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2012年8月11日 (土)

Google 20%ルール

イノベーションのジレンマ」に陥らないようにするための工夫

 既存の優良企業が行っている開発は持続的なイノベーションであり、優良企業であり続けるためには持続的イノベーションが必要であるが破壊的イノベーションの前には無力である。
 この対策としてGoogleは業務の20%の時間を自分のプロジェクトに割り当てるというルールを設けているそうだ。古くは3Mに15%の同様のルールがあったらしい。

ここに20%ルールを導入しようとしている人のblogがある。実際に導入し成果を上げるためには次の問題点あるようだ。

  1. 義務か推奨か
    業務時間の20%を自分のプロジェクトに使うことを義務化するか、推奨に留めるか
  2. 評価
    アプトプットをどのように評価するか

 σ^^)も考えてみた。

文化的観点
 成果主義、個人主義の欧米では、他の人とは異なる成果を上げたいという動機が存在する。また、ジョブデスクリプションの逸脱は困難なため、自分で管理・差配できる時間に対するニーズが存在する。
 一方年功序列、日和見主義の日本では、他の人と比較して能力が劣らないように勤務年数を重ねることが重要で、日和見主義(協調的)の観点から抜け駆を嫌うという性質があり、自分で管理・差配できる時間に対するニーズは低いと考えられる。

ワーカー的観点
 義務化された場合には失敗したときに言い訳ができるという心理は働くが、義務化によってモチベーションが低下するおそれがある。
 推奨された場合には制度の利用は任意であるから、制度を利用した結果が求められるが、破壊的イノベーションを目指すことはハイリスク・ハイリターンであるからリスクを取りたくないという負の動機がある。

マネージャー的観点
 破壊的イノベーションの創造に割り振った20%分を超える成果を上げればよく、実際には、誰か1人でも破壊的イノベーションが達成できたなら十分お釣りが来るであろう。
この制度の導入は従業員が決める問題ではなく、マネージャーが判断すべき問題であろう。
ただし、実際の運用はモチベーションを低下させない仕掛けが必要である。

σ^^)的観点
 σ^^)が制度を利用する立場ならば、σ^^)は山師的気質があるので、推奨でもこの制度を使用すると思う。でも、リスクヘッジは必要と考えていて、スキルアップを兼ねるテーマを選ぶと思う。

 マネージャー的立場ならば、破壊的イノベーションはマネージメントできるのだろうかと考える。
ワーカー的観点で考察したように、管理的(義務的)に運用することでのモチベーションが低下する可能性はあるが、義務的運用で、モチベーションが低下するような人材には、破壊的イノベーションが起こせるとは思えないので気にしないという選択もあるのだが...

 この制度を導入するなら義務ではなく推奨として導入し、モチベーションの低下を防ぎつつ、破壊的イノベーションはモチベーションの高い人材に期待する。←普通だな!思考が足りてない!

 3Mは15%で運用していたそうだが、Googleが20%で運用している。20%はかなり大きな値で、成果はモチベーション依存であることを考えると、最悪実績が20%低下する可能性がある。

 成果=(能力×モチベーション) ≧ (実績見込み*20%)とすると、Google社員のモチベーションはかなり高い。
成果に対して高いモチベーションを有している環境・社風だからこそ可能な制度かもしれない。

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