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2022年6月17日 (金)

理系思考

理系思考 分からないから面白い 元村有希子 毎日新聞社

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毎日新聞の連載コラム「発信箱」に2004年から200年に掲載された記事と、著者自信のコメントを集めた本。

全国紙の連載コラムという性格上、時事ネタが多い。そういえばそんなことで騒いでいたなあ...とか、一昔前の話題なのに全く問題が改善されていないとか、考えながら読んだ。

時事ネタの本は、10年後20年後に読むと、答え合わせのような感じがする。
その時の問題提起や指摘が的外れだったのか、的を射ていたのかは、時間が証明してくれる。

ワイドショーで見かけるウケ狙いで言い放しのコメンテーターのコメントは時間と共に消えていく。
文字にして、しかも後年書籍になると、著者にすれば結構覚悟がいるのではないだろうか。新聞記者の諚だ。

新聞と若者というテーマで書かれたコラムがある。
コラムが掲載された2005年当時、すでに若者の活字離れは進んでいたし、戻らないであろうことは、多くの人が認識していた。

私たちが汗を流して作っている新聞が、ここまで若い人たちに受け入れられないのは、やはりがっかりする。でも、せめて若い彼らが言った三つの注文を解決しないことには、新聞離れはどんどん進むだろう。
 時代に合うようなモノに作り変えていくのか、それとも時代をこちらに引き寄せるのか。昔の新聞は後者だったかもしれない。今はそれで生き延びることは難しい。
 2005.10.19

今読むと、時代との乖離を感じる内容だ。当時読んでも時代遅れ感がある内容だと思う。

時代に合うようなモノに作り変えていくのか、それとも時代をこちらに引き寄せるのか。昔の新聞は後者だったかもしれない。今はそれで生き延びることは難しい。

の認識は正しいと思うのだが、新聞はこの15年間何をしていたのだろうか。
新聞は、科学・技術を活用した新しい著作権のあり方を主導する立場にあったはずだ。
しかし、再販問題では、賛成意見を全く無視して反対キャンペーンを展開していた。公平なメディアなら賛成意見も掲載するのだろうが、反対意見しか掲載しなかった。
つまり、国民が科学・技術の利益を享受するより、著作権という既得権益を守ろうとしたのだ。

当時、毎日新聞のスタンスにずいぶん失望した記憶がある。

将来、全国紙は生き残れるのだろうか?
デジタル版の新聞を購読するなら、日経を選ぶよなあ。


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