キットを作ること
時々、ハードウェアの勉強をしたいと相談を受けることがある。
こんなときには、相手が何の勉強をしたいかよく見極めてアドバイスしなければならず、安易に、キットでも作ってみたらとアドバイスしてはならないと思う。
勧める内容 | 得られる技能 | 得られること |
---|---|---|
キット | はんだ付け | 完成したという達成感 |
デッドコピー(雑誌・Netの記事) | 実装 | 回路図には書いてないことが分かる |
記事のModify(回路の切り貼り) | 必要な機能の実現方法 | 設計者の意図を理解できなければ切り貼りできない |
自分で設計・製作 | 設計 | 商売にするのは大変 |
ハードウェアの勉強をしたいという人で、はんだ付けができるようになることを目標にしている人は稀である。
たいていは、確実にハードウェアを動作させたいとか、自分が必要な機能が実現できるようになりたいとか思っているのではないだろうか。
はんだ付けができない人や、初めて電子回路に興味を持った人にはキットが有効である。たいては完成できるので達成感を得ることができ、次のステップに進もうと思う。
しかし、いつまでもキットを作っていてはいけない、キットを作ると電子回路を作っている気分になれるが(初心者にこの達成感は必要かつ重要だが)はんだ付けの勉強をしているだけである。*1
ただし、マイコンの勉強をしたい人で、マイコンのプログラミングを勉強したい人には、既製品や評価ボード、キットを勧める。
動かない場合には、ソフトとハードの切り分けが必要となるが、ハード部分が既製品や評価ボード、キットで確実に動作することが分かっていれば、安心してソフトの勉強に注力できる。
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昔ラックスキットのコントロール・アンプのキットを作ったことがある。このキットは部品の分類、組み立ての説明書もわかりやすく、よくできていた。
でも、途中からラックスの下請けをやっているような気がしてきた。まあ、安い製品が欲しかったので組み立て工賃の一部を肩代わりしたと思えば、これもありである。
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TD4を表面実装部品で作って、基板も作って、それを領布している人がいるようだ、
この人が書いているようにここまでやるととても勉強になるだろう。
しかし、領布を受けて作った人が得られるものは、表面実装部品のはんだ付けだけではないだろうか。
TD4は、自分で作ることに意義があって、できたもの(4bitCPU)に実用的価値は無いと思う。
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