VTuber学 <AZKiと奏みみの物語的アイディンティ>
VTuber学〔電子書籍版〕
編著者:岡本 健(オカモト タケシ)
山野弘樹(ヤマノ ヒロキ)
吉川 慧(ヨシカワ ケイ)
発行所:株式会社 岩波書店
著者の1人、山野弘樹氏は、
「VTuberはどのようなものか」について、
筆者がここで提案するのは,「配信者とモデルは,配信者がVTuberとしての身体的アイデンティティ・倫理的アイデンティティ・物語的アイデンティティを獲得することを通して結びつく」
とおっしゃる。
VTuberのプロフィールや名義が変われば別のVTuberと認識できるが、プロフィールを継承して、モデルが大幅に変わると、同じVTuberとして認識できなくなるリスナーが現れる。
VTuberは配信者とモデルは一体だから、アニメのように、声優が交代したり、作画タッチが変わることに、寛容ではないようだ。
VSingerのAZKiさんは、
イノナカミュージックでVSingerとして活動を始め、2022年から同じ企業のホロライブで活動している。
イノナカミュージックからホロライブに移籍する際にモデルが大幅に変更されたため戸惑ったファンがいたようだ。
名義とプロファイルは継承しているのだが、イノナカ時代は「仮想世界の歌姫」だが「アイドル」を経て今は「歌うまの地図のお姉さん」だ。
ファンにとって、山野弘樹氏がおっしゃる「物語的アイデンティティ」の不連続が生じ、モデルが変わったことと相まって同じVTuberとして認識できないファンがいたのではないだろうか。
VSingerの奏みみさんは、
Smarpriseから、ぽっちゃり猫の姿で活動を始めたVSingerで、猫耳人形に変身できるようになり、ダンス動画をTiktokやYouTube shortで公開している。
更に2023年にリアルな姿に変身できるようになって今はトランスフォーム・シンガーとしてライブハウスなどの実ライブでも活動している。
奏みみさんのモデルの変化はAZKiさんより大きく、ぼっちゃり猫→人形猫耳→リアルの人 で全く別のモデル(猫→人)に変化(変身)している。
しかし、奏みみさんが猫から人に変身(モデルの変更)したり、リアルな姿で活動することに戸惑うファンは少ないく、ぼっちゃり猫も人形猫耳もリアルな姿も「奏みみ」と人ししているようだ。
奏みみさんの物語アイデンティティは「成長」というキーワードで連続しているから、ファンは同じVTuberとして認識しているのだろう。
つまり、視聴者がVTuberを同一と感じるには、そのVTuberの物語アイデンティティの連続性が重要ということだろう。
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