働きがい <与えることも、与えられることもできない>
たった1カ月で「新入社員」半分退職まさかの原因 東洋経済 横山 信弘 (2023/5/16)
「働きがい」を前面に出して採用活動をしたけれど、経営層と現場と新入社員が考える「働きがい」のミスマッチがあったという記事。
違和感が2つあった。
〇「働きがい」
「働きがい」は個人によって違うと思う。
だから、新入社員に「働きがい」を与えられると思っている経営者も、会社から「働きがい」を与えれもらえると思っている新入社員もないものねだりだ。だから、ミスマッチになるはずだ。
新入社員でも、ちょっと働いてみたら先輩社員たちの「働きがい」に気が付くだろう。
それは、もしこの会社で働いていたら自分も「働きがい」を見つけられるかもしれないという期待でもある。
1月で新入社員が退職したのは、先輩社員たちが「働きがい」のない働き方をしていたからではないだろうか。
採用活動で「働きがい」をアピールした分だけ、入社して先輩社員たちに「働きがい」が無ければ、そのギャップは大きいのではないだろうか。
つまり、採用活動でアピールする前に、今働いている社員の「働きがい」を見つけられるような会社、組織風土にすることが先ではないだろうか。
〇Must、Can、Will
横山 信弘氏は
- Must やるべきこと
- Can できること
- Will やりたいこと
の順番が重要だとおっしゃる。
40年働いてきた経験では、この意見には反対だ。
まず「やるべきこと」をこなして、それができるようになったその先に「やりたいこと」があるという考え方は、昭和の働き方だと思う。
横山信弘氏は、例えば、朝の連続テレビ小説らんまんの主人公のモデル、植物学者の牧野富太郎博士にも、Must→Can→Willの順だとアドバイスするのだろうか?
牧野富太郎博士は造り酒屋の跡取りだから、やるべきことは家業を継ぐ子こと、できることは家業を繁盛させることだ。
それをやれば植物の研究ができるのだろうか?
「やりたいこと」を考えて、「できなければならないこと」を考えて、そのために「やるべきこと」をやるではいけないのだろうか。
どちらも結果は同じように見えるが、Must→Can→WillとWill→Can→Mustでは、Must(やるべきこと)が違う。
前者は会社にとっての「やるべきこと」で、後者は個人にとっての「やるべきこと」だ。
「個人のやるべきこと」よりも「会社のやるべきことを」を優先すべきというのは、昭和の価値観そのものだ。
人の生き方は誰かに決められる必要はない。自由だ。
だから「働きがい」も「やりたいこと」も自分で見つければよい。
いや、自分で見つけなくてはならないのだと思う。
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