就活生向けの紹介動画 <視聴者が知りたいことは?>
とある、就活生向けの紹介動画を見たら、ちょっと引っ掛かってしまった。
〇無線の資格
登場する人が「無線の資格が活かせる仕事」とおっしゃる。
40年余り前に、同じことを考えて就職したら経験があったから、反応したのかもしれない。
今時は無線の資格が無ければ従事できない業務はほぼ無い。
あったとしても講習会を受けると取得できる資格でほぼ足りる。
昔に比べて通信システムにおける無線通信の割合は低下している。
さらに、無線技術と無線機器の製造技術の進歩とが相まって、無線関係の技術力を発揮できる仕事は減ってしまった。
もう随分前から無線の資格は食えない資格になっているのだ。
無線通信は無くなることはないから、仕事に生かせるのは、研究・開発業務では無線に関する知識・技術であって、資格ではない。
〇インフラ技術者
インフラ技術者は、土管屋と呼ばれることがある。
社会インフラとして欠かせない通信インフラを、同じような社会インフラの土管に例えた呼び方だ。どちらも普段は注目されない地味な仕事だ。
一方で土管の中を流れるコンテンツを作る仕事や土管を使って金儲けする仕事は華やかだ。
だから、三角関数を学ぶのは無駄だから小学校からファイナンスを教えようという輩が現れる。
もし、土管屋の仕事に興味がある人がいたら、何を知りたいのだろうか?と考えた。
土管屋が地味で、コンテンツ屋が華やかな仕事として評価されていることは、承知しているだろう。
とすれば、知りたいことは、その業務が会社・組織でどう評価されているかだと思う。
土管屋が、会社・組織が依って立つものとして認識・評価しているのか、土管の中で暮らす地底人の扱いなのかが知りたいところだ。
〇紹介ビデを見る側の観点
歳をとって就活した経験から、紹介ビデを作る側の観点と、見る側の観点のズレが気になるようになった。
就活している人に向けてのメッセージは、伝えようとしていることよりも、伝えていないことに着目すると、本当の姿がわかるかもしれない。
伝えていないことは、隠したいことか、重要視していないことだから。
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