ピーターの法則
ピーターの法則 創造的無能のすすめ ローレンス・J・ピーター ダイヤモンド社
「リーダーを育てる会社つぶす会社」でピーターの法則に触れたので
ピーターの法則
- 階層社会では、すべての人は昇進を重ね、おのおのの無能レベルに到達する。
- やがて、あらゆるポストは、職責を果たせない無能な人間によって占められる。
- 仕事は、まだ無能レベルに達していない者によって行われている。
第1法則は、二十数年前に林晴比古氏がOh!PC(をを懐かしい)で連載されていたエッセイで知った。当時はピーターの法則を知らなかったので、この本を知るまで林氏オリジナルかと思っていた。また、野口悠紀雄「超」整理法の「押し出しファイルシステム」も林氏のエッセイで知った。結構他の本から題材にしていたのね。(出展は示されてなかったような...)
閑話休題
ピーターの法則は年功序列型組織、階層型組織、官僚的組織ではよく見かける光景である。ところが、官僚的組織は良くできていて、第三法則により十分機能するようになっているようだ。
担当で判断できないことは上位の職に判断を任せるのである。上位の職でなければ意思決定できない問題はあるが、判断はもとより意思決定も上位の職に任せてしまうのである。
たいていの階層は無能者で占められているので判断は上へ上へと上がり結局、無能レベルに達していない者が意思決定する。(エスカレーションとかホウレンソウとかいう言葉で誤魔化してしまう)
最悪のケースは自分では無能レベルに達していないと思っている無能レベルに達している者が頑張って意思決定することである。大抵事態は悪い方向に遷移するので結局、無能レベルに達していない者が出てきて苦労して解決する。
階層型組織、官僚的組織の意思決定が遅い理由はここにあるのである。大抵は穏当な意思決定がなされるのであるが、意思決定までの時間が長い。(つぶやくと決まってしまうといういうのも?だが...)
「リーダーを育てる会社つぶす会社」にあるパイプラインモデルは一つの解決策で、これから組織をデザインしようとしているか、まだ再構成する余地がある場合には有効であるが、既存の階層型組織、官僚的組織に適用できるかは疑問だ。
技術者の無能レベル
技術者における無能レベルについて考えてみた。
○ 技術者を目指し就職すると学校で習ったことが社会で役立たないことに気が付くので、その職に必要とされる技術を習得する。
○ 技術を習得すると、一生食っていける技術は無くて、常に新しい技術を習得しなければならないことに気が付き新しい技術を習得する。
○ そして、新しい技術を習得する意欲が無くなったときが技術者として無能レベルに達したときである。
技術者として無能レベルに達したときの選択肢は2つある。
- 古い技術にしがみついて生きる
例えば、COBOLやFORTRAN等のプログラムのメンテやZ80や680x(んσ(^^のことか)等、古い技術が必要とされるケースはある。 - マネージメントに職を変える
この選択をして失敗している人が多いように思う。
だって、マネージメントの勉強・訓練をしていないのだから、いきなりマネージャになっても無理というものだ。
最近の若い人は、技術もマネージメントもバランス良くやりたいという人が増えてきたような気がする。
技術者をマネージメントしようとすると、技術に明るくなくてはならない。最低、若い間に新しい技術を一生懸命追いかけたことがなければ技術者のマネージメントはできない。(個人的意見意見だがマネージメントされる側として嫌だ!)
マネージメントの勉強をして技術者を直接マネージメントしなくてよい上層のマネージャになる方法はある。
いずれにしても、技術とマネージメント両方を適当にやるという姿勢ではだめで、どちらか又は両方を一生懸命やらなければならない。
「技術もマネージメントもバランス良く」が、単に無能者が充満した組織に適合しようとしているだけでなければ良いのだが。
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