IT素人を説得する技術 <ヘルプデスクはコミュニケーションの仕事>
IT素人を説得する技術
〜相手を説得し納得させるエバンジェライズ(伝道)の極意
黒音こなみ
株式会社シーアンドアール研究所
黒音こなみ氏のプロフィールのよると、カスタマーサポートと情報システム部門で社内外でIT関連の問い合わせに対応してきたらしい。
そして、
ヘルプデスクはコミュニケーションの仕事だ。
とおっしゃる。
IT素人と関わる人に伝えたい十か条は
IT素人と関わる人に伝えたい十か条
一、 はじめの一歩は、助けが必要
二、 専門用語は、まず説明から
三、 あなたが怒ると、相手も怒る
四、 きっと、一度には覚えきれない
五、 きっと、一回では覚えられない
六、 やり方を押し付けるより、やりやすい方法を探してみる
七、 万能ではないけれど、便利だと伝える
八、 便利と一緒に、危険も伝える
九、 あなたが我慢するのは、解決ではない
十、 みんな、最初はIT素人
らしい。
時にヘルプデスクとして質問を受け、時にメーカーのヘルプデスクに質問する立場だから、どちらの気持ちももっともだと思う。
昔、技術部門で仕事をしていたときは、ユーザから技術的な質問を受けることがあった。
専業ヘルプデスクでなかったので、この本に書いてあるような素人からの質問に辟易し、ぞんざいな対応をしていたように思う。
質問されたことに答えるのではなく、質問者と一緒に問題を解決するようにすると、うまくいくことは多くなるのだが、どうしても、うまくいかなことがある。
質問者の目的は、不具合を解消することではなくて、自分の業務を遂行すること、目的を叶えることだ。
しかし、質問者とヘルプデスクが同じ会社にあれば、最終的な目的は同じ(はず)だ。そこから始めると、円滑なコミュニケーションのはずだ...
ヘルプデスク業務を外注している場合、ヘルプデスクの業務は質問者の不具合を解消することだから、ゴールが違うことはよくある。
ユーザがいつも使えているサービスや機器がいきなり使えなくなるとかなりのストレスを感じる。
だからだろうか、ヘルプデスクや情シスへの相談は、大半が通常の精神状態ではないようだ。
理性的な人は、早く復旧させたいと思っているので、コミュニケーションに困ることはないのだが、理性を失った人は、受話器越しにイライラが溢れる話し方なので、冷静なコミュニケーションを始めるまでに手間取ってしまう。
メーカーやプロバイダーなどの相談窓口に電話すると、流石にプロの対応は違うと感じる。
資料やFAQが整理されているのだろう、オペレータ個人の技術力に頼らない仕組みがあるのだろう。
気を効かせて、エラーメッセージや初期診断など必要と思われることを調べて、電話するのだが、素人に聞くような質問が続くと、つい、「それはも調べたヨ!」と思ってしまう。
しかし、オペレータにしてみれば、電話をかけてきた人が、社内のヘルプデスク担当なのか、IT素人なのかは分からないから仕方がない。
効率よく解決するには、オペレータに主導権を渡すことだ。
調べたことを全て、一気に伝えようとしてはいけない。
尋ねられたことを的確に返すと効率が良い。プロの仕事に触れると、不具合のストレスを忘れて清々しささえ感じる。
ヘルプデスクでも質問者でも、良好なコミュニケーションに心がけよう。
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