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2022年2月 7日 (月)

教育村とセキュリティ村

Twitterに、GIGAスクール端末のパスワードを記入して担任に提出を求められたという投稿があった。
R3年度初めにGIGAスクール端末が整備されたころに、同じような投稿がたくさんあった。

★パスワードを学校が管理すること

多くは、学校や教育委員会はけしからんという論調だ。
多くは正論や理想論で正しい。
しかし、現場では理想論で運用できない事情がある。

20年くらいIT関係、情報セキュリティ関係仕事をして、ICT支援員をやった経験では、現在の、先生や児童・生徒のスキルやリテラシーでは記憶したパスワードだけで運用するのは難しいと思う。

〇パスワード入力補助
小学校低学年ではパスワード入力の補助が必要だ。
ローマ字を習うのは3年生だ。キーはひらがなで伝えることができるが、記号や大文字を使った「強いパスワード」を入力するのは難しい。
しかも、パスワードを入力する際にカナロックやIMEの設定に注意しなければならない。大人でもハマることがある。

〇パスワードの記憶
自分のパスワードを覚えていられない可能性は高い。
子供に限ったことではない大人でもそうだ。
年度の初めに初期パスワードを書いたカードを渡しても、持っている生徒・児童は少ない。几帳面な性格な子は筆箱にしまっていたりするのだが、カードをもらったことさえ忘れている子は多い。

授業の初めに、ログインできない児童・生徒がいたら、先生がログインを手伝わなければならないが、ログインできない児童・生徒がたくさんいたら授業どころではなくなる。

ログインを手伝うときにはパスワードを聞き出す可能性は高いし、生徒・児童が忘れていたら、先生が、初期パスワードを確認したり、リセットできなければならない。

だから、学校がパスワードを管理するのは理想的ではないが合理性はあると思う。

★教育村とセキュリティ村

パスワードが管理できない大人はたくさんいる。
パスワードの必要性、重要性が説明できない大人も多い。
多くの会社や組織では、セキュリティに明るい人は少ないし、セキュリティの重要性を理解していない人が多く、セキュリティに金をかけない。
それは、先生も教育委員会の人達も同じだ、彼ら・彼女らはセキュリティの専門家ではないのだから。

セキュリティはゼロリスクを目指すものではない。
セキュリティの専門家ではない、生徒・児童、保護者、教師、教育委員会の人達が教育の現場で必要かつ実現可能な対策をとるには、専門家の助言と、それぞれの立場でリスクを負う人が必要だ。

政府が基準を示すだけでは解決しないだろう。
また、セキュリティ村の人が、「これだから教育村はダメなんだよ!」と言うことでも解決しないだろう。

セキュリティ村も人材が不足していることは知っている。
教育村のセキュリティの仕事は少ないし、儲けにならないことも理解できる。
それでも、セキュリティ村の人たちは教育村のセキュリティレベル向上に貢献できるのではないか。

今の労働市場は、歳をとっているだけで労働者としての能力や価値を否定されるのだが、
セキュリティ村出身の年寄りでも教育村で能力を発揮できると思う。


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