表計算「作った本人が退職」会社で起きる大混乱
表計算「作った本人が退職」会社で起きる大混乱 東洋経済 鈴木 純二 (2024/02/08)
東洋経済らしく読者層を考慮して、表計算ソフトの利用を例に会社のデジタル化を説明しておられる。
※どれか1つにでもチェックが入れば初期段階。改善が必要です
□ 定例業務を回すためには表計算ソフトの使用が必須である
□ 社内で紙の伝票が回っている
□ お客さまから対応の遅さを指摘されている
□ お客さまに紙やファックスで帳票を送っていただくようお願いしている
□ 同じ仕事をしている担当者間で仕事のやり方が違う・作業効率が違う
□ 事務職の社員が「テレワークはできない」と言っている
らしい。
鈴木 純二 氏はデジタル化の初期段階を、電卓仕事からパソコンを使った仕事に切り替わった段階で、
「会社に1つ以上のメールアドレスがあり、ホームページも業者に作ってもらった。簡単な計算は表計算ソフトでやっている。パソコンはネットワークに接続されており、ファイルやプリンターの共有ができている」といった状態
とおっしゃる。
感覚的には25年くらい前だろうか。
表計算ソフト(Excel)の進化は著しい。
機能も増えたし、データベースや統計用の関数も増えた。
初期のExcelは扱えるデータ量に制限があったから個人的に使用する便利ツールだった。
表計算ソフトが実用になった頃から作業効率が格段に良くなった。
そして、いつしか
パソコンが使える=Excelが使える
のようになっ多様な気がする。
「Excelが使える」から「Excelの関数が使える」の壁は大きいようだ。
便利な関数を使うと、更に作業効率が上がる。
他人が作ったExcelシートは手を入れないで使えるなら便利だが、変更しようとしたり、不具合を治そうとすると、心が折れることが多い。
一般的に、コンピュータを使って入力データを処理して結果を出力するには
処理を分析→アルゴリズム検討→コーディング→実行
というステップを踏む。
逆の流れをたどるのは大変だ。
便利な関数が使われたExcelシートはコード(プログラム)が書いてあるだけだから、アルゴリズムや作者の意図がわからない。
Excelで業務が効率化したとしても、それは業務ソフトではなく使い捨てツールだと思ったほうが良い。
この問題はExcelシートだけではなく、今流行のRPAで作成したアプリにも当てはまる。
因みに、冒頭の記事には解決方策が無い。記事で紹介された本を買えということか?
解決方策
「ほぼ1人情シス」が考える解決法作は、
知識と技能に投資すること
ICTに関して設備やソフトに投資しただけで、デジタル化するのは無理で、知識と技能が必要だ。
知識と技能を持った人(技術者)を雇用しても良いし、社内で素養を持った人を教育してもよい。
必要なのは、設備やソフトと知識と技能だ。
最近、豊川悦司がCMでやっている「俺文系管理職なのに~」を信じてはいけない。
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