アンラーニング <意識していない>
結論を先に
知識・技能を抽象化すると、アンラーニングするという感覚が無くなるような気がする。
最近よく見かける話題は、AIの普及により職がなくなるという内容。
AIブームという現状を割り引いても、無くなる仕事はあるだろう。
なくなる仕事に携わる人は、違う仕事に変わらざるを得ない。
識者の皆さんは、リスキリングやアンラーニングが必要と仰る。
しかし、アンラーニングは言うほど簡単ではないようだ。
↑「技術のアンラーニングを表す画像を生成して 」で作成
Copilotの画像生成モデルはDALL-Eを使っているようだけど、雰囲気が変わったような気がする。
アンラーニング
について考えてみた。
サンクコストがアンラーニングの障害になっているという指摘は多い。
スキルの獲得にはコストがかかっているため、別のスキルを新たに獲得するには心理的な障壁がが大きい。
コストには金銭だけではなく時間や身体的な訓練などが含まれる。
スキルを、知識が優位な技術と身体的、暗黙知が優位な技能という観点で考えると。
技能を持っている人の方が身体的訓練と暗黙知の獲得にかけたコストが大きいため、アンラーニングし難いように思う。
技術革新が起こると
技能の価値が無くなる。
例えば、昔、外洋にいる船舶と陸地との間を、モールス信号を使ってメッセージをやりとりする、無線通信士という職業があった。
この仕事は、モールス信号を送受信する技能と、無線通信技術が必要で、無線通信士になるためには国家試験に合格しなければならない。
昔話だけど、
45年くらい前に、2年間学校に通って資格を取得したが、新卒の募集は無かったため、無線関係の仕事に就いた。
その職場では、無線通信士の資格を持っている人がたくさんいた。
電話の市外通話回線が少なかった頃、遠隔地間で無線のールス信号でメッセージを送受信していたらしく、その業務に従事していた人たちだった。資格を取ったばかりの新卒のペーペーからすると、神様のような技能を持った人たちだった。
しかし、電話回線が整備され、メッセージの送受信は電話とFAXに変わり、無線通信もモールス通信から音声通信に変わっていたから、モールス通信の神様の仕事は無くなっていた。
しばらくして、
無線通信士の資格を持っている先輩達には、2つのパターンがあることに気が付いた。
1つは、元神様で不遇をかこっている人、もう1つは、新しい無線の技術で活躍している人だ。
後で知ったのだが、当時の新技術で仕事が無くなっていた大量の無線通信のオペレーターを組織的にリスキリングしていたらしい。
ところが、リスキリングできなかった元神様が結構いたということだ。
自分が持っている技能の価値が無くなって、リスキリングの機会があったのに、アンラーニングするにはサンクコストが大きかったであろうことは容易に想像できる。
ICT分野は
技術革新が短いサイクルで起こるから、獲得した技能の価値がなくなるのも早い。
一生食っていける技能は無いのではないかと思う。
技能にこだわって
40年働いていたので、その間に多くの知識や技能を獲得した。
振り返ると、新しい知識や技能を習得しようと考えた時に、知識・技能の習得にかけたコストが少なかったわけではないけれど、サンクコストを考えたことは無かったし、アンラーニングの意識も無かった。
それは、新しい知識や技能を習得しようと思った時に、それまでに習得した知識や技能を抽象化していたからだと思う。
無線関係の保守をしていた際は、システムの保守として捉えていた。
プログラミングはプログラミング言語の知識・技能ではなく、コンピュータを使用した問題解決方法だと捉えていた。
管理職もやったけが、技術者のマネジメントだと考えていた。
知識・技能を抽象化すると
知識・技能を捨てたり、アンラーニングするという感覚が無くなるような気がする。
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