科学のトリセツ <科学する心>
科学のトリセツ 元村 有希子 毎日新聞出版
サンデー毎日のコラムを書籍化したもの。
「50歳のおばさんになった自分なんて想像できない」とか裏声で言っていた20代の私を「お~ま~え~は~あ~ほ~か~*!」と叱りつけたい。
*おまえはあほか
上方漫才トリオ「横山ホットブラザーズの十八番。のこぎりを曲げながら7回叩いた音が「お前はアホか~」と聞こえるこの芸は「大阪名物」と言われた。のこぎりを担当した横山アキラさんは2020年、88歳で死去。
なるほど、注釈はこんなふうにつければよいのか。
元村有希子氏は同年代だからだろうか、つい、「お~ま~え~は~あ~ほ~か~」に反応してしまった。
横山アキラさん亡くなっていたことを知った。ご冥福をお祈りいたします。
閑話休題
イモリを愛する少年のセンス・オブ・ワンダー (2018・5・8)
で、イモリが好きで、捧げる曲まで作ってしまった小学生の部屋匠くんが紹介されている。
彼は「音でおびきよせられないか」と考え、イモリが好きな音を調べて分かった、周波数630~2000ヘルツの音域で「イモリに捧げる曲」を作曲し、塩ビ管を通して小川で流してみたら、予想通り、イモリが集まってきたらしい。
このコラムは、
イモリ好みの曲が分かって何の役に立つの? なんてまったくの愚問。まっすぐな「科学する心」がまぶしい。
で結ばれている。
イモリが好む音域が必要な人は極々少数だから、この研究成果の価値は低い。と考えるのは「科学する心」を失った大人の視点だ。
彼は、「イモリが好む音がある」という仮説を立てて、それを実験で実証している。
つまり、研究者に最も必要な「科学する心」を持っていて、基本的な、実証方法を体験から習得している。
大人ができることは、彼の「科学する心」を潰さないようにすることだろう。
部屋匠くんが、将来研究者になるかはわからない。
しかし、研究者にならなくても、仮説を立てて、検証方法を考え、問題を解決したり、最適解を求めたりするのは、理系、文系に限らず誰でもが必要なスキルだ。
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