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2024年3月

2024年3月24日 (日)

会社を正しくデジタル化する方法 <必要なのは経営マインドを持った幹部候補>

会社を正しくデジタル化する方法 鈴木純二 株式会社日本実業出版社

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デジタル人材の不足と経営者の理解が不足している中小企業でデジタル化を進めるための指南書。

今流行りの「DX」というフワフワした言葉を使わず、「デジタル化」と言う言葉を使っているけれど、内容は「DX」に必要な考え方が盛り込まれている。

紹介されている例は、バックエンドの業務改革だ。
バックエンドの業務が紙とハンコと電卓と電話を使った昔ながらのやり方で、業務もフローも昔のままでは「DX」は難しい。
このような状態で今流行りのクラウドサービスを導入しても、かえって負担が増える。よくある話だ。
「DX」に失敗する原因は、経営者(層)がICTへの理解が不足していることもあるが、社員の意識が変わらないことも大きな要因だろう。

鈴木氏は、デジタル化人材について、

ややもすると、「デジタル化人材=技術者」と誤解されがちですが、顧客接点改革によるカスタマーサクセスを実現するデジタル化に必要なのは、技術者ではなく、経営マインドを持った幹部候補です。

とおっしゃる。
デジタル化は経営課題だから、デジタル化するには経営マインドを持った社員が必要だ。
鈴木氏があえて幹部候補としたのは、デジタル化は一過性のものではなく、継続が必要だから、恒例の経営者ではなく、次にデジタル化を主導する幹部候補が必要という意味なのだろう。

もちろん、デジタル化するために技術者が不要という意味ではない。
デジタル化に必要な技術を持った技術者や、部門があるに越したことはないが、中小企業では、技術者やIT部門がある企業は稀だろう。
しかし、技術はアウトソーシングが可能だから、デジタル化しようとする中小企業では、技術者は不可欠ではないという意味だろう。

ちなみに、IT担当やIT部門がDXの抵抗勢力になることはよくあることだったりする。


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2024年3月21日 (木)

静かな退職

入社してすぐ「静かに退職する」新人社員の特徴
最低限の仕事だけこなす部下は誰がつくるのか
 横山 信弘 東洋経済 (2024/03/07)

「静かな退職」とは、黙って会社を辞めることではなく、

  • 会社のために汗はかかない
  • 出世のための自己研鑽しない
  • 淡々と言われたことだけをやる

働き方のことらしい。
何もやらずにぼーっと職場にいるわけではないから困った存在だ。

なぜ若者は「静かに退職」するのか?
横山信弘氏は、

なぜZ世代の若者たちは、配属先の職場に失望し「静かな退職」を選択してしまうのだろうか? 日本企業の場合、理由は簡単だ。自分の上司や先輩も、実際には「静かな退職」者であるからだ。

とおっしゃる。
納得してしまう。

若者が好ましくない行動をすると、原因を世代に求めがちだ。
しかし、Z世代の価値観は多様だから、「静かな退職」はZ世代固有の行動ではない。

世代を問わず、走り疲れて「静かに退職」する人は昔からいた。
少なくとも、働き始めた40年前には「静かに退職」している人がいた。

40年くらい前、若者は馬車馬のように追い立てられていたから「静かな退職」を選択する余地が無かっただけだろう。

「静かな退職」が蔓延る職場では、それを許さないようにアメとムチを使って、働かせなければならない。
しかし、今時はあからさまにアメとムチを使うと、パワハラ認定される。
アメとムチを使わなければ「静かに退職」する人が増える。

「静かに退職」している人が多い職場で働いていると嫌気がさす。
そして知らない間に自分も「静かに退職」してしまう。

採用されて長く働かず辞める若者が増えているらしい。
「静かな退職」より健全だと思う。


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2024年3月 7日 (木)

VTuber <おめがシスターズ>

VTuber界隈でプロダクションに所属しない、所謂個人勢は少ない。

その中で、おめがシスターズ(おめシス)は、動画勢をサポートしていたupd8というプロジェクトの解散を契機に、どの事務所にも所属せず個人勢として活動しておられる。

VTuberはアバターを含めたキャラクターだけではなく、アバターのデザイン、モデリング、企画、撮影・配信、編集、スタジオ確保、営業、法務などの業務は多い。
upd8に所属していたVtuberがほとんど活動を休止したことを考えると、

大手プロダクションは配信勢が多く、演者の負担を減らす工夫があるようだ

  • プロダクションがアバターのデザイン、モデルを用意する
  • 配信アプリを使用することで、配信に使用する資機材と技術的負担を減らす
  • 企画動画でなく配信を主戦場にすることで、企画と動画編集を不要にする

つまり、動画勢は企画と編集が必要になる。
どのプロダクションにも所属しない個人勢は、撮影・配信用資機材と操作技術と営業を自分でやらなければならないからハードルは高い。

ところで、
おめシス・レイさんはただモノではない。
投稿された動画を見るとIT関係の豊富な知識がうかがえる。
その他にも

  • ガンオタ、遊戯王コレクター
  • ガジェットオタ
  • 元ゲーム会社勤務のLive2Dモデラー
  • YouTubeコントリビューター

らしい。
アバターのモデルを自前で作ることができて、
オタネタを企画にできる。
撮影・配信資機材の購入、の設定・操作は趣味に延長か?
インフルエンサー認定されることで、営業しなくても案件が来る?
ほとんどの仕事をおめがシスターズの2人で完結できるのだろう。

IT企業の模擬面接を受ける企画(VTuberやめても、就職できるの)で、提示された年俸は850万だった。

技術で食っていくことを目指しているオヤジから見ると、おめがレイさんの生き方は羨ましい。
自分の、知識と能力で食っている。

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おめシス6周年おめでとうございます。


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2024年3月 2日 (土)

思考法 <仮説を立てて検証する>

アメリカのマイクロソフト本社で遭遇した「私の人生でもっとも賢い人間」の思考法は本当にすごかった PRESIDENT Online 牛尾 剛 
(2023/12/18)

牛尾 剛氏は

例えばプログラムに問題があったとき、一流のエンジニアは試行錯誤をしない。作業をすることより、自分の頭で仮説を立てることを優先する。その結果、生産性は天地ほど違ってしまう

とおっしゃる。

◯ハードウェアの修理
40年前に無線機の修理をやっていたときに同じことを教えてもらった。
当時はまだディスクリートの無線機が現役で障害の原因となったトランジスタや抵抗、コンデンサーなどの部品を交換していた。

教えてもらったのは

  1. 取説を読め
  2. 手当たり次第に触ってはいけない
  3. 部品を交換しないで原因を推定する
  4. それを複数の方法で検証する

3,4 が牛尾 剛のいう思考法だろう

故障が直る人と治らない人がいることに気がついた。
例えば、

  • 治るまでの時間が長い
  • 障害が再発する
  • 修理中に障害が増える

などだ。

他の人の修理方法を観察すると、

  • とりあえず調整箇所を触って、基準の性能に追い込んで良しとする人
  • 障害の現象からよくある障害の修理方法を順に実行する人
  • 正常動作している別の無線機と、比較して障害箇所を特定する人

などがいた。
しばらく働いていると、治せる人の行動はわかってくるものだ。

電子機器の修理は、電子回路の知識、測定技能、交換技能が必要で(今は違うかも)これらは研修で教えてくれる。
しかし、本当の修理方法(思考法)は教えてくれなかったような気がする。

技術者にとって不可欠なのだけれど。

◯プログラムのバグ取り
後にプログラミングを始めてたときにバグ取りは無線機の修理と同じだと気がついた。
そして、コンピュータシステムの保守も同じだった。

プログラミングはコンピュータ内で完結することが多い。
ハードウェアの交換が必要だと気軽に試行錯誤できないけれど、プログラミングは試行錯誤しやすい。
更にリソースとCPUパワーの増大で昔にあった「机上デバッグ」は死語になってしまった。

だから、エンジニアに必要な思考法を学ぶ前に、試行錯誤で解決する方法を覚えてしまうのだろう。

◯「治した」のか「治った」のか
もう一つ先輩から教えてもらったことは、「治した」のか「治った」のかということだ。
「治した」障害は再発しないが、自然に「治った」障害は自然に再発する。

保守の仕事をやっていると、障害の原因の探索中に「治る」ことがある。
 しまった‼︎。あー治っちゃったよ orz
なのである。
迂闊に「治ってしまう」ことを防ぐためにも、まず仮説を立てることは重要だ。


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