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書籍・雑誌

2018年12月14日 (金)

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? <エリートでなくても持ってる>

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」
山口周 光文社

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山口周氏は、

 これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りをすることはできないから、「真善美」の判断の基準を「論理から直感」「法から倫理」「市場から美意識」へ変えるべきとおしゃる。

 グローバル企業の幹部候補は、美意識を養う訓練をしているらしい。 
何でも「グローバル企業のエリート」を引き合いに出すところが、ちょっとイヤらしい。 トシさんなら「おーべーかっ!」と言いそうだ。

それはさておき

 日本の著名な経営者は美意識を持っているのではないだろうか。
本を読んだだけだけど、京セラの稲盛和夫氏やヤマト運輸の小倉 氏、ホンダの本田宗一郎氏などは当てはなると思う。 田坂広志氏も著書の中で同じようなことを書いておられる。

 欧米の経営にカブれて美意識を忘れた経営者が増えたから、欧米に学ばなくてはならないのだろうか。日本人の美意識をお持ちの経営者に学べばよいのではないだろうか。

 美術や芸術には全く疎い朴念仁だから、美意識はうまく説明できないけど、美意識を感じるポイントがある。

 例えば、プログラミングのコードとか、綺麗に縫縛してあるケーブルとか。

 古い話だが、通信インフラ部門にいたときに厳しく教えてもらったのは、ケーブルのほう縛と付け線。

 当時、配線は電気的に繋がっていれば見てくれなんかどうでもいいだろうと思っていた。 ところが、美しい配線をする人は間違いが無い。雑な配線をする人は間違いが多い。

 結局、仕事に対する姿勢なのだと後から気がついた。

 とあるシステムを整備したときに、工事業者さんは安く上げるために既成品のケーブルを使って配線するとおっしゃる。 「綺麗に配線すること」とは仕様に書けない。

 当然ジャストフィットしないので、そこらじゅうでケーブルがトグロを巻いている状態だった。 思わず「美的感覚は無いのか! ただ繋がっていればいいというもんじゃないだろう!」と言ってしまった。

 でも、値切った報いだ。 そして、ユーザーである自分たちが、その報いを受けることになる。

 安易に目先の損得に流されないこと、 そして、その判断基準にこだわることは美意識に、通じるものがある。

 技能の世界に生きている人は大なり小なり美意識は持っていると思う。 


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2018年12月 4日 (火)

〝誰も管理職になりたくない〟時代だからこそみんなでつなぐリーダーシップ

〝誰も管理職になりたくない〟時代だからこそみんなでつなぐリーダーシップ 高橋克徳 実業之日本社

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 高橋克徳氏が東洋経済に書かれた記事は年寄り向けだったのかイマイチぴんとこなかったので著書を読んでみた。

 「組織論」「リーダーシップ論」としては、よく纏まっている。 管理職、マネジャー、リーダーの役割が曖昧な気もするが、きちんと分離しない日本的組織が前提ということであろうか?

 高橋克徳氏曰く、年寄りは、最近の若者が出世したくないと言うことが理解できないと。

 若手世代が突きつけているのは、本当に企業のために、上司のために働けば、わたしたちは幸せになれるんですかという問いです

とおっしゃる。
そして

「管理職になりたくない」=「人の上に立ちたくない、責任を負いたくない」という心理は、実は多くの日本人の中にすでに広がっている感情なのではないでしょうか。

とおっしゃる。

 管理職やリーダーを目指すと誰でも幸せになれるわけではないことは、若者だけでなく年寄りも知っている。

 年寄りは知らないフリをしているのだが、「分からないことは何でも聞きなさい」と言われて育った若者は年寄りに問いかける。「本当に幸せになれるのですか?」と。

 ところが、年寄りは本当のことが言えない。 管理者をやっている多くの年寄りが持っている「幸せになる方法」は自ら考えたものではなく与えられたものだから。 そして、その「幸せになる方法」は揺らいでいるから。

 こんな年寄りにとって、管理職になりたくないという若年層への対応は大きな問題だ。

 高橋克徳氏の主張は、「若年層の意識を変えるのではなく、組織を創り直すべき」だ。 20代、30代の若年層、管理職、経営層それぞれにリーダーシップが必要で、それぞれが対話して連携しながらリーダーシップを発揮する組織にすべきとおっしゃる。

 新たに、組織を創る場合は、管理職の定義やリーダーシップの考え方を定義することは簡単だ。 また、小さい組織の場合は、旧来の強力なリーダーシップを利用して定義し直すこともできよう。

 組織の将来を真面目に考えたことがある管理職なら、高橋克徳氏の提唱するリーダーシップや組織のあり方は考え方としては分かる。 しかし、小手先の改善では現状を打開できないこともよく知っている。 

 問題は実現方法だ。

大きい組織や、古い組織は

経営層が変わっても、組織全体の考え方を変えるのは難しい。
管理職が単独で組織を変えることも困難だ。
若年層は岩のように変わることを拒む(ように見える)組織を変えるという発想すら浮かばない。

 だから、全員が自分に応じたリーダーシップを発揮すれば組織は変わるという考え方は理解できる。 しかし、方法論の無い原理は絵に描いた餅だ。

 高橋克徳氏がいう、3つのリーダーシップが後天的に獲得できるならば、管理職に対して教育やトレーニングすればよい。

 ところが、大きな組織は往々にして官僚型だ。 官僚型の組織はリーダーシップ獲得の教育やトレーニングをやらない。 官僚型の組織では管理職に管理能力しか求めていないからだ。 当然、リーダーシップを持った管理職は希少だ。

 このような状況で、全員がリーダーシップを発揮できるようにするには、自分は何をすべきかと考えると、途方に暮れてしまう。 そして、政治を変えたいならまず選挙に行くような結論に至る。

 この本のような立派な「組織論」「リーダーシップ論」を読み終わったときに、心躍らない理由は歳を取ったことだけではないと思う。

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 それでも、自分ができることをやるしかない。



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2018年12月 2日 (日)

無線と實驗 501回路集

【復刻版】無線と實驗 501回路集

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 1960年に刊行された無線と實驗 501回路集の復刻版。 紙質が良くなっているような気がする。

 1960年は生まれる前だから覚えていない。 物心ついたころ家にあったラジオはナス管だった。 もちろんテレビも真空管だった。

 この本に収録されている回路は真空管の回路が多い。
SONYが初めてトランジスタラジオを発売したのが1955年だから、1960年頃にはトランジスタラジオが販売され始めていたのだろう。 しかし、アンプはまだ真空管が主流だったようだ。

 この本や401回路集を初めて見たのは学校の図書館だった。
就職したころにはまだ書店で売っていたような気がするが、真空管の回路が多かったので買わなかったのだと思う。

 最近、空虚な数字ばかり見ているし、読む本はビジネス本が多くなった。 たまには回路図を眺めてほっこりしよう。


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2018年11月28日 (水)

発達障害 <グレーゾーンを認識する>

発達障害 岩波明 文藝春秋

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 「発達障害」という言葉はメディアで多く取り上げられるようになってきた。 

 岩波明氏は、

特に問題だと思うのは、業務におけるパフォーマンスの問題と発達障害を安直に結び付けてしまうことです。もちろん、仕事がうまく進められなかったり、失敗を繰り返したりしてしまう背景には発達障害の特徴が隠れている可能性もあります。しかし、あまりにも拙速かつ無責任に障害を持ち出すことで、働く人それぞれの個性を見極め、能力を活かし、育てるといった社員育成の視点が軽視されてしまうのではないかと危惧されるのです。

とおっしゃる。

 「発達障害」という言葉が一般的になっても、サポートできる人が増えたわけではないし、人事が適材適所になるわけでもない。 もっと困るのは、自分がグレーゾーンだという自覚なく昇任した人がクラッシャー上司(2018/05/10)になることだろう。

 ASDとADHDの人の能力については

 いわゆる「天才」と呼ばれる常人とはかけ離れた能力をもつ人たちは、明確な診断がつくかどうかは別として、発達障害的な特徴を持っていることがかなりの割合で認められる。これは特に自然科学と芸術の分野で顕著であり、ASDの特徴を持つ頻度が高い。
 一方で、ADHDの特性を持つ人は、その過剰な集中力により、デザイナー、イラストレーター、小説家などの専門分野において才能を示すことがしばしばみられる。

らしい。

 芸術や自然科学には関係ない職場でなくても、調査や研究、プログラミングなど高い集中力が活かせる職場はある。 だからグレーゾーンの人でも高い能力を発揮できる可能性はある。 

 しかし、経験則ではグレーゾーンの人が高い能力が発揮できるかどうかは運しだいだと感じる。

 芸術家のように個人で仕事ができる職業ならば人間嫌いのような対人関係構築・維持能力の低さはキャラクタの一部としてとらえられる。 しかし、たいていの職業では対人関係が重要だ。 重要どころか対人関係を構築・維持する能力(対人関係能力)が許容値に入っていなければ、そもそも能力が評価されない。 よく聞く「適材適所」は対人関係能力を持つ者が対象だ。

 対人関係能力に着目して特殊能力が発揮できる条件を考えてみた。

 当然のことだが、対人関係は人と人との間で存在する。 
そして、対人関係を構築・維持できるのは、関係する2人の対人関係能力の総和が閾値を超える必要があるのだと思う。 

↓のように、対人関係能力の総和が閾値を超えると、高い能力が発揮できるようになる。

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↓のように、一方の対人関係能力が低くてももう一方の対人関係能力が高ければ、対人関係は構築できるし持続できる。 

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しかし、↓のように、相手の能力が普通以下だったら対人関係を構築することはできないから、高い能力は発揮できない。

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 つまり、特殊な能力が高く、対人関係能力が低い者がその能力を発揮できるかどうかは、相手次第、環境次第ということだ。

 特殊な能力が高く、対人関係能力が低い者の戦略は3つ。

  1. 自分の能力を評価してくれる対人関係能力が高い人が現れるのを待つ。
  2. 自らの対人関係能力を向上させる
  3. 自分の能力を評価してくれる対人関係能力が高い人を探す。

1. 自分の能力を評価してくれる対人関係能力が高い人が現れるのを待つ。

 この戦略は対人関係を自分から開始しない受け身だから成功するかしないかは運次第だ。戦略が無いとも言う。 過去の自分を考えるとこの戦略だったような気がする。

2. 自らの対人関係能力を向上させる。

 能動的に対人関係を開始するところが1の戦略とは根本的に違う。

 高い能力を獲得する必要はない。 許容値に入ればよいのでHowTo本を読んでできそうな項目から始めてみるとか、人と会話する機会を増やすなど。 (世間話の難度は高い)

 経験では、部外の人と話す機会を増やすために技術系の展示会に行って世間話の訓練をしたら、名刺交換してもらえるくらいなった。

3. 自分の能力を評価してくれる対人関係能力が高い人を探す。

 この戦略も能動的だ。 能力を評価してくれそうな人を探してマネジメントをお願いする。

 当然、評価してもらうだけの能力があることが前提だ。 マネジメントをお願いできるくらいなら最低限の対人関係能力はクリアしているのかもしれない。

まとめ

 特殊な能力が高く対人関係能力が低い人は 「自らの対人関係能力を向上させる」という戦略がよさそうだ。

 目標とする対人関係能力は高いレベルでなくて良い。 最低限レベルをクリアすれば良いので、決して無理ではないと思う。



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2018年11月26日 (月)

もし部下が発達障害だったら <もし自分がグレーゾーンだったら>

もし部下が発達障害だったら 佐藤恵美 ディスカヴァー・トゥエンティワン

 

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グレーゾーンと管理職

 グレーゾーンでなんとかやってきて、管理職(上司)になった人は参考になると思う。

 グレーゾーンの人がこの本を読むと改めて自分の足りないところと、適応したところ(代償的機能)が分かってくる。 目立った問題が発生いないグレーゾーンの人は今の仕事が向いてるか、周りの人にサポートしてもらっているのではないか。

 管理職になると向いてない仕事もやらなければならないし、サポートも受けにくくなる。 何より部下をサポートしなければならなくなる。

 管理職をやる上で、他人の心情を察することができないことは致命的だ。

 サポートが受けられない状況で向いてない仕事や他人の心情を察する仕事をやらなければならなくなると問題が顕在化する。

クラッシャー上司 (2018/05/10)

 問題が顕在化したときに最も困るのは、グレーゾーンの人がクラッシャー上司化することだろう。 長く仕事をしていると一度や二度見たり聞いたりしたことがあるだろう。 部下を次々と病院送りにする上司だ。

 一種の代償的機能なのかもしれない。自分が傷付かないようにすることが周りを傷付けてしまう。 階層的で縦割りの組織は管理職に権限が集中力しやすいから影響が大きくなりがちだ。

 特にグレーゾーン上司とグレーゾーン部下の組み合わせの場合は双方とも相手の心情を理解しようとしないので、どちらかが健康被害に至る可能性が高い。

 また、グレーゾーンのクラッシャー上司は「合理的配慮」ができない。 自らの保身を図ることはできるけれど。

佐藤恵美氏は

発達障害の特徴を持つ人は、自分自身の特徴について的確に理解することがとても大事です。「自分はこういうことにこだわる傾向がある」とか「聞き取ることが苦手だ」などを知っていることによって、いたずらに自分を責めたり、防衛的な気持ちから周囲に攻撃的・他罰的になったりすることなく、自分が最もうまく働ける方法を工夫したり調整したりする方法を見つけていける出発点になるからです。

とおっしゃる。 これは今までなんとかやってきたグレーゾーンの人にも当てはまる。

 診断を受けなくても、自分にそのような気質があると認識すれば自分を客観視する際にバイアスをかけることができる。 自分を客観的に認識できれば対策ができるようになる。

もう一度、グレーゾーンと管理職

 特に、管理職に求められる能力が欠けているなら、昇任には慎重になった方が良い。 「発達障害」という言葉は広まったが、誰でも無条件にサポートしてくれるわけではない。

 組織は人を正確に判定しているわけではない。特定分野で高い能力を持っている人が、周囲のサポートを受けて成果を上げた場合、サポートを受けた能力までも高いと誤認されることは多い。

 管理職に必要な能力のサポートを受けた人はサポートが無ければ管理職に必要な能力が足りない。 当然のことだが、管理職に必要な能力が足りなければ業務に支障が生じる。

 しかし、自分の能力を客観的に認識していれば、足りない能力を補ってもらうことができる。 補ってもらうのは、上司であったり、同僚であったり、部下であったりだ。

 能力を補ってもらった場合、世の中はギブアンドテイクだから、少なくとも補ってもらった分は得意な分野で貢献しなければならない。

その覚悟が無いなら、管理職にはなるべきではないと思う。



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2018年11月12日 (月)

公務員面接を勝ち抜く力 <面接のノウハウ本ではない>

公務員面接を勝ち抜く力 小紫雅史  日本実務出版

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 読み終わったあとの感想は、「役所の仕事って面白そう」。
希望が湧いてくるというか、楽しそうというか、やり甲斐がありそうな仕事というか、役所の仕事って面白そうという感じだ。

 生駒市の採用倍率が関西1位になるのは納得である。

 タイトルは地方自治体職員を志望する人向けだが、対象はもっと広ろく、いろいろな人に向けたメッセージが含まれていると感じる。

  • 生駒市職員になろうとしている人に向けたメッセージ
  • 安定しているという理由で自治体職員を選ぶ人に向けたメッセージ
  • 地方自治体職員になろうとしている人に向けたメッセージ
  • 地方自治体現役職員に向けたメッセージ
  • 生駒市長としての施政方針演説
  • 今後変化する社会を担う人へのメッセージ

など

 小紫雅史氏の未来に対する認識は賛成だ。
生駒市だけに訪れる未来ではなく、全国の地方自治体や民間企業にも訪れる未来だ。つまり、どこにでも、誰にでも訪れるであろう未来だ。

 そして、この本に書かれたことは小紫雅史氏が首長を務める生駒市のあるべき姿に留まらず。日本の自治体のあるべき姿だ。

 だから、 生駒市を受験しようとしている人でなくても、まるで自分に向けて書かれた本のように感じるのだろう。

 トップが将来展望と役所のあるべき姿を内外に示すというのは、簡単そうだが、それほど簡単ではないだろう。 いくら麗しいビジョンを語っても、既得権にしがみつく反対勢力や抵抗勢力はいるものだ。  おそらく、市役所職員の中にもいるだろう。

 人間はそんなに簡単に変われるものではない。20年30年働いてきて染み付いた価値観は一晩では変わらない。 抵抗勢力を変えるのは難しいから、将来職員となるであろう若者の考え方を変えたり、価値観が同じ受験者を増やそうという戦略なのだろう。

 また、生駒市民がこの本を読むと、オカタイ役所が変わるのではないかと期待するのではないだろうか。 そうすると支持率も上がって一石二鳥だ。下世話な話になってしまった。(^^;

 将来起こることには目を向けたがらない人は多い。 しかし、予想した未来がやってきてからではできることは限られている。

 例えば、少子高齢化社会は必ずやってくる未来だ。市役所は特に影響が大きいだろう。 ところが、ピンときていない職場や職員は多いのではないだろうか。 さらに、自分の職場は地方自治体ではないから関係ないと思っている人も多いのではないか。 

 これまで組織の中から外を見てきた人は、外から自分たちの組織を見ることができないから、少子高齢化社会になったときの影響を客観的に考えることができないのだ。

 自分の職場を客観的に見ることができない人は、根拠無く楽天的だ。

 この本に書かれているようなことを、50過ぎのおじさんに話してみると一様に反応が薄い。 確かに現職でいる間は影響はないだろう。 しかし、定年退職した後には必ず訪れる変化で、しかも、そのときにはまだ働いているから少なからず影響は受ける。 それが、想像できないのだろう。

 いや、想像できるような説得力がないのだろう。そこが、アラ亭のオヤジと小紫雅史氏との情報発信力の違いかもしれない。

 50過ぎのおじさん達は変わることが難しくのなら、若い人たち働きかけよう。


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2018年11月 6日 (火)

なぜ、企業は不祥事をくりかえすのか

なぜ、企業は不祥事をくりかえすのか 樋口晴彦 日刊工業新聞社

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 有名な事件・事故の発生原因とメカニズムを分析した本

 Amazonの書評の中には、著者が所属する組織に関する記述が無いという指摘がある。
しかし、それは無理というものだ。 細部まで知っているだけに公開するのは難しい。それが組織人というものだ。

 この本では事故を分析して原因とその関係が示してあるが、背景となる原因全てを挙げてあるわけではないだろう。 部外者の著者が知りえない原因もあるだろうし、取り上げると本質が見えなくなることもあるだろう。 ちょっと詳しい部外者くらいがちょうど良いのだろう。

 そう考えると、組織で事故や不祥事の調査委員会のメンバーを見たら、その組織の事故防止、不祥事防止への本気度が見えてくるのかもしれない。

 環境の変化は見落としがちな要因だ。

  • 「上尾保育所における児童死亡事故防止」における、コスト削減の影響
  • 「東京ドーム遊戯施設「舞姫」の死亡事故防止」における、
  • 「東海テレビ「ぴーかんテレビ」放送事故防止」
  • ベネッセ情報流出事件

に共通する原因は、「コスト削減」だ。その結果、社員の労働か悪化したり、バイトやアウトソーシングによる、「モラル低下」が事故につながっている。

 「衣食足りて礼節を知る」の例えは、一見事故には関係が無いように思えるが、実は事故への第一歩なのかもしれない。

  • 最近雑用が増えて仕事に余裕が無くなった。
  • 仕事は増えたのに人は増えない。
  • 残業縮減で仕事に余裕が無い。

も事故や不祥事の第一歩なのかもしれない。


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2018年10月31日 (水)

組織の失敗学

組織の失敗学 樋口晴彦 中災防新書

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 エラー防止だけでなく、事故・不祥事にまつわる事例やリーダーシップなど幅広い内容。 実務経験に基づく判断は参考になる。

 樋口晴彦氏は中間管理職のリーダーシップについて

対策の是非について議論が分かれるような得意な案件でさえなければ、トップ自らの力リーダーシップは無くて構わない。むしろ必要とされるのは、中間管理職レベルのリーダーシップである。その場におけるトップの役割は、中間管理職の自発的行動を促すために「後の責任はオレが取るから、君たちの思うようにやってくれ」と後援してやることだ。

とおっしゃる。

 中間管理職レベルのリーダーシップが機能していれば、トップの管理は迷惑この上ない。

 良識あるトップとして振る舞うのは難しい。

 中間管理職レベルのリーダーシップが機能しているなら余計なことはしない。 中間管理職レベルのリーダーシップが機能していないならリーダーシップを発揮する。

 謙虚さとリーダーシップを持ち合わせているのが真のリーダーなのだろう。


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2018年10月25日 (木)

現場力がみるみる上がる 実践なぜなぜ分析 <ミスをチェックできたのは誰か>

現場力がみるみる上がる 実践なぜなぜ分析 小倉 仁志 日経ビジネス人文庫

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トヨタの「なぜを5回」は有名だ。

 問題を解決するときにに原因の特定は欠かせない。このときに、「なぜそうなったのか?」を5回繰り返すことで表からは見えにくい真因に迫る手法だ。

 この手法は理屈は簡単だ。しかし、やってみるとなかなか難しい。思考が深くならなかったり同じ答えの堂々めぐりになったりする。

 この本は、事故やミスの原因を分析する例が多く登場する。そして、分析手法の中心は「なぜを5回」だ。 この本では「なぜなぜ分析」と言っているが、対策案や対策案の実施方法、組織内での展開まで扱っている。

 事故の原因を追及する「なぜなぜ分析」は、人や設備に物理的な障害発生した場合だけでは無く、事務処理に不備があった場合でも使えるし、何かのプロジェクトが行き詰まった時や失敗したときにも使える。
「なぜなぜ分析」のセミナーを受講するIT関係者は多いそうだ。

 一旦抽象化して理解して自分の職場や環境に適用すれば、どこでも使える。 かなり強力なスキルだと思う。

管理者が行うべき「なぜなぜ分析」の例もある。

 事故が起きたときに対策は重要だ。「トヨタの問題解決」では更に、標準化して組織内に展開する「横展」を行う。この、標準化や横展にマネジメントレベルや経営レベルでの「なぜなぜ分析」が使用できるというわけだ。

 日経編集部があとがきにかえて」で

 ヒューマンエラーはとかく、ミスを起こした当事者のせいにされがちである。そして「あいつのやる気が足りないから、問題が起きたんだ」と、精神論でその場を片付けようとする傾向が今でもあらゆる職場で見受けられる。

と書いている。

 少なくとも、マネジャが「なぜなぜ分析」のスキルを獲得していれば、意味の無い精神論に頼らなくて良いと思う。

チェックできなかったこと。

 この本で解説してある「なぜなぜ分析」では、なぜに対する答えを導くと、もれなくチェックできなかったことを挙げるようになっている。例えば、「○○が××に気が付かなかった」という答えには、「○○が××に気が付かなかったことをチェックできなかった」が同時に導かれる。

 これは、目から鱗だった。

 事故の原因や対策が「気合と根性」になるのは、原因を分析する人が他責の念に囚われているからだ。 精神論を原因に指摘すれば反論できない。特に管理部門が現場の事故の原因を考えるときに顕著だ。 時にそれは分析ではなく叱責だ。

 もっとも、現場は「また精神論を言ってら。ここは日本帝国陸軍か!」などと口に出さずに悪態をついているのだが...

 ところが、「チェックできなかった」ことの「なぜ」を考えると、当然誰がチェックできたかを考えることになる。「なぜなぜ分析」を当事者や関係者が分析を行っていれば、分析している人の多くは、チェックできた人だ。 そして、チェックできた人は他責の念では分析できなくなる。

 つまり、分析に多くの人を巻きこむことで、他責の念ではなく自責の念で分析を行うようになるので、安易に精神論に流れることがなくなるのではないかと思う。

 上司や管理部門が分析するときには、「~ことをチェックできなかった」も考えるようにすると良い。


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2018年10月17日 (水)

橋下徹の問題解決の授業 

橋下徹の問題解決の授業 大炎上知事編 橋下徹 プレジデント社

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 橋下徹氏の有料のメルマガをまとめた本。

小難しい抽象論や知識・情報の単なる収集に終始することなく、抽象論や知識・情報を現実の問題解決にどのように活用していくかを授業する。

とまえがきにあるように、論理的なだけでなく、具体的な行動まで書いてある。

 橋下徹氏が未来を予測する内容ではなく、ちょっと前に世間を賑わせたネタについて解説してある。 答え(多くは失敗した事実)は既に分かっているので、安心して読める。

 橋下徹氏とは主義主張や考え方が違うところもあるが、それはそれとして、最善策が示してあるので、この本のタイトルどおり、教科書として読むのが良いのだろう。

 橋下徹氏もことわっておられるように、後知恵の部分もある。この本に書いてある判断を、後から振り返るのではなく、正にリアルタイムタイムで事が起こっている最中にできるかと考えると、かなり難しいと思う。 リアルタイムでできるのが、頭の回転というやつかもしれない。

 現実社会では、最善策にたどりつたとしても、どのタイミングで、何を言うかが重要だ。

 主張を論理的に組み立ててタイミング良く発言する。この能力は後天的に得たもだろうか?

 論理的な思考は後天的に得ることができるが、タイミング良く発言する能力を得るのは難しいような気がする。

 この本を読むと論理的な思考ができれば解決しそうな気がするが、現実はそれほど簡単ではないのだろう。

 論理的に抗弁できなかった人も、論理的に追求できなかった人も、その場の空気や当事者の感情、聴衆の意見などに惑わされることの方が多いのだろう。

 論理的な思考や、短時間で最適解を導く能力は、大きな武器になるが、それよりも、導いた真実や最適解をタイミングよく発言したリ行動したリする方が効果的ということだろうか。

 どちらもできない者は迷い流される。


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