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2023年4月

2023年4月30日 (日)

IT素人を説得する技術 <ヘルプデスクはコミュニケーションの仕事>

IT素人を説得する技術
〜相手を説得し納得させるエバンジェライズ(伝道)の極意
黒音こなみ
株式会社シーアンドアール研究所

Photo_20230408131501

黒音こなみ氏のプロフィールのよると、カスタマーサポートと情報システム部門で社内外でIT関連の問い合わせに対応してきたらしい。
そして、

ヘルプデスクはコミュニケーションの仕事だ。

とおっしゃる。
IT素人と関わる人に伝えたい十か条は

IT素人と関わる人に伝えたい十か条
 一、 はじめの一歩は、助けが必要
 二、 専門用語は、まず説明から
 三、 あなたが怒ると、相手も怒る
 四、 きっと、一度には覚えきれない
 五、 きっと、一回では覚えられない
 六、 やり方を押し付けるより、やりやすい方法を探してみる
 七、 万能ではないけれど、便利だと伝える
 八、 便利と一緒に、危険も伝える
 九、 あなたが我慢するのは、解決ではない
 十、 みんな、最初はIT素人

らしい。
時にヘルプデスクとして質問を受け、時にメーカーのヘルプデスクに質問する立場だから、どちらの気持ちももっともだと思う。

昔、技術部門で仕事をしていたときは、ユーザから技術的な質問を受けることがあった。
専業ヘルプデスクでなかったので、この本に書いてあるような素人からの質問に辟易し、ぞんざいな対応をしていたように思う。

質問されたことに答えるのではなく、質問者と一緒に問題を解決するようにすると、うまくいくことは多くなるのだが、どうしても、うまくいかなことがある。
質問者の目的は、不具合を解消することではなくて、自分の業務を遂行すること、目的を叶えることだ。
しかし、質問者とヘルプデスクが同じ会社にあれば、最終的な目的は同じ(はず)だ。そこから始めると、円滑なコミュニケーションのはずだ...
ヘルプデスク業務を外注している場合、ヘルプデスクの業務は質問者の不具合を解消することだから、ゴールが違うことはよくある。

ユーザがいつも使えているサービスや機器がいきなり使えなくなるとかなりのストレスを感じる。
だからだろうか、ヘルプデスクや情シスへの相談は、大半が通常の精神状態ではないようだ。

理性的な人は、早く復旧させたいと思っているので、コミュニケーションに困ることはないのだが、理性を失った人は、受話器越しにイライラが溢れる話し方なので、冷静なコミュニケーションを始めるまでに手間取ってしまう。

メーカーやプロバイダーなどの相談窓口に電話すると、流石にプロの対応は違うと感じる。
資料やFAQが整理されているのだろう、オペレータ個人の技術力に頼らない仕組みがあるのだろう。
気を効かせて、エラーメッセージや初期診断など必要と思われることを調べて、電話するのだが、素人に聞くような質問が続くと、つい、「それはも調べたヨ!」と思ってしまう。
しかし、オペレータにしてみれば、電話をかけてきた人が、社内のヘルプデスク担当なのか、IT素人なのかは分からないから仕方がない。

効率よく解決するには、オペレータに主導権を渡すことだ。
調べたことを全て、一気に伝えようとしてはいけない。
尋ねられたことを的確に返すと効率が良い。プロの仕事に触れると、不具合のストレスを忘れて清々しささえ感じる。

ヘルプデスクでも質問者でも、良好なコミュニケーションに心がけよう。


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2023年4月27日 (木)

GPT-4時代のエンジニアの生存戦略

GPT-4時代のエンジニアの生存戦略
Qiita @lazy-kz(株式会社 wevnal) (2023/03/27)

GPT-4の登場により、AIがカバーできる領域が広がった結果、あくまでプログラミングは目的ではなく手段という側面がより強くなると考えています。
「要件定義はビジネスサイドがやるもの」という意識のまま要件どおりにコードを書くだけの仕事をしていると数年以内にAIに仕事を奪われるリスクが高いので、その点を留意しながら仕事を進める必要があります。

とおっしゃる。

用件定義済みの要件からコードを書くだけの仕事は無くなるということか。

プログラミングは課題を解決する手法だ。
ずいぶん前から分業化されていて、コードを書く作業は創造力が必要なく規格化されている。

規格化されている技能は機械に置き換えられることは今に始まった事ではない。
だから、コーダーの仕事がAIに置き換えられることは当然かもしれない。

コーダーはコンサルやSEに対して「プログラムも書けないくせに」と、毒づいていた自称プログラマー(コーダー)は淘汰される。
そして、プログラムを書いたことがないコンサルやSEがAIを使うことで、課題はクリアできるようになると言うことだ。

自分がカバーできる範囲を広げる際に、現在の仕事をAIにやらせて浮いた時間を使って他分野を学習しても良いし、AIを新しい分野の学習のサポートさせるてもよい。

  • 自分のカバー範囲を広げること
  • AIに使われるのではなく使うこと

が重要だと思う。


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2023年4月24日 (月)

AWS summit TOKYO 2023

リアルの小売にとって最大の脅威はずいぶん前からAmazonだ。
ICTインフラはAWSになってしまったと思わせるエネルギーがある。

AWS summit TOKYO を去年は職場で片耳で聞いていた。
今年は幕張メッセでリアル参加。
基調講演はメッセ8ホールの端からか端まで満席+立見多数の大盛況だったので、映像を流していた他の会場で聞いた。

Awssummit2023
AWSは重要な社会インフラになっている。

〇セッション
情シスの情シスによる情シスのための人材育成 -リスキリングとそれに反する教育後回しジレンマ克服の具体策-
株式会社コーセー 進藤 広輔 氏

  • クニカルスキルとビジネススキルを並行して習得する
  • 機会平等でなくてよい
  • 人材育成を阻害する「和をもって貴しとなす」

人材育成も変わらなくてはならない。

〇DeepRacer
Japan Student Championshipをやっていた。セミナーの合間にみただけだけれど、芝浦工大が強い。
Deepracer

 何年か後には↓これが公道を走っていたら楽しい。
Deepracer2

〇Graviton3
 Amazonが作ったARM。無料では使えないようだ。
Graviton3

〇セッション
プロトタイピングのススメ ― 手早くサービスを作って検証するための実践的ノウハウ
AWS 友岡 雅志 氏

忘れがちなポイントがたくさんあった。

  • プロトタイプで何を検証するのかが重要。あれもこれもやってはいけない。
  • 「爪を研いでおく」プロトタイピングではやったことがあるは重要

Prototypeing


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2023年4月21日 (金)

就活生向けの紹介動画 <視聴者が知りたいことは?>

とある、就活生向けの紹介動画を見たら、ちょっと引っ掛かってしまった。

〇無線の資格
登場する人が「無線の資格が活かせる仕事」とおっしゃる。
40年余り前に、同じことを考えて就職したら経験があったから、反応したのかもしれない。

今時は無線の資格が無ければ従事できない業務はほぼ無い。
あったとしても講習会を受けると取得できる資格でほぼ足りる。

昔に比べて通信システムにおける無線通信の割合は低下している。
さらに、無線技術と無線機器の製造技術の進歩とが相まって、無線関係の技術力を発揮できる仕事は減ってしまった。
もう随分前から無線の資格は食えない資格になっているのだ。

無線通信は無くなることはないから、仕事に生かせるのは、研究・開発業務では無線に関する知識・技術であって、資格ではない。

〇インフラ技術者
インフラ技術者は、土管屋と呼ばれることがある。
社会インフラとして欠かせない通信インフラを、同じような社会インフラの土管に例えた呼び方だ。どちらも普段は注目されない地味な仕事だ。

一方で土管の中を流れるコンテンツを作る仕事や土管を使って金儲けする仕事は華やかだ。
だから、三角関数を学ぶのは無駄だから小学校からファイナンスを教えようという輩が現れる。

もし、土管屋の仕事に興味がある人がいたら、何を知りたいのだろうか?と考えた。

土管屋が地味で、コンテンツ屋が華やかな仕事として評価されていることは、承知しているだろう。
とすれば、知りたいことは、その業務が会社・組織でどう評価されているかだと思う。

土管屋が、会社・組織が依って立つものとして認識・評価しているのか、土管の中で暮らす地底人の扱いなのかが知りたいところだ。

〇紹介ビデを見る側の観点
歳をとって就活した経験から、紹介ビデを作る側の観点と、見る側の観点のズレが気になるようになった。

就活している人に向けてのメッセージは、伝えようとしていることよりも、伝えていないことに着目すると、本当の姿がわかるかもしれない。
伝えていないことは、隠したいことか、重要視していないことだから。


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2023年4月18日 (火)

読書感想文とChatGTP

小5女子の読書感想文に“違和感”…実は「ChatGPT」が書いていた!?その後の授業で先生が教えた意外なこと
FNNプライムオンライン
(2023/3/16)

今のところ、AIの出力と小学生が書いた文章かどうかは判定できるだろう。
日々小学生に接している教師ならば容易だと思う。今のところは。

AIは一般的な小学生が持っていない語彙や概念を使うから、人の違和感で判定できる。

言葉を使うには、その概念を正確でなくても理解していることが必要だ。
AIが出力した文章を読むことで言葉とその概念を理解できる年齢になると、AIの出力か自筆か判定できなくなるような気がする。
中学生になると判定は難しくなるような気がする。

さらに、「小学3年生の語彙で」など、使用する語彙を制限したり、AIの出力に難解な漢語がある場合、『「〇〇」をやさしい言葉で』など、質問を工夫すると、ちょっと大人びた子の文章に近づいてくる。

今後、AIも学習するだろうから、「小学校3年生が書く文章で感想文を書いてください」とお願いすると、大人受けするような感想文を出力してくれるようになるだろう。
ついでに、「下手文字でプリントアウトしてください」とお願いすると、自分で書かなくてよくなる日も来るだろう。

閑話休題

そもそも、読書感想文を書かせる目的は何なのだろうか?
子供の頃、読書感想文が苦手だった。目的は今でもわからない。

作家が書いた文章を読んで、気づいたこと、思ったことを文字にして、他人に伝えることが目的ならば、読書感想文の評価は何を基準にしているのだろうか?
大人が思い描く麗しい子供像に合う内容かどうかを審査しているだけではないか?
文芸誌の書評と同じで、評価者個人の主観以外の何者でもないのではないのか?
という疑問を今でも持っている。

読書感想文が評価者の好む文章を書く訓練であれば、AIの出力で十分だ。
読書感想文にAIを使うことの是非の前に、読書感想文という教育方法を目的に合った方法に変えるべきだろう。

とはいえ、
経験則では、論理的思考ができない人は論理的な文章が書けないようだ。
IT機器を使用すると補うことができるが、自筆で書いた場合は顕著になる。

論理的思考が苦手だから、それを補うためにAIを使うのも一つの戦略だし、AIにできない論理的思考能力を習得するのも一つの戦略だ。
社会、教育界はどちらの戦略を支持するのだろうか?
それとも、個性に任せるのだろうか?


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2023年4月15日 (土)

塩漬けされたICTシステムなんて

今年度の事業をエライ人たちに説明する場に立会った。
今時の社会的な課題をICTで解決する事業なのだが、トンチンカンな問答だった。
DX化できない今の日本では至る所でこんな問答が行われているのだろうなぁ...と思いながら聞いていた。
ICT部門出身のエライ人は、今時のシステムを理解していないけれど、知らないと言えないのか、重要ではない部分にこだわる。
ICTに疎いエライ人は、技術的な質問はできないと思っているのか根本的な質問をするのだけれど、明確に答えられなかったりする

結局、結局経営資源を投入するわけでもなく、中止するわけでもなく、継続して調査することになった。

閑話休題
高校生の頃、年が明けてから春先まで、弁当のおかずは歳暮でもらった新巻き鮭だった。
最近の回転鮨の人気メニューはサーモンらしい。
今時は保存技術が発達したから山間部でも年中トロサーモンが食べられる。

昔、保存技術が未熟だった頃に山間部で鮭を食べようとすると塩漬けにしなければならなっかった。
それでも、刺身にできない塩漬けでも需要があったのだ。

塩漬けされたICTシステムなんて需要はあるのだろうか?


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2023年4月12日 (水)

「自分の頭で考えなさい」は“最悪”

わが子に「自分の頭で考えなさい」は“最悪”だ…! “勉強のカリスマ”が明かす「わが子のやる気」を出させる「意外すぎる言葉」
現代ビジネス
野口 悠紀雄
(2023/03/31)

野口悠紀雄氏の『「超」勉強法』の初版は1995年で、反詰め込み教育としてゆとり教育が本格化した時期だ。
そして、30年近く経過しても、「超」勉強法の3原則、

  1. 問題の解き方を覚えて、それを当てはめる。
  2. 平板に勉強するのでなく、重要なところに努力を集中する。
  3. 全体を把握して、部分を理解する。英語は文章を丸暗記する。

は変わらないとおっしゃる。

本書は、主として学校での勉強を想定し、どうしたら良い成績を取れるか、そして入学試験に合格できるかを示しています。

ただし、「超」勉強法の有効性は、学校での勉強に限ったものではありません。社会人が勉強する場合にも、基本的な指針になります。資格試験のための勉強や、リスキリングにおいても偉力を発揮します。

らいしのだが、良い成績とか入学試験とか資格試験とか、既成の枠組みの中でいかに良いポジションにたどり着けるかから出発しているように感じる。
昭和臭を感じるのは気のせいだろうか。

問題解決の答えを導くには、

  • 解法の知識
  • 解法を運用する技能
  • 適用可能な解法の発見能力

が必要だろう。

「超」勉強法の原則では、適用可能な解法の発見能力について言及がないようだ。
(「超」勉強法を読んでないので無いとは言い切れない。)

インターネットとAIの世界になって価値が相対的に低下するのは、知識と技能だろう。
知識は、ネットの集合知で、技能はAIとロボットで補うことができるようになった。
適用可能な解法の発見能力はAIでは難しいようだ。とくに、未知の問題や有効な解法が発見されていない問題は、自分の頭で考えるしかない。

昭和、令和では、誰かが解決した問題の答えを、効率良く解答する能力が重視されていた。
解決済の問題だけなら、適用可能な解法の発見能力は必要なく、問題と模範解答をまるまる記憶してしまえばよい。これが試験対策だ。

価値が低下したとはいえ、「解法の知識」や「解法を運用する技能」が不要になるわけではないだろう。
インターネットの情報は玉石混淆だから正しい知識を見分けなくてはならないし、AIの判断が妥当でないことは多い。
それらを見分けられるだけの知識や技能は必要だ。

適用可能な解法見つける能力を身に付ける方法にについては、多くの人が意見を発表しているけれど、最適解が分かるのはもっと後なのだろう。
個人的には、新しいこと、外の世界への興味に着目している。


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2023年4月 9日 (日)

「置かれた場所で咲きなさい」に共感する人たち <置かれた場所から一歩踏み出そう>

「置かれた場所で咲きなさい」と言うリーダーは無責任 必要なのは「便所のネズミ」話 GLOBE+ 桃野泰徳  (2022/08/06)

「置かれた場所で咲きなさい」この言葉は人それぞれの価値観や置かれた状況によって様々な解釈がある。
渡辺和子氏の著書がこれだけ売れているところを見ると、共感する人が多いのだろう。

Photo 

著者の渡辺和子氏はキリスト教の聖職者でその言葉の解釈は著書のとおりだ。聖職者としての覚悟がある。

この言葉は、雇用する側、管理者にとって都合の良い言葉だ、労働環境や生活環境に起因する問題があっても、不便や不利益を被る側に我慢や努力を求めることができる。
だから、経営者や管理者がこの言葉を使うと、胡散臭さを感じる。

この言葉を使うリーダーは無責任と断じる桃野泰徳氏は経営者で雇用する側だから便利な言葉だ。
しかし、この言葉の使用を真っ向から否定する。
経営者として、便利な言葉に安易に頼らない覚悟を感じる。

さて、
この言葉に共感した人は聖職者や経営者だけではないだろう。
雇用される側、管理される側の多くの人たちがなぜ共感するのだろうか?

想像するに、
現状を変えたくない、今の場所から変わりたくない、と思っている人が大多数ではないだろうか。
この言葉は。現状に閉塞感や息詰まりを感じていながら一歩踏み出すことができない自分を肯定することができる。

つまり、
渡辺和子氏の解釈に共感しているのではなく、踏み出せない言い訳として使っているのではないだろうか。



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