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2023年5月

2023年5月29日 (月)

働きがい <与えることも、与えられることもできない>

たった1カ月で「新入社員」半分退職まさかの原因 東洋経済 横山 信弘 (2023/5/16)


「働きがい」を前面に出して採用活動をしたけれど、経営層と現場と新入社員が考える「働きがい」のミスマッチがあったという記事。
違和感が2つあった。

〇「働きがい」
「働きがい」は個人によって違うと思う。
だから、新入社員に「働きがい」を与えられると思っている経営者も、会社から「働きがい」を与えれもらえると思っている新入社員もないものねだりだ。だから、ミスマッチになるはずだ。

新入社員でも、ちょっと働いてみたら先輩社員たちの「働きがい」に気が付くだろう。
それは、もしこの会社で働いていたら自分も「働きがい」を見つけられるかもしれないという期待でもある。

1月で新入社員が退職したのは、先輩社員たちが「働きがい」のない働き方をしていたからではないだろうか。
採用活動で「働きがい」をアピールした分だけ、入社して先輩社員たちに「働きがい」が無ければ、そのギャップは大きいのではないだろうか。

つまり、採用活動でアピールする前に、今働いている社員の「働きがい」を見つけられるような会社、組織風土にすることが先ではないだろうか。

〇Must、Can、Will
横山 信弘氏は

  1. Must やるべきこと
  2. Can できること
  3. Will やりたいこと

の順番が重要だとおっしゃる。

40年働いてきた経験では、この意見には反対だ。
まず「やるべきこと」をこなして、それができるようになったその先に「やりたいこと」があるという考え方は、昭和の働き方だと思う。

横山信弘氏は、例えば、朝の連続テレビ小説らんまんの主人公のモデル、植物学者の牧野富太郎博士にも、Must→Can→Willの順だとアドバイスするのだろうか?
牧野富太郎博士は造り酒屋の跡取りだから、やるべきことは家業を継ぐ子こと、できることは家業を繁盛させることだ。
それをやれば植物の研究ができるのだろうか?

「やりたいこと」を考えて、「できなければならないこと」を考えて、そのために「やるべきこと」をやるではいけないのだろうか。
どちらも結果は同じように見えるが、Must→Can→WillとWill→Can→Mustでは、Must(やるべきこと)が違う。
前者は会社にとっての「やるべきこと」で、後者は個人にとっての「やるべきこと」だ。
「個人のやるべきこと」よりも「会社のやるべきことを」を優先すべきというのは、昭和の価値観そのものだ。

人の生き方は誰かに決められる必要はない。自由だ。
だから「働きがい」も「やりたいこと」も自分で見つければよい。
いや、自分で見つけなくてはならないのだと思う。


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2023年5月24日 (水)

10℃・2倍則 <専門家の想定リスクは聞いとけ>

10℃・2倍則を初めて聞いたのは40年くらい前だった。
10℃・2倍則をざっくり説明すると、材料の寿命に関する法則で、使用している環境の温度が10℃下がると寿命が2倍になり、10℃上がると寿命が1/2になるという法則だ。

インフラ保守では寿命予測が重要だ、寿命に近づくと障害率が急に上がって、サービス停止時間が増える。
インフラがサービス停止すると影響が大きいので、寿命が来てサービス停止に至る前に交換しなければならない。
ということを、厳しく教育された。

そこで、重要になるのが10℃・2倍則だ。
だから、インフラの通信機器は、空調の効いた専用の部屋に設置して温度管理するのが普通だ。
三子の魂なとやらで、今でもマシンルームやサーバールームに入ると温度が気になる。

「ほぼ1人情シス」をやっている職場で、ハイスペックPCを増やす計画が持ち上がったのだが、設置スペースが足りないので、サーバールームにPCをまとめて設置して、サーバールームの外から接続する案が出た。

サーバールームの19”ラックはサーバーが増えてきたので、室温が上がっている。
ここにハイスペックのPCを設置して24時間運用するなら、それなりの空調設備が必要だが、建屋との関係で、簡単に空調設備を増設できない。

10℃・2倍則はインフラ屋では常識だけど、ユーザにとっては常識ではない。
専門分野では具体的なリスクが想定できるけれど、専門分野以外のリスクは想定できない。
インシデントで被害が拡大するのは、専門家が想定するリスクを信じないからだと思う。


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2023年5月21日 (日)

"AIアナ"は味気ない?

露木茂、NHK〝AIアナ〟は「味も素っ気もない。つまらない」 サンスポ (2023/05/05)

露木茂氏は「味も素っ気もない」とおっしゃる。
AIが「行間」を扱えるようになると、感情を伝える用途に使えるようになるのではないかと思う。

閑話休題

情報を誤りなく伝えるアナウンスと、背景や感情なども伝えるナレーションは、どちらも原稿を読む仕事だけれど異なる。

NHKは合成音声での放送に積極的なようだ。
情報を誤りなく伝えることが求められる、株式市況は2014年から、気象通報は2016年から実用化されている。
しかし、合成音声でのナレーションは難しいように感じる。

感情は同じ単語、文節でも文脈によって異なるから、文章から人間が多く感じるであろう感情を判定しなければならない。
つまり、行間を読む必要がある。
学習に必要な大量の「行間」に関する教師データの用意は難しいと思う。

気象通報をYoutubeで見つけたた。気象通報は地名と風向、風力、天候を読み上げる内容だ。
合成音声(2020/11/02)アナウンサー(1988/8/17)を聴き比べると、ヒント無しでは合成音声か肉声か分からないレベルだ。

「~のかぜ、ふうりょく」の部分がアナウンサーの肉声の方が好きだ。


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2023年5月18日 (木)

配属ガチャ

配属ガチャ、外れて嘆く人に教えたい心軽くする策
「人生はRPG」納得いくまでこだわるのもあり
 東洋経済Online Jam  (2023/04/28)

Jam氏は

若者が配属ガチャでSSRを望んでしまうように、会社側も「新人ガチャ」に期待しすぎではないでしょうか。

とおっしゃる。
正論だ。自分のことは棚に上げて相手に期待するのは人の常だから。

地方での新卒採用の苦労話はよく聞く。
中には、大都市で採用しておいて、地方に異動させたらどうか?と言う人もいる。(冗談か本気かわからないけど...)
それは、すべての配属ガチャにハズレを仕込むようなものだ。完全にモラルが崩壊している。
悪事で首尾よく採用できても、定着せず苦労することになるだろう。

地方が悪いわけではない、その職場の風土がブラックなのだ。

配属ガチャで当たりを引いても、それだけで将来が約束されているわけではない。
仕事を続けている限り異動や転職のガチャを引き続けなくてはならない。

40年くらい前に引いた配属ガチャは希望の部署だったから当たりだと思った。
それから、30年くらい経って、若い人のちょっとイタイ言動に若い頃の自分を見たときに、最初に配属された職場の上司や先輩が寛容だったことに気がついた。
おそらく、それが本当の当たりだったのだと思う。


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2023年5月15日 (月)

EDIX TOKYO 2023 & Next Tech Week 2023

EDIX TOKYO 2023
Nex Tech Week 春 2023

EDIX
GIGAスクール構想騒ぎは終わって、データをどう使うかに移っている。

Next Tech Week
生成系AIは内燃機関、インターネットに続くイノベーションらしい。

〇 セミナー
・教育DX・データ利活用の現状と今後

 文部科学省 藤原 志保氏

「デジタル化」は、Digitization、Digitalization、Digital Transformation(DX)に分類される。
教育分野でDigitizationはGIGAスクール構想で1人1台PCが行き渡ったから、国の施策はDigitalizationつまりデータをどう使うかに移っているようだ。

ところで、Digitization→Digitalization→DXに移るにしたがって、ミッションやビジョンの重要性が増してくる。
データの利活用の目的?に成績の向上を挙げておられたのだが、成績は現在の体制での評価ありきだ。
今後、どのような人を育てようとしているのか、どのような国にしようとしているのかが問われるようになる。
つまり、現在の体制を変える人を育てる必要があると思うのだが、それを官僚に求めるのは無理なのかもしれない。

・生成AI活用の鍵!いま企業が取組むべき人材育成
 日本マイクロソフト 小田 健太郎氏
 日本ディープラーニング協会 事務局長 岡田 隆太朗

AI界隈は生成系AIのインパクトが大きいようだ。
機械学習や深層学習で第3次ブームがやってきて、1次、2次ブームのときのように冬の時代が来る前に、第4次ブームがやってきたらしい。

文書の要約はこれまでのAIでできていた、大量のデータから重要なワードA、B、Cを抽出してそれをつなげて文章にすることはできていたけれど、生成系AIで抽出していないワードDを使って文章を作ることができるらしい。(まだ体験できてないけど)

〇 展示会
RoBoHoN / SHARP
Robohon

RoBoHoEがなぜEDIXにと思ったら教育向けのプログラミング・ソリューションがある。
Scratchのようなブロックプログラミング環境があって、RoBoHoNを制御できる。1人1台は無理だけど。
主なソリューションはPepperのよう接客や施設案内が多い。
歩行ができるRoBoHoN ¥132,000 + 接客・商品紹介ができるお仕事パック付プラン ¥60,000/年 だから、Pepperくんよりずいぶん安価だ。

どこでも演奏会 / S-palette
Photo_20230514214901
学校向け小規模クラシックコンサートサービス。
舞台、電源不要なので普通教室で演奏会が実施できて、先生の負担を減らすところがミソ
弦楽四重奏3コマで ¥78,000×4=¥312,000 + 実交通費 らしい
学校に出向く取り組みはクラシックの演奏者の仕事を増やすためにも良いと思う。

Artec Links / artec
Artechlink
プログラミングデバイス。
基本デバイス(Links Hub)にボタンとLEDの未搭載で、センサーは別売りのセンサーチップをマグネットで接続して拡張する。
価格は2,000円台(Micorobit)と同じくらいらしい。
発売前に使ってみてくださいと言われたが、残念ながら今の職場は業界が違う。

NEO SMARTPEN / NEO.LAB
Neo_smartpen
↑ノートの上にあるペンがデバイス

専用の紙に書いた文字、図形をタブレットに取り込むことができるデバイス。
タブレット側のアプリは、手書き文字認識機能や、録音機能がある。
「PCでメモを取ってはいけない」というルールがある会社には良いかも。(^^;

##
RoBoHoNが逆立ちを見せてくれた。最後にエアギター(エアバイオリン?)


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2023年5月12日 (金)

AI作成画像と有名写真コンテスト

AI作成画像、有名写真コンテストで最優秀賞を獲得 作者は受賞辞退 BBC NEWS JAPAN (2023/4/18)

芸術は人工物、自然は芸術ではない。でも感じる人次第だ。

このニュースは創造する側の観点で語られているけれど、鑑賞する側の観点で語っても良いのではないか。

鑑賞する側は、人の創造物でなくても良い、神の創造物である自然でも良い。もちろんAIの出力でも良い。

世の中には、色々なコンテストがあるけれど、芸術に優劣を付けられるのだろうかと思う。
コンテストや賞は、作者や作品に権威付けして、作品の相場を保とうとするものという考え方は穿った見方だろうか。

人の創造物という芸術の側面が重視されると、その価値を金で計ろうとする者が現れる。金銭的価値は希少性と排他的所有性だから、金銭的価値が重要な人たちにとってAIは脅威だ、大量生産が可能だから希少性も無くなるし、デジタルデータだから排他的所有もできない。(NFTもあるけれど...)

AIの出力は写真と言えるかという問いは、鑑賞する側には無意味だ。
その作品を見て何を感じるかは、作者やコンテスト主催者が立ち入ることができない領域だから。


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2023年5月 9日 (火)

トヨタ新社長が新入社員に伝えたこと

「社長として私の最初の仕事です」 佐藤新社長から1440人へ、"クルマ屋"が贈る入社式 トヨタイズム (2023/04/04)

佐藤恒治 新社長が新入社員に伝えたことは

トヨタにはクルマづくりのブレない軸があります。「もっといいクルマをつくろうよ」という軸です。

らしい。誰にでもわかりやすい価値観だと思う。

トヨタくらい大きな企業になると、職種も様々だから、価値観が異なることは多い。
製造業でよくあるのは、設計と製造と販売の価値観の相違だ。
仕事も、成果も、社員のバックグラウンドも違うから、違っているのが普通だ。
冒頭の佐藤恒治社長の言葉くらいシンプルで、会社の本質を表していなければ、価値観が異なる多くの社員は纏められないのだろう。

閑話休題

昭和のオジサンが大好きな「一度持ち帰らせていただいて~」と悠長に構える時代ではなくなった。
「時間」は特に貴重だから、意思決定できる者が集まって時間を無駄にしないようにしなければならない。
コロナ禍で図らずもそれができる時代になっていることに気づいてしまった。
だから、今時「一度持ち帰らせていただいて~」というのは、あえて意思決定を遅らせていると思われる。

必然的に、知識や経験が足りないけれど意思決定しなければならない場面が増える。
技術者でも営業でも、新入社員でもベテランでも大きく違わない意思決定ができなければならない。
その時に、必要なものが共通した価値観だ。


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2023年5月 6日 (土)

「変わりはいくらでもいる」

「代わりはいくらでもいる」時代の終わり あらゆる現場の人手不足をどう解消するか NEWSポストセブン (2023/04/22)

昔は、いや最近までこんな職場は沢山あった。
今も、高齢者はこのような扱いのような気がする。

前々職は、世間の景気が悪くなると、優秀(世間の一般的な評価で)な人材が集まる職場だった。
エライい人達は「不景気になったら優秀な人が集まる」と呑気だった。
当然、「代わりはいくらでもいる」という方針だから、理不尽な異動も受け入れていたような気がする。
実際「代わりはいくらでもいた」のだ。
たまに「余人をもって換えがたし」と言われる人もいたが、その人が異動しても業務は回っていた。

つまり、代わりはいくらでもいる組織、代わりはいくらでもいる働き方にしていたということだ。
組織的には、特定の個人に依存するのはリスクが大きいから、ある意味リスク回避できているといえる。

昨日も明日も1年後も同じ仕事をするなら、「代わりはいくらでもいる」組織は作りやすい。
しかし、新しい仕事や新規事業は生み出せない。

「代わりはいくらでもいる」とペアになるフレーズは「嫌だったら辞めろ」だ。
理不尽な人事異動でも最後には「嫌だったら辞めろ」と言われた人を知っている。

団塊の世代は、多少の理不尽は我慢すれば、その先の明るい未来が期待できた世代だ。
その下の我々の世代は、子供の頃、団塊の世代の人たちを見ていたから、自分達にも明るい未来を期待していた。
しかし、理不尽を我慢しても明るい未来は無いと気ががついた。
後の祭りだ。

Z世代は堪え性が無いと年寄りは嘆くのだが、彼らは理不尽の我慢に釣り合う明るい未来が無いことを知っているのだろう。
「代わりはいくらでもいる」とか「嫌だったらやめろ」と言う職場に明るい未来が無いことを知っているのだ。

このご時世、どの業界も人手不足だ。
「代わりはいくらでもいる」「嫌だったら辞めと」という職場にしがみ付く必要はない。嫌だったら辞めれば良いのだと思う。

代わりがいくらでもいるのは、「代わりはいくらでもいる」と言われて理不尽を我慢してしまう人のことではないだろうか。


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2023年5月 3日 (水)

人材育成

AWS summit TOKYO 2023で人材育成のセッションを聴きながら考えて、終わってからも考えた。

長年人材育成に携わっていて、最初は機能していた仕組みが途中で機能しなくなった経験がある。
その時の人材育成の内製化手法とほぼ同じだった。

スピーカーの株式会社コーセー進藤 広輔 氏は

  • 機会平等でなくて良い
  • 阻害要因は「和をもって貴しとす」

とおっしゃる。
機能しなくなった頃から、

  • 機会平等
  • 横並び

を求めるようになった気がする。
そして、人材育成で最も重要な

  • 研修は手段であって目的ではない

という意識が薄れていったことではないかと思う。
そして、教育、研修が目的になり、研修を受けることが目的になっていたのだろう。

なぜ手段であるべき教育が目的になったのか?
それは、「目的」が迷走していたからだろう。

「目的」が迷走して研修内容と目的が一致しないことが増えると、目先の評価を上げることが目的になる。

研修を受けたことをきっかけに、自ら学ぶことが重要だが、研修の評価を目的としていれば、研修内容は終了と共に忘れてしまう。

研修が目的化した時になぜ元に戻せなかったのか、今でも時々考える。


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