フォト

ウェブページ

無料ブログはココログ

MyList

« 2023年10月 | トップページ | 2024年1月 »

2023年12月

2023年12月27日 (水)

修了証コレクター

よさそうなやり方を集めてるだけじゃ、何も変わらないよね しばたともこ@キャリアコンサルタント しばたともこ note (2023/11/22)

しばたともこ氏は

惜しみなく教えてくれる人がいる。
情報は山のように転がっている。
それらの前で「どれがいいかなあ」と考えているより「どうすればうまくできるかな」と思い悩んでいるより、不器用でもヘタでもやり始める人が一番早く目的の場所にいける。

前々職で研修に携わっていて同じようなことを感じていた。

〇「できる」ことの重要性
その研修は技能が重要なので「知った」「わかった」だけはなく、「できること」を目的としていた。
技能職は知っていてもできなければ仕事にならない。

〇「分かったつもり」、「できるつもり」の弊害
基礎コース、応用コースのような研修があると、同じ人が受講することがよくあった。
基礎コースがの評価が低いかった人が、応用コースを受講したときに、驚くほど成長していることがあった。
一方で、基礎コースは「わかった」と評価された人が、応用コースを受講したときに、相変わらず、「わかった」だけで「できない」ままの人もいた。

おそらく、前者は基礎コース終了後、とりあえずやってみて、できるようになるまでやったのだろう。
後者は、「わかったつもり」「できるつもり」になって、行動しなかったから「できない」ままなのだろう。

〇終了証コレクター
「できるつもり」の人「できる」人の他に「できなくて良い」と考えている人が増えてきたように感じていた。
手当たり次第研修を受ける人だ。
基礎コース終了後、実務で研修内容を活用することで「わかる」ように、「できる」ようになることを期待してコースを分けているのだが、
短期間で連続して受講するから応用コースの内容は理解できない。
だから、「わかる」ようにも「できる」ようにもならない、研修の修了証コレクターになっている。

〇終了証コレクターの存在を許す環境
問題があるのは、研修を受ける側だけではない。
「できること」を評価せず、研修を受講したことを評価する管理側にも問題がある。

組織内の研修は受講者は金銭的な負担がないから、受講後に現場の業務に追われて、行動しないことが多い。
研修が無駄になっても個人的には損失はないから。

修了証コレクターに共通しているのは、説明用のPowerPointを欲しがることだ。
修了証コレクターでも、受講中は研修終了後に行動しようと思っていて、とりあえず、参考資料があれば行動できるだろうと思っている。

〇「わかったつもり」<<「わからない」
「わかったつもり」になるくらいなら「わからない」ままの方が良いと思っていた。
「わからない」ことがわかっていれば、いつか「わかる」ために行動することが期待できる。

PowerPointが欲しいと言う人に「資料ばかり集めても『分かる』ように『できる』ようにならない」と言っていた。
ところが、最近受講料をもらって研修するようになると「わかったつもり」にしないと、受講者は受講料に見合う研修ではないと考えることが分かった。

「わかったつもり」になるより「わからないことがわかる」方が100倍価値があるのだけれど。
葛藤は続きそうだ。


最近の投稿
Yoshiのよしなしごと】【Yoshiのブログ】【よしなしごと

2023年12月24日 (日)

苦しかったときの話をしようか <働くことの本質>

苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」
 森岡毅 ダイヤモンド社 (2019/4/10)

Photo_20231202232501

就活中の我が子に向けた人生の指南書。
自分の価値観を整理するために、自分の頭の中を文章として出力するのは有効だ。
とても、ここまで整理できない。

森岡毅氏は

自分が主役の人生を送りたいならば、ゾンビが平和に暮らしていた昭和のファンタジーにつきあっていてはいけないし、自分の職能を自分以外の誰かに決めさせてはいけないし、プロを育てない組織に身を委ねてはならない。一人の人間として、一人のプロとして、特徴を活かすことでキャリアを自律していかねばならない。

とおっしゃる。

長年働いていれば、成功も失敗も体験する。
理想もあるし、現実も知る。
それが、自分の働き方、生き方だ。

その働き方や生き方は一般的でも普遍的でもなく、その人独自の特殊な例だ。

そもそも、t他人とは時代背景や環境が異なる。

ところが、人は自分を否定したくないので、自分の生き方を一般的・普遍的なものだと思おうとする。
それは、仕方のないことだ。

問題は、一般的でも普遍的でもない価値観を、伝えてしまうことだ。

40年以上働いてきた。
その大半の30年はいわゆる「失われた30年」だ。
行政が無策であったことは否めないが、その30年を働いてきた者もまた無策だったと思う。

つまり、我々の世代は、環境が変わったのに失わる前の昭和的な価値観を変えなかったから30年を失ってしまった。

子供たちは、失われてしまった社会で働かなければならない。

もう、昭和的な価値観は、時代に合わないのに。

我が子の将来を想うならば、昭和的な価値観を、さも普遍的であるかの如く伝えてはならないと思う。

それは、昭和的な価値観を我が子に伝え、失われた30年にしてしまった年寄りの後悔でもある。


最近の投稿
Yoshiのよしなしごと】【Yoshiのブログ】【よしなしごと】【雑誌・書籍

2023年12月21日 (木)

AIが人間を選別

ソニー・プレステを生んだ異端児が予想 AI「が」人間を2つに選別 日経XTREND (2023/10/05)

久多良木健氏は

 自身の教育係に適している“優秀”な人間と、教育係に適していない人間を、AIが分けるかもしれないという話だから、恐ろしい「AIデバイド(格差)」が起こると思うよ。

とおっしゃる。

なるほど。
AIの性能を上げるには、アルゴリズムを改良する方法と良質なデータで学習する方法がある。

AIが自分自身の性能を向上させようとすると、前者の方法はまだ難しい。
一方で、後者の方法は、比較的簡単に実現できそうだ。

AIは学習データの良し悪しを判断することはできないけれど、良い学習データを「特定の用途において効果がある学習データ」とすると、運用結果を測定することで、数値化できる。
良い学習―データが数値化できれば、良い学習データを提供する人間も数値化できる。

良い学習データを提供する人間に報酬を与え、悪い学習データを提供する人間に罰を与えることによって、AIが人間を選別できるようになるかもしれない。

罰を与えると言っても、悪い質問をすると電気ショックを与えられるわけはないだろう。
報酬はリソースの配分として、多くのリソースを割り当てると、
 同じクオリティならば短時間
 同じ時間ならば高いクオリティ
の解答を得ることができる。

つまり、良い学習データを提供する人間には多くのリソースを割り当て、悪い学習データを提供する人間には少ないリソースを割り当てるようにすれば、良い学習データを提供する人間が使いやすくなり、悪い学習データを提供する人間は使いにくくなる。
このようにして、AIが人間を選別できるようになる。

AIに人が選ばれるのはちょっと違和感がある。
しかし、目的があって、それが合理的ならば、人間の違和感は考慮されなくなるだろう。
さらに、経済的に合理性があるなら、人間の違和感は全く考慮されなくなるだろう。

AIは人間の道具ではなく、人間がAIの道具になるということだ。
やはりAIはHAL9000になるのか?


最近の投稿
Yoshiのよしなしごと】【Yoshiのブログ】【よしなしごと】【AI

2023年12月18日 (月)

ずるい

この前、昔の仕事の同期と飲んだ時に、

「お前は転居を伴う異動しなかったのでズルい」

と言われた。
どれだけ本気なのかはわからないので、とりあえずスルーしておいた。

彼は、本人の異動希望を考慮されず、彼方此方転勤して、昭和的な出世を果たした。
自分は、昭和的な出世を望まなかったので、異動はあったけど転居を伴う転勤しなかったし、単身赴任もなかった。

彼は、昭和的な出世とそれに伴う収入を得て、職種を選ぶことを手放した。
自分はその逆で、職種、職場にこだわって、昭和的な出世を手放した。
それだけのことだ。

多くの場合、同時に手に入れらないものはある。
そして、何を手に入れて何を諦めるか、それはその人の生き方だろう。

自分が手放したものを手に入れた者をなぜ「ズルい」と感じるのだろうか?

彼は、昭和的出世を得る選択はしたが、手に入らないものを諦める決心をしなかったのではないだろうか。

何かを諦めることは辛いことだ。
古い組織風土は、昭和的出世が唯一の価値観だから、その価値観に反するということは、それとセットになった終身雇用も否定することになる。


最近の投稿
Yoshiのよしなしごと】【Yoshiのブログ】【よしなしごと】【働き方改革

2023年12月15日 (金)

いらっとする質問

私がエンジニアをイラっとさせてきた質問時の態度5選  Qiita (2023/10/17)

投稿主がエンジニアに激おこされた態度5選らしい。

  1. 初心者です
  2. 基本的なことかもしれませんが
  3. 早めの回答をお願いします
  4. ご配慮ください
  5. いろいろ調べましたが分かりませんでした

インターネットが日本に来る前にあったBBSでもよくあった。
「素人でも分かるように教えてください」という質問に対して掲示板のヌシは「過去ログ読め!!」とけんもほろろの対応だったりした。
それを織り込んで、「いろいろ調べましたが分かりませんでした」と書くと余計怒りを買う。
早めの回答をお願いします 」などと書いた日には、回答どころか大炎上だったりした。

いつの世も、無神経な質問をする人も、それに激おこする人もいなくならない。

総じて技術者は問題解決が大好物だから、質問者に悪意がない場合は、問題を解決してあげたいと思うだろう。
問題を解決するサポートまでは良いが、代わりに問題解決を丸投げしたり問題解決方法の訓練は出来ない。
技術者にとって、知識と技能は売り物だから。

技術者に限らず、他人から何か頼まれた場合、任意で制約がないなら引き受けやすい。
しかし強制や責任が生じるならば御免被りたい。

つまり、

  • 貴方は依頼に応えるべきだ
  • 貴方はこちらが希望する期限までに結果を返すべきだ
  • 結果はこちらが希望する水準を超えるべきだ
  • 報酬を要求するべきではない

という、頼みごとをする人は、かなり図々しい輩だろう。

技術者に対しても、同じことだ。
なぜ、知識や技能を持っている者に対して、図々しい要求ができるのだろうか?。

「汗水垂らして」という言葉があるように、肉体労働はこそ貴重という考え方が根底にある。
だから、知識・技術は人を肉体労働から解放することができるにもかかわらず、評価されないのではないだろうか。


最近の投稿
Yoshiのよしなしごと】【Yoshiのブログ】【よしなしごと

2023年12月12日 (火)

Chat-GTPが先生に <独習にChat-GTPを使う>

日経コンピュータ 11/23の特集は「Chat-GTPが先生に」


★AIチャットは独習ができる人に取っては、強力なツールだが、独習することができない人にとっては効果は限定的だ。
★NETを使って初心者の知識でも理解できる情報を見つける能力は、AIチャットでも必要だ


pythonでのプログラミングの学習にAIチャットを使うという企画。
プログラミング経験の無い日経コンピュータの記者2人が挑戦している。
1人は独習、もう一人はプログラミングを習得した人のサポートがある。

初心者が学習する場合サポーターがいた方が理解が早いという(当たり前の)結果だ。
注目すべきは、独習の場合AIチャットは有効ではないということ。

AIチャットの解答には専門用語が多く含まれるから、初心者は読めるけれど理解できない。
サポータや講師は、相手の理解度に応じて専門用語を噛み砕いてくれるけれど、AIチャットは相手が初心者であることを斟酌できない。

AIチャットに専門用語の解説させようとすると、別の専門用語が登場して、わからないことが増えてくることはよくある。
「概要を100字で」とか「1行で」、「小学生がわかるよレベルで」「小学生の語彙で」などプロンプトを工夫する必要がある。

閑話休題

「わかる」ためには

  1. わからないことがわからない
  2. わからないことがわかる
  3. わかる

という段階が必要だ。

「わからないことがわからない」→「わからないことがわかる」と
「わからないことがわかる」→「わかる」では
必要とする情報は異なるから、それを得るためにAIチャットに与えるプロンプトは異なる。

「わからないことがわかる」→「わかる」の段階では、
AIチャットの出力の誤りを発見したり、情報をお取捨選択することができるだろう。
ところが、
「わからないことがわからない」→「わからないことがわかる」の段階では
AIチャットの出力の誤りを発見したり、情報を取捨選択することは難しいだろう。
つまり、AIチャットの出力を自分の知識の範囲で理解できる出力にできるかどうかが重要だ。

よく考えると、
これは、AIチャットを使わない場合も同じことだ。
これまで、「わからないことがわからない」→「わからないことがわかる」状態の時には、知っている人に聞いたり、入門書を読んだり、NETで検索したりしていたが、最近はAIチャットに尋ねる方法が登場した。

知っている人や入門書は、初心者でもわかるように、情報を取捨選択してくれるが、NETの検索やAIチャットは初心者でもわかるように、情報を取捨選択してくれない。
だから、NETを使って初心者の知識でも理解できる情報を見つける能力は、AIチャットでも必要だ。
自分がやっていた作業をAIチャットにやらしたら効率は良くなる。

AIチャットは、自分が望む答えを与えてくれるドラえもんのような存在ではなく自分が望む情報を効率良く探すためのツールでしかない。
つまり、AIチャットは独習ができる人に取っては、強力なツールだが、独習することができない人にとっては効果は限定的ということだろう。

主題から逸れるけれど、
ヘルプデスク的な仕事を長くやっていて感じているのは、Googleは与えるキーワードが同じなら、同じ結果が出力される。(今はGoogleの検索結果は恣意的だけど)
それは、地方でも都会でも同じだし、初心者が入力してもベテランが入力しても同じだ。
なのに、なぜ、見つけられないのだろうかと思っていた。

見つけられない人は、
「わからないことがわからない」→「わからないことがわかる」の段階を
1人で超えることができないのだろう。

おそらく、これまでの教育が
「わからないことがわからない」→「わからないことがわかる」段階
を軽視してきたことで、
誰かがあらかじめ用意した「わからないこと」に対する答えをひたすら記憶することで「わかったつもり」になる習慣が染み付いているからではないかと思う。


最近の投稿
Yoshiのよしなしごと】【Yoshiのブログ】【よしなしごと】【AI

« 2023年10月 | トップページ | 2024年1月 »