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2019年9月 2日 (月)

厚労省の若手チームの緊急提言を読んでみた

 あちこちで厚労省の若手チームの緊急提言が取り上げられていたので、「厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言」(90ページの大作)を読んでみた。

 ネットでは自ら明かしたブラックぶりが注目されている。中央省庁が労働環境の悪さを公式サイトで公表するのはこれまでになかったことなので注目されているのかもしれない。公開から1週間経過してこの提言書に関する意見が出てき始めたようだが、「改革の提言」にフォーカスして考えてみた。

 なぜ、「改革の提言」にフォーカスするかというと、ここ何年か個人的に「組織風土改革」に取り組んでいるので「組織改革」、特に改革が必要な問題の真因や課題を解決するための具体的な行動に興味がある。厚労省という組織の性格上、政治や国民とは切り離せないが、その部分には触れず、「組織改革」という観点から考えてみた。

 読んで違和感を感じたのは、

  • 提言する側は悪い労働環境の被害者という位置づけ
  • 「改革」を謳いながら、内容は「改善」であること
  • 他人に行動を求める内容で、自分の行動がないこと

だ。

〇労使問題?

 悪い労働で働かされている多くの職員を代表して実情を訴える感が溢れている。いうなれば民間企業の労使問題で労働者側がマスコミを巻き込んでいる構図のようだ。

 国民目線では厚労省職員が労働環境が悪いと言われても困る。厚労省の労働環境を改善するのは国民の責任ではない。それとも、厚労省の行政上の課題が改善されないことの言い訳かと勘ぐってしまう。

 労働者から経営者に対する提言だとすると、厚労省の経営者は誰だろうか?。公式サイトで国民に向けて公開する目的は何なのだろうか?。つまり、この提言書は誰に向けたものか明確でない。

〇「改革」なのか「改善」なのか? 

 この提言書のタイトルは「改革の提言」だが、内容は「改善」だ。「改革」は大見出しだけで、その他は見出しも「改善」になっているから、「改革」と「改善」を勘違いしているわけではさそうだ。おそらくこの提言書は「改善についての提言」だろう。

 言葉の遊びではなく、「改革」と「改善」は似て非なるものだ。「改善」は現状の肯定から始まるが、「改革」は現状を疑うことから始まる。『「厚生労働省分割論」への意見』という項目を設けて、現状の組織体制を変えることに対する反対意見が綴ってあるので、旧厚生省と旧労働省とのシナジー効果の検証はしないで現状の体制を肯定しているようだ。

 つまり、現状を疑うことから始まる「改革」ではないのだろう。

〇誰に向けた提言か?

 誰に向けたのかがわかる部分がある。

・このため、今回の緊急提言については、先日事務次官をチーム長として立
ち上がった「 厚生労働省 改革実行チーム」において、しっかりと受け止めて
もらい たい。 この緊急提言の現場での実行主体である大臣官房と各部局が、
若手チームとも 協力しつつ、 緊急 提言における工程表に沿って、 着実に改革
を実施していく 体制の確保に努めていただきたい と考えている

若手チームは、「 厚生労働省 改革実行チーム」と「大臣官房」、「各部局」に対して提言しているいるようだ。「 厚生労働省 改革実行チーム」は具体的だ。「大臣官房」はまあまあ具体的だが、「各部局」って誰だろう。「各部局」の長のことだろうか、「各部局」を構成する職員だろうか?

 改革も改善も「誰」があいまいな対策案は、実行されない。

〇提言者は何を「改革」するのか?

 若手チームは多くの職員の代表という位置づけのようだ。では、若手チームと若手チームが代表している多くの職員は「改革」について何をするのか?が気になる。若手チームの行動については書いてあった。

・なお、若手チームとして も 、緊急 提言のみで完結することなく、 ここに盛
り込まれた対策 の一つ一つ について、 各部 局 と連携しながら、 その実施状況
を 把握・ 公表したり、改革内容の分かりやすい周知 やより良い方策の検討等
を行ったりするなど、積極的なフォローアップに努めていく

なるほど、若手チームは「改革」のために提言のフォローアップ(実施状況の把握・ 公表、改革内容の周知、方策の検討)をするらしい。つまり、実施主体ではないらしい。

 経験的には、「改革」や「改善」において自分以外に行動を求めた場合、それはうまくいかないことが多い。それはそうだ。口先だけで麗しいことや正論を吐くだけで、自分では行動しない者に、あれこれ指示されたら素直に従う人は少ない。人はそういうものだ。

〇違和感の正体

  • 提言する側は悪い労働環境の被害者という位置づけ
  • 「改革」を謳いながら、現状の肯定から始まる「改善」であること
  • 他人に行動を求める内容で、自分の行動がないこと

 ここ何年か 「職場の風土改革」を考えてきて分かったことがある。

 長く働いていると(生きていると)、改善方策はいろいろ思い付く。簡単に実現できそうなこともあるし、自分の能力や権限では無理なこともある。でも、最も重要なのは「自分は何をするのか?」そして「行動すること」だと思う。

 「厚労省若手チーム」にとって「何をするのか?」が提言をまとめることだったのだろう。では、次に何をするのか?「改革」の道のりは長い。



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