余人をもって代えがたし
ちょっと前に、「余人をもって代え難し」という言葉をよく聞いたので、考えてみた。
組織的には「余人をもって代え難い」人材はリスクでしかない。その人がいなくなったらサービスレベルが低下してしまう。逆に、その人がいなくなってもサービスレベルが維持できるなら「余人をもって代えられる」ということだ。
「余人をもって代え難し」と言われるのは年寄りが多い。
長く同じ組織や業界にいると、昔のいきさつを多く知っていて、部署間や企業間の境界や縄張りが決まったいきさつもわかってくるからだろう。
ところで、田舎に自分の家の雑木林があった。他所の雑木林との境界はわかりにくいので年寄りに教えてもらっていた。「この畑の角から山中腹のの大きな木を結んだところ」が境界だったりする。 無用な争を避けるために雑木林の境界を知っていていることは重要だ(った)。
部署間や企業間でも境界を知ることは重要だ。
部署間や企業間でなぜ境界や縄張りを決目る必要があるのか?それは予定調和の中で暮らした方が楽だから。
成長が止まった社会では、境界や縄張りなどの枠組みを壊して傷つくより予定調和で双方が傷つかない方がメリットが大きいのだ。
そこで境界や縄張りが決まったいきさつを知っている長老が重要になる。経験を積むには年齢が必要だから、「余人をもって代えがたい」人はたいてい年寄りだ。
件の「余人をもって代えがたい」騒動は、ごく内輪の「余人をもって代えがたい」人を予定調和が通用しない世間に出してしまってたことが原因だ。そして、それに気が付かない人が大真面目に「余人をもって代えがたい」と言っていたのだろう。
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