地方で勤務していて、都会で働いてみたいと思っている人は都会に転勤するのも良いだろう。
地方で退職して、都会に再就職するのは大変だから、転勤を利用して都会を経験してみるのも良いだろう。地方と都会の良いところ悪いところが分かる。

 転勤に成長機会を求めるなら、転勤先を選ぶことが重要だ。都会に転勤したは良いが、成長どころかすり減ったり、燃え尽きたりする人はいる。しかし、経験では、転勤ほど思い通りにならないものはない。

 そのためは、押してくれる人と、引いてくれる人を探すと良い。無能レベルに達した年寄りでも人的ネットワークは持っているものだ。

〇結論

  • 終身雇用制、年功序列制の組織がWLBに配慮して強制転勤を止めたら生産性は低下する。
  • 転勤の金銭的なロスは、終身雇用制、年功序列制が継続すれば補填できる。
  • 若い人は、成長機会が得られる職場に転勤すること。 

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2019年8月25日 (日)

専業主婦という働き方 <専業主婦に限らず昭和の価値観はリスクが大きい>

キャリコネに

 「専業主婦になりたいと望むのはダメなこと?」21歳女子大生の悩みに忠告相次ぐ キャリコネ (2019/08/18)

という記事がある。元ネタはYahoo!知恵袋の

 専業主婦になりたいと望むことはダメな事でしょうか?? Yahoo!知恵袋 (2019/7/5)

ぐぐってみるとこのネタは結構多い。
東洋経済にもあった。

 「夢は専業主婦」と語るのはダメなことですか 無邪気な発言で職場で大ひんしゅく 堂薗 稚子 (2015/08/25)

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 ざっと読んでみると、専業主婦は経済的に難しいことは、皆承知しているらしい。

 実は、娘も専業主婦志望だったけど、無理じゃないかと助言したことがある。

 アラ定のオヤジが「専業主夫という働き方」という観点で考えてみた。

〇結論は

  • 専業主婦という働き方は、終身雇用や勤務先の安定という昭和の価値観に依存している。
  • 専業主婦と言う働き方を選ぶと、配偶者は家にいないから家庭団欒が実現できない可能性が高い。
  • いつの時代も、若い世代に適切なアドバイスをくれる年寄りはいない。
  • この先、専業主婦に限らず昭和の価値観はリスクが大きい。

 最初に断っておくけど、専業主婦という働き方が悪いわけではない。
働き方は人それぞれだから、他人にとやかく言われる筋合いではない。ただし、専業主婦という働き方は一人では決められないので配偶者と合意する必要があるだろう。

〇専業主婦とは

 昔、農家や自営業では専業主婦ではなかった。裕福な家は専業主婦だったが女中を雇うなど、ワンオペではなかった。

 専業主婦という働き方を簡単にいうと、現金収入と家事、育児の分業だが、高度成長期に家電製品が普及したので家事労働の負担は減っていったのでワンオペが可能になったのだろう。

 オヤジが若かった頃には「寿退社」という言葉があった。女性は結婚すると専業主婦主婦になる人が多かったのだ。しかし、専業主婦になることを望んでいる人ばかりではなかった。社会が受け止められなかったのだ。

 家事ワンオペの専業主婦は、昭和の高度成長期に誕生した都会の核家族に適した働き方だったのではないだろうか。そして、ちょっと前まで多くの人がこの働き方を選んでいたのは、専業主婦の方が合理的だったからではなく、雇用する側の都合ではないだろうか。

〇なぜ専業主婦?

 日本の社会は高度成長期以来、長時間労働に頼っていた。従業員が家事、育児を分担していると長時間労働させにくい。家庭内で、家事、育児と会社での労働を分業してくれたら、雇用側は従業員に長時間労働させることができるので、都合が良いのだ。

 従業員(多くは男性)は、家事、育児を分担している専業主婦の賃金まで稼ぐ必要があるのだが、多くの従業員は基本給ではなく、扶養手当や残業手当という基本給以外の賃金で賄っていた。

 このモデルが存続できるのは、残業するほど仕事があることが前提だ。つまり、会社や社会全体が成長していることが前提だ。

 また、日本人は持ち家信仰が強いので、借金をして家を買う人が多いから、現金収入を担当している男性は、専業主婦の賃金に加えて借金の返済分も稼がなくてはならない。しかし、社会が成長している間は、毎年給料が増えるから繰り上げ返済が可能で借金は負担ではなかったのだ。しかも土地価格は上昇基調だった。

 ここまでは、若い人の祖父母の時代。

 その後成長が鈍ってきが、残業を増やしたり理不尽な転勤を受け入れてなんとか分業を維持していた。その結果が、長時間通勤、長時間労働、休日出勤、単身赴任だ。

 このモデルはもう維持できないと思い始めた頃にバブルがあって、続けることができてしまった。

 このあたりは、若い人の父母の時代。

 今時は、成長しなくなって久しく、さらに残業が法律で規制されるようになって、残業手当が減った今、基本給で専業主婦の賃金分の収入が得られる男性は少ない。

 つまり、専業主婦は昭和の高度成長期だから可能で、現在では多くの人は経済的に難しい。

〇昭和の価値観

 政府が、働き方改革の旗を振ってもなかなか働き方が変わらないのは、おじいちゃん世代、オヤジ世代が高度成長期の古き良き時代の価値観変えようとしないからだと思う。

 合理的に考えて、若い世代が、昭和の高度成長期のように行動するのはリスクがかなり大きい。
例えば、

  • 専業主婦
  • 終身雇用
  • 公務員、大企業などの安定志向

などだ。

 専業主婦、長時間通勤、長時間労働という働き方を選択して、長期ローンを組んで、定年間近になってわかったことは、この選択はリスクが大きかったこと。リスクが顕在化しなくて、本当にラッキーだったと思う。この30年間、経済や技術などの環境は大きく変化したけれど、昭和の価値観をだましだまし保ってきた感がある。

 Yahoo!知恵袋の相談者は家庭団らんに憧れているようだが、専業主婦という働き方を選択しても、家族団らんが実現できるわけではない。専業主婦という働き方を維持しようとすると男性は家にはいれないのだ。朝早く出勤して、子供が寝てから帰宅する。土日は疲れていて子供と遊べない。単身赴任するからそもそも家にいないのだ。

 なぜ、そのような働き方を選択したかというと、適切なアドバイスをくれる人がいなかったからだ。多くの人は昭和の価値観でアドバイスするから、昭和の価値観に縛られてしまったのだ。

〇終身雇用

 この先終身雇用を維持するのは難しいだろう。終身雇用は、若い間に給料以上に働いて、不足分は歳を取って受け取る仕組みだ。簡単にいうと、若い間のサービス残業分を、窓際になる歳になってから受け取る仕組みで、生涯賃金はペイする。

 しかし、今時、「若い間は安月給だけど、30年先に仕事に比べて給料が良くなるから」と言われたら信じるのだろうか?

〇公務員、大企業などの安定志向

 最近、大企業が大量リストラしたり、買収されたり、倒産している。日産やシャープ、東芝など、オヤジたちが40年近く前に大企業に抱いていた安定感は今はもう無い。では、googleが30年後もトップ企業であり続けると断言できる人はいるだろうか?

 つまり、これから先は重要なことは、安定より環境変化への対応だろう。

〇専業主婦

 終身雇用という働き方が維持できなくなった場合や、安定していると思っていたのに、リストラされたり、倒産したら、転職を余儀なくされるが、転職しても収入は増え続ける保証はない。収入を増やすためには学びなおす必要があるが、収入のすべてを配偶者に依存している専業主婦という働き方の場合、配偶者が学びなおしている間は無収入になる。

 つまり、専業主婦という働き方は安定した収入があることが前提だ。ところが、昭和の価値観では安定収入の条件だった終身雇用や公務員、大企業での勤務に長期間の安定を求めるにはリスクが大きい。

〇まとめ

 最初に書いたたように、専業主婦が悪いわけではないし、配偶者と合意すれば可能だ。
昭和を30年、平成を30年生きてきた経験では、これから先の時代を昭和の価値観で生きるのはリスクが大きいと思う。では、どのような価値観が良いのかと尋ねられたら。

 ハッキリ言って、先のことは分らない。歳を取っているから先のことが分かるわけではない。

  • 10年先は10年前と同じではない。
  • 10年先は10年前からの変化の先にある。

と考えれば、昭和の価値観に捉われた年寄りのアドバイスをあてにしなくてよくなる。

〇結論

  • 専業主婦という働き方は、終身雇用や勤務先の安定という昭和の価値観に依存している。
  • 専業主婦と言う働き方を選ぶと、配偶者は家にいないから家庭団欒が実現できない可能性が高い。
  • いつの時代も、若い世代に適切なアドバイスをくれる年寄りはいない。
  • この先、専業主婦と言う働き方に限らず、昭和の価値観はリスクが大きい。

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2019年8月23日 (金)

タニタの働き方革命 <残業削減の先>

タニタの働き方革命 谷田千里+株式会社タニタ 日本経済新聞出版社

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 体脂肪計で有名なタニタの社長、谷田千里氏の新しい働き方の提案。

 常々、働き方改革=残業削減の議論しかないことに疑問を感じていた。また、経営側の意見が少ないのも気になっていたので、この本を読んでみた。

 谷田千里氏は、今流行りの「働き方改革」について、

 これまで「働き方改革」の名の下に議論されてきたのは、残業削減や有給休暇取得の義務化、テレワークの推進など「働きやすい」環境づくりが主だったのではないでしょうか。できれば「働き甲斐」やその方向からの「生産性」についてもっと突っ込んだ議論が欲しかったと思いますが、それらは置き去りにされてしまった感があります。

とおっしゃる。

 政府が「働き甲斐」まで踏み込んだ政策を掲げるとアヤシくなるので、規制強化などの環境整備になるのはある意味しかたないところがある。

 タニタの制度は、すごくざっくり言うと「個人事業主」化を会社が支援する制度。
日経ビジネスのインタビュー記事『タニタ社長「社員の個人事業主化が本当の働き方改革だ」 日経ビジネス (2019/7/18)』に、この制度の概要がある。

 弁護士ドットコムには『タニタの働き方改革「社員の個人事業主化」を労働弁護士が批判「古典的な脱法手法」』という記事がある。

 この本のあとがきにもあるように、この制度がベストではないかもしれないし、今後環境の変化に応じて変わっていくのだろうと思う。

 この制度を利用している人は、3年で27人らしい。 タニタの会社概要を見ると従業員数は1200人なので、この制度を活用している社員は約2%だ。まだまだ、昭和の価値観で働いている人は多いだろう。今後世代交代が進むとこの制度を活用する人も増えるのではないだろうか。

 この制度は、社長の社員に対する「働き方は横並びでなくてよい」という本気のメッセージだろう。

 この制度を利用する人は、タニタでなくても稼げるだけの能力を持っている人だと思う。だから、この制度は人材流出を加速させると考えるのは自然だ。

 この意見に対して谷田千里氏は

 人材流出を本気で心配するのなら、弊社がやるべきことは、「囲い込み」ではないと思っています。他社からも欲しがられる優秀な人材に、「やっぱりタニタで働くと楽しい。やり甲斐があるから、一緒に仕事をしたい」と思ってもらえること。そのためにチャレンジングなプロジェクトを生み出し、継続していくことの方が大事だと思っています。

とおっしゃる。理想的だ。

 研修や訓練に関わっていると、高いスキルを身につけたら、転職する人が増えて人材が流出するのではないかと心配する幹部の意見を耳にすることがある。「そんなのとより、処遇を改善しろよ!」「環境を改善しろよ」思ってしまうのだが...

 この制度を利用すれば、能力を持った人はフリーランスになったり転職しやすくるのは事実だ。人材流出を防ぐために、人事を年功序列にしたり、能力の有無によらず報酬を横並びにしたのは、昭和の働かせ方だ。

 この制度を運用するなら、能力が高いが働きたくなるような職場環境を作ることが不可欠だろう。報酬よりも能力を活かせる仕事がない方が辛いと感じる者はいる。

 この挑戦的な制度の行方に注目しておこう。



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2019年8月21日 (水)

シャープトップの戴正呉氏が熱弁

シャープトップの戴正呉氏が熱弁「この会社は日本の宝」日経ビジネス (2019/08/14)

 買収から2年で黒字復活シャープ会長兼社長の戴正呉氏のインタビュー記事を読んでみた。

 シャープが迷走していたときに注目していた。株主ではないのだけれど。

 シャープの経営不振について、「私から言うのはよくありませんが」と前置きしながらも、

2010年代の経営危機は経営者の能力の問題でしょう。技術や営業など特定の職種しか経験していない人が社長になってしまった。

と手厳しい。日本については、

今、部品や材料など日本が強い企業は、同族経営の会社が多い気がします。

とおっしゃる。

 同族企業が経営者を育てられるのか同族の中から経営能力がある者に経営を任せているのかはわからない。しかし、シャープには経営者を育てる風土がなかったというのが、戴正呉氏の診立てだろう。

 興味があるのは、復活の要因は企業風土は変わったことか?戴正呉氏の手腕によるものか?だ。戴正呉氏の手腕によるものなら、戴正呉氏が鴻海に復帰すればまた業績は悪化するだろう。

 どのように変わったのかシャープの内の人の話を聞きたい。

 戴正呉氏によると、

私が2016年8月に入った時には3種類の社員しかいなかった。3分の1は能力が高く、忠誠心のある人。3分の1は転職先が見つからない人。残りが指示待ちの人です。

らしい。

 年収ランキングによると2016年の従業員数は14,544人だからそれぞれ5,000人弱ということになる。能力が高く忠誠心のある社員が5,000人もいるって結構スゴイのでは?。

 能力が高く忠誠心のある社員が全体の1/3いるのに経営難になったのなら、戴正呉氏の指摘どおり経営の問題だけど、にわかには信じられないなぁ。



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2019年8月19日 (月)

アポロ11号の通信系 <ピー音の正体>

 2019/7/20はアポロ11号月着陸50周年らしく、NHKでは連日アポロ関係の番組を放送していた。

なんだかんだで、ほとんど見てる。

 1961年当時、月面での船外活動の中継をテレビで見た記憶がある。その時は気にならなかったのだが、どうやって月から映像を送っていたのか気になって調べてみたら、「なぜ月面着陸はテレビ中継できたのか?アポロ計画の天と地を結ぶ地上局」宙畑 (2019/7/19) にあった。

 月の映像は320LPF,10FPSのSSTVをSバンド(2GHz帯)で送って、オーストラリアのパークス天文台の電波望遠鏡で受けて、シドニーからインテルサットでアメリカまで送っていたらしい。

 因みに、ダウンリンク用の送信機はTWTを使って20W出力で、月面で使ったアンテナは10feet(約3m)のパラボラらしい。(写真 参照)

 あの時代に、月を往復するロケットを打ち上げる技術も大したものだが、地球規模の通信システム(NASCOM)を構築していたのも大したものだと思う。

 
(https://sorabatake.jp/wp-content/uploads/2019/07/NASCOM-1300x763.png)

 それはさておき、

 管制センターと宇宙船との通話を聞いていると通話の後にピー音が聞こえる。懐かしい。当時アマチュア無線でもスタンバイ・ピーが流行った。

 あのピー音は、半複信方式(交互に送信する通信方式)で、双方が同時に送信しないように、片方が送信が終了して受信を始めたことを知らせるためだと思っていた。

 調べてみると、あの音は、Quindar tonesといって、管制センターが話す前(PTT ON)に2525Hz、終了時(PPT OFF)2475Hzが出力されていて、同時送信を避けることが目的ではないらしい。

 アポロ計画の通信システム(Unified S-Band)は複信方式なので、管制センターと宇宙船は同時に話すことが可能だから、送信が終わったことを知らせる必要はない。
Quindar tones の目的は 同時送信にならないためではなくて、管制センターが話さないときに宇宙船に送る音声をミュートするために使っていたらしい。ミュートしないと、宇宙船では無通話時に回線のノイズや管制センターのバックノイズが聞こえて鬱陶しいのだそうだ。


このページでQuindar tone入りの通話が聞ける。(http://soundandthefoley.com/category/quindar-tones/)


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2019年8月17日 (土)

面接試験

 今年も昇任試験の時期がやってきた。

 これまで、論文試験について書いた。

 論文試験の他に面接試験があるのだが、面接官をやった人は、面接の練習をしすぎているのではないかとおっしゃる。受験者の回答が判で押したようだというのだ。話を聞くと、仕事に取り組む姿勢とか、誠実さ、地頭の良さが判るくらいの人生経験はある。面接官をバカにしてはいけない。と。

 歴代の質問を集めたアンチョコが出回ったりするから、皆、模範回答を答えるようになる。

 学生が就活のときに同じようなリクルートスーツを着るのと同じだ。

日経電子版に 

「仕事の風景(1)就職氷河期、個性は封印」2010/9/16付 日本経済新聞 夕刊
(https://www.nikkei.com/article/DGKDZO14757260W0A910C1MM0000/)

という記事があって、その記事に載っている写真がこれ↓


↑2010年の入社式
 
↑1986年の入社式

 服装は特に決められたものではないし、リクルートスーツで他の受験者より印象が良くなることはない。しかし、少なくとも他の受験者より悪くなることはないという考え方だ。

 面接でも予め練習した模範回答をしていれば、少なくとも、他の受験者より悪くなることはないと考えるのではないだろうか。そして、模範回答を練習した上司は部下に模範回答を指導するので、就活生のリクルートスーツのようにはびこる。

 昇任に不可欠なものは「覚悟」だと思う。上位の職に就く覚悟だ。
その「覚悟」を決めるには自問自答が必要だ。面接では自問自答した結果に照らして答えればよい。

 その覚悟が、組織が求めるものと異なれば、不本意な結果になるかもしれない。
しかし、自問自答したことは無駄ではない。少なくとも模範回答を覚えるより創造的だ。

 昇任試験の面接で予め練習した模範回答を答えるのは、「上司の言う通り模範回答を覚えました。」とか「私の人生は他人と横並びです」と公言するようなものだ。そして、それが評価される組織は、命令に従順に従い、組織の和を重んじる者を求めている。つまり、社畜を求めているということかもしれない。

 昭和の時代は、あえて社畜になる選択肢もあったが、今時、社畜を目指すのはリスクが大きいと思う。



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2019年8月15日 (木)

モチベーション3・0 <もうアメもニンジンも要らない>

モチベーション3・0 ──持続する「やる気!」をいかに引き出すか
著:ダニエル・ピンク 訳:大前研一 講談社

  
↑(https://shop.r10s.jp/rakutenkobo-ebooks/cabinet/6130/2000003826130.jpg)

 MITのダグラス・マグレガー教授が、マネジメントの考え方をⅩ理論からY理論へと移行させる必要があると説いたのは1960だから60年も前だ。 そして、この本が出たのが10年前だ。

 しかし、周りを見るとX理論が廃れる様子はない。
やる気の話しになると、アメとムチが登場するし、年寄りは信賞必罰という。

行動科学者は、仕事と勉強を、「アルゴリズム」(段階的手法またはルーチンワーク)と「ヒューリスティック」(発見的方法)の二つに分類することが多い。

らしい。

 外発的動機付け(アメとムチ)はアルゴリズム的な仕事には効果があるがヒューリスティック的な仕事には効果がないらしい。

 20世紀は工業化、標準化の時代でアルゴリズム的な仕事で成長した時代だから、外発的動機付けが有効だった。 皆アメとニンジンで働いていたのだ。

 将来は、アルゴリズム的な仕事はAIとロボットの仕事になるからアメは必要なくなり、人間がやるヒューリスティック的な仕事は、内発的動機付けでなければモチベートできなくなるのかもしれない。

 まず自分自身をモチベートしようとすると、内発的動機付けの方が断然簡単だ。


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2019年8月11日 (日)

74HC181 <4bit ALU>

ヤフオクで74HC181が出ていたいのでポチってみた。4個で2,500円でお手ごろだ。

74hc181x4

74LS181と14581は持っていた。

14581 74ls181

74181や74F181は秋葉で見たことがある。

今時はTTLといっても74HCシリーズ(CMOS)を使うので74LS181を使おうとするとレベルが違うので74HCTシリーズを使わなければならない。(まじめに作るろうとすると)

74181は4bit ALU(Arithmetic and Logic Unit)算術論理演算で、四則演算や論理演算ができるICだ。昔昔、コンピュータが標準ロジックICで作られていたときには、74181が使われていたそうな。

標準ロジックICでコンピュータを作っている人がけっこういる。(TNACOM-1とかRETFORとかweb-ringもある) 今時はFPGAやCPLDを使うと簡単にできるようになったけど、標準ロジックIC作ってみるとCPUアーキテクチャが理解できるようになる。

簡単なのは「CPUの創りかた」で紹介されているTD4だ。標準ロジックで4bitのCPUを作るというもの。

CPUの創りかた

実際に作ってみた

Td42

TD4の演算は加算だけなので、四則演算や論理演算ができるようなCPUを作ってみたくなる。そうすると、でも紹介されている74181(ALU)が必要になる。

ところが、今時、ALUはCPUの中に一体化しているので単独で使う用途は無くなってしまったので流通在庫を探すしかない。webショップでTTLを売っていると、つい181で検索してしまう。部品屋でTTLを売っていると、つい引き出しを開けてしまう。(変なおじさんだ)


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2019年8月 9日 (金)

IT音痴な経営陣にセキュリティーの大切さを理解させる方法

セブンペイ問題に見る、IT音痴な経営陣にセキュリティーの大切さを理解させる方法  エンジニアTYPE (2019/08/02)

 日本マイクロソフト テクノロジーセンター センター長の澤円氏の連載にこんな記事があった。

澤円氏は

重要なのは「役員たちにセキュリティーについて完全に理解させる」ということを目指さないようにすることです。矛盾しているように思えるかもしれませんが、前提知識のない人に理解させようとするのは、無謀です。

とおっしゃる。

同感だ。

 頭の良い人でも、前提知識+αくらいしか理解できない。

 それよりも、始末が悪いのは、「技術屋崩れ」や「自称理系」の人達だ。当の本人は説明を聞いたら理解できると思ってる。(実際に口に出す人もいる。)

 今時、技術は細分化されているから専門外の技術は勉強していなければ完全に理解できるものではないし、説明する側も完全に理解できていない部分がある。

 このような人に限ってザックリ理解するのが苦手だ。しかも、どうでもよい些細なことに拘る。 そして、最後に「もっと、わかりやすく説明してくれ。」とのたまふ。

 頭が良い人は、ザックリ理解して、肝心なところは正確に理解しているような気がする。


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2019年8月 7日 (水)

360度評価 <そんなに簡単じゃない>

「上司を評価」全省庁で 今秋から ハラスメント防止へ  日経新聞電子版 (2019/08/05)

 中央省庁で360度評価が始まるらしい。

360度評価するなら

  • 匿名性をいかに担保するか
  • 部下からの評価はどのように反映されるのか
  • 上司は部下からの評価を受け入れられるのか

について十分な検討が必要だと思う。

 気になるのは、目的としてハラスメント対策が表に出ていること。穿った見方をすると、部下の不満を発見すること。セクハラ・パワハラ上司を取り締まることのようにも見える。つまり、360度評価で組織内のネガティブの感情に対応しようとしているということだ。

 本当にハラスメント対策なら、おそらくうまく運用できないだろう。

 人は管理職になると、ともすれば裸の王様になり、自分自自身客観的にを見ることができなくなりがちだ。だから、自分自身を客観的に認識して、マネジメントの問題を改善するなどのポジティブな目的に使用するなら、360度評価は有効だ。 

 しかし、組織内のネガティブな感情に対応するのが目的ならば効果は無いと思う。

 360度評価される者は少なくとも謙虚でなければならない。ところが、謙虚にパワハラする者を見たことは無い。謙虚でないからパワハラするのだ。

 謙虚でない者は360度評価の結果を受け入れられないから、360度評価してもパワハラは無くならないだろう。

 パワハラ・セクハラの被害者はここぞとばかりに酷評するだろう。それは当然の感情だがネガティブの感情は何も生み出さない。チクリ文化が生まれるだけだろう。

 そんな組織で管理職になりたいだろうか?

 自主的に360度評価されてみた経験では、部下から評価されることに対する心理的な抵抗感は拭えないし(ちっちぇな。自分)酷評されることへの恐れもある。(能力がないだけだけど) だから、マネジメント能力を向上させようという意思が無ければ、正直御免被りたいところだ。

結論
360度評価するなら

  • 匿名性をいかに担保するか (パワハラ野郎の報復人事は怖いよね)
  • 部下からの評価はどのように反映されるのか (組織や上司が変わらないならリスクは避けるよね)
  • 上司は部下からの評価を受け入れられるのか (部下の評価を素直に受け入れる人は360度評価は必要ないよね)

について十分な検討が必要だと思う。



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2019年8月 5日 (月)

囲碁とAI(3) <なんとなくわかったこと>

 将来AIに仕事を奪われるのような議論が多くなってきた。囲碁の世界では「AIに仕事を奪われる」が現実になってきているわけだ。ならば、プロ棋士の対応や何を考えているのかを知れば、将来AIに仕事を奪われない方法がわかるのではないかと、囲碁とAIについて考えている。

21世紀政策研究所が開催した座談会の議事録を見付けた

プロ棋士から見た AIと人 ―これからの経営・社会への示唆― (2017/10/31)

Ai


 松尾豊教授他の研究者と将棋界から羽生善治三冠(当時)、囲碁界から王銘琬九段、大橋拓文六段が参加している。

 AIが導いた回答について思考過程や判断基準が分からないこと、AIソフトが打った手の意味が分からないことについて、王銘琬九段は

意味は分からないですけれども、その手が数値によって判断されたということは分かる。それに対して相手がどう応じてくるかも示して、その後、自分はどうするべきか、ということも示してくれます。そうすると、これはやはり人間との比較になるのですが、個人的な感覚として、そこまで正確に示してくれる人間はいないと思います。そういう意味では、AIとなら、それなりに検討が成り立っていると感じています。

とおっしゃる。

 画像データの中からから猫を見付けるような認識ではなく、囲碁AIのように過去の状態に影響される判断は、判断の候補の履歴を見ると判断基準が分かってくるのだろう。

 囲碁AIは感想戦ができないと言われるが、王銘琬九段は詳細なログがあると検討できるとおっしゃる。囲碁AIは人間より強くなっているから、素人が見ても分からないだろう。王銘琬九段はトッププロの棋力があるから囲碁AIのログが検討の参考になるのだと思う。
 
 仕事を奪うようなAIが現れたら、AIの判断を解説したり、判断理由を合理的に推測するような仕事も新たに必要になるのだろう。そのときに必要なことはAIを適用した分野の専門的な知見ではないだろうか。

 囲碁AIは100%か0%かのような二元的な判断ではなく確率で判断している。AIに判断を委ねることが不安な人はこのことを指摘するわけだが、人間も100%か0%かで判断していることは少ない。

 自分が意思決定するときのことを考えてみると、切羽詰まると丁半で決めているが、冷静なときほど複数の方法を考えて成功する確率が高い方法を選んでいる。

 人間が言う「○○だと思います。」の妥当性を他の人間が判断するときは、なんとなく信用できそうだからとか、堂々としていたからとか、到底論理的でもなく、数値化できない要素で判断している。

 であれば、AIが導き出した確率が数値で示される方が、第三者的には理解しやすいのではないだろうか。

結論

  • 仕事を奪うAIが現れても、専門家には新たな仕事が生れる。
  • AIの判断基準は人間より分かりやすい。


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2019年8月 2日 (金)

囲碁とAI (2) <何冊か本を読んでみた>

 囲碁や将棋の政界ではAIを活用したソフトが人間より強くなってきて、AIが人間を超えた!のようなニュースも目にすることが多くなってきた。

 昔から将棋ソフト、囲碁ソフトに興味があったのでこの分野に注目していた。将棋ソフトは着実に、囲碁ソフトはあっという間にプロ棋士に勝つまで強くなってしまった。

 一方で、囲碁・将棋以外では将来AIに仕事を奪われるのような議論が多くなってきた。囲碁の世界では「AIに仕事を奪われる」が現実になってきているわけだ。そこで、プロ棋士の対応や何を考えているのかを知れば、将来AIに仕事を奪われない方法がわかるのではないだろうか。

 知り合いにプロ棋士はいないので、手始めに本を読んでみた。

 まずはAIの研究者の観点。 著者の斉藤康己氏は長くAIを研究されている方。

アルファ碁はなぜ人間に勝てたのか 斉藤康己 KKベストセラーズ

Photo_20190801205701

 AlphaGoはGoogleが買収したDeepMind社が開発した囲碁ソフトで、トッププロのイ・セドル九段との5番勝負で4勝1負と圧勝したことで有名だ。

 斉藤康己はAlpherGoがイ・セドル九段に圧勝した理由は

  1. 深層畳み込みニューラルネットとモンテカルロ木探索の組み合わせ。
  2. 圧倒的なマシンパワー。
  3. 二つのニューラルネットの精度の良さ。

で、唯一勝利した4試合目での一手について、

イ・セドル九段の一手(白78の割り込み)を「神の一手」と評するものも現れたほどでした。囲碁プログラムの専門家の目には、後ほど説明する「モンテカルロ木探索」という手法の、悪いところが露呈した対局に見えました。

と分析されている。水平線効果と言うらしい。

 次にプロ棋士の観点。

囲碁AI新時代 王銘琬 マイナビ出版

Ai_20190801205702

 この本は、囲碁ソフトと人間との棋譜の解説が多いので、碁を打つ人向け。

 著者の王銘琬九段は

人間がコンピュータから着手のヒントを得たとしても、伸びる余地は少ない。NDA改造でもしない限り、人間にディープラーニングのような改良はできないのです。
 いまは「どっちが強い?」という時期を脱しつつあり、AIのパフォーマンスを楽しみながら自分との関係を考える時期に入ったのではないでしょうか。

とおっしゃる。

 王銘琬九段は、囲碁ソフトTOTRENDの開発チームに参加されていたらしく、AIや囲碁ソフトに造詣が深いようなので、もう一冊読んでみた

棋士とAI ──アルファ碁から始まった未来 王銘琬 岩波書店

Ai_20190801205701

 

この本は、碁を打たない人向けに書いてある。

 昔は囲碁ソフトの開発には棋力が必要だったが、今は棋力は必要ないらしく、中国の最強囲碁ソフト「絶芸」の開発チーム13名は全員碁が打てないらしい。 つまり、自ら学習し強くなるソフトが造れるようになったということだ。

 必要なのは大量のデータ(棋譜)だが、囲碁ソフトの場合対局データも囲碁ソフトだけで作ることができる。これが、囲碁ソフトが急激に強くなった一因だろう。

 王銘琬九段は

いまのAIは汎用型AIではないから怖くないとも言われていますが、棋士から見れば、いまの特化型AIでも十分怖いと思います。人間がアルファ碁に負けたことは、すなわち人間の敗北であるとは思っていないし、「AIも人間が作ったものですから、やはり人間の勝利です」という言い方にも納得いっていません。人間が人間らしさという価値を捨て、効率のみを追求するAIの答えに合わせると決めた時こそ、人間の敗北だと思っています。

とおっしゃる。

 AIの奴隷(言いなり)になってはいけないということだろう。

 自分で考えないで言われたことだけやっている人は、言うことを聞く相手が、上司からAIに変わるだけで、あまり変わらないのかもしれない。


*王銘琬(エン)九段の「琬(エン)」は王ヘンに宛



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