抽象化と具体化
「ほぼ1人情シス」をやっていて思うのは、
直面している障害や不具合は、すでに誰かが経験している。
そして、その情報はネットにある。
ということ。
「ほぼ1人情シス」は問題が発生しても訊ねる人がいないことが多い。
そこで頼りになるのがGoogle先生だ。
ヘルプデスク担当者は何でも知っているわけではなく、質問して人の代わりに検索しているだけだ。
こう言うと怪訝そうな顔をする人が多いのだが...
前々々職でヘルプデスクをやっていたときに、質問する人はなぜ検索しないのだろうかと思っていた。
よく聞いてみると、検索しているけれど有効な情報を見つけることができないらしいことがわかった。
そのころから、
同じ検索エンジンをつかって、有効な情報を見つけることができる人と、できない人がいるのはなぜか考えていた。
自分の行動を明文化するのは難しいのだが、当時はこんなことを考えていた。(ググる <調べる+学ぶ> (2016/07/29))
重要なことは
- ノイズ混じりの検索出力から目的の情報を見つける
具体的な行動は
- 検索結果はコピペせず自分なりに解釈して使用する
- 検索結果は検証して使用する
おそらく、検索しても有効な情報が見つからない人は、ピッタリの答えを求めているのではないだろうか?
たとえば、「◯◯社ノートPCで◇◇アプリを使用するとイヤホンから音が出ない」不具合の解決方法を検索したときに、ピッタリの答えが見つかることもある。
ピッタリの答えが見つからない時にどうするかで差が出るのだろう。
最近気づいたことだけど、ピッタリの答えが見つからない時は、
- ピッタリではない出力をちょっと抽象化する
- 解決したい問題もちょっと抽象化する
すると、有効な情報が増える。
そして、有効と判断した情報を
- 直面している問題に合わせて具体化する
すると、解決手段が見つかる。
それでも解決手段が見つからないときは、
- 抽象化レベルをもう少し挙げてみる
- 抽象化、具体化の観点を変えてみる
先の例では、
PCからイヤホンに音が出る経路は
アプリ →デバイスドライバー → BIOS → サウンドチップ → イヤホン
となる。
ハードウェアを抽象化すると、◯◯社以外の製品について記載された検索出力も対象になる。
また、アプリを抽象化すると別のアプリついて記載された検索出力も対象になる。
検索出力が有効な情報であれば、◯◯社の製品、◇◇アプリにに適用できるように具体化すれば良い。
見つからない場合は更に抽象度を上げて検索を繰り返す。
注意しなければならないことは、何を抽象化して、何を抽象しないかを明確にすることだ。
抽象化の観点がズレると大量のデータの海で溺れてしまう。
「抽象化、具体化」に必要なことは、経験と思考だと思う。
8年前に書いた「ググる」(2016/07/29)や「ググる」の功罪(2016/07/04)で書いた具体的な行動は、
- 検索結果はコピペせず理解して使用する
- 検索結果は検証して使用する
これをピッタリの答えが見つかった場合でも実行する。
googleは大量のデータからキーワードに対する検索結果を表示してくれるサービスであって、ユーザが欲しい情報を見つけてくれるものではない、ましてや自分にない知識を教えてくれるものではない。googleは機械であって先生ではないのだ。
- ググる <調べる+学ぶ> (2016/07/29)
- 「ググる」の功罪 <考えることが必要> (2016/07/04)
- ググれカス <ググったらカス> (2017/09/10)
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