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書籍・雑誌

2019年7月17日 (水)

仕事ごっこ <昭和の常識、もうおしまい>

仕事ごっこ ~その“あたりまえ”、いまどき必要ですか? 沢渡あまね 技術評論社

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 この本は「コラボレーション」を邪魔するもの=「仕事ごっこ」と名づけて童話風に風刺したもの。

 昭和の高度成長期の成功パターンは1980年代には行き詰まっていて、バブルと共に崩壊したはずだった。
しかし、新しい価値観を見出すこともできず、失われた10年と言われた。老害とか抵抗勢力と言われていた年寄りが引退すれば、日本は変わるのかと思っていたら、老害は減らず失われた20年となり、今時は失われた30年となろうとしてる。

 ここまで変わらないのは、単純に時代遅れの年寄りが変革に抵抗している[だけ]ではないのだろう。 全て老害のせいだと言い訳して自ら変わらないオジサンや、変えることを最初から諦めている若者が多いのではないだろうか。

 そして、このままではダメだと思いながら、皆動こうとしない。

 この本の表紙に書いてあるサブタイトルは

その"あたりまえ"、いまどき必要ですか

タイトルの他に

昭和の常識、もうおしまい

だ。

 昭和の常識といえば、緊急連絡網も前世紀の遺物だ。
今時、緊急時にはメールかSNSで同報すれば良いし、安否確認用のシステムは外注できたりするので、緊急連絡先一覧はあるが、「連絡網」はもはや死語だ。

 ところが、順送りに電話(音声)で伝達するシステムにこだわってる職場を知っている。

 担当の人に「メールで同報すれば?」と提案してみたのだが、メールより電話の方が信頼性が高いとおっしゃる。どうも、情報を伝達することより、伝言ゲームをすることに意義があるらしい。

 冗談かと思ったら真面目な顔だったので、それ以上言うのをやめた。令和の常識とはギャップがありすぎて納得させるのは難しいと思う。

 彼らはまだ電電公社の黒電話を使っているのだろう。きっと。
黒電話でサイバー空間の脅威に対抗しているらしいので、た、い、し、た、もんだ。


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2019年7月10日 (水)

世界最高のチーム <心理的安全性が重要>

世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法
 ピョートル・フェリクス・グジバチ
 朝日新聞出版

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googleが社内のチームを対象に調査した結果わかった、生産性の高いチームの特性は

  1. チームの「心理的安全性」(Psychological Safety)が高いこと
  2. チームに対する「信頼性」(Dependability)が高いこと
  3. チームの「構造」(Structure)が「明瞭」(Clarity)であること
  4. チームの仕事に「意味」(Meaning)を見出していること
  5. チームの仕事が社会に対して「影響」(Impact)をもたらすと考えていること

だったらしい。その中で一番大事なのは、1の「心理的安全性」だという。

 心理的安全性とは、「自分らしさを発揮しながらチームに参画できる」ことが実感できることで、具体的には、チーム内で「自己認識・自己開示・自己表現」ができること。言いかえると、「安心してなんでも言い合える」ことのようだ。

 安心してなんでも言い合えるチームにするにはマネジャ個人の資質も大きいが、組織的に心理的安全性を高める仕組みがあるようだ。

 ピョートル・フェリクス・グジバチ氏は、日本の企業では「飲みニケーション」で心理的安全性を高めていたのではないかという。
今時、飲みニケーションはアルハラとかWLBの観点から負の側面が強調されているので流行らない。昔は、飲めない人や、人付き合いが苦手な人は切り捨てる傾向にあった。

 飲みニケーションを止めるなら、googleのように業務時間中に心理的安全性を高める仕組みを考えなくてはならないのだろう。

 ピョートル・フェリクス・グジバチ氏は、

 よく「グーグルのような人事制度を導入したい」と相談されることがあります。バカげた話だと思いますね。

とおっしゃる。
googleは必要だがあってこのやり方になっているのだから、必要性を考えないでを真似てもうまくいかない。他所から借りてきた成果主義による業績評価も借り物だからうまくいかないのと同じだ。

 日本式のマネジメントが全て時代遅れだったり悪いわけではない。
心理的安全性なんて言葉が無いときでも、なんでも言える雰囲気を作っていた上司はいた。しかし、それは属人的なものだから、上司が異動すると、途端に心理的安全性が脅かされるようになったりしたものだ。

 googleは心理的安全性を高める方法を形式知化して、個人の資質への依存度を下げているのだろう。 成長する企業は違う。

 チームの、心理的安全性を高めようとすると、マネジャ自身の心理的安全性が高くなければならない。
ところが、自分の心理的安全性は高くないのにチームの心理的安全性は高くできる上司がいた。
マネジメントをやってみて初めてわかったことは、それはとても難しいということ。

 だから、心理的安全性が低いトップの場合は、マイクロマネジメント(管理)がはびこるのだろう。


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2019年7月 4日 (木)

なぜ人は昇進すると横柄になるのか

なぜ人は昇進すると横柄になるのか
ダッチャー・ケルトナー
Diamond Harvard Business Review June 2017

権力のパラドクスとは

人は他利的な行動が認められて権力を得る。権力を得ると利己的な行動をとるようになる。

ことらしい。

「権力は腐敗する」と言ったリ、「実るほどこうべを垂れる稲穂かな」と言ったリ、洋の東西を問わず、権力を持つものを戒めてきた。 遥か昔から洋の東西を問わないところを見ると普遍的なものなのだろう。

 ところが、当の本人は自覚していないことが多い。権力を得る前も後も、本人の行動様式は変わっていないのではないだろうか。
つまり、

 人は、程度の差はあるが、他利的な行動も、利己的な行動もとる。他利的な行動と利己的な行動の割合や程度は個性であろう。

 権力を持たない者は、他利的な行動は評価されやすく、利己的な行動は大目に見られる。そして、多利的な行動が評価されるとリーダーとなり権力を得る。(集団では、他利的な行動をとる者に権力を与えると利益が大きくなるので、多利的な行動で判断する)

 権力を得ると評価の基準が変わる。より多くの他利的な行動でなければ評価されなくなり、利己的な行動は厳しく評価され大目に見られることはなくなる。

 ところが、本人の行動様式は変わらない。すると、それまで評価されていた他利的な行動は評価されず、大目に見られていた利己的な行動は非難されるようになる。

 周りの人の評価基準が変わっただけで、権力を得た人は変わっていない。しかし、周りの人は言う。「偉くなったら人が変わった」と。

観点は2つ

 権力を得た者は、権力を得たら自分の行動様式を客観的に見直す。特に利己的な行動を見直す。 「実るほどこうべを垂れる稲穂かな」という考え方。

 権力を与える人は、他利的な行動だけに目を奪われてはいけない。むしろ、利己的な行動が無いことに注目すべきだ。 「リーダーに唯一必要な資質は、誠実さである」という考え方。

 昇任は他利的な行動の結果を評価されることが多い。だから、昇任すると人が変わる人が多い。いや、利己的な行動を評価せずに、昇任させているだけだ。

 他利的な行動をを増やして、利己的な行動を減らす。これが、リーダーとしての成長ということかもしれない。



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2019年7月 2日 (火)

「権力 」を握る人の法則 <そんなに権力がほしい?>

「権力 」を握る人の法則
著 ジェフリ ー ・フェファ ー
訳 村井章子
日本経済新聞出版社

ジェフリー・フェファー氏は、権力や影響力が必要な理由は、

健康
第一の理由は 、権力や地位があるほど長く健康に人生を楽しめる可能性が高いことである 。
報酬
第二に 、権力を持ち 、それに伴う高い知名度や地位を備えていれば 、端的に言って金持ちになれる 。
リーダーシップの一部
第三に 、権力はリ ーダ ーシップの一部であり 、何かを成し遂げるためには欠かせない 。

だとおっしゃる。

そして、権力や影響力を得るのを邪魔するのは、

  • 世界は公平だという思い込み
  • 世の中のリーダーシップ本は正しいという思い込み
  • セルフ・ハンディキャッピング

だという。

 パワー・ポリティクスは正直めんどくさい。できれば関わり合いになりたくないと思う。 ジェフリ ー ・フェファ ー氏はこれがセルフ・ハンディキャッピングだとおっしゃる。

積極的に上をめざさない人は 、自分が昇進しないのは人格や能力に問題があるからではなく 、自らの選択の結果なのだと暗に示すことができる 。

だと。

 生来ヒネクレた性格だから、このように考えていた時期が確かにある。 自分の考えていることに向き合ったら 、権力は求めず、やりたいことやろうという結論にたどり着いた。(結構時間がかかった)

 ジェフリー・フェファー氏は、

あなたが将来設計を考えるときには 、自分はほんとうに高い地位や権力が欲しいのか 、それがどういうものかわかっているのか 、よくよく考える必要がある 。と言うのも高い地位は 、手に入れるのも維持するのもそれなりのコストを伴うからである 。

と指摘する。 当時、地位や権力を得たり、維持したりするコストは、自分の能力向上に使った方が良いと考えていた。

 その後、紆余曲折会って結局地位を得た。 地位を得ようとしたのは、ある部門をマネジメントしようとしたときに権限が足りないことを実感したからだ。 「権力はリ ーダ ーシップの一部であり 、何かを成し遂げるためには欠かせない 。」は正しい。

 一旦地位を得てしまうと、なかなか自由になれない。 地位と権限と権力は分離できないのだ。
地位を得てしまうと無意識の権力も得てしまうから、多くの人に普通に接してもらえなくなる。一つ得ると一つ失う。そんなもんだ。

 では、マネジメントできるようになったのか? と自問自答してみる。



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2019年6月28日 (金)

妻のトリセツ

妻のトリセツ 黒川伊保子 講談社

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 著者の黒川伊保子によると、この本のコンセプトは、

「今まで10個飛んできた弾が、7個に減る」

らしい。

 妻に限らず娘の話は、問題の解決を求めてないことはわかってきた。なんども失敗したから。 でも、油断していると、つい問題を解決してしまうか、問題を解決しようとして考え込んでしまう。

 世の夫達はいつ弾が飛んできても良いように、準備しているのだろうか。 そんなに準備しても7個も弾が飛んでくるのか。orz

 黒川伊保子氏は

 念のために伝えておきたいのは、だからこそ、どんなに夫が準備に手間暇かけたとしても、サプライズを喜ぶ妻はほとんどいないということだ。

とおっしゃる。

そうだったのか。 「誤信念課題(2) (2019/02/14)」で書いた、30年で成長したのは、送られた側だ。 orz


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2019年6月14日 (金)

銚子丸の心意気 <短所を吹き飛ばしてしまうほどの活躍の場を与える>

銚子丸の心意気 堀地ヒロ子 PHP研究所

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 2019/3/21のカンブリア宮殿で見て読んでみた。

「寿司を売ろうとしなくていい。理念を売って欲しい。」はカンブリア宮殿でもやっていた。

堀地ヒロ子氏は

できるだけ社員たちの長所を見出し、 短所を吹き飛ばしてしまうほどの活躍の場を与えること

とおっしゃる。 

 ”短所を吹き飛ばしてしまうほどの活躍の場”は難しいなあ。

 ところで、回転寿司は、スシローなどの100円系と銚子丸などのグルメ系に分かれるらしい。 同じ回転寿司でも業態が違うということだろう。

 家族で回転寿司に行くときカミさんがいると、スシローやはま寿司が多いのだが、娘が「おとうさん、寿司を食べに行こう」と言うときは銚子丸だったりする。 


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2019年6月 6日 (木)

かもめのジョナサン【完成版】

かもめのジョナサン【完成版】 著:リチャード・バック 創訳:五木寛之 新潮社

 中2のときに読んだ。その頃には日本でもベストセラーになっていたと思う。
学校の図書館には無かったから市の図書館まで借りに行って読んだのだが、正直、意味がわからなかった。 今では第1章の内容をわずかに覚えているくらいだ。

 著者があえて削除した第4章が追加された完全版が電子書籍になっていたので読んでみることにした。 45年ぶりに読んで見ると、著者の意図は相変わらずわからない。それでも、45年分の知識や経験に重ね合わせて読むことはできる。

 この物語は数百年というかなり長い時間軸で描かれている。
高々60年くらい生きているだけだが、ICT業界で働いていたので時代の移り変わりが早く、この物語に描かれているような変化を体験した。

第1章
 「変な奴」と言われ、既存のコミュニティに馴染めないと感じる人は第1章に共感するのだろう。

第2章
 時代が変わって、世の中が変わって、環境が変わると「変な奴」が認められることがある。 自分のためだけに生きていて良いのだろうかと葛藤している「変な奴」は第2章に共感するのだろう。

第3章
 社会に認められなくても何かを極めて、極めたことを次世代に伝える。さらに、次世代が次の世代に伝えるという理想的な循環が生まれるのが、第3章。
最後は希望だ。1970年版はここで終わっている。

第4章
 第4章では、「変な奴」が神格化され、偶像化され、多くの人が深く考えることなく形だけ真似るようになる。
第4章に希望は無い。最後に神格化された、ジョナサン(変な奴)が現れるのだが、ここは共感できない。

 創約の五木寛之氏があとがきの中で、法然を思い出した書いておられるが、同じことを考えた。 
実社会でも、神格化されないまでも、過去に大きな成果を上げて、時代が変わっても高い評価を受け続けている「昔凄かった人」がいる。

 「昔凄かった人」が考えたことは参考になる。しかし、「昔凄かった人」のように行動してはいけない。
「昔凄かった人」が自分で考えて行動したように、自分で考えて行動しなければならない。


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2019年5月29日 (水)

人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人

人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人 楠木新 東洋経済新報社

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2013年4月より、60歳から希望者全員を原則的に再雇用する「改正高年齢者雇用安定法」が施行された。C課長は、そのオジサンが、「定年延長で今の職場に引き続き残らないことを祈っている」と居酒屋で部下に話しているらしい。

全く笑えない。(^^;

楠木新氏は

 会社員人生は、大きく分けると、入社してから仕事を通じて自立していく時期と、組織での仕事に一定のメドがついてから、自分のあり方を考える時期の2つの段階がある。

この切り換えの時期に、40歳過ぎから多くの人が感じる「こころの定年」があるのだ。

とおっしゃる。
そして、「こころの定年」を迎え、自分のあり方を考える時期を乗り越えられない人が、働かないオジサンになるらしい。

 将来的に長期的には、転職も普通になるだろうし、マルチキャリアも普通になるだろう。
そのような時代になれば、働かないオジサンになることはできなくなるだろう。

 現在は、誰でも働かないオジサンになる可能性はある。
「こころの定年」を乗り越えられない不満より、年功序列によるメリットの方が上回っているのだから。

 20~30代の若い人は、想像してみると良いと思う。
定年が延長された5~10年後、働かないオジサンが更に増えた職場を、
20~30年後に年功序列のメリットがどれだけ残っているかを。

 キャリアを変えること、キャリアを変えるための準備が重要だということがわかるだろう。



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2019年5月23日 (木)

巨大システム 失敗の本質 <立ち止まるために重要なこと>

巨大システム 失敗の本質 「組織の壊滅的失敗」を防ぐたった一つの方法
 著:クリス・クリアフィールド/アンドラーシュ・ティルシック
 訳:櫻井祐子
 東洋経済新報社

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 この本では複雑なシステムで大きな事故が起こることを「メルトダウン」と呼んでいる。
福島第1原発の事故や挫折したプロジェクト、誤った人事採用まで、大きな事故にも日常の事故にも失敗には共通点があるという。

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    ↑出展:「巨大システム 失敗の本質」図表1-1

上の図でシステムの構成要素が複雑で密結合している部分(右上)がデンジャーゾーンでメルトダウンが起こる。図には例として原子力発電所と化学プラントが挙げられているが、コンピュータによって制御されるシステムはこの部分に含まれるようになったという。

 デンジャーゾーンを脱出する方法として、複雑性を減らす、前兆を発見する、少数意見を尊重する、多様性を大切にする、「異人」の客観性、立ち止まることを上げている。

立ち止まることについて著者は

ある海軍下士官が空母による戦闘演習中に、甲板で道具をなくしたことに気が付いた。道具がジェットエンジンに吸い込まれでもしたら大惨事になりかねないことを、彼は知っていた。だがその一方で過失を報告すれば演習が中止になり、処罰される可能性があることもわかっていた。……下士官は過失を報告し、演習は中止になり、飛行中の戦闘機は全て陸上基地に行き先を変更し、莫大な費用がかかった。下士官は過失を犯したことで処罰されるどころか、勇気ある報告をしたとして、正式な式典で部隊長に表彰された。

という例を引いて

 正式な式典で! 信じられないような反応だ。演習を中止にし、巨大な甲板を隅から隅まで探し回らせられる原因をつくった張本人を表彰するのだ! あなたの組織でそんなことが起こるだろうか?

と問う。正直ウチでは無理だと思う。

 積極的に部下の意見を求める上司もいるが、そうした試みは失敗に終わることが多い。よくあるのが匿名で意見をいえるしくみだ。どこにでもある匿名調査や意見箱、匿名ホットラインなどは、匿名の保証があれば従業員が声を上げ、率直な反応を見せるだろうという前提に立っている。だが匿名をウリにするのは、声を上げることのリスクを強調するようなものだ。ディタートとバリスも書いている。「こうしたしくみの背後には、『この組織で思っていることを率直にいうのは危険だ』という言外のメッセージが隠れている」。

 知ってる。

 匿名で意見を言えるしくみが機能すると、大きな失敗の前兆を発見できるが、『この組織で思っていることを率直にいうのは危険だ』という組織風土では、良くて、隠された大きな失敗が明るみに出るくらいだろう。

 前半の、メルトダウンの事例やメカニズムは参考になる。しかし、後半のメルトダウンを防ぐ方法は読むと気が重くなる。何年も改善に挑戦しているけど結果が出ていないことだから。


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2019年5月15日 (水)

トヨタ 現場の「オヤジ」たち

トヨタ 現場の「オヤジ」たち 野地秩嘉 株式会社新潮社

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 生産現場は「オヤジ」が仕切る。「オヤジ」がひとこと右と言えば、全員、右を向く。トヨタのモノ作りの全責任を負っているのは「オヤジ」で、「オヤジ」が現場を動かしている。

 古き良き昭和の工場の話。 トヨタの工場はまだ職人気質を残していて、その親方が組長、工長らしい。
「オヤジ」と呼ばれるのは、ちょちと羨ましい。

 その「オヤジ」をなぜ副社長に抜擢したのだろうか。

 トヨタは競争力強化方策

  「変化に対応し続ける強いモノづくり集団の育成」

の3本柱として

  1. 電動化/自動運転/モビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)
  2. TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)
  3. モノづくり/技能伝承

を挙げている。
3つ目の

  モノづくり/技能伝承

の本気度を表しているのが、叩き上げの河合満氏の副社長抜擢で、これが、現場を重要視しているというメッセージなのだろうか?

 自動車産業にもイノベーションのジレンマが起きようとしている。
PHEVでその先鞭をつけたのは、他でもないトヨタだ。そして、PHEVの先のEVになると、車もコモディティ化すると言われている。

 さらにMaasが普及すると、車は単なる移動手段になるから、クルマは一定の品質をクリアしていれば良くなる。

 その先にあるのは、価格競争だ。イノベーションのジレンマにおいて価格競争になると後発の参入者が生き残る。

 道楽や高級ブランド志向にシフトするには会社の規模が大きすぎる。 発展途上国を主戦場にするなら現地生産が合理的だ。

 少なくとも国内の現場に対して、「もの作りで食って行く」と宣言するのは、言うほど楽ではないような気がする。


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