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書籍・雑誌

2020年2月20日 (木)

残業学 <残業だけの問題ではない>

残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? 中原淳+パーソル総合研究所 光文社

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 中原淳氏は

 日本の現状は、「文句を言っていればどうにかなる」「放って置いたら誰かがやってくれる」段階をとっくに過ぎています。必要なのは、企業の働き手が今よりも半歩踏み出して行う、一つ一つの具体的アクションです。

とおっしゃる。
年寄のたちはアクションを起こすインセンティブは無いから、具体的なアクションを起こすのは、若者たちということだ。

 単に残業時間を減らしたら良いというものではいことは、多くの識者が指摘している。いろいろな問題と、習慣、価値観が絡んでいる。

 中原淳氏は
「成長」「仕事」「会社」「ライフ」の定義を変えるべきとおっしゃる。

「成果」の定義を変える――「努力+成果」から「時間あたり成果」へ
「成長」の定義を変える――「経験の量」から「経験の質」へ
「会社」の定義を変える――「ムラ」から「チーム」
「ライフ」の定義を変える――「仕事との対立」から「仕事との共栄」へ

つまり、価値観を変えるということだ。

 人生の折り返し点を過ぎた年寄が自ら価値観を変えるのは難しい。外圧や上からの圧力にさらされて、受け入れざるを得なくなるのだが、三つ子の魂はそう簡単に変わらないだろう。

 一方で、若い人たちは変えざるを得ない。あと50~60年働かなくてはならないのだから。
だったら、変えるのは早いほうが良い。当分は、オヤジたちの風当たりが強いだろうが、気にすることはない。オヤジたちのほうが先に死ぬ。

 「成果」を「時間あたり成果」へ変え、「成長」を「経験の質」へ変えるために必要なことは「自分の頭で考える」ことだ。

 量を追うと自分の頭で考えなくて良い。何度も失敗すれば、自然にHowToが身に着く。オヤジたちはそうやって覚えてきたのだ。しかし、「時間当たりの成果」を求め、「経験の質」から成長するには数少ない失敗から学ぶために自分の頭で考えなくてはならない。

 長時間働く必要はない。自分の頭で考えれば良いのだ。

 残業代はあてにせず、能力を得ることに金と時間を使うことだ。

 人生は長い。目先の残業代にとらわれてはいけない。


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2020年2月12日 (水)

50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話

50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話 山中伸枝 東洋経済新報社

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 ふと、老後っていつからなのだろうかと思い調べてみた。
生命保険文化センターによると、老後のための貯めた資金を使い始める年齢は、65歳と70歳が多いらしい。定年や再雇用が終わるときなど仕事を辞めるときが節目のようだ。

「老後」とはいつから? 生命保険文化センター
(https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/oldage/1.html)

最近、金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループが作成した「高齢社会における資産形成・管理」に記載された「2000万円問題」が炎上した。
(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)

超簡単に言うと、現状、高齢無収入世帯では平均して支出が収入より5万円いので、20 年で約 1,300 万円、30 年で約 2,000 万円の取崩しが必要になる、という内容だ。

 山中伸枝氏は、老後の資金より収支のバランスが取れていることが重要だとおっしゃる。

 収支のバランスが取れていれば、老後破綻する危険性は低いから、焦って資産を増やそうとするとカモになるらしい。他人を食い物にする輩は、不安を煽って近づいてくるものだ。

 泥縄的に資産を増やそうとして、資産が減る例が紹介されている。

例えば、

銀行や証券会社の窓口に行き、「初めて投資信託を買うので、商品内容を教えてください」と言えば、相手は新しいお客さんが来たと思っていますから、懇切丁寧に教えてくれるはずです。自分のわからない点については、どんどん質問してください。ただし、注意点があります。

 それは絶対に「お勧めは何ですか?」と聞かないことです。

「お勧めは何ですか?」は鴨葱ってことらしい。

結論は、できる限り働けということだ。定年後は暇つぶしに働いていたのは団塊の世代だが、もう団塊の世代のように暮らすことはできないので、定年後も真面目に働かなくてはならないようだ。

 時代は変わっているのだ。


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2020年2月 4日 (火)

A面に恋をして 名曲誕生ストーリー <いい歌は誰が歌ってもいい>

A面に恋をして 名曲誕生ストーリー 谷口由記 株式会社 リットーミュージック

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 この本は、原田真二のキャンディ(1977年発売)からGIGGYのGLORIA(1988念発売)まで、昭和の名曲が「どこからどうやって作られたか」というインタビューを基にしている。

  1. 原田真二「キャンディ」
  2. さとう宗幸「青葉城恋唄」
  3. 渡辺真知子「かもめが翔んだ日」
  4. 五十嵐浩晃「ペガサスの朝」
  5. 石川ひとみ「まちぶせ」
  6. 大橋純子「シルエット・ロマンス」
  7. 稲垣潤一「ドラマティック・レイン」
  8. H2O「想い出がいっぱい」
  9. 村下孝蔵「初恋」(語り:須藤晃)
  10. EPO「う、ふ、ふ、ふ、」
  11. 小林明子「恋におちて」
  12. LOOK「シャイニン・オン 君が哀しい」
  13. ZIGGY「GLORIA」

 オヤジ世代には懐かしい曲ばかりだ。
この本を読んで、久しぶりに村下孝蔵とEPOを聞いたらとっても良かった。

 大勢の人の記憶に残るような楽曲は、多かれ少なかれ偶然の産物のようだ。
この本に登場するような人は音楽を職業にしているから、それなりのクオリティでアウトプットできる。
それでも、時代を超えて残るには偶然が必要なようだ。

 偶然が生み出した楽曲は一人歩きし、作り手が楽曲に縛られるようになる。
この本に紹介されているほとんどの歌い手は、それを嫌ってある時期、大ヒット曲から距離を置いている。

 そして、距離を置くことで、改めて良さが分かり、再び歌い始めるようだ。

 この本を読んだのは、大橋純子さんのシルエット・ロマンスのページがあったから。
大橋純子さん曰く、

歌手は一過性のもので、残るのはメロディと詞なんです。だって、良い歌は、誰が歌ってもいいんだもん。邦楽のカバー・アルバムを作ったときにわかりました。いろんな人が歌ってくれる歌は、良い曲なんです。

らしい。
大橋純子さんは2枚のカバー・アルバムをリリースしておられる。


↑(https://www.amazon.co.jp/中央フリーウェイ/dp/B072JWMPLQ)
PrimeMusicで聴ける


↑( https://www.amazon.co.jp/シルエットロマンス/dp/B071JNZZ2K)
PrimeMusicで聴ける

 彼女の歌ではないが、たしかにいい。


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2020年1月27日 (月)

ミスしても評価が高い人は、何をしているのか

ミスしても評価が高い人は、何をしているのか? 飯野 謙次 日経BP

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巻末付録に
「ミスや失敗を評価につなげるための10のマインド」
がある。

  1.  「失敗はあるもの」と考える
  2.  「しておしまい」では終わらせない
  3.  ミスや失敗の原因を「うっかり」に求めない
  4.  他人の仕組みを何も考えずにコピーしない
  5.  「まだ気付いていないだけ」と考える
  6.  失敗・ミス対策に、コストをかけすぎない
  7.  繰り返してもいい失敗もある
  8.  「ベスト」についての考え方を変える
  9.  ミスに「慣れる」
  10.  ミスや失敗と適度な距離感を保つ

 気を付けておかないと逆のマインドが組織風土として染み付いてくる。

  • 「失敗してはならない」と考える
  • 「しておしまい」では終わる
  • 他人の仕組みを何も考えずにコピーする
  • 失敗・ミス対策に、コストをかけすぎる

などだ。

 儀式的な会議で「失敗事例」ではなく「好事例」が紹介される。好事例の裏にある失敗や問題は省かれていることが多いし、ほとんど汎用性はない。この本にも書いてあるが成功事例から学べることは少ない。

 それでも、自分で考えることができないマネジャーは、それが、コストがかかりすぎても気にしないで安易にパクってしまう。

 人事異動のサイクルが早いと効果は検証されず、よその部署の好事例を導入「しておしまい」になる。そして、マネジャーが異動した後残されたメンバーがコストを負担することになる。すぐに、止められると良いのだが、鳴り物入りで導入された「好事例」は、なかなか止められない。

 かくして、現場では効果もなく高コストの「好事例」の負担が増えるから、失敗が増える。しかし、「好事例」を導入しているから、「失敗はあること」と言えなる

 「好事例」をパクったら効果が無かった、という失敗をマネジャーが認識しないことが最大の問題だ。しかし、人は弱いからつい、よく考えないで目先の「好事例」に飛びついてしまう。


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2020年1月23日 (木)

それも一局 弟子たちが語る「木谷道場」のおしえ

それも一局 弟子たちが語る「木谷道場」のおしえ 内藤由起子 水曜社

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 木谷実九段は1975年に逝去された少し前に碁を覚えたので木谷実九段が打たれている姿を見たことがない。ご自身は囲碁界の最高のタイトル本因坊にはなれなかったが、早くから弟子を育て、70人以上が弟子入りし50人以上がプロ棋士になっている。

 木谷門下は昭和から平成にかけて囲碁界を席巻し、4人の門下生が本因坊のタイトルを取っている。自分を超える者を多く育てられるのは、指導者として偉大だ。

 この本に、2019年11月15日に急逝された小川誠子六段の章がある。

 17歳のときの対局で勝てない時期に、師匠の木谷実九段から
「ともちゃん、勇気を出しなさい。自分がこわいときは相手も怖いんだよ」
と、それだけ言われたそうだ。すると、そのアドバイス以降勝ち続け院生でトップになり入段が決まったそうだ。

 アドバイスはシンプルだ。しかし、効果がある。いつも見ていてそれでいて過剰に指導していないから、このタイミングがわかるのだろう。


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2020年1月15日 (水)

国運の分岐点 <中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか>

国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか デービッド・アトキンソン 講談社

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ざっくりまとめると。

日本の生産性の低さの原因は中小企業の保護政策により数が多いことにあり、最低賃金を引き上げて、中小企業を集約することで生産性が向上する。

 この本で指摘されてされているのは、高度成長時代の成長の要因は人口増加で、その時代の常識、理論、施策は、人口が減少する時代には適用できないとおっしゃる。

 しかし、変化を受け入れられる人はわずかだ。常識や成功パターンも否定ざれるわけだから、ハイそうですかと受け入れることができず、抵抗勢力になる。この本で指摘されている抵抗勢力は中小企業の社長であり、日商である。

 生産性が議論されるときに決まって働かない50代が槍玉に上がる。しかし、彼らは本当の抵抗勢力ではないのだと思う。働かない50代が高度成長時代の価値観に囚われているのは同じだけれど、抵抗勢力になるほどの力は無い。

 高度成長時代の価値観を変えたくない本当の抵抗勢力に、生産性が低い元凶として切られる運命だ。

 問題と解決方法はわかった。
では、中小企業の経営者でもなく、国の施策を立案する立場でもない、自分に何ができるのだろうか。


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2020年1月 9日 (木)

「目的思考」で学びが変わる

「目的思考」で学びが変わる 千代田区立麹町中学校長・工藤勇一の挑戦 多田慎介 株式会社ウェッジ

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ガイヤの夜明け(2019/09/26)に工藤勇一氏が出演されていたので読んでみた。

 公立中学校でも改革できる。キーワードは「目的」だ。
「何のため」「誰のため」を考える。そして「目的」が分かればそれに向けて行動する。基本はシンプルだ。

 僕は基本的に、今の決まり事をまず否定していくことで、より良いものが生まれると思っています。それがさらに否定されるようなら続けていいのかもしれない。そんな風に議論していきたいです」

は学園祭実行員の中学2年生の言葉だ。
子供は大人より遥かに柔軟だ。わずか10才しか離れていないのに決まり事がなければ行動できない若者もいる。いかに教育が重要かが分かる。

 組織を変えるにはトップの権限は不可欠だから、学校運営を変えようとすると校長の権限は不可欠だ。しかし、校長が全ての授業を行うことはできないから、同じ志を持って行動してくれる教師が必要になる。

 改革が失敗するのは、権限が足りないこと、ブレーンがいないことだ。頭では分かっていても、改革に取り組むと身にしみてわかる。だから、改革しましたという本を読むと、つい、「出来過ぎだなあ」などと思ってしまう。

 工藤勇一氏は、「公立小中学校教員公募」制度や、教員の研究会に参加して『これは』と思う教員に声をかけたらしい。自ら校長となり権限を得て、同志を集める。改革後に目を向けがちだが、改革を行うまでの準備期間の話を聞いてみたい。

 改革が成功して、改革の主導者がいなくなった後も問題だ。
志を引き継ぐ者がいなければ、改革が形骸化して現状を保とうとするようになる。重要なことは「目的」を考えることだから、主導者の施策が時代遅れになったら変えることが必要だ。

 分かっているのだが、言うは易く行うは難い。

 改革に取り組むと、改革の成功例を聞くと羨ましかったりする。

 冷静になったら、自分に何が足りなかったか考えよう。


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2020年1月 5日 (日)

両利きの経営 <リーダーが必要ってねえ...>

両利きの経営 「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く
チャールズ・A・オライリー/マイケル・L・タッシュマン
東洋経済新報社

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東洋経済2017/5/27の特集で入山章栄氏が日本の半導体が総崩れの原因について、インタビューで

知の探索と深化を両立できる企業が、収益の伴った継続的なイノベーションを起こせる。

と答えておられる。以来頭の片隅に探索と深化が引っかかっていて、解説書を読もうと思っていた。

 どうやって探索と深化を両立するかと言うと、

  • 深化ユニットでは漸進型イノベーションと絶え間ない改善が重要
  • 探索ユニットでは実験と行動を通じた学習が重要
  • 探索ユニットはスピンアウトせずに、深化ユニットの中核となる資産と組織能力を探索ユニット内で活用する。
  • 内部的に矛盾をはらんだ探索ユニットと深化ユニットを共存させる

そして、実現するために不可欠なものはリーダーらしい。

 読み終わった感想は、こりゃ無理だ。orz

 官僚的なIBMは変えるのに9年かかったらしい。9年間も熱意を持って改革に取組むことができるリーダーがどこにいるんだ。

 7年前に「イノベーションのジレンマ」を読んだ。自分の部署でも「イノベーションのジレンマ」の兆候が見えていた。20年前に先進的で専門的なサービスで事業を始めたときにはブルー・オーシャンだったから事業は拡大したが、次第に専門的でないサービスを数でこなすようになっていた。顧客が、専門家でなくても金で解決できる問題だと気付いたら、いきなりレッド・オーシャンになることは見えていた。

 そうなる前に「イノベーション」と言い続けてきたのだが、思うようにはならない。そして、今後環境の変化に翻弄されるのだろう。価値観は昭和のままだから。

 この本を読んで、その理由がよく分かった。方法論の問題ならまだ希望はある。しかし、リーダーがいないのは如何ともしがたい。リーダーをよそから連れてくるわけにもいかず、育てるには時間が無い。

 知らないところで、偶然リーダーが育っていることを祈るしかないのか。



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2019年12月25日 (水)

転職の思考法 <専業主婦と住宅ローンは転職の自由を失う>

転職の思考法 北野唯我 ダイヤモンド社

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 昭和の価値観に対するアンチテーゼだ。

 コンサルタントとして登場する黒岩仁が、転職を考えている会社員の青野に転職の考え方をレクチャする物語として描かれている。黒岩仁がレクチャする内容は、著者の北野唯我氏の考え方だが、物語の登場人物の言葉として記述することで、受け入れやすくなっている。

いつでも転職できるような人間が、それでも転職しない会社。それが最強だ。そんな会社だけが今の時代を生き残れる。

と黒岩仁が語る一節がある。

 確かにそうだ。
能力が高い人がいて、なぜ転職しないのか直接訊いたことがある。その人や部門が成長していているときの仕事のおもしろさは、給料には変えられないようだ。つまり金のために働いていない。逆に言えば、金のために働いていない人は、おもしろい仕事がなくなったら転職してしまうのだろう。

 この物語で転職しようとしている青野は30歳で独身だから、金のために働らかなければならないという制約がない。経験では、家族を扶養していたり、多額のローンを抱えていると、金のために働かざるをえないと考えたことがある。しがみつこうとするのは心の弱さだ。

 能力が高く、金のために働かなくてよい人は、おもしろい仕事がなくなれば転職してしまう。これは今も昭和の時代も変わらない。だから、昭和の価値観では、住宅を購入するために借金すること、家事労働と収入を得るための労働を分業するために専業主婦になることが良しとされた。この価値観を受け入れると、金のために働かざるをえなくなるから、能力が高い人におもしろい仕事を与えなくても引き止めやすくなる。

 専業主婦と住宅ローンは転職の自由を失うことを、誰も教えてくれなかったんだよな。


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2019年12月17日 (火)

岩田さん <改革が必要でも全否定してはいけない>

岩田さん 岩田さんはこんなことを話していた ほぼ日刊イトイ新聞

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 天才プログラマーにして、経営者として任天堂を立て直した経歴を持つ岩田聡氏は同年代だ。

世の中のありとあらゆる改革は現状否定から入ってしまいがちですが、そうするとすごくアンハッピーになる人もたくさんいると思うんです"

とおっしゃる。これが岩田聡氏らしさなのだろう。

 改革は現状を否定することから始まり、改善は肯定することから始まる。だから、改革するなら現状は否定せざるを得ない。大切なことは、過去まで否定してはならないということだろう。

 開発が頓挫しかかっていた「MOTHER 2」の支援に入って、言った言葉は有名だ。

「いまあるものを活かしながら手直ししていく方法だと 2年かかります 。いちからつくり直していいのであれば 、半年でやります 」

と言ったそうだ。文字にすると、イケ好かない奴のようだ。天才プログラマに任せればこんなの苦もなくできますケド。何か?のようにも感じる。しかし、その場に居合わせた糸井重里氏によると、全く威張った風もなく、相手の自由を尊重する姿勢だったらしい。

 若い世代には、未だ昭和の価値観から離れられない年寄りに未来を訊くなと言ってる。昭和の価値観から離れられない年寄りとは、昭和の最後の10年と失われた30年を働いて、今アラ定の自分達の世代だ。昭和の価値観で機能不全に陥っているから、意識改革しなければならない。

 岩田聡氏なら、だからといって「昭和の価値観はダメだ」と全否定してはいけない、とおっしゃるのだろう。確かに、全否定されたらオヤジ達は立つ瀬が無い。ダメなのは、若い世代の人たちが、この先を昭和の価値観で生きようとすることで、年寄りのこれまでの人生を否定することではない。

 自分自身は未だ昭和の価値観を引きずっている。そして、この価値観を否定しなければ次の10年を生きていけないと思っていから、年寄りに未来を訊くなと言っている。しかし、自分の価値観を否定するのは勝手だが、同年代の他人の価値観まで否定してはいけないということだ。

 全否定すると、共感は得れない。


ほぼ日刊イトイ新聞第三章までフリーで公開されている。(2019/11/16)


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