10℃・2倍則 <専門家の想定リスクは聞いとけ>
10℃・2倍則を初めて聞いたのは40年くらい前だった。
10℃・2倍則をざっくり説明すると、材料の寿命に関する法則で、使用している環境の温度が10℃下がると寿命が2倍になり、10℃上がると寿命が1/2になるという法則だ。
インフラ保守では寿命予測が重要だ、寿命に近づくと障害率が急に上がって、サービス停止時間が増える。
インフラがサービス停止すると影響が大きいので、寿命が来てサービス停止に至る前に交換しなければならない。
ということを、厳しく教育された。
そこで、重要になるのが10℃・2倍則だ。
だから、インフラの通信機器は、空調の効いた専用の部屋に設置して温度管理するのが普通だ。
三子の魂なとやらで、今でもマシンルームやサーバールームに入ると温度が気になる。
「ほぼ1人情シス」をやっている職場で、ハイスペックPCを増やす計画が持ち上がったのだが、設置スペースが足りないので、サーバールームにPCをまとめて設置して、サーバールームの外から接続する案が出た。
サーバールームの19”ラックはサーバーが増えてきたので、室温が上がっている。
ここにハイスペックのPCを設置して24時間運用するなら、それなりの空調設備が必要だが、建屋との関係で、簡単に空調設備を増設できない。
10℃・2倍則はインフラ屋では常識だけど、ユーザにとっては常識ではない。
専門分野では具体的なリスクが想定できるけれど、専門分野以外のリスクは想定できない。
インシデントで被害が拡大するのは、専門家が想定するリスクを信じないからだと思う。
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