逆風野郎 ダイソン成功物語
自伝なので多少割り引いても、意志の強さと行動力は大したものだ。
ブレークスルーした者がその報酬を得るべきという強い信念を感じる。
反面、テストを重ねより高い完成度を目指す(エジソン式手法)が重要であるという。
明治大学 小笠原泰教授によると、前者はイノベーションにおける欧米的考え方、後者は日本的考え方だそうだ。
日本式経営をまねたわけではないとダイソン氏は言っているが、(ちょっと前までの)日本的経営に似ているといっている。
日本人が気づいているように、僕らも自分たちの強みが取締役会や幹部社員の質にあるのではなく、社員みんなの質、努力、知性、そして何よりも情熱にあることを知っている。
P137
この本が上梓されてから僅かの間に日本人はこのことを忘れてしまったのかも知れない。欧米的手法と日本的手法の微妙なバランスをとることが日本が目指すべき姿で、既に破たんしている欧米式成果主義への妄信を捨てなければならない。
ダイソン氏によると、鉄の女サッチャーの新自由主義で英国は英国病から立ち直ったけれど副作用も多かったらしい。
日本でも新自由主義の副作用はずいぶん顕在化しているが、"日本病"から脱却できているのだろうか。
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