いじめ問題とICT <学校だけの、子供だけの問題ではない>
町田市の小学校で発生したいじめ事件が話題になっている。
第三者委員会が設置されたらしいので、原因が解明できて再発が防止できることを願っている。
一連の報道で気になるのは、主因でなく遠因がフォーカスされていること。
マスコミは原因を解明することが目的ではないから仕方がない。
販売部数は視聴率が取れそうな話題にフォーカスするのは仕方がない。
多くのマスコミが取り上げている話題は、GIGAスクール端末の
- パスワードが共通だったこと
- チャットが規制されていなかったこと
が指摘されているが、どうもすっき入りしない。
この2点は主因ではないからだろう。
こんな記事が目に留まった。
- “タブレットいじめ”があっても一人一台端末を止めてはならない FNNプライムオンライン (2021/09/22)
- 町田市の児童自殺はGIGAスクール端末が悪いのか 日経パソコン (2021/09/24)
異なるパスワードを使っていても、チャットを規制していても、この問題は解決しない。
なぜなら、問題はいじめが存在し、大人がいじめに対応することができなかったことだから。
閑話休題
とはいえ、パスワードの管理とチャットは重要だ。
パスワードの管理が杜撰だとか、個人同士のチャットを規制していないなどの正論を唱えても問題は解決しない。
●パスワードの管理
低学年では難しいだろう。高学年になっても、いきなり管理するのは難しい。
30人もいれば、capsやカナになったままパスワードを入力したり、パスワードを忘れたりする子供はいる。
このようなログインのトラブルに1人の教師が対応していたのでは、学習の時間がなくなってしまう。
パスワードの管理について正論を述べているマスコミは多い。
しかしだ。
大人は皆、マスコミがが書いているようにきちんとパスワードを管理しているのだろうか?
ポストイットにパスワードを書いてディスプレイの縁に貼っている大人はいないのだろうか?
"1234"や"qwer"をパスワードにしている大人はいないのだろうか?
学校だけの問題、子供だけの問題にしてはいけない。
●チャット
GIGA端末で自由にチャットが使えることについては、整備される間から議論があった。
GIGA端末に限らずSNSの利用や文字でのコミュニケーションの注意点は、多くの学校で、情報モラルの授業で教えている。
チャットを規制していない学校は、検討した上でチャットを規制しなかったのだろう。
全ての親や教師などの大人が、適切なSNS使い方を指導できるわけではない。
それは、SNSで頻繁に発生する、誰かを死に追いやる炎上を見れば明らかだろう。
GIGA端末でチャットを規制することは問題の解決にならない。
子供たちは遅かれ早かれスマホを使うだろう。
それまでに、SNSでのコミュニケーションについて指導できなければ、問題を先延ばしするだけだ。
●結論
パスワードの管理やチャットの利用について正論を語ることは簡単だ。
大人は、子供たちに満足な指導できないできないことを知るべきだ。
そこから、始まる。
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