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書籍・雑誌

2018年4月18日 (水)

カモメになったペンギン

カモメになったペンギン  ジョン・P・コッター/ホルガー・ラスゲバー ダイヤモンド社

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分かりやすい寓話だ。

「チーズはどこへ消えた」は行動や考え方を変えられない個人の話で、この話は行動や考え方を変えられない組織の話し。

 変革を成功させる八段階のプロセスは

  1. 危機意識を高める
  2. 変革推進チームをつくる
  3. 変革のビジョンと戦略を立てる
  4. 変革のビジョンを周知徹底する
  5. 行動しやすい環境を整える
  6. 短期的な成果を生む
  7. さらに変革を進める
  8. 新しい文化を築く

だ。

個人的に風土改革をやっていると、「1危機意識を高める」から先に進まない。

正直、「8新しい文化を築く」なんて遥か先のことだと思う。



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2018年4月10日 (火)

されど愛しきお妻様 <知っていても理解できない>

されど愛しきお妻様 鈴木大介 講談社

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 脳梗塞を患い、高次脳機能障害者としての視点と、発達障害を持ったパートナーとしての視点を併せ持つ鈴木大介の体験に基づくノンフィクション。

 鈴木大介氏は定形発達だったから障碍者の苦悩と、健常者が障碍者の苦悩を理解できないことを身をもって知ることができたのだろう。

 高次脳機能障碍になったことで、障碍になる前と後との状態を比較することや、心理を自分自身で比較、分析することができるようになった。 そうなってはじめて、否定形発達者に対する接し方を頭で理解するのではなく身をもって分かったようだ。

 だから闘病経験は僥倖だとおっしゃる。

 最近、発達障害に関する情報は増えたけど、知識として知っているだけでは対応できない。 「発達障害じゃない?」のような発言も聞くことがある。素人知識で診断はできるかもしれないが、サポートできるわけではない。 それは定形発達者の心の問題でもある。

 せめて、否定形発達者本人や周囲の人が健康被害を受けないように、また、健康被害を与えないようにするための最低限の行動を知っておく必要があるだろう。

 特に、上司と呼ばれる立場の人は自分が定形、否定形を問わず知っておく必要があるのではないかと思う。



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2018年4月 4日 (水)

AI vs. 教科書が読めない子どもたち <子供たちだけの問題ではない>

AI vs. 教科書が読めない子どもたち 新井紀子 東洋経済新報社

 前半は「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトでの話、後半はAIにできないことができる子供を育てる方法の話。 全編通じて、これからAIが導入された社会にどう対応するかについて、論じておられる。

 著者の新井紀子氏はこのプロジェクトのマネージャだ。プロジェクト自体は2016/11で東大合格を断念したことが発表された。 東大合格は断念したが現時点での偏差値は57.8らしい。

 AIは問題文の意味を理解できないが、大量のデータを学習することで入試問題の正解の確率を上げることができる。 問題は、AIが偏差値57.8まで進歩・成長したことではなく、問題文の意味が理解できないAIの偏差値がなぜ高いかということだ。

 偏差値は相対的なものだから、AIの成績が良くなったのか、受験生(人間)の成績が悪くなったことが考えられる。 そして、問題文を理解できない受験生が多いのではないかという仮定で調査したところ、問題文が理解できない受験生が多くいることが判明したのだという。

 つまり、多くの受験生は問題文が理解できないから、問題を考えないで、答えを探している。 

 それなら、大量の過去問などのデータを分類、記憶、蓄積し、高速に検索できればよい。ざっくり言うと、これをコンピュータで実現したのがAIということだ。 

AIに職を奪われる人

 これからの社会はAIが導入されることは間違いないだろう。そのときに、AIと競合するのは多くの情報を記憶し、記憶から素早く情報を引き出せる人だ。 

 典型的には、これまでの教育でそこそこの評価を受けてきた人だろう。これらの人達は、いわゆるAIに職を奪われてしまう。

 これまでの教育で高い評価を受けた人には考える能力がある。AIは考えることはできなので、職を奪われることはない。

 これまでの教育で悪い評価を受けた人は、誰でもできる仕事か、特殊な能力を活かす仕事をしているから、職を奪われることはないだろう。

 AIに代替されそうな人(記憶力パターン認識でやってきた人)は、AIに代替されない能力(考える能力)を獲得するか、誰でもできる仕事をするしかないということだろう。

身近な影響

 将来、AIが導入されるようになったときの影響を考えてみる。

 ウチは良くも悪くも巷のトレンドの影響を受けにくい職場だ。 巷ではAIが導入されAIに職を奪われる人が現れても、ウチの職場ではなかなかAIを導入しないから、職を奪われないで生き残るかもしれない。

 そのような人は、AIに代替されない能力の獲得が遅れる。 しかし、いずれは時代の流れでAIが導入され、不要な人材になる。

 そのときに、AIに奪われていない職に替わろうとすると、巷の人は既にAIに代替されない能力を獲得しているから、後から参入するのは困難だ。

 では、誰にできる仕事はどうかというと、AIに代替されない能力が獲得できなかった人が既に参入しているから、やはり、後から参入するのは困難だ。 しかも、供給過多になっているから労働賃金は低下している。

 つまり、AIに代替されない能力の獲得が遅くなればなるほど、影響が大きいということだ。

  • 職に就いていないなら、コピペしないで、読解力(国語だけではない)を身につけること。
  • 職に就いているなら、命令されたことだけ忠実に遂行するのではなく、考える力を身につけること。
 

が重要だろう。

さて、退職間際のオヤジはどうするか? 困ったぞ。


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2018年3月27日 (火)

モトローラ6800伝説

モトローラ6800伝説 鈴木哲哉 ラトルズ

前から気になっていたので丸善に立寄ったついでに買ってきた。

6800

帯を見ると会員登録するとpdf版がダウンロードできるそうだ。  でもCD-ROM付きで売っていた。
68001 6800cd

 MC6800はクロックを作るのが面倒だから、クロックジェネレータを内蔵しているMC6802の方が使いやすい。

 この本では、8pinPICで面倒なクロックを作っている。 こだわる人はMC6871等を使うのだろう。

 この本で紹介されているプリント基板はスイッチサイエンスで売られている。

MikbugやVTLが書かれたUV-EPROMも売っているので簡単に楽しむことができそうだ。

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 マイコンの勉強を始めたのは松本吉彦氏の「私だけのマイコン設計&製作」だった。


(↑ https://twitter.com/dream_library_/status/781940463410421761

この本を買ったのは1978年頃。

 当時田舎ではMPUは売っていなかったからトラ技の広告をチェックしていた。MC6800、MC6810、MC6820も高かったけど、MC6871(クロックジェネレータ)が高かった記憶がある。この本のとおりに作ろうとすると、到底小遣いで買える値段ではなかった。

 昔買えなかった物は40年経った今でも欲しくなるんだよね。


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2018年3月21日 (水)

媚びない人生 <従順な羊ではなく野良猫になれ>

媚びない人生 ジョン・キム ダイヤモンド社

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 ジョン・キム氏は 「従順な羊ではなく野良猫になれ」 とおっしゃる。

 羊社員は自らボスを作り出し、従い、そして依存することで、安定した自分の居場所を確保しようとする。
そして、

野良猫というのは、自由で独立した存在である。飼い主はいるが、縛られない。愛嬌も振りまくが、魂までは売らない。いつでも飛び出す気持ちを持っていて、でも今は飼い主にきちんと貢献する

 依存するでもなく、依存されるでもない。 これは難しい。

  • 組織に依存したら自由ではいられない。
  • 組織から頼られないなら存在意義が無い

微妙なバランスが必要だ。

 だから、知らず知らずのうちに羊社員になっていないか、知らず知らずのうちにあてにされなくなっていないか、いつもチェックしなければならないのだろう。

また、

その選択が生み出す結果に対して責任を負う決意に基づくのであれば、その選択はその時点で常に正しい

とおっしゃる。

 宮本武蔵の言う「我事において後悔をせず」に通じるところがある。

 自由と責任は不可分だから自分の選択に責任を負えば自由になれる。


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2018年3月14日 (水)

フツーーの主婦が、弱かった青山学院大学陸上部の寮母になって箱根駅伝で常連校になるまでを支えた39の言葉

フツーーの主婦が、弱かった青山学院大学陸上部の寮母になって箱根駅伝で常連校になるまでを支えた39の言葉 原美穂 アスコム

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原美穂氏は

夢やミッションが明確にある人はそれを目指せばいい。そういうものがない人は、夢やミッションがある人を応援し、支えればいい。そうしているうちに、自分の支えた人が夢を叶え、ミッションを遂行することが、自分の喜びになる。

とおっしゃる。 簡単に言うとこの本の最終節にある

「夢」なんか無理に持たなくてもいい。「夢」を持つ人を懸命に支えることで、自分の「夢」見つかることがあるのです。

ということらしい。

 一見、日和見的な感じがする。

 しかしよく考えれば、就職するときに明確な夢やビジョンを持っている人は少ない。多くの人は、給料が良いとか、安定しているとか、有名企業だとかあやふやな理由で職を選んでいる人は多い。

 それでも、一生懸命に仕事をしているうちに、夢やビジョンを持つようになる。ということだろうか? 確かに、そういう人もいるだろう。しかし、そのような人は少数ではないだろうか。

 原美穂氏は原晋監督の都合で否応無く寮母になり、原晋監督や大学生の夢を支えることになったわけだから、自ら人の夢を支える場を探していたわけではない。いうなれば、偶然人の夢を支える機会を得て自身の能力が花開いたのだろう。
と考えると、原美穂氏の成功は偶然の要因が大きい。

 むろん、原美穂氏の功績を否定するものではない。

箱根4連覇の青学大、他大学が逆立ちしてもかなわないワケ zakzak(2018/1/5)」

で原晋監督は

「一番(の秘訣)はですね、やっぱり寮で夫婦が学生たちと共同生活しているチームって、青山学院だけなんですよ。派手なことをやっているわけではない。あの狭い部屋で、夫婦そろって学生たちの面倒をみさせていただいている夫婦は、私と家内だけ。そこで生活面を整え、陸上のデータを管理した上で、常に新しいものを求めることがトータルとして青学のカラーになっている」

と語っているように、青学の4連覇に対する原美穂氏の貢献は大きい。

 原晋監督が原美穂氏を称して「監督の監督」というように、原美穂氏は原晋監督のマネジャなのだろう。

 世の中には、能力が足りない者、ビジョンを持っていない者をマネジメントで成功に導く方法はありふれている。しかし、元々能力とビジョンを持っている者をマネジメントする方法は少ない。

 夢とビジョンを持っている人をマネジメントするには、普通のことを普通にやることが重要なのだろうと思う。

 職場では、能力が高い部下が多いと周囲から成果を上げて当然と思われる。

 原美穂氏のように、奇をてらわず普通のことを普通にやれば良いのだと思う。


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2018年3月 8日 (木)

駅伝日本一、世羅高校に学ぶ 「脱管理」のチームづくり

駅伝日本一、世羅高校に学ぶ 「脱管理」のチームづくり 岩本真弥 株式会社光文社

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高校駅伝の強豪世羅高校監督の岩本真弥氏は

 私はここ数年、毎年実業団チームの合宿に参加しているが、驚くことに10年以上練習メニューが変わらない。
選手に課す練習内容も変わらないし、スケジュールの組み方も変わらない。これだけ科学的な研究が進んでいるというのに、どの監督に訊いても判で捺したように「走り込みをしないとマラソンは強くなれない」と口にする。
 結局、彼らは変わろうとしていないのだ。自分が受けた指導をそのまま下の世代に押し付けているだけだ

とおっしゃる。
多くの指導者は過去の成功体験にとらわれて自分を変えることができないのだろう。

また、中岩本真弥氏は、

私たち3人の指導法にはどこか似通ったところがあるように思うのだ。
 選手の自主性を重んじること、選手自身に考えることを求めること、生活態度や人間性を重視すること、選手を型にはめず個々の力を伸ばすこと……つまり選手を厳しく管理して精神論をふりかざす〝古い陸上体質〟とは真逆のスタイル。これはただの偶然だろうか?

とおしゃる。3人とは、世羅高校陸上競技部監督の中岩本真弥氏と中国電力陸上部監督の坂口泰監督、青山学院大学陸上部監督の原晋監督だ。3人とも世羅高校出身だ。

 岩本真弥氏のやり方は、選手に成果を上げさせるマネジメントそのものだ。マイクロ・マネジメント(管理)ではない。

 世羅高校は強豪校であるがゆえに常に優勝を目指さなければならないのだろう。強豪校だからマイクロ・マネジメントすればそこそこの結果が得られるだろうし、入賞すれば御の字であればマイクロ・マネジメントで良かったのかもしれない。

 しかし、マイクロ・マネジメントすれば監督のイメージ以上にはならない。それ以上に成長させる方法は管理を止めてマネジメントしなければならないのだろう。

 これはスポーツ以外でも同じかもしれない。
管理すると人は育たないから、自主性とマネジメントが必要だ。特に、マネジメント対象を自分以上に成長させようと考えるなら自主性が必須だ。


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2018年2月28日 (水)

技術は戦略をくつがえす

技術は戦略をくつがえす 藤田元信 クロスメディア・パブリッシング

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藤田元信氏は

戦略立案の前提となる戦力バランスは、兵士の数が多いか少ないか、ではなく、どのような性能(質)の兵器を、どのくらい多く(量)持っているか、で分析されるようになってきました。

とおっしゃる。

 専門家でなくても技術が活用できるようにしたものが、戦場では兵器、市場では製品で、ライバルに勝つためには優れた武器・製品を持つことが必要ということ。

 DF業界ではどうか?

 兵器はツールに相当するのだろう。

高機能のツールのインパクトは大きい。高度な技術を持っている者しか解決できない問題が技術を持っていない者でも解決できるようになったり、長時間必要だった作業が一瞬で終わったりする。

 このように、ツールの効果は大きい。しかし、ツールが市販されている場合はツールの性能で差別化しにくいからツールを使う者(運用者)の数の勝負になる。

 この業界で使用するツールは、ノウハウの塊なので外注に必要な仕様書を書くことができないことが多い。したがって、ツールの作成を外注するのは困難だ。

 言い換えると、ツールが作れる技術者がいればツールで差別化する戦略がとれる。つまり、この業界ではツールが作れる技術者の存在が重要となる。

 ツールが作れる技術者は、DFに関する知識と技能、プログラミングに関する技術が必要だ。 この業界は自分が使うツールが作れて1人前だ。仕様書なしで人様が使うツールを作れる者は貴重だ。

 この業界は対応しなければならない技術はかなりのスピードで変化するので1人では足りない。 戦略にするなら継続的にしかも複数の貴重な技術者を抱えていなくてはならない。

 問題はここから。必要な人材を必要なときに雇用できないとしたら、どうするか?

 もう少し、地に足が付いた議論が必要ではなかろうか?

 技術は戦略をくつがえすのだ。


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2018年2月22日 (木)

知的戦闘力を高める独学の技法

知的戦闘力を高める独学の技法 山口 周 ダイヤモンド社

 

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 年間300冊を読むという山口周氏の本の読み方

 本を読むなど1人で学ぶには

戦略
インプット
抽象化・構造化
ストック

が必要だとおっしゃる。

 五年前くらいから毎週1冊本を読むようにしている。たかだか年間54冊だから山口周氏の300冊には到底及ばない。 実をいうと、1月前に読んだ本の内容はほぼ覚えていない。 (^^ゞ 読書ノートを作るほどマメではないので、このブログにその時考えたことを書いている。

 山口周氏は

「確かこんな話を、どこかで読んだ気がする」というレベルのアウトプットでは、本書の目的である「知的戦闘力の向上」は果たせません

とおっしゃる。厳しいなあ。 

 また、本はあらかじめテキストが入ったノートである。買ってきたときは未完成で、書き込みがなされることで作品として完成する。「どれだけ美しく汚せるか」なのだとおっしゃる。

 でも、困ったことに根っからの貧乏人なので本には線が引けない。毎年決まったように本の処分で家庭内争議になるので、 古本屋に売りに行ける方がうれしい。線を引くと廃品回収に出すしかないので、貧乏人としては悲しい。

 ところが、最近はほとんど電子書籍で読んでいるので、気軽にマーキングできるようになった。 

 抽象化・構造化とストックする方法は、迷わずアンダーラインを引いて、その中から9か所を書き写すのだそうだ。

 電子書籍はマーキングした部分を書き写すことも簡単にできるが、何も考えないコピペ作業では抽象化・構造化できない。つまり知識が知恵にならない。

 9か所に限定すれば、おのずと抽象化・構造化せざるを得ない。そして、書き写した部分はクラウド上にストックしすれば検索できるようになる。 

 これから読む本は真面目に整理してみよう。


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2018年2月14日 (水)

こころのマネジメント

こころのマネジメント 田坂広志 東洋経済新報社

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田坂広志氏は

「顧客の気持ちを読むためのノウハウとは何か?」を直接的に教えるのではなく、「こうした体験をつうじて、顧客の気持ちを読むためのノウハウを身につけることができた」という体験談をこそ語るべきなのです。

とおっしゃる。 腹に落ちる体験談を見出すことが必要だと。

 労働集約型の仕事はマニュアルなどでハウツーを分かり易く伝えることができるし、効率が良い。 一方、知識集約型の仕事はハウツーではなくノウハウとノウハウを得る術が必要だ。

 ノウハウを直接伝えるとハウツーになることは多い。重要なことはノウハウを得る方法だ。この方法が分かると教えてもらったノウハウ以外のノウハウを得ることができるようになる。

 ところがノウハウを得る方法は伝えにくい。ほとんど暗黙知だと思う。教え方が上手な人は、暗黙知を形式知化しているのだろうか。

 形式知化していない者は、田坂広志氏が言うように、伝えたい相手が暗黙知を汲み取ってくれることを期待して、経験談を語るしかない。

 逆の立場では、先達のノウハウを聞いて喜んでいてはいけない。ハウツーが1つ増えるだけだ。ノウハウを得た経験談の「なんとなく感じた」や「ふと思った」を、何故そう感じたのか、何故そう思ったのかを考えるしかないのだろう。同じような体験をしている場合には、何故自分はノウハウを得ることができなかったのだろうと考えなければならない。

 以前から若い人の教育や訓練に関わっている。いつ頃からか分かりやすいハウツーを欲しがる人が増えてきたと感じる。

 アンケートに、現場ですぐに使える知識を教えて欲しいなどと書いてあると、教える側が受講生に阿ってハウツーてんこ盛りにしたりする。しかし、ICT業界にいるとハウツーの賞味期限は短いから、てんこ盛りのハウツーは結局消化しきれず、使われることもなく忘れ去られる。

 教える相手のレベルが低い場合は、とりあえずハウツーを教えなければ仕事にならないという事情はある。また最低限必要な知識や経験が無い場合はノウハウを伝えられない。

 関わっている教育や訓練は少なくとも初心者や入門者向けではない。以前はハウツーの先にある暗黙知を得ようとする人が少なからずいた。 暗黙知を得ようとする人が減ったのか、それとも暗黙知を得るために必要な知識や経験が足りないのか?

 ひょっとして、彼らの仕事が知識集約型から労働集約型に変わっているのではないだろうか。


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