試行錯誤とデバッグ
プログラミング教育を考える(4) プログラミングは試行錯誤か (2020/05/25)
プログラミングにおけるデバッグとプログラミング教育の試行錯誤は異なるという主張。
文科省は単語を一般の人とは異なる概念で使うから、一般人が思いも及ばない広い概念を含んでいる。
定義して使っているのだが、マスコミは定義まで報道しないので混乱する。文科省の定義は、公表している資料で確認しなければならない。
文科省の言う「情報モラル」や「プログラミング的思考」はIT業界の常識では理解できない。
プログラミング的思考と問題解決のループは、ベネッセのこの図↓がわかりやすい。
(https://benesse.jp/programming/beneprog/wp-content/uploads/2018/07/p-9.jpg)
文科省のいう「プログラミング的思考」には、この図の問題の発見とコーディングが含まれていない。
「プログラミング的思考」は考え方だ。コーディングを含めるとコンピュータが無ければ、プログラミング教育ができなくなってしまうし、ともすれば、コーディング技能の習得になる恐れもある。だから、あえて抜いたのではないだろうか。
文科省の定義した「プログラミング的思考」は、いわゆる問題解決手法と捉えると理解やすい。 E.V.ジュニア さんはPDCAサイクルで捉えたようだ。
問題解決手法の「対策の実施」、PDCAサイクルの「DO」の部分に相当する。 試行錯誤は問題解決法では、対策を評価し問題が解決されいなければ、新たな課題を設定すること、PDCAサイクルではC→A→Pとサイクルを回すことだろう。
この部分はコンピュータを使うとは限らないので、試行錯誤=デバッグとすると混乱してしまうのは、E.V.ジュニアさんの指摘どおりだ。
「なぜ,今学校でプログラミングを学ぶのか」(平井・利根川 技術評論社 2020 2月)の著者はプログラマではないのだろう。少なくともIT業界でのシステム開発手法を知らないのだろう。
文科省のいう「プログラミング的思考」は、IT業界の人も戸惑うし、文教業界の人も戸惑う。罪深いよなぁ...
文教業界の人と話すときには注意が必要だ。常識とは異なることが多い。
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