Chat-GTPが先生に <独習にChat-GTPを使う>
日経コンピュータ 11/23の特集は「Chat-GTPが先生に」
★AIチャットは独習ができる人に取っては、強力なツールだが、独習することができない人にとっては効果は限定的だ。
★NETを使って初心者の知識でも理解できる情報を見つける能力は、AIチャットでも必要だ
pythonでのプログラミングの学習にAIチャットを使うという企画。
プログラミング経験の無い日経コンピュータの記者2人が挑戦している。
1人は独習、もう一人はプログラミングを習得した人のサポートがある。
初心者が学習する場合サポーターがいた方が理解が早いという(当たり前の)結果だ。
注目すべきは、独習の場合AIチャットは有効ではないということ。
AIチャットの解答には専門用語が多く含まれるから、初心者は読めるけれど理解できない。
サポータや講師は、相手の理解度に応じて専門用語を噛み砕いてくれるけれど、AIチャットは相手が初心者であることを斟酌できない。
AIチャットに専門用語の解説させようとすると、別の専門用語が登場して、わからないことが増えてくることはよくある。
「概要を100字で」とか「1行で」、「小学生がわかるよレベルで」「小学生の語彙で」などプロンプトを工夫する必要がある。
閑話休題
「わかる」ためには
- わからないことがわからない
- わからないことがわかる
- わかる
という段階が必要だ。
「わからないことがわからない」→「わからないことがわかる」と
「わからないことがわかる」→「わかる」では
必要とする情報は異なるから、それを得るためにAIチャットに与えるプロンプトは異なる。
「わからないことがわかる」→「わかる」の段階では、
AIチャットの出力の誤りを発見したり、情報をお取捨選択することができるだろう。
ところが、
「わからないことがわからない」→「わからないことがわかる」の段階では
AIチャットの出力の誤りを発見したり、情報を取捨選択することは難しいだろう。
つまり、AIチャットの出力を自分の知識の範囲で理解できる出力にできるかどうかが重要だ。
よく考えると、
これは、AIチャットを使わない場合も同じことだ。
これまで、「わからないことがわからない」→「わからないことがわかる」状態の時には、知っている人に聞いたり、入門書を読んだり、NETで検索したりしていたが、最近はAIチャットに尋ねる方法が登場した。
知っている人や入門書は、初心者でもわかるように、情報を取捨選択してくれるが、NETの検索やAIチャットは初心者でもわかるように、情報を取捨選択してくれない。
だから、NETを使って初心者の知識でも理解できる情報を見つける能力は、AIチャットでも必要だ。
自分がやっていた作業をAIチャットにやらしたら効率は良くなる。
AIチャットは、自分が望む答えを与えてくれるドラえもんのような存在ではなく自分が望む情報を効率良く探すためのツールでしかない。
つまり、AIチャットは独習ができる人に取っては、強力なツールだが、独習することができない人にとっては効果は限定的ということだろう。
主題から逸れるけれど、
ヘルプデスク的な仕事を長くやっていて感じているのは、Googleは与えるキーワードが同じなら、同じ結果が出力される。(今はGoogleの検索結果は恣意的だけど)
それは、地方でも都会でも同じだし、初心者が入力してもベテランが入力しても同じだ。
なのに、なぜ、見つけられないのだろうかと思っていた。
見つけられない人は、
「わからないことがわからない」→「わからないことがわかる」の段階を
1人で超えることができないのだろう。
おそらく、これまでの教育が
「わからないことがわからない」→「わからないことがわかる」段階
を軽視してきたことで、
誰かがあらかじめ用意した「わからないこと」に対する答えをひたすら記憶することで「わかったつもり」になる習慣が染み付いているからではないかと思う。
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