技術者としてよい職場 <技術者の報酬とはなにか>
技術者には向いた職業 ~ 千葉県警 サイバー犯罪捜査官 インタビュー ScanNetSecurity 2024/8/21
この記事ではインタビューを受けた特捜官は仮名で登場しているので、「彼」と呼ぶことにする。
この記事で気になったのは、
彼は何故「自分にはとても良い職場」と言わず「技術者にはとても良い職場」と言ったのだろうか?
ということ。
彼が前職から転職した動機は「技術者として古くなっていくことへの恐れ」で、現在は「技術者として仕事を通して成長できている」と言う。
だから、「技術者にはとても良い職場」と答えているのだろう。
しかし、現職で将来も「技術者として古くなっていくことへの恐れ」を感じないのだろうか?
と考えると、彼が感じている感覚を「技術者」まで一般化できないのではないかと思う。
「技術者として古くなっていくことへの恐れ」を感じたことがあれば、個人の感覚なのか「技術者」に一般化される感覚なのかはわかるだろう。
だから、 彼は何故「自分にはとても良い職場」と言わず「技術者にはとても良い職場」と言ったのか気になった。
以下は経験を基にした推測だ。
警察官は地方公務員であり、公務員の給与は能力に応じたものではないから、金銭以外に「得るもの」(報酬)があるのだろう。
それはおそらく「技術者として仕事を通して成長できている」感覚だろう。
技術者であり続けるために成長は必須だ。
だから、彼は前職で自身が成長できないと感じたことが転職につながったのだろう。
そして、現職は「技術者として仕事を通して成長できている」ことが報酬となり、技術者であり続けることができると感じているのだろう。
古い風土の組織は、画一的なキャリアパスや価値観しかないことが多い。
だから、キャリアを重ねていくといつか、技術者としてのキャリアパスかその組織の画一的なキャリアパスの選択を迫られることになる。
技術者としてのキャリアパスがない組織では、高い報酬を得ることは困難だ。
「技術者として仕事を通して成長できている」という報酬がなくなって、報酬≒賃金になったとき、その組織が用意したキャリアパスに乗り換えれば高い報酬を得ることができるが、それは技術者を止めるということだ。
この事実は、周りを見ていればすぐにわかることだ。
現在の組織に技術者としてのキャリアパスは無いけれど、今は技術者として成長の機会が与えられているのであれば、少なくとも今は良い職場なのだろう。
彼が技術以外のことを言い淀むのは、そのことを知っているからなのかもしれない。
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