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2025年6月

2025年6月29日 (日)

シン読解力 <読んでもわからない子だった>

シン読解力 学力と人生を決めるもうひとつの読み方 新井紀子 東洋経済新報社
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AIvs教科書が読めない子供たち」に続く読む技術に関する本
読むことができる子は国語だけでなくすべての科目の成績が良いらしい。
新井紀子氏は学者らしくエビデンスを基に説明されているのは好感が持てる。

シン読解力
「知識や情報を伝達する目的で書かれた自己完結的な文書」を正確に読み解く力を「シン読解力」と定義し、国語教育で行われている、文学作品の解釈や行間を読むという従来の「読解力」とは異なることを明確にしている。
AIvs教科書が読めない子供たち」に関する無意味な議論が多かったのだろう。

読めばわかる
教科書などは「読めばわかる」ように書かれているらしい。(断言しないのは読んでもわからないことがしばしばあったから^^;)
成績の良い人で「教科書しか読んでいない」という人は、「読んでわかった」人なのだろう。

「読めばわかる」という人は、「読んでもわからない」、「読めない」人がいることがわからない。
ほとんどの教師は「読んだらわかる」人たちだから、「読めない」子供たちの支援ができないのかもしれない。
その結果、読んでもわからない子供を分かるようにできないのではないか。

割合でつまづく
この本で小学生が割合計算でつまづくことが指摘されている。
ご多聞に漏れず、小学生のときに割合でつまづいて、理解できたのは中学生になってからだった。

「クラス全体の人数は〇人で、そのうち男子は△人です。男子の割合は何割ですか?」
のような問題は、小さい数を大きい数で割ると覚えて対応していた。
この解法では、
「去年の売り上げは◯円でした。今年の売り上げは△円でした。今年の売り上げは去年の何%でしょう」
のような、答えが100%を超える問題は答えられないことは、分かっていた。

割合の定義を理解しないで、安易な解法を覚えたことが原因だ。
定義を理解していなければ、問題を正確に読めても答えを導くことができない。

割合の定義は算数の教科書には小学4年生が読んだらわかるように書いてあるのだろう。
とすれば、小学4年の時の自分は「読んでもわからない子」だったのだろう。(ほかにも心当たりはある)

読み方のモード
この本に何問か例題があったので答えてみたら、1問間違えてしまった。 orz
未だに「読んでもわからない年寄り」だ。++)

問題に答えるための読み方は、エッセイやネットの記事を読んでいる時とは、モードが違うことに気が付いた。
リラックスして、エッセイやネットの記事を読んでいるときは、引っかかるキーワードを探している感じ。(リラックスモード)
問題に答えるための読み方は、問題を分解して、それを組み立てなおしている感じで、パズルを答えているときの感覚に似ている。(パズルモード)

小学校のころからパズルは好きだったから、小学校の自分に、教科書を読むときはパズルモードで読むようにアドバイスできたら、「読んだら分かる子」になれたかもしれない...集中力が続かないから難しいだろうな。



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2025年6月26日 (木)

この国は科学的思考が弱い国です。 <客観的な証拠に基づいて結論を導き出す>

熊谷 俊人氏が新型コロナ対応検証番組に対するポスト

新型コロナ対応の検証よりも、結論とその前段が引っかかった。

熊谷俊人氏は

日本という国について、

  • ・この国は科学的思考が弱い国です。
  • ・全体主義思想が強い国で、個人の人権意識が低い国です。
  • ・全員が困難に立ち向かい、何かを我慢する(我慢させる)ことを美徳と考えやすい国です。
  • ・外れた行動を取る人を集団で責め立てる国です。

と指摘される

その上で

時代の狂気に流れ去れず、科学的根拠に基づき、そして全体リスクを見据えた政策を立案する、国民感情に迎合せず、ましてや煽って自らの政治資産に利用せず、国民を説得する政治家が必要ですし、報道機関もしっかりと自らの過ちを総括することが必要です。

とおっしゃる。
結論では、政治家、報道機関のあり方に触れておられる。諸手を上げて賛成である。
熊谷俊人氏は政治家だからだろうか、国民のあり方の指摘がない。

国民のあり方について考えてみた。

「科学的思考が弱い国」の国民が、「科学的根拠に基づいた政策を立案し、国民に迎合しない」政治家を選ぶことができるのか疑問だ。
トーマス・カーライルが「この国民にしてこの政府あり」と言うように、「科学的根拠に基づいた政策を立案し、国民に迎合しない」人が政治家になるためには、国民が科学的思考ができるようにならなければならない。

「科学的思考」と聞くと文系vs理系というステレオタイプの議論になりがちだけれど、「客観的な証拠に基づいて結論を導き出す思考法」と言い直したら、科学的思考は理系だけに必要な思考法ではないことが分る。

とりあえず、自分から始めよう。


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2025年6月23日 (月)

労働者の価値 <時価vs骨董的価値>

最近、転職した人の話をよく耳にする。
Gemini

例えば、望まない異動は転職のきっかけとなるが、望まない異動に従うことにはメリットもデメリットもある。
昔と違って、メリデメの判断が逆転する人が増えてきたのだろう。

組織と個人の利害が相反したときに、転職する(できる)選択肢があることは良ことだと思う。
いずれかを選択しても、その結果は自分自身が引き受けるしかないのだから。

閑話休題

労働者の価値には、何を知っていて、何ができるかという「時価」と、過去の実績や経験、人間関係などの長期間積み重ねてきた価値がある。
(良い言葉を思いつかなかったので「骨董的価値」と呼ぶことにする)

「時価」は、相場だから、需要と供給で決まる。
だから、いくら高いスキルを持っていても、需要が無い場合や供給が多い場合は、時価は安くなる。
一方、高いスキルが無くても、需要が多い場合や供給が少ない場合は、時価は高くなる。

「骨董的価値」は、積み重ねだから、需給によらず働いた期間によって決まる。
多くの経験により得た暗黙知もこの価値に含まれるので、今現在価値が無いという意味ではない。

年功序列の組織は「骨董的価値」を重視し、能力主義の組織は「時価」を重視していることが多い。
一般的には、年齢とともに「時価」が下がり「骨董的価値」が上る。
時価で働きたいと思って働いていても、ふと気がつくと「骨董的価値」で評価されていた経験がある。

長く働いていると、病気や怪我で体を壊すこともあるし、借金や学費で収入を確保しなければならないこともある。
そのようなときには、「骨董的価値」での評価はありがたいと感じる。

定年後再就職すると「骨董的価値」はほぼリセットされ、自分の時価を痛感した。
定年後に「骨董的価値」で再就職できれば良いが、「時価」で評価される場合は、ギャップを感じる。
IT関係の技術者は人手不足と言われているが、不足しているのは、デスマーチに耐えられる人材のようだ。

「好き好んで年寄を雇うところは無いヨ」と自虐的に言う人は多い。
しかし、自分のスキルを棚卸しして(特に暗黙知や非認知能力)みると、思いの外「時価」が高かったり、リセットされたと思っていた「骨董的価値」が残っていたりすることがわかった。

偶然「1人情シス」の仕事に就いたのだが、情シス関係の仕事を1人で一通りこなせる人が少ない(希望する人はいない)、つまり供給が少ない。大幅にスキルが上げたわけではないけれど、供給が少ないから、「時価」が高かったのだろうか。

油断すると骨董的価値に頼ってしまうけれど、骨董的価値に頼らず、新しい価値を提供したいと思う。


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2025年6月 6日 (金)

Copilotに対して多分みんなが思っていることへのカウンター <一度使ってみれば~>

Copilotに対して多分みんなが思っていることへのカウンター Zenn (2025/06/05)

Copilotit
投稿主の せとぅさん と同じくらいM365 for Copilotを使っている。

・結局、何に使える?
・費用対効効果、低くない?
・ChatGPTで良くない?

は、よくある反応だ。
そして、

それよりもここで考えたいのは「Copilotをどう使うか」ではなく、
「私たちにCopilot(≒生成AI)に任せようとする習慣があるかどうか」 です。

は、両手を挙げて賛成だ。


「ほぼ1人情シス」をやっていて、1年前くらいにM365 for copilotを使いたかったので5ライセンス買ってもらって、1ライセンスを占有して使っている。
1年経過したけれど、頻繁に使っているのは2人くらいなので、ライセンス更新するのか?となるる。当然だ。
使えなくなると不便なので、啓蒙活用を兼ねて説明会をやった。(2回も)

説明で使っているスライドを指して「このスライド30分でできました。結構使えるでしょ!」はインパクトがあるようだ。
でも伝えたかったのは、

・使いこなそうと思わないこと
・自分のスタイルに寄せないこと
・知見を共有すること

だったりする。

◯ 使いこなそうと思わないこと

M365 for copilotは高価なのでコスパの悪さが指摘される。
でも、
「使いこなそうと思わないこと、便利になることで使えばOK」
と説明している。

多くの機能を持っているのにその一部だけ使ったのでは、コスパが悪すぎる。
しかし、「便利なところ」、「使える機能」は人それぞれだ。
それぞれの「便利なところ」、「使える機能」を、共有すルことで、結果的にユーザが多くの機能を使うようになる。
という戦略だ。

◯自分のスタイルに寄せないこと

PowerPointやWrodの共通のテンプレートを使っている会社は多い。 
長くWordやPowerPointを使っていると、自分流のスタイルができる。
特にPowerPointのスライドはデザインや、背景、フォント、イラストなど、こだわりを持つ人は多い。
それは、自分が手作業で作ることを前提に、効率が良くなる方法なのだろう。

しかし、生成AIの出力は簡単に自分のスタイルに寄らない。
プロンプトと格闘すると、寄せることはできるかもしれない。
自分のスタイルに寄せることができたとしても、

・伝わりやすくなるわけではないし、
・作業時間が短縮できるわけでもない

のだ。

勧めているのは、自分の基準で100点満点中50点ならOKとすること。
構成が悪い場合は、下書きから直した方が結果的に早い。
細かい修正も含めて、30分で直せそうだと思ったら、それで良しとする。
ポイントは

・伝わりやすさが劇的に向上しないなら
・作業時間が必要ならば諦める。

これくらいハードルを下げると、使えるシーンが多くなって、新しい活用アイデアも浮かんでくる。
何より、何度もCopilotを使っていると、Copilotが自分に寄せてくれるようになる。

◯知見を共有すること

自分が気づかなかった使い方を知ったり、結果が分かっているプロンプトがあれば、使ってみようと思うだろう。
つまり、プロンプトや、作業手順を試行錯誤せずに、結果が得られることが重要だ。
だから、結果だけでなく、具体的なプロンプトや、手順も共有しましょうと言っている。

ところが、共有は難しい、個人レベルで積極的に共有する人は稀だから、組織的に共有する仕組みが必要だ、
プロンプト集を作ったり、情報交換の場を作ったり、相談できる人を決めたり。
つまり、共有は組織的な取り組みが不可欠ということだ。

蛇足

実は、説明に使ったスライドは、30分で作ったのはWordの下書きからスライドを作成した部分。
説明することをまとめて、アウトラインを考えてWordの下書きを作るまで2時間くらいかかっている。
説明する内容は、通勤中にも考えているので、それを含めると軽く10時間以上考えている。

そこは、Copilotを使う場合も使わない場合も同じだから、あえて説明しなかった。
決して、説明内容を考え始めてスライドが完成するまで30分と、誤解されることを期待したわけでは...ない


Copilot説明会 <最初のハードルを越える> (2025/5/19)


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