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ICT×教育

2026年3月26日 (木)

アルゴロジック <科学的方法とそっくり>

 アルゴロジックで問題をクリアしていく手順は、実は科学者が新しい発見をしたり問題を解決したりする時に使う「科学的方法」と、そっくりです。

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それぞれのステップを比べてみましょう。

科学的方法のステップ アルゴロジックでの行動

1. 問いを立てる(観察・疑問)

「なぜ?」と疑問を持ち、問題を明らかにします。

問題を理解する

「どうすればロボットが旗を取れるか?(クリアできるか?)」という目的を明らかにします。

2. 仮説を立てる(予想)

「こうすれば解決できるのでは?」と予想します。

やり方(手順)を考える

ロボットをどう動かすか、命令を並べて手順を組み立てます。

3. 実験(確かめる)

仮説(予想)が正しいか、実際に試してみます。

プログラムを実行する

「実行」ボタンを押して、ロボットを動かしてみます。

4. データ収集・観察

実験の結果をありのままに観察し、記録します。

ロボットの動きを見る

ロボットが予想通り動いたか、どこで止まったか、または失敗したかをじっと見ます。

5. 振り返り・良かったか悪かったかを考える(結論)

結果を分析し、仮説(予想)が正しかったか判断します。

原因を考える(間違いを見つける)

失敗した場合、「なぜそこで間違えたのか?」「どの命令が違ったのか?」を考えます。

6. 改善(何度もやり直す)

分析結果にもとづいて、仮説(予想)や計画を直し、もう一度試してみます。

プログラムを修正する

間違っていた命令を入れ替えたり、順番を変えたりして、もう一度実行します。

最も重要なステップは

どちらも、全てのステップが大切ですが、あえて一つ選ぶなら、「仮説を立てる(アルゴロジックでは手順を考える)」ステップが最も重要です。

なぜなら、当てずっぽうにやってみる(実行)のではなく、「こうすればできるはずだ」という予想(仮説)があるから、失敗した時に「なぜ失敗したのか」が分かり、次にやってみるときの改善につながるからです。

このように、アルゴロジックの問題にチャレンジすることで、科学的な考え方のトレーニングになっています。
ぜひチャレンジしてみましょう



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2023年4月18日 (火)

読書感想文とChatGTP

小5女子の読書感想文に“違和感”…実は「ChatGPT」が書いていた!?その後の授業で先生が教えた意外なこと
FNNプライムオンライン
(2023/3/16)

今のところ、AIの出力か小学生が書いた文章かは、判定できるだろう。
日々小学生に接している教師ならば容易だと思う。今のところは。

AIは一般的な小学生が持っていない語彙や概念を使うから、人の違和感で判定できる。

言葉を使うには、その概念を正確でなくても理解していることが必要だ。
AIが出力した文章を読むことで言葉とその概念を理解できる年齢になると、AIの出力か自筆か判定できなくなるような気がする。
中学生になると判定は難しくなるような気がする。

さらに、「小学3年生の語彙で」など、使用する語彙を制限したり、AIの出力に難解な漢語がある場合、『「〇〇」をやさしい言葉で』など、質問を工夫すると、ちょっと大人びた子の文章に近づいてくる。

今後、AIも学習するだろうから、「小学校3年生が書く文章で感想文を書いてください」とお願いすると、大人受けするような感想文を出力してくれるようになるだろう。
ついでに、「下手文字でプリントアウトしてください」とお願いすると、自分で書かなくてよくなる日も来るだろう。

閑話休題

そもそも、読書感想文を書かせる目的は何なのだろうか?
子供の頃、読書感想文が苦手だった。目的は今でもわからない。

作家が書いた文章を読んで、気づいたこと、思ったことを文字にして、他人に伝えることが目的ならば、読書感想文の評価は何を基準にしているのだろうか?
大人が思い描く麗しい子供像に合う内容かどうかを審査しているだけではないか?
文芸誌の書評と同じで、評価者個人の主観以外の何者でもないのではないのか?
という疑問を今でも持っている。

読書感想文が評価者の好む文章を書く訓練であれば、AIの出力で十分だ。
読書感想文にAIを使うことの是非の前に、読書感想文という教育方法を目的に合った方法に変えるべきだろう。

とはいえ、
経験則では、論理的思考ができない人は論理的な文章が書けないようだ。
IT機器を使用すると補うことができるが、自筆で書いた場合は顕著になる。

論理的思考が苦手だから、それを補うためにAIを使うのも一つの戦略だし、AIにできない論理的思考能力を習得するのも一つの戦略だ。
社会や教育界はどちらの戦略を支持するのだろうか?
それとも、個性に任せるのだろうか?


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2023年4月12日 (水)

「自分の頭で考えなさい」は“最悪”

わが子に「自分の頭で考えなさい」は“最悪”だ…! “勉強のカリスマ”が明かす「わが子のやる気」を出させる「意外すぎる言葉」
現代ビジネス
野口 悠紀雄
(2023/03/31)

野口悠紀雄氏の『「超」勉強法』の初版は1995年で、反詰め込み教育としてゆとり教育が本格化した時期だ。
そして、30年近く経過しても、「超」勉強法の3原則、

  1. 問題の解き方を覚えて、それを当てはめる。
  2. 平板に勉強するのでなく、重要なところに努力を集中する。
  3. 全体を把握して、部分を理解する。英語は文章を丸暗記する。

は変わらないとおっしゃる。

本書は、主として学校での勉強を想定し、どうしたら良い成績を取れるか、そして入学試験に合格できるかを示しています。

ただし、「超」勉強法の有効性は、学校での勉強に限ったものではありません。社会人が勉強する場合にも、基本的な指針になります。資格試験のための勉強や、リスキリングにおいても偉力を発揮します。

らいしのだが、良い成績とか入学試験とか資格試験とか、既成の枠組みの中でいかに良いポジションにたどり着けるかから出発しているように感じる。
昭和臭を感じるのは気のせいだろうか。

問題解決の答えを導くには、

  • 解法の知識
  • 解法を運用する技能
  • 適用可能な解法の発見能力

が必要だろう。

「超」勉強法の原則では、適用可能な解法の発見能力について言及がないようだ。
(「超」勉強法を読んでないので無いとは言い切れない。)

インターネットとAIの世界になって価値が相対的に低下するのは、知識と技能だろう。
知識は、ネットの集合知で、技能はAIとロボットで補うことができるようになった。
適用可能な解法の発見能力はAIでは難しいようだ。とくに、未知の問題や有効な解法が発見されていない問題は、自分の頭で考えるしかない。

昭和、令和では、誰かが解決した問題の答えを、効率良く解答する能力が重視されていた。
解決済の問題だけなら、適用可能な解法の発見能力は必要なく、問題と模範解答をまるまる記憶してしまえばよい。これが試験対策だ。

価値が低下したとはいえ、「解法の知識」や「解法を運用する技能」が不要になるわけではないだろう。
インターネットの情報は玉石混淆だから正しい知識を見分けなくてはならないし、AIの判断が妥当でないことは多い。
それらを見分けられるだけの知識や技能は必要だ。

適用可能な解法見つける能力を身に付ける方法にについては、多くの人が意見を発表しているけれど、最適解が分かるのはもっと後なのだろう。
個人的には、新しいこと、外の世界への興味に着目している。


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2022年12月 6日 (火)

検温カード <プログラミング的思考で考える>

★ 問題から課題を見つけてICTを活用した解決方法を考えることが、プログラミング教育の目指すところ、
保護者も教師もプログラミング教育を受けてないことが、子供たちの教育の限界になってならないと思う。

Twitterで見かけた、検温カードは廃止した方がよいという意見

保護者も教師も廃止に賛成する意見は多いようだ。

 

ついICT業界的に考えてしまう。

なぜ?
検温カードがあるか考えると、

  • 学校はクラスタが発生しやすい
    → 感染者を早期に発見して隔離する必要がある
  • 感染者は発熱症状がある
    → 体温を測定することで、自覚症状が無い発熱者を発見することができる。
  • 体温を毎日観察することで、発熱傾向を知ることができる
    → 早期発見できる。

ので、検温カードに合理性はある。おそらく、政府や教育委員会のお役人も同じ考えだろう。

問題は、
実現するために必要な、資機材と労力、そしてそれらを誰が負担するのかということだ。
負担をかけないで実現するための仕組みが作れていないのだろう。
アナログ的な人海戦術で対応しているようだけれど、ICTを使うと、そんなに難しい問題ではないと思う。

では、ICTの知見を持った人がいないことが問題なのか?
いないことが問題ではなくて、「問題を効率的に解決する方法を思いつくことができる人がいないこと」が問題だと思う。
思いついたら解決することができるけれど、思いつかなければいつまでたっても解決することはできない。

目的を、早期発見、早期隔離を実現するには

  • 体温を計る
  • データを入力する
  • 集計する
  • 発熱者を発見する
  • 適切な対応を行う

という工程が必要だ。

体温を計る手間は同じだから、データ入力、集計、チェック(分析)の負担が大きいということだろう。

アプリで入力する仕組みがあるので負担ではないという投稿もある。
bluetooth付きの体温計も市販されているので、測定から集計まで自動化することも難しくない。

本当に大変なのは、異常値を発見する(チェック)作業だろう。
体温が38度以上ならば見つけるのは比較的簡単だけど、全生徒・児童のデータを確認するとなると、大規模校ではかなりの負担だ。
さらに、直近2~3日の発熱傾向をチェックしようとすると、ICTを利用しなければ難しいだろう。

おそらく、教師が検温カードを廃止した方が良いと思う現場では、入力されたデータは使われていないのではないかと想像する。
人の役に立てることができないデータは集める意味は無い。労力と時間の無駄使いだ。

重要なことは、

システム設計するときに、ユーザの利益になるようにしなければならない。ユーザの負担が利益を上回るくらいならそのシステムは使われない。

検温カードの課題ならば、この課題に関わる生徒・児童、保護者、教師、管理職、教育委員会の人の利益になる必要がある。
計測、入力、集計は自働化は難しくない。
要隔離の判断は人間が行うので、判断に必要なチェック作業を支援する機能がキモになりそうだ。
ICT業界にいるとAIを持ち出したくなるけど、それはやりすぎというものだ。
標準機能で絞込ができれば十分だろう。

プログラミング的思考

検温カードーの問題は「プログラミング的思考」の課題に良いと思う。
中学生なら解決できるだろうし、小学生でもアンプラグドなら解決策を考えられるような気がする。

問題から課題を見つけてICTを活用した解決方法を考えることが、プログラミング教育の目指すところだけれど、保護者も教師もプログラミング教育を受けてないから教える側の限界はある。でも、教える側の限界が子供たちの教育の限界になってならないと思う。

#教師のバトン←公式。非公式は→#教師のバトンで検索


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2022年2月24日 (木)

子供とネットワーク社会での問題解決 2題

子供とネットワーク社会での問題解決 2題

◯保護者、教育者

子供のネット利用に関する問題に直面した人の話を聞くことがあった。
思ったのは、先生や親など大人は解決のセオリーを持っていないことだ。
今の大人は、ネットに関する問題の解決方法を教えてもらったことがない。

普段から、情報を集めて考えている人でなければ、直ちに有効な解決策を示すことはできないだろう。

大人達が持っているのは、現実社会での問題解決に関する知恵だ。
一方で、ネット社会に関する情報は子供の方が多く持っている。
しかも、大人はネット上にある子供の社会が見えにくくなっている。

だから、子供は問題を解決してもらう側、大人は問題を解決する側という従来の枠組みでは問題は解決できない。

大人、特に教育者や保護者は、自分に問題解決能力がないことを認めるのは辛いことかもしれないが、
子供と大人(保護者、教育者、専門家)が協力すれば問題は解決できると思う。

◯セキュリティ村の人

最近は中学生にもなると、ネットワーク犯罪について問題意識を持っているようだ。
彼ら・彼女らにとってネットは生まれたときからあるし、ほとんどスマホを持っているから、現実社会の他にネット社会で生活している。
ネットワーク犯罪は、ネット社会に距離をおいてい別の世界のことと感じている年寄より、はるかに現実的な問題なのだろう。

そこで、専門家に質問しようということになる。
問題はセキュリティ村の専門家だ。

セキュリティ村の専門家は、子供相手だからなのか、上から目線になってないだろうか。
セキュリティ村の専門家といっても、情報セキュリティやネットワークセキュリティに関わり始めてから、長くても20年、せいぜい10年そこそこだろう。
少なくとも、専門家が中学生のころにはネットワーク犯罪があることすら知らなかったはずだ。

現実社会では、セキュリティ村の専門家と中学生とを比べて少なくとも10年以上の人生経験がある。
しかし、ネットワーク社会ではそれほどの差はないだろう。

中学生は既にネットワーク社会の住人だ。しかも、時代の先端を生きている。
いくらセキュリティ村の専門家といっても、「教えてやるよ」的な上から目線では対応を誤るのではないだろうか。


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2022年2月 7日 (月)

教育村とセキュリティ村

Twitterに、GIGAスクール端末のパスワードを記入して担任に提出を求められたという投稿があった。
R3年度初めにGIGAスクール端末が整備されたころに、同じような投稿がたくさんあった。

★パスワードを学校が管理すること

多くは、学校や教育委員会はけしからんという論調だ。
多くは正論や理想論で正しい。
しかし、現場では理想論で運用できない事情がある。

20年くらいIT関係、情報セキュリティ関係仕事をして、ICT支援員をやった経験では、現在の、先生や児童・生徒のスキルやリテラシーでは記憶したパスワードだけで運用するのは難しいと思う。

〇パスワード入力補助
小学校低学年ではパスワード入力の補助が必要だ。
ローマ字を習うのは3年生だ。キーはひらがなで伝えることができるが、記号や大文字を使った「強いパスワード」を入力するのは難しい。
しかも、パスワードを入力する際にカナロックやIMEの設定に注意しなければならない。大人でもハマることがある。

〇パスワードの記憶
自分のパスワードを覚えていられない可能性は高い。
子供に限ったことではない大人でもそうだ。
年度の初めに初期パスワードを書いたカードを渡しても、持っている生徒・児童は少ない。几帳面な性格な子は筆箱にしまっていたりするのだが、カードをもらったことさえ忘れている子は多い。

授業の初めに、ログインできない児童・生徒がいたら、先生がログインを手伝わなければならないが、ログインできない児童・生徒がたくさんいたら授業どころではなくなる。

ログインを手伝うときにはパスワードを聞き出す可能性は高いし、生徒・児童が忘れていたら、先生が、初期パスワードを確認したり、リセットできなければならない。

だから、学校がパスワードを管理するのは理想的ではないが合理性はあると思う。

★教育村とセキュリティ村

パスワードが管理できない大人はたくさんいる。
パスワードの必要性、重要性が説明できない大人も多い。
多くの会社や組織では、セキュリティに明るい人は少ないし、セキュリティの重要性を理解していない人が多く、セキュリティに金をかけない。
それは、先生も教育委員会の人達も同じだ、彼ら・彼女らはセキュリティの専門家ではないのだから。

セキュリティはゼロリスクを目指すものではない。
セキュリティの専門家ではない、生徒・児童、保護者、教師、教育委員会の人達が教育の現場で必要かつ実現可能な対策をとるには、専門家の助言と、それぞれの立場でリスクを負う人が必要だ。

政府が基準を示すだけでは解決しないだろう。
また、セキュリティ村の人が、「これだから教育村はダメなんだよ!」と言うことでも解決しないだろう。

セキュリティ村も人材が不足していることは知っている。
教育村のセキュリティの仕事は少ないし、儲けにならないことも理解できる。
それでも、セキュリティ村の人たちは教育村のセキュリティレベル向上に貢献できるのではないか。

今の労働市場は、歳をとっているだけで労働者としての能力や価値を否定されるのだが、
セキュリティ村出身の年寄りでも教育村で能力を発揮できると思う。


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2021年9月28日 (火)

いじめ問題とICT <学校だけの、子供だけの問題ではない>

町田市の小学校で発生したいじめ事件が話題になっている。
第三者委員会が設置されたらしいので、原因が解明できて再発が防止できることを願っている。

一連の報道で気になるのは、主因でなく遠因がフォーカスされていること。
マスコミは原因を解明することが目的ではないから仕方がない。
販売部数や視聴率が取れそうな話題にフォーカスするのは仕方がない。

多くのマスコミが取り上げている話題は、GIGAスクール端末の

  • パスワードが共通だったこと
  • チャットが規制されていなかったこと

が指摘されているが、どうもすっきりしない。
この2点は主因ではないからだろう。

こんな記事が目に留まった。

異なるパスワードを使っていても、チャットを規制していても、この問題は解決しない。
なぜなら、問題はいじめが存在し、大人がいじめに対応することができなかったことだから。

マスコミが取り上げている問題を考えてみた。

パスワードの管理とチャットは重要だ。
とはいえ、パスワードの管理が杜撰だとか、個人同士のチャットを規制していないなどの正論を唱えても問題は解決しない。

●パスワードの管理

低学年では難しいだろう。高学年になっても、いきなり管理するのは難しい。
30人もいれば、capsやカナになったままパスワードを入力したり、パスワードを忘れたりする子供はいる。
このようなログインのトラブルに1人の教師が対応していたのでは、学習の時間がなくなってしまう。

パスワードの管理について正論を述べているマスコミは多い。
しかしだ。
大人は皆、マスコミが書いているようにきちんとパスワードを管理しているのだろうか?
ポストイットにパスワードを書いてディスプレイの縁に貼っている大人はいないのだろうか?
"1234"や"qwer"をパスワードにしている大人はいないのだろうか?

学校だけの問題、子供だけの問題にしてはいけない。

●チャット

GIGA端末で自由にチャットが使えることについては、整備される前から議論があった。
GIGA端末に限らずSNSの利用や文字でのコミュニケーションの注意点は、多くの学校で、情報モラルの授業で教えている。
チャットを規制していない学校は、検討した上でチャットを規制しなかったのだろう。

全ての親や教師などの大人が、適切なSNS使い方を指導できるわけではない。
それは、SNSで頻繁に発生する、誰かを死に追いやる炎上を見れば明らかだろう。

GIGA端末でチャットを規制することは問題の解決にならない。

子供たちは遅かれ早かれスマホを使うだろう。
それまでに、SNSでのコミュニケーションについて指導できなければ、問題を先延ばしするだけだ。

結論

パスワードの管理やチャットの利用について正論を語ることは簡単だ。
大人は、子供たちに満足な指導ができないことを知るべきだ。

そこから、始まる。


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2021年6月 7日 (月)

教育現場の連絡手段

教育現場の連絡手段は令和時代でもやはり…
ICT教育の情報収集は意欲的だが環境は未整備
東洋経済 (2021/01/10)

まだまだGIGAスクール構想自体の具体的な内容の啓発は必要と考えられるが、ICT教育に向ける先生方の興味関心は高く、情報収集や研修などに積極的に取り組んでいる様子がうかがえた。

と結論付けているけれど、アンケートに答えた人は意識が高く、意識が低い人はアンケートに答えていないのではないだろうか?

閑話休題

 業務改革にICTは付き物だ。そして、業務改善にICTを使うのではなく、ICTが活用できるように業務を変えることが重要だ。

 これまで、何度もIT化(古くはOA化)の掛け声のもと業務改善に取り組んできた。ところが、改善できないのである。なぜならば、改革でなく改善しているから。

 ICTの活用に取り組む人の多くは、現在の仕事のやり方を変えずに、個々の業務をICT化する。すると、ICT化は進むが業務は改善しない。改善しないどころか手間が増えたりする。

 学校ではGIGAスクール構想の目的を理解しないまま、これまでの教え方をICT化しようとしているのかもしれない。

 例えば、板書の代わりに大型ディスプレイやプロジェクタに表示する例は多いようだ。たしかに先生の手間は省ける。これをGIGAスクール構想で導入される、生徒のタブレットに表示したところで、先生から生徒に対する一方向の授業に変わりはない。

〇ノート

 生徒が手書きでノートを取ることに拘る人も多いようだ。

 漢字が書けなくなるとか、メモが取れなくなるとか理由を挙げるのだが、これまでは、手書きでメモを取る技能は必要だった。しかし、将来、手書メモの重要性は現状のままなのだろうか?音声認識技術も実用化されているし、携帯可能なデバイスも実用化されている。

〇辞書

 紙の辞書を引くことに拘る人も多い。

20年くらい前に娘が中学生だったときに、授業で電子辞書が必要だというので貸したことがある。娘に「軟弱者め」と言ったら、娘曰く、先生が電子辞書にしなさいと言ったのだと。

 先生は、辞書を引く目的は単語の意味を知ることだから、紙の辞書は効率が悪く授業時間がもったいないのだとおっしゃったらしい。

 とうとう、そんな時代が来たかと思ったのが20年前だ。ところが、未だに紙の辞書を引くことが重要らしい。

 全ての辞書がデジタル化するまでは、紙の辞書を引く最低限の技能は必要だが、紙の辞書を引く技能を向上させる必要性は低い。 今時一般人は、Googleに尋ねる方が速い。そして、子供たちは常時ネットにつながるタブレットを持つようになるのだ。

 板書も、紙の辞書も時代遅れだから廃止すべきというつもりはない。確かにこれまでは重要だった。 それは、その方法しかなかったからだ。別の方法方が使えるようになった今、板書、紙の辞書を引くことの目的を考え直す必要があるのだろう。

 目的を考えれば自ずと、現在において最適な方法が見えてくるだろう。

 もちろん、その方法は未来永劫最適とは限らない。


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2021年5月23日 (日)

GIGAスクール構想のハードウェア

GIGAスクール構想でChromebookがシェアを拡大する一方でiPadが苦戦している理由  @DIME 2021.05.16

GIGAスクール構想で導入されている端末は、Chromebookが44%、WindowsとiPadがそれぞれ23%くらいらしい。思いの外Chromebookが多い。

ICT業界にいる人は配布されるハードウェアに目を奪われてがちだが、ChromebookかiPadかWindowsかは些細な問題だ。問題は他にたくさんある。

◯結論を先に
大人が、GIGAスクール構想を理解しなければならない。

  • 保護者、特にICTに詳しい保護者は教育現場を知る努力をすべきだ。貢献できることが沢山ある。
  • 教育者、特にICTに疎い教育関係者は外部の知識を活用する努力をすべき。
  • 教育行政に携わる人は、目的とビジョンを、役人言葉でなく平易な言葉で説明する努力をすべき。

◯ハードウェア
GIGAスクール構想の整備は国が全て面倒見てくれるわけではなく、1人あたり4,5000円の補助なので、あとは自治体の負担だ。

国から昨年度中に全員に1台配布するように指示されているので、自治体の財政状況と、児童生徒数で選択肢が限られる。予算と折り合うのはChromebookが多かったということだろう。

◯教育支援ソフト
配布される端末(H/W)に目を奪われてがちだが、ソフトも重要だ。
教師が資料を児童・生徒のPCの表示したり、教師、生徒・児童が情報を共有したり、課題を配布・提出する機能が必要だ。この機能がないと検索専用端末になる。(最初は検索にしか使われないのでは)

◯オフィスソフト
また、今時はオフィス・ソフトも必要だ。
MSOffice(デスクトップ版/オンライン版)にするのか、それとも、google アプリにするのか、iOS付属のアプリにするのかで金額が変わる。自動・生徒全員分だから馬鹿にならない。

現在、社会はMS-Office全盛だからMS-Officeが良いだろうと考えるのは早計だ。教えるべきはWord、PowerPointを使って印刷物を作る技能ではなく問題解決にワープロ・ソフト、プレゼンテーション・ソフトを使う方法だ。

◯後年度負担
さらに、今回の整備は国の補助があるが、リプレース時に補助があるかどうか分からない(国民の関心次第)ことを考えると、初回整備で無理をするとリプレースできなくなるかもしれない。

リプレース時期を延延ばしても子供に4年も5年も使わせるのは無理だろう。と考えると、持ち帰りを許可せず、たくさん制限して使いにくくせざるを得ない。 +_+)

◯回線
回線も問題で、Wifiモデルにすると学校の設備が必要だが、帯域保証すると回線料金が高いのでベストエフォートにせざるを得ない。実際20MBpsくらいしか出ない回線はあってこれを数百人が使うことになる。(授業で使用すればするほど使えなくなる。)

遠隔授業で先生の講義を配信しようとすると家庭の回線環境にに左右される。兄弟姉妹がいて、両親がテレビ会議で使っていたら、従量制や上限がある回線契約ではすべての授業で映像を配信するのは難しい。

LTEモデルにすると校外学習で使えたり、家庭で家族に気兼ねなく使えるのだが、ランニングコストが高い。

先進的な取り組みをしている学校では既に学年単位で1人1台PCを整備した学校があるようだが、GoogleやMS、キャリアに協力してもらっていたようだ。さすがにキャリアは全て面倒見れない。

◯予算
予算の制限があるなら、何を重視するかは自治体(教育委員会)次第だ。ところが、教育委員会には現場を知る人が少ないらしい。いたとしても教師には予算獲得、契約などの役人仕事は難しいだろう。

「将来の日本のために教育は最優先課題」は超正論で若い世代には受け入れられやすい。しかし、高齢者や高齢者率が高い自治体にとっては高齢者福祉政策の方にに関心があるだろう。

だから、トップのリーダシップが必要だ。

環境整備が進んでいるのは教育に力を入れている地方の自治体で、コロナの前から1人1台配布されていたりする。子供が少ないので予算額が少ないから、トップが裁量できる範囲におさまる。自動・生徒の数が多いと選択肢は少なくなる。

Chromebookのシェアが多いのは、予算という制限の中での妥協の産物かもしれない。

◯結論
環境を整備する人、教える人、保護者など、全ての大人に、GIGAスクール構想を理解している人が少ないように思う。子供たちがパソコンを使うことが目的ではないし、授業でICTを使うことが目的でもない、ハードウェアは道具に過ぎない。

ネットを見ていると、手段や道具についての議論が多いようだ。自分が詳しいところについて、行政や教育現場を批判する人は多い。しかし、目的を理解した上での批判でなければ、世の中は変わらない。

  • 保護者、特にICTに詳しい保護者は教育現場を知る努力をすべきだ。貢献できることが沢山ある。
  • 教育者、特にICTに疎い教育関係者は外部の知識を活用する努力をすべきだ。ICTを使うことでできなかったことができるようになる。
  • 教育行政に携わる人は、目的とビジョンを、役人言葉でなく平易な言葉で説明する努力をすべきだ。一般時は役人言葉を理解できない。

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2021年5月15日 (土)

GIGAスクール構想の後

EDIX Tokyo 2021に行ってきた。(教育総合展2021 (2021/05/14))

人ごみをかき分けるのは気が引けたので、朝一から最後までセミナーを受講した。
立命館小学校 ICT 教育部長 正頭英和先生の講演が良かった。

話題はGIGAの後何をすべきか?

「チョーク黒板さえあれば授業はできる」のような話を聞くことが多かったので、ちゃんと考えている現場の先生もいるんだと安心した。

GIGAスクール構想は生徒・児童に端末端末を配ることが目的ではないし、紙と鉛筆をICTで置き換えることが目的ではない。ICTを使うと授業が効率化できて、これまで8時間必要だった授業が6時間でできるようになる。生み出した2時間で何を教えるかが重要だとおっしゃる。

現場には、ICTvs紙と鉛筆、1人1台端末は必要vs必要ない、教えられるvs教えられないという二項対立問題として捉える教師は少なからずいる。今後教師が生徒・児童に、教えられないことは今以上に増えるだろう。これまでは正解があって教えらることしか教えていなかったから、顕在化していなかっただけかもしれない。

正頭英和先生は、教師は教えることから生徒・児童と共に体験することが必要だとおっしゃる。

正頭英和先生が紹介された事例が良かった。

小学5年の児童がある日「先生、メガロドンは生きてると思う」と言ってきたそうだ。
先生自身はメガロドンに詳しいわけではないから、スマホを使ってWikipediaで調べたら360万年くらい前に絶滅したサメだということが分かったらしい。

大人はつい「絶滅していると書いてあるよ」と言ってしまいがちだが、先生が「何でそう思うの?」と尋ねたたら、その児童の答えは要領を得なかったそうだ。

そこで、サメの研究者を調べて電話したら、その研究者がzoomで授業に参加してくれることになったらしい。(すごいフットワークだ)
「メガロドンは生きていると思う」と質問した児童に対して、研究者の先生は「ぼくもメガロドンは生きていると思う」と答えたそうだ。
そして、メガロドンが生きていることを証明できる条件を教えてくれたそうだ。

その児童は六年生になって、メガロドンが生きていることの証明に取り組んでいて、将来サメの研究者になりたという希望を持っているそうだ。

先生も知らないメガロドンに関する児童の興味を問いに変えて、さらにその問いを、自律的な学習につなげている。おそらくその児童の自律的な学びは続く。

重要なことは、こどもが発信したこと疑問に変えることだ

正頭英和先生によると、子供たちからいきなり疑問が出てくるわけではなくて、嬉しいこと、悲しいこと、困ったことは発信されやすく、教師はそれを見つけて問いに変えることが必要なのだとおっしゃる。そして、その問いの答えは教師が教えるのではなく、子供が自ら見つけるものだと。

とはいえ、この考え方を具体的な行動に落とし込まなければ、現場でこどもたちに寄り沿うことはできない。

具体的な行動として次の3点を、正頭英和先生は挙げられた。

  1. その子の持つ少し外の情報を与える
  2. 子供の発信を問いに変える
  3. 小さな問いを大きくする

こどもたちへの対応を一言でうと、
「スピード・ポジティブ・ハイテンション・フィードドバック」
らしい。

教師に求められる役割は変わったようだ。

知識を子供に教えることから、こども自信が自ら学び自ら答えをみつける行動様式を身につけさせることになった。

質問をした児童が将来サメの研究者になって、メガロドンを発見したらすごいことだ。
もし、そうなったときに正頭英和先生の最大の功績は、児童の可能性を潰さなかったことだろう。

大人が子供の可能性を潰ぶさなければ、大人たちが解決できなかった問題を子供たちが将来解決してくれるだろう。

日本の教育界も捨てたもんじゃないと思う講演だった。


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