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2022年7月10日 (日)

テスト研修

新しい研修の企画があってテスト研修をやってみた。生煮えで良くなかった。

問題を提示して、解決の方法をレクチャーするという、セオリーどおりの構成だが、そもそも、問題を認識する以前に、問題が存在する場所・空間が認知されていない。

南国に住む人たちに北国の豪雪の問題を提起しても、問題を認識できないのと同じだ。
そもそも雪を見たことがない人は雪による問題は存在しないし、問題意識も伝わらないだろう。

問題解決に必要な研修は、

  • 問題があること
  • その問題の解決方法を知っていること
  • その解決方法を実践できること

が必要だ。

短期間で問題を解決する技能を習得するのは(極めて)難しい。
でも、短期間で習得できると考えている人がいるので、商売が成り立っている側面はある。

自分のことを考えると、講師としての力量が足りないから、1段階のレベルアップがやっとだ。
2段階上のレベルは、わかった気に、できる気にさせると、研修の評価が高くなる。
でも、多くの受講者はそれ以上レベルアップしない。

全く知識がない受講者は、正しい問題意識を持つことをゴールにして、解決方法や解決技法はわかった気にさせる。
専門分野の問題は世の中の人全てが、問題を解決する能力を持つことは難しいし、また、その必要もないだろう。
正しい問題意識を持っていれば、問題の解決方法を知っている人に解決方法を尋ねることができる。
解決方法を知っている人は、問題を解決する技能を持っている人に依頼することができる。

そして、実際に問題を解決する能力を持つ人が必要だ。←これは重要

問題を解決する能力持つ人を育成しようとするなら、わかった気、できる気にさせてはならない。できるようにならないから。
わからないこと、できないことを認識させるので、研修の評価は悪くなるのだが、わかるまで、できるようになるまでサポートし続けることが必要だ。

昔は、現場がサポートしていたのだけれど、今時は現場にそんな余裕はないし、教えられれる人もいなくなっている。
だから、実際に問題を解決する人を育成するのは難しい時代になった。
反面、わかった気に、できる気になっている人は増えるのではないだろうか、わかった気、できる気にさせる研修は外注できるから。

最低、「問題があること」を「わかった気」にさせる説明が必要だ。
ここをクリアしなければ、ニーズが生まれない。


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コメント

問題とは何か。実はどこが問題なのか。何故問題なのか。
これを認識してもらうことの難しさを今まさに痛感しています。

長尾美紀さんコメントありがとうございます。

問題がそこらじゅうで顕在化すると、皆騒ぎ出すのですが既に手遅れになっていたりします。
全員が理解するのは難しいのですが、それでも問題を正しく認識する人は何人かはいると思います。

森信三先生が仰るには
 教育とは流れる水の上に文字を書くような儚いものだ。だが、それを岸壁に刻み込むような真剣さで取り組まなくてはいけない。
だそうです。

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