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よしなしごと

2021年10月27日 (水)

個人的な能力でサービスを提供してはならないのか

4月からほぼ一人情シスをやっていて、職場にある野良Excelによる自動化とストレージベースの共有を変えようとしている。
RPAを使って業務フロー自体を変えて、RPAで実現できない部分はスクリプトでなんとかなりそうだ。
しかし、Excelで作業が省力化できれば良いと言われることが多い。
曰く、担当者(σ^^)がいなくなったら後で保守できないと困るということらしい。

ちょっと待った。このフレーズどこかで聞いたことがある。

前職は、小中学校に出向いてICT活用のサポートをやっていた。会社から言われていたのは、契約に無いリクエストにはなるべく応えないということ。
現場の先生は契約内容まで知らないからいろいろな相談を受ける。契約外のリクエストまでサービスで対応すると、担当者が変わったときに「前任者は対応してくれたのに」というクレームになることがあるらしい。

前々職で駆け出しの頃、現場の技術サポートをやっていたときにも上司に同じようなことを言われた。自分が対応できるからと引き受けても、他のメンバーが対応できないこともある。
なんでも引き受けていると、リクエストがエスカレートしてきたり、転勤した後に「前任者は対応してくれたのに」というクレームを気にしているようだった。

マネジャーをやるようになって分かった。メンバーの力量は均一ではないからできるメンバーもいれば、できないメンバーもいる。
マネージャとしては、メンバーの負担を平準化したいし、均一なサービスを提供したいと考えるものだ。

共通しているのは、管理者の立場の意見だ。
メンバーの能力は一定という建前になっていて、能力に関わら同一賃金の職場は、そうなりがちだ。

しかしである。
対応できるリクエストを断って、誰でもできるリクエストだけ対応するのは、サービスを組織の中の最も低いレベルに合わせるということだ。
管理は簡単だが価値は低い。

組織としてのサービスレベルは管理者の能力と比例するのかもしれない。

メンバーの能力は均一ではなく、得意・不得意があるから、能力がある者が対応するという職場で働いていたことがある。

メンバーとしては、結構キビシイ。
特にICT関連の技術の仕事は非常だ。年齢やポストに関係なく、ベテランでもできないのは者はできないし、新人でもできる者はできる。

こういう職場は居心地が悪いが成長できる。
ところが、居心地が悪いメンバーが増えたり、管理者の能力が低いと、メンバーも管理者も高いレベルを目指さなくなる。
そして、提供できるサービスが低下し、部署の価値が低下して・・・


できることをやらないのはできないのと同じだし、知っていることを使わないのは知らないのと同じだと思っていたので、結構引き受けていた。使いにくい部下だったのだろうと思う。


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2021年10月14日 (木)

デジタル庁に期待?!

大前研一「デジタル庁が日本を変えるのは無理」 日本はIT人材の給料が安すぎる 大前 研一  プレジデント (2021/10/15)

大前先生のおっしゃることは核心をついていると思う。
だけど、デジタル庁は、IT産業の構造改革は1mmも考えてないと思う。

デジタル庁の思慮を読むと、IT人材の育成・確保は政府や地方自治体の話で、国レベルの話ではないようだ。
国レベルで不足しているIT人材を政府が囲み込むつもりらしい。
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/seicho/seichosenryakukaigi/dai9/siryou4.pdf)

大前先生に、IT企業の社長と頻繁に会食しているだけの自称「IT通」デジタル大臣と揶揄された大臣は呆気なく交代してしまった。
後任の大臣に期待できるのか気になるところだけれど、現状は選挙までの暫定内閣だから、選挙後のデジタル大臣に期待しよう。

成毛真氏は、期待されているようだ。
(https://www.facebook.com/makoto.naruke/posts/4354219341281815)

成毛眞氏の主張は

  • ITエンジニアの所得引き上げと、国家レベルでの就業人口の拡大
  • ITエンジニアの正社員化
  • ITゼネコンに人月工数で売られていたITエンジニアが転職の所得の倍増
  • システムの内製化において行政が先端を走るために、末端プログラマーまで国家公務員化

だ。現状認識は正しく、理想だと思う。

ただし、働き方やキャリアパスに関する部分については、政府やデジタル庁が強制できるものではないだろう。
まず、政府が主導すべきという主張は理解できるが、政府、役人は最も変化できない組織、人種ではないだろうか。

ある程度ITシステムを内製している、役所で働いていたことがある。
ダメな点はたくさん思いついて、挙げるとキリがないが、諸悪の根源は年功序列だろう。

技術者はその時点の知識・技能とそれをを活用した成果で評価されるべきだが、評価されない。
報酬は金銭だけではないことは理解しているが、技術力やそれによる成果は報酬と直結していない。
だから、賃金やポストなどの一般的な報酬を得るには、年功序列のレールに乗る他に方法がないのだ。
さらに、役人の中で技術者はマイノリティだ。マイノリティを優遇する役人など見たことがない。

政府が主導してIT業界を変えられるかというと、おそらく無理だろう。

結論
昭和の夢にまどろむ企業やITゼネコンを変えることを、政府や役人、政治家に求めても無理だ。(あえて断言しよう)
ICT技術者は、ノーコードプログラミングやヘルプデスクの技能(その時に求められる技能)を持っていれば、定年になっても露頭に迷うことはない。(あえて断言しよう)
次の世界をより良くするために必要なものはテクノロジーだから、技術者は次の世界を変えることができる。
そのために、技術者が自ら変化する気概を持つべきだと思う。


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2020年7月26日 (日)

前世代の「無意識バイアス」は次世代なら指摘できる

その思い込みに揺さぶりをかけたい しばたともこ (2020/07/23)

★「性差別」も「昭和の価値観」も「無意識バイアス」だが、若い世代なら指摘できる。

 しばたともこ氏が教えている女子大での授業で

28歳の女性クライアント、専門商社で責任ある仕事を任され始めたばかりで、ようやく自分の企画が動かせるようになっているタイミング。別の会社で働く同世代の男性との結婚が決まった矢先、彼が大阪に転勤することになった。彼の会社は全国転勤があり、この先も名古屋に戻ってこれるかどうかははっきりしない。彼女の会社は大阪支社もあるが、すぐには異動が難しい。いずれは子どもも生みたい気持ちもあるが、仕事もやっと成果が出始めたところでもっと頑張りたい。彼は彼女の仕事への意欲は知っていて応援してくれている。でも、この先どうすればいいのだろうか。

という課題をあたえると、生徒のアイディアに「男性が仕事を変わる」が無いらしい。

 昭和が終わって30年経過しているしかも、学生は平成2桁生まれだろうに、まだ、家計収入の大部分を男性が稼ぐという、昭和の価値観が残っているようだ。このことは、上野千鶴子氏も指摘しておられる。(男性稼ぎ主モデルからの脱却(2019/09/08))

 昭和の働き方の根本にあるのは、長時間労働と年功序列だ。

 年功序列は若いときの長時間労働の対価は齢をとらないと回収できない仕組みだら、無慈悲な転勤も断れない。この働き方では、収入担当と家事担当に分担することが合理的だから、男性が収入担当になる。

 だから、冒頭の課題を考えるときに、学生の父母の世代には「男性が仕事を変わる」という選択肢がなかった。この価値観を持った親に育てられたのだから、学生が親と同じ価値観を持つのは当然なのだろう。

 つまり、これは女子大の学生だけの問題ではなく、日本社会全体の問題だ。そうであれば、男子学生にもこの課題を考えなくてははならない。今後問題に直面するのは、これから家庭を持つであろう、彼女らと彼らなのだから。

 現にある「昭和の価値観」を前提に考えるなら、「男性が仕事を変わる」という選択肢が無いことは問題だろう。しかし、「昭和の価値観」を否定すれば、転勤しないという選択肢や、テレワークが可能な職場を選ぶという選択肢も考えられるのではないだろうか。もちろん、世の中を変えるという選択肢も。

 以前同じ職場にいた男性職員は1年育休を取得した後に地元で再就職した。就職はゴールではないという意識と、転職できる能力を蓄えていたのだろう。つまり、終身雇用という「昭和の価値観」を前提にしていなかった。

 しばたともこ氏は、人の「無意識バイアス」に対する無自覚さ」を指摘される。無意識であるがゆえに指摘されないと分からないことは多い。冒頭の課題に対する「無意識バイアス」もたくさん存在するのだろう。

 前の世代の「無意識バイアス」は次世代なら指摘できる。指摘しなければ無意識になる。


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2020年7月20日 (月)

職人技の8割は言語化できた

職人技の8割は言語化できた。職人の父vs仕組みの息子。社運をかけた親子喧嘩5年。売上は9倍に BizHint (2019/12/20)

小記事で取り上げられている東田ドライは、カンブリア宮殿でも放送していた。

「職人技の8割は言語化できた」を考えてみた。

  • 職人技の言語化は難しいが、第3者が協力すれば言語化できる。
  • 職人技を言語化しても、職人技を超えることはできない。
  • 職人技を売りにするなら、自ら成長できる人を育てなければならない。

職人技のマニュアル化について、
東田伸哉氏は

「職人仕事」と呼ばれているものの大半は、精神的な障壁で「難しい」と思い込んでいるだけだと思います。 言語化して丁寧に教えれば、その85%は職人でなくてもできました。とはいえ、「言語化」と「教育」はとても難しかったです。

とおっしゃる。

「職人技」が「難しいと思い込んでいる」人は多い。実際のところは、やはり「難しい」と思う。東田伸哉氏が指摘するように、職人が何気なくやっている、言葉にならない暗黙知を形式知化するのは、とても「難しい」。

だから、

言語化は、職人だけに任せませんでした。 「職人が他のスタッフに教える」という機会を作り、教えられたスタッフのほうが職人の言葉や仕事を「言語化」し、マニュアルに落とし込む。それを職人がチェックする形に落ち着きました。何より、職人にしかわからない言葉ではマニュアルになりません。また一方で、「教えたらできる仕事だった」ということを職人側に認識してもらうことができました。

のように、他の人が言語化する他に方法はないのだろう。

ただし、
これはあくまでマニュアル化だ。マニュアル化は悪く言えば劣化コピーだ。

 「職人技」は自然にできるようになったわけではない。職人が試行錯誤しながらできるようになったのだ。
試行錯誤には効果がある試みもあるが、効果がない試みもある。そして、覚えているのは極わずかの効果があった試みで、その裏にある膨大な効果のなかった試みは覚えていない。暗黙知はこの膨大な、覚えていない、効果がなかった試みも含んでできている。だから、形式知化が難しいのだ。

 「職人」は古い技術を固くに守る頑固者のようなイメージがあるが、「一生修行」と言う職人は多い。職人の多くは、今でも試行錯誤しながら成長し続けているのだ。残念ながら、マニュアルは成長を約束するものではないから、「職人技」を超えるのは「難しい」。

経営効率を考えると、
マニュアルが劣化コピーであったとしても、多くコピーできるから、全体の生産性は上がる。しかし、「職人」しかできない仕事がなくなるわけではない。

もし、「職人技」を売りにするなら、
試行錯誤して「自ら成長できる人」を育てなければならない。そのときに言語化された職人技が役立つ。きっと、その人が次の「職人」になり、組織が持続できる。


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2020年6月25日 (木)

接触確認アプリ

 接触確認アプリをボランティアで作った人がSNSで叩かれているようだ。
経緯は↓に詳しい。

  コロナ接触を通知する日本版「接触確認アプリ」を作ったのは誰か?…「6割普及」への挑戦

 ボランティアでしかも開発期間が短く、直前にAPI仕様が変わった中で、間に合わせたあげく、自分で評価・判断できないことは、とりあえず批判しておくという自称識者に、無責任に批判されたのではたまったものではない。 政治的イデオロギーからだろうか、政府が配布しているから危ないという論調のマスコミもある。 そして、その尻馬に乗るSNS民ももいる。

 さすがに、酷いのでOSS界隈から、コメントからまっとうな投稿が出てきた。

 OSSには"at your own risk"と"as is"という考え方がある。OSSは使用者が自己責任で使い、作成者は改修の義務を負わない。

 接触確認アプリはOSSで開発されたアプリを国が国民に配布しているのだから、使用した責任は国(厚生労働省)にあり、改修の義務は国から受注した業者が行うべきだ。

 国は少なくとも、開発者が不当に批判・避難されない配慮が必要だと思う。


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2020年6月22日 (月)

プログラマー 2種類のタイプ

https://www.facebook.com/groups/280993058608704/permalink/4011657725542200/

facebookの「40歳以上ですがコードを書いています会」への投稿。

 昔プログラマーは2種類いたらしい。特徴を一部引用すると

タイプⅠは朝しっかりと出勤し就業時間中は黙って机に向かいます。与えられた情報の中で仕事します。...

タイプⅡは、ほぼほぼ毎日遅刻します。でも夜遅くまで働きます。~ 就業時間中はよくしゃべりうるさいです。情報が不足すると勝手に席を離れ秋葉原をふらつき専門書を漁ります。しかもポケットマネーで買います。...

(投稿にはもっと詳しい特徴がかいてある)

そして、今はほとんどタイプⅠに見えるという内容。

 プログラマーだけではなくて、もっと一般的な問題だと思う。

 タイプⅡが見つけた仕事をルーチンワークにしてタイプⅠがこなすのは理想だ。(「両利き経営」と言うらしい)しかし、自然にそうなるわけではない。

 タイプⅡは管理されると消滅してしまうので、タイプⅡのマネジメントができる人材が必要だ。例えば、この投稿の社長や、海洋堂の宮脇社長のような存在だ。

 ところが、タイプⅡのマネジメントができる人材はタイプⅡより希少だ。理由はいくつかある

  • タイプⅠは管理できるが、タイプⅡは管理できない。
  • 管理は簡単だが、マネジメントにはスキルが必要だ。
  • タイプⅡのマネジメントにはタイプⅡが向いているが、そもそも、タイプⅡは昇進したがらない。

などだ。

 たまたま、タイプⅡのマネジメントができる希少なマネージャがいて、タイプⅡが見つけたネタが主力事業になることがある。

 その事業のライフサイクルが長いなら、その事業が衰退するまでタイプⅡは不要になる。しかし、変革期など事業のライフサイクルが短い場合は、次の「飯のネタ」を見つけなけばならないから、タイプⅡとタイプⅡのマネージャが必要だ。事業が衰退してから、タイプⅡとタイプⅡのマネージャの必要性がわかったときには、すでに手遅れになっている。

 タイプⅡだった経験(注1)とタイプⅡのマネジメントをやろうとした経験(注2)では、タイプⅡのマネジメント能力は後天的に獲得できると思う。
ただし、自力で獲得するのは非効率的なので組織的な支援が必要だ。
そして、なにより、タイプⅡが正当に評価される風土が必要だ。


注1:朝はちゃんと出勤してました。
注2:とても難しかったです。



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2020年6月19日 (金)

コロナ後の「管理職」 <管理職からマネージャへ>

「俺の時代は終わった」新型コロナで揺れる管理職たち 河合 薫 日経ビジネス  (2020/6/9)

★組織的に、真のマネージャの育成をしているかどうかが問われる。

 部下の管理だけでマネジメントしない「管理職」は、自ら意思決定せず上司や空気を伺うから意思決定が遅い。

 社会の変革期には意思決定の速度が必要なので、意思決定{しない|できない}「管理職」が多い組織は淘汰されるか、「管理職」が整理されて、マネジメントができる人材に替わると思っていた。この変化は数年で訪れると思っていたら、新型コロナウイルスの流行で加速されるようだ。

 今後、組織的は、非常時でも事業を継続しようとすれば仕事のやり方を状況に応じて変えなければならない。管理職は、迅速な意思決定と、慣習にとらわれず仕事をのやり方を替える柔軟さが求められる。

河合薫氏は、

多くの日本企業では「上」の承諾がないとそれが許されない。「名ばかり管理職」ならぬ、「名ばかりマネジャー」。つまり、「監視型の管理職は終わり」「名ばかり管理職は要らない」のではなく、企業は、管理職=マネジャーが、真のマネジャー(マネジメントする人)となるための投資をする必要があるのではないか。

とおっしゃる。

 長い間、昨日と同じように働いてきた50代の「管理職」は自ら変われないだろう。組織に適応しすぎた(優秀な?)40代も自ら変わるのが難しい。30代なら自ら変われるだろう。

 と考えると、組織的に、真のマネージャの育成をしているかどうかが問われることになる。

 年寄りの昔話や気合注入という名の管理職研修ではマネジメントはできるようにならない。


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2020年6月12日 (金)

特別定額給付金 <人の心理をついた効果的な施策>

この投稿について考えてみた。

★バラマキという施策は人の心理をついた効果的な施策だ。

 今回の特別定額給付金は、当初、当面の生活資金が不足している人の救済が目的だったような気がするする。それが、議論を重ねるうちに「迅速さ」が焦点に変わっていった。

 迅速に配布する方法の議論はお粗末だった。今回の給付では、マイナンバー・カードを使用したオンライン申請が導入されたが、マイナンバー・カードの普及率や明日にでも現金が必要な人がオンライン申請できるのかというネット格差の問題があった。

 そもそも、一律給付にすると迅速に配布できるのか、迅速に配布する具体的な方法についての議論は生煮えのまま現場に丸投げされた感がある。

 世論は、一律給付になったころから、「当面の生活資金が不足している人の救済」という他人事から、「いつ10万円もらえるのか」という自分ごとに変わった。つまり多くの国民の関心は、生活困窮者対策から経済対策に変わった。

 総務省のサイトに掲載された特別給付金の目的には

 「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月20日閣議決定)において、「新型インフルエンザ等対策特別措置法の緊急事態宣言の下、生活の維持に必要な場合を除き、外出を自粛し、人と人との接触を最大限削減する必要がある。医療現場をはじめとして全国各地のあらゆる現場で取り組んでおられる方々への敬意と感謝の気持ちを持ち、人々が連帯して一致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない」と示され、このため、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行う。

とある。この施策は生活困窮者に対する支援ではないようだ。

 給付が始まったが、早く給付されたのはオンライン申請した人、小規模自治体(田舎)に住む人だ。これらの人の多くは生活困窮者ではないだろう。そして、生活困窮者には、大部分の生活困窮者ではない人とともに遅れて給付される。

 ここで、冒頭の投稿を考えると、大部分の人生活に困窮していない人たちの関心は、地自治体の事務手作業の迅速さになったということだろう。自粛が始まった頃は、政府の生活困窮者の救済対策に関心があったはずなのに。

 バラマキという施策は人の心理をついた効果的な施策だ。政治家はまた学習したことだろう。


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2020年6月 6日 (土)

コロナ収束の原因 <国民性や民度ではない>

「コロナ収束は日本人のマジメさや清潔さのお陰」という勘違いの恐ろしさ 窪田順生 Diamond Online (2020/5/28)

 政府の対応が遅れたにもかかわらず、感染爆発や医療崩壊が起こらなかった原因を国民性に求めるのは危険だという主張。

 感染爆発が怒らなかった原因は科学、医療の観点で明らかにするべきだ。山中伸弥先生はそれを「ファクターX」と呼んでおられる。当然だが、その候補の中には「国民性」や「民度」はない。

 国民性や民度という因果関係が分からない漠然とした要因を持ち出すのは、原因がわからないからだ。

 技術の世界では、2つの装置を接続したときにうまく動かないときには、必ず原因があって優秀な技術者はその原因を見つけることができる。装置の相性が悪いという偽術者がいるのだが、単に原因を見つけることができないだけだ。そして、「原因を見つけることができない」と言えないので「相性が悪い」と話をすり替えるのだ。

 同じように、感染爆発が起こらない原因や対策の効果が分からないから、国民性や民度を原因にするのである。

原因をうやむやにすると

  • 次の危機が訪れたときに正確な意思決定ができない
  • 過剰なナショナリズムを生む

という問題がある。

 マスクの全戸配布、定額給付金一律配布、緊急事態宣言など対策をあと知恵で批判する者は多い。前例のない意思決定に正誤はない。しかし、その結果を検証して、成功/失敗した原因を明らかにしなければ、次に同じ意思決定を行うことができない。

 ゆめゆめ、相性や国民性、民度という便利な言葉でごまかしてはならない。



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2020年5月30日 (土)

行政を預かる者として意識していること <政治家の評価にも使える>

 熊谷俊人千葉市長はSNSで情報を発信しておられる。新型コロナウイルスが流行してからは市の状況を毎朝投稿しておられ、市民はとても心強かった。この毎朝の投稿は5/25に緊急事態宣言解除されたことから終了された。

 https://www.facebook.com/toshihito.kumagai/posts/3062630490473105

 この投稿の中に、熊谷俊人市長が為政者として意識していることが綴られている。

  • 専門家と現場の知見を活かし、常に科学的知見や根拠に基づいて対策をすること
  • 一方で、専門家・現場と国民の意識の溝を理解すること
  • 専門家・現場の通りにすると、不安に駆られる国民から信頼を失い、専門的知見に基づいた現実的対応ができなくなるリスクを理解すること
  • 専門家からは「ちょっと踏み込んだ対策だが、政治的判断としてやむを得ない」と言われるラインで施策を展開し、国民に寄り添って専門家と国民の間を繋ぐことで幅広い国民の信頼を得ること
  • 常に先に待っているリスクや景色を想定して、予報し、事態の変化に対して国民の心の準備を促すこと
  • 不安を訴える人々に寄り添い過ぎ、過剰な対応を取ることで、医療や経済が崩壊し、別の形で生命の危機に晒される人々が出ることを政治家として理解すること
  • 上記についてはうまく説明しないと、論点を理解できない人から「経済のために人を見殺しにするのか」と批判されるので、説明の論旨展開や場所には細心の注意を払うこと

 今回の新型コロナウイルス流行で見えてきたことがある。

 非常時に専門家やマスコミが不安を煽ると国民は戸惑う。今どきはSNSがあるから世論が形成されるのが早い。不安に惑わされた世論は政策に反対することが多い。しかし、多くの意見は合理的ではなく感情的だ。

 ここで、あえて不安を煽る政治家や、不安に駆られた世論に惑わされる政治家はいる。

 冒頭のリストは、政治家が平時から意識すべき項目だ。

 それは、非常時に国民・市民が政治家の姿勢を評価する際の項目でもある。


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