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2013年1月

2013年1月31日 (木)

コンピュータが仕事を奪う

コンピュータが仕事を奪う 新井紀子 日本経済新聞
Photo

 これまでコンピュータは決められたことを素早く正確に処理すること、情報を記憶し短時間で検索するなど演繹的処理が得意であるとされていたが、記憶容量が増大したことにより、これまで人間でなければ処理できなかった帰納的処理が可能となった。
 大量の情報にタグを付加し学習させ、パターンマッチすることにより確からしい結果を導くことが可能となった。1テラを聞いて十を知る時代だそうだ。

 新井紀子氏は、これからのホワイトカラー(ちょっと古い表現だが)の仕事は上下に二分化されるという。

  • 人間であれば多くの人ができるがコンピュータにとっては難しい仕事
  • 人間の中でも一握りの人々しか行えない、文脈理解・状況判断・モデルの構築・コニュニケーション能力等を駆使することで達成できる仕事

 問題解決のために人間が処理すべき作業とコンピュータが処理すべき作業を考え、適当なツールを選択してコンピュータで処理する方法と、決められたアプリを使うためにデータのコピーや正規化などの前処理とコンピュータの処理結果の整形をする方法では 一見同じように見えるが、前者は知識・技能が必要であり、後者は知識・技能が必要でない。
 ちょっと前までは、知識・技能が{ない|なくなった}者を雇用しておくためにあえて手作業を残すことがあったけど...

 この本を読んで、40年以上前に読んだ星新一の「ちぐはぐな部品」に収められている「神」を思い出した。いずれコンピュータは神をも取って代わる存在になるのだろうか。

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 著者の新井紀子氏は教育者らしくこれからの教育についてもふれている。

 日本の教育が暗記偏重であることは、ゆとり世代に始まったことではなく古くから続いていることである。古くは中国、明治維新後にドイツ、戦後は米国と時と時代をこえて常に外国から学んでおり、先行している者から知識・技術を学ぶには暗記することが最も効率が良かった。
 これからは誰でも高性能のコンピュータが使用できるようになっているのであるから、コンピュータに使われる人ではなくコンピュータを使う人間を育てなければならない。
 そのためには、論理的に考え、それを文章化する能力が必要である。

たしかに、理系・文系に依らず論理的思考が苦手な人が書いた文章は論理的ではない。

 学校教育の数学は手計算に拘る。進学塾の先生に言わせると数学は反復練習だそうだ。正答率を上げるためには、思考能力は重要でなく公式の記憶力と計算速度が必要であり、トレーニング方法は1つの問題を深く考えるより、たくさんの問題を解く方法が効果的なのだそうだ。
 現在の学校教育では理系・文系に分けるけれど、極論すれば、理系とは高校まで数学で落ちこぼれなかった者であろう。しかし、理系といっても論理的思考能力が高いとは限らない。公式が記憶できて計算能力が高ければ何とかなる。一方で数学的な問題の独創的な解法を思いつくけれど、計算能力が低い者が落ちこぼれている可能性はある。

 社会に出ると手計算でなければならないことはほとんどない、、コンピュータを使って仕事ができるようになると、処理速度が必要な部分はコンピュータにやらせて、人間は問題を解くアルゴリズムを考えるという戦略をとることが普通だ。不必要に手作業している者はハッキリ言ってイタイ子だ。

 小学校のとき算数の授業で算盤を習った。担任の先生は、「君たちは社会に出て算盤を使うことはないだろうから電卓を使います。」と、おらく学校にあった唯一の電卓(さすがに手回し計算機ではなかった)で授業をされた。先見の明をお持ちだったと思う。

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 どうしても制限時間内に、問題を解かなくてはならないとしたら数独を選ぶかクロスワード・パズルを選ぶかという問いに対して。数学が得意だった人は数独を選び、苦手だった人はクロスワード・パズルを選ぶそうだ。
数独は必ず解ける解法があるが、クロスワード・パズルはカギに対する単語を知らなければ解くことはできないからである。

 コンピュータが使える人は間違いなく数独を選ぶであろう。数独は虱潰しで解いても今時のパソコンを使うと瞬時に解ける。しかもプログラムは再帰で書ける。
 一方、クロスワード・パズルの解法を考えると、単語の意味を形態素解析したデータベースを用意して、カギを形態素解析し、共起パターン、既知の文字、語長で単語を検索すると解けそうだ。シソーラスが必要かも。(日本語シソーラスは存在するらしい。書籍版\15,000 CD-ROM版\9,975だそうだ。)
 本当にパソコンでクロスワード・パズルを解くプログラムが作れるかも。

2013年1月29日 (火)

キーワード分析 2012

2012年にこのブログに書いた駄文をPoralisを使ってkeyGraph分析してみた。

 keyGraphは、東京大学大学院工学研究科 システム創成学専攻 大澤幸生 教授が提唱する手法で、すごくざっくり言うとキーワードの出現頻度及び共起関係を可視化するツールである。詳しくはこことか、大澤幸生教授の論文を参照のこと。

このブログの分析結果↓
Blog2012

 黒いノードは出現頻度の高いキーワードで、ほかのキーワードと共に使われる(共起する)とノード間が線で結ばれる。(リンク)
 黒に緑の縁取りがあるノードは出現頻度が高くリンクが多いノード、つまり重要なキーワードということになる。
 赤いノードは出現頻度は低いけれど、出現頻度の高いキーワードと共に使われたキーワードで、重要なキーワードの関係を示すのだそうだ。
例えば、上のグラフで「人材」と「空気」は重要なキーワード(緑縁)で赤いノード「マネージャー」で繋がっているので、「マネージャー」というキーワードは出現頻度は低いけれど重要であることが分かるのだそうだ。

 2012にこのブログに書いたことを一言で言うと、

人材育成や職場の空気の醸成にはマネージャーが重要である。

ということか。

 このブログ本来テーマであるCPU関係のキーワードが少ないような気がするが、画像やリストが分析対象になっていないからかもしれない。

2013年1月27日 (日)

JRC MUSES

JRCのMUSESについてトラ技2013/2(2013/1/21)で書いた。
聴きもしないで論評するなという声が聞こえてきそうだ。

 あれれ、こんなところにMUSESが (←リンク先が変わっていた2018/3/21)

Muses8820 Muses8920
↑バイポーラのMUSES8820 ↑J-FET入力のMUSES8920

 さすがにMUSE01、MUSE02は踏ん切りがつかなかった。でも廉価版といえどもコンセプトは同じはずである。

 前置きはともかくとして、LXU-OT2のNJM4556とMUSES8820を取り替えてみた。

わくわく。 第一印象は...

...変わらないんじゃね /☆(>_<)

 ぶっちゃけ、NJM4556とMUSES8820とMUSES8920の差は分からない。
無酸素銅のお札を\3,500で買わないとご利益がないのかなあ。

 ものは試しと、オーディオ用ではないNJM072DとTA75358Pで聴いてみた。

Muses8820 Muses8920
↑J-FET入力のNJM072D
オリジナルはTIのTL072
↑低消費電力汎用のTA75358P
オリジナルはNSのLM358

 NJM072Dはなんとなく違うような、TA75358Pはちょっと違うような気がするが、ブラインドテストで聞き分けられる自信は無い。

耳が劣化していない知人に聞いてもらおうか。

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あれれ こんなところに 5532が

Njm5532d Ne5532p
↑JRCの5532D ↑NE5532PだけどTI

 MUSES8820と聴き比べてみると、う~んなんとなく違うような...変わらないような。

 NJM5532Dでしばらく聴いてみると...不満は無い。

2013年1月25日 (金)

Yes but

 発言の冒頭に「でも」を付ける癖がある人との会話は疲れる。
かつて自分もそうだった、今でも気を付けていないとこの癖が出てしまう。
 そこでテクニックとして「Yes bat」使う、否定的な意見を言う前に相手を肯定することにより婉曲に否定するわけだ。
 一旦持ち帰らせてくださいも同じである。ハナから相手の提案を受け入れるつもりはなくても、直ちに否定せず検討する振りをする。 持ち帰った後は「2,3日寝かしておけ」となる。

 交渉のテクニックとしての「Yes But」について否定的な意見をITProで吉岡英幸氏が書いておられる。

閑話休題
 誰かが正論をぶったときにおじさん達は「御説御尤も(Yes)。しかし現実は(But)~」となる。おじさん達はそれなりに人生を経験しているのでButの部分はいくらでも思い付く。心の沸点が高くなっているのだ。

 正論に対して諸手を挙げて賛成できないのは、リスクを避ける心理からではないかと思う。リスクを負いたくないと考えるのは至極普通の考え方であるし、リスクを負ってそれに見合うリターンが見込めない場合には尚更である。

 正論に踊らされて努力したがそれが実現しなかった場合に人はそれを損失、即ちリスクと感じるのであろう。

 AかBかを選択するという判断をしなければならない場合には、どちらを選択したとしてもリスクを負わなければならないだろう。ところが、選択しないこと、行動を起こさないことの方がリスクが少ないと思い込んでいるのではないか。この傾向はおじさんたちに限らないようだけど。

 正論(理想)を実現しようと考えることは、AかBかを選択する行為とは異なる。
理想を追い求めることにリスクなど無いと考えるか
理想を追い求めることは空気に抗うことと同義であるから最も高いリスクと考えるか。

と食あたりで痛い腹を抱え日永寝ながら考えた。

2013年1月23日 (水)

ゼロからの挑戦 / JAL再建の真実

ゼロからの挑戦 稲盛和夫 PHPビジネス新書
Photo_2

 稲盛和夫氏が、JAL再建に関して何を考え、どういう行動をしたか、を期待して読んだ。
大部分は、他の書籍の内容をまとめた(端折った)感じなので、どこかで読んだ気がする内容である。
新書本だから仕方がないのかもしれないが、JAL再建に関しても端折った感がある。もう少しページがあると良かった。

 この本は稲盛和夫氏の観点で書かれている。稲盛和夫氏が行ったことは、本に書かれていることおり稲盛哲学を社員に徹底させたということであろう。
社員が稲盛和夫氏の哲学を受け入れJAL哲学を作るまでの過程については、別の観点で書かれた書籍を読む必要がある。

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 ノーベル賞の中山教授が高校生に行った授業 「人間万事塞翁が馬」は、第26回京都賞ウイーク 教育イベント高校生特別授業「京都賞 高校フォーラム 」 のものだということを知った。


JAL再建の真実 町田徹 講談社現代新書
Jal

”JAL復活”を知りたくて、「ゼロからの挑戦」を読んだところ、期待はずれだったので、そのものズバリの本書を読んだ。
JALの斜陽から、政治主導による破綻、そして復活まで書いてあるが、著者は部内の人ではないので”JAL復活”が客観的すぎる。

JAL復活に関わった、近くで復活を見ていた、復活に携わった人が書いた”JAL復活”を読んでみたい。


読んでみた→JAL再生(2013/03/06)

2013年1月21日 (月)

トランジスタ技術 2013/2 「作る!Myディジタル・オーディオ」

トランジスタ技術 2013/2 作る!Myディジタル・オーディオ

Stereo誌オマケADCで遊んでいるのでタイミングが良いなあ
Feb2013

オーディオ雑誌のように認知科学の世界に踏み込まないようにしているのは技術雑誌の自覚か。

 コラムに
「11kHz付近で位相雑音が5dB改善される 低ジッタ・クロック回路で高S/N再生 」
の記事がある。

 「位相雑音が5dB改善される」だけ読むと”おや”だけど、記事を読むと、信号(11kHz)付近にある-100dBくらい雑音が5dB改善されるという内容であった。
オーディオマニアの中にはこの変化がわかる人がいるからなあ...

 CQ出版は、MUSESヘッドホン・アンプ完成基板ユニットを\17,850で発売するらしい。
OP-AMPはJRCの高級オーディオ用OP-AMPのMUSE02だ。
JRCにMUSEのオフィシャルサイトがあって、ここを見ると、説明がいかにも感覚的だ。

 MUSESのコンセプト

数値として表わせない「音の奥行き感」「広がり感」「楽器の響き」にこだわり、回路構成、チップレイアウト、製造プロセスを最適化しました。

らしい。数値として表せないと言い切ってしまうあたり相当マニア向けを意識しているようだけどマーケットは広くないような気がする。1個\3,500のOP-AMPが、すべてのオーディオ機器に採用されるわけではないだろう。

 オーディオマニア向け製品を対象にするのではマーケットが小さすぎるのでMUSESが商売的に成功するとは思えない。
JRCはセカンドソースを作っている会社というイメージを払拭するためにフラグシップが欲しかったのか?

 しかしである、
作っている技術者はMUSESの「数値として表せない」という売り方をどう思っているのだろうか。 技術者として、「数値として表せない」はクオリティが制御できないと同義であると思うのだが。

 定番・伝説のオーディオ用OP-AMPといえばRaythonのRC4558やSigneticsのNE5532だけれど、RC4558やNE5532はオーディオ用として売り出されたわけではなく当時主流だった製品に比べて低雑音、高速、広帯域、高出力、デュアルという使いやすさが受け入れられた理由だろう。

 最近は、どこのメーカでも低雑音、高速、広帯域の製品をオーディオ用として売っているので、JRCがいくら自信を持った製品を出しても、その製品が定番・伝説になるのは難しい。

でも

あなただったら数値に表せないこの違いが分かると思いますよ

的な売り方は半導体メーカとしていかがかなものかと思うのだが。

2013年1月19日 (土)

中野四季の森公園(4)

 公園の雪景色(1/16)。 雪景色の噴水は寒そう。
Photo

セントラルパークサウスの北側にある公園はなかなか雪が消えない。
平成帝京大学の北側の歩道の雪も消えない。

2013年1月18日 (金)

ココログ アクセス・ランキング(2)

ココログのマイページにはココログ内のアクセスランキングが表示されている。
以前突然1位になったことがあったのだが、今日何気なくアクセスランキングを見るとなんと18870位だ!!
20130117

 過去1週のアクセス数をみると1/15だけ少ないわけではなく前日とほぼ同じくらいのアクセス数だ。
20130117access

 ランキングは相対的なものだけれど、アクセス数がそんなに減っていないのに6000位からいきなり18870位になるのは通常考えられない。

 ということで、ココログさんバグ直ってなかったわけだ。(^^ 誰かが大慌てで直しているんだろうな。
記念にキャプチャしておいた。

2013年1月17日 (木)

体罰

 子供のころからスポーツ(少年野球、水泳、バレーボール)をやってきたが、幸いにして体罰を受けたことはない。勝利至上ではなかったし、 チームは強くもなかったので指導者もそこまで本気ではなかったように思う。

 学校では、昔のことだから体罰があったが、両親は叩かれるお前が悪いという考え方だった。

 幼い頃から思ったことを後先考えないでものを言う性格なので、普通の子が言わないような、先生の癪に障ることを言ってしまい叩かれることがよくあったが、叩かれることで反省したことはなかった
平手で叩かれることはあっても拳で殴られることはなかった。叩かれる方も心得ていて今日のはちょっと力が入っていたとか今日は遠慮したなと思っていた。

 小学校の高学年から中学校在学中に男の先生には(担任以外の先生も)ほぼ叩かれた記憶がある。(ツッパっていたわけでも不良でもなかったのだけれど)
その中で1人だけ叩かれなかった先生のことを40年経った今でも覚えている。
 その先生は強面で一見恐そうなのだが、よほどの信念をお持ちだったのか一度も叩かれた記憶が無い。その頃は何も思わなかったが、子供を育てるようになって気が付いた。

 子供を育てるようになったら体罰はしないと心に決めていた。大人気なく子供相手に腹を立てることもあるだろうけれど。
叩いたところで、相手の気持ちを変えられるわけではなく反省を促すことなどできないことは自分の体験から良く知っている。
言って分からない者に対して更に言う。ここが人か犬畜生かの違いだと思っている。

 体罰に関する桑田真澄氏の意見は正論である。対する体罰肯定派は、部活動はスポーツではなく教育の一部であると言うのでであろう。愛の鞭というやつだ。
 いずれにしても、体罰に依らなければ指導できない指導者・教育者は未熟であるという以前に、指導者・教育者としての資質が無い。
 また、マネージメントにおいて、アメとムチ理論を持ち出す人はマネージメント対象にムチを振るうことを是としているわけだから、根本的に体罰肯定派である。

 自分の子供を育てるときにもこの問題は付いて廻る。幼い子供が言うことを聞かない時に体罰を容認するのかという問題である。

 子供は判断力が備わっていないので、動物と同じだから叩いて教える必要があると主張する人がいるけれど、叩かないで言葉を使ってコミュニケーションができるのが人間である。

 子供が動物と同じだと主張する人は、きっと自分も犬畜生の類なのだろう。

 指導者・教育者・マネジャが、「自分も根本は動物だから叩いて指導する。」と主張するなら筋は通っているが、犬畜生の類に指導・教育・マネジメントされたくない。

2013年1月15日 (火)

Charlieplexing (2)

基本的、拡張Charlieplexingについて書いた。(2012/12/28)

 Chipiplexing方式(Charlieplexの拡張)を使うと、7segLEDは9桁が9本のI/Oで駆動できる、DPを使用しないなら8本のI/Oで8桁が制御可能である。
 Charlieplex7seg

 CharlieplexをマトリクスLEDで使おうとするとちょっと厳しい。
Charlieplexmatrix1
↑のように接続すると、左上を(0,0)とすると(1,1), (2 2)...(n,n)が駆動できない。

1本追加して↓のように配線すると全てのLEDが駆動できるのだが、
Charlieplexmatrix3

巷で売られているマトリクスLEDは
全て↓のように配線されている。
Matrix

このような配線のマトリクスLEDは何本のI/Oで駆動できるか考えてみた。

 Chipiplexing方式のトランジスタをサイリスタに変えると、N×NのマトリクスLEDは同じようにN+1本で制御できる。サイリスタは一旦ONするとゲート電流を流し続ける必要がなくなるのでLED点灯用データが出力できるようになるというもの。
(8x8マトリクスLEDを8つのI/Oで駆動する例↓)
8x8matrixled

任意の列(X列)の制御方法は

  1. P8←L、P(X)←H
  2. P(0-7)←表示データ(ActiveL)
  3. P8←Z
  4. P(0-7)←’ZZZZZZZZ’

解説

  1. カラムを選択してSCRをONする。
    一旦SCRがONするとゲート電流は流さなくても良いのでP(X)←Lが可能となる。
  2. 表示データを表示させる。
  3. 電流節約のため。
    秋月で売ってるMCR22-8は小ぶりのSCRだけれど保持電流 IH はtyp2mA, max5mA @TC=25℃ である。
    P←ZでなくP8←HとするとP(0-7)のいずれかがHとなった場合に予期しないLEDが点灯してしまう。
  4. 全て消灯する。
    SCRは電流を保持電流以下にしないとOFFにならない。

###
 LPC1114FN28で8×8のマトリクスLEDを駆動することを考えてみる。(LPC1114FN28である必要はないけど)

 LPC1114はI/Oポートのドライブ能力が低く IOL=4mA@VOH=0.4v(PIO0_7だけIOL=20mA@VOH=0.4v)である。

 最近のLEDは1mAも流すと結構明るいが、Duty=1/8なので8倍の電流を流さなければならない。ピークで8mA以上必要か。

 IOL vs VOLをデーターシートで見ると、VOL=0.6vを許すなら10mA以上取れそうだけれど、トータルの消費電流(IDD<100mA)なのでこちらが制限になりそうである。

2013年1月13日 (日)

USB DAC (2)

Stereo誌のおまけ USB-ADCについて書いた(2012/12/30)

 USBの5VからOP-AMP用の12Vを作るために使用している昇圧型レギュレータMC34063のスイッチング周波数が5kHz付近で、このノイズが聞こえるらしい。負荷電流とスイッチング周波数についてR.さんが考察されている。

 こんな耳だから幸か不幸かこのノイズは聞こえないので、WaveGen+WabeSpectraでこのノイズを見てみた。
Luxpcm2902_non_ 

 5kHzのスイッチングノイズと、その高調波が見える。

 無音状態で音量ボリュームMAXにすると単音ではないノイズが僅かに聴こえる。(耳鳴りでマスクされているのかもしれない。)

 ネットを探すと、コンデンサを換えてスイッチング周波数を上げてノイズを可聴帯域の外に出している人がいるようだけど、スイッチングレギュレータの負荷電流を増やしてスイッチング周波数を高くするするという方法もあるらしい。また、3.3Vから12Vに昇圧する方法もあるようだ。

 レギュレータは負荷電流が増加するとスイッチング周波数を上げるらしいので、レギュレータの出力にブリーダ抵抗を付けて常時電流が流れるようにしてスイッチングノイズを可聴帯域の外に追い出そうというものである。
 お手軽な方法なので、このサイトを参考にして、やってみた、C4とパラに2.2kΩの抵抗を取り付けると周波数が8kHzに、1kΩを取り付けると12kHzになるらしい。510Ωを取り付けて24mA流すとスイッチング周波数は15kHzになるらしいのだけれど、さすがにそれはECOでないので、自分の耳の可聴帯域外になれば良しとしよう。

 1kΩ取り付けると
Luxpcm2902_non_1k
スイッチングノイズが9kH付近に移動している。 

「音を聴いてみてビックリである。霧が晴れたように高域の曇り無くなって音がクリアになった。!!」

っていうのはプラシーボ効果っていうんだろうね。
もともと認知できない5kHzのノイズが9kHzに移動したところで認知できない。σ^^)にとっては、12V/1k=12mAを無駄に捨てているだけだ。

 12mAで心の安らぎを得られるなら安いものだけれど...このあたりがオーディオの奥深さってところかな。昔こだわっていた3結A級よりずいぶんECOだし。

2013年1月11日 (金)

CharlieplexingでBinary Clock

 Charlieplexingの話(2012/12/28)でマイコンの3つのポートで12個のLEDを駆動する方法について書いたので、Chipiplexing 方式を使ったバイナリクロックを作ってみた。
バイナリクロックは時刻を2進数で表示する時計で、例えば10:39分は

   
 
 

のように表示する。

 LEDで表示しようとすると12個のLEDが必要である。これをATTiny45でCharlieplexで3つのI/Oを使って実現しようというもの。

 回路図はこんな感じ
Binclock

 最初にAVRでI/Oポートを3つ持つ品種AT90S2323を使おうと考えたが、AT90Sシリーズのデータシートを見るとソース(電流吐出し)とシンク(電流吸込み)のドライブ能力が対象でない。と
いうことでATTiny45を使うことにした。

 ATTiny45はRESET#、XTAL1,XTAL2をI/Oポートとして使用できるのだが、
RESET#はドライブ能力がかなり低いのでピークで10数mAの出力が必要な今回のような用途には使えないし、外部X'talを使うのでXTAL1、XTAL2も使えないということでI/O
ポートは3つである

(水晶発振器出力を#2PIN (CLKI)に入れて#3PIN(XTAL2)をI/Oに使えば、い~じゃん。というツッコミは無しである!)

 R1、R2、R3にマイコンの出力ポートの内部抵抗が使えないかと思い、ATTiny45の内部抵抗をデータシートで確認すると30数Ωくらい
だったので、R4=R6=510Ω、R5=5.6kΩで作ったら、P0=H、P1=LにしたときD1、D8、D9が点灯してしまう。

 SPICEで確認してみたら
Binclk_spice

SPICEさんはD1点灯(緑)のときD3(青)には200uA流れるとおっしゃる。200uAでは明々とは点灯しないような気がするのだけれど...

 D1、D8、D9に関係する部分だけ抜き出してVcc=3.3V、D1,D8,D9のVf=2V、Q1,Q2のVbe=0.7として計算した各ポイントの電圧は↓のとおりである。
Binclock_d1d8d9

 D1のアノード電圧=2.65V、Q2のエミッタ電圧=0.95Vだから、D9のA-K間の電圧=1.7Vである。これはD9のVfより小さいのでD9は点灯しないはずだ。(D8も同様)

 2日くらい考えたところ、
昔のLEDは10m以上流さないと点灯しなかったが、最近のLEDは高輝度と謳っていなくても1mAも流すと点灯する。物によっては0.1mAでも点灯する。

 !よく考えたら、Vf=2VはおおよそIf=20mAの場合のVfである。(D1のA-K間は2V)
ところがD8,D9に少ない電流が流れているとすると当然Vfも小さい値になる。
普通の赤色LEDで電流が流れ始める電圧は1.7V付近だから点灯するくらいの電流が流れているのではないか。

 D8、D9が完全にOFFになるようにQ1のエミッタ電圧を下げ、Q2のエミッタ電圧を上げることにした。

 アルカリ電池×2を使った場合を考えてVcc=3.4V、D8、D9が完全にOFFになる電圧を1.5Vとして計算すると、R4=R5=1.2kにしたときに1.49VになるのでD8,D9は完全に消えるだろう。

 出力ポートの内部抵抗をあてにすると、I/Oピン入出力電流の絶対最大規格40mAに引っ掛かる恐れがあるのだけれど、R1、R2を大きくするとD8、D9を単独で点灯したときの電流が減るので痛し痒しだ。

 D1~D8を点灯した時とD9~D12を点灯したときの電流の差があるのでLEDによって明暗の差が出てしまう。明らかに分かるようならPWMで補正しよう。

 LED表示のソースはこんな感じ

/* bit ON/OFF */
#define ON 1
#define OFF 0

/*
* DDRB PORTD
* xxxx xxxxx : 出力データ
*/
#define DDR(d) ((d)<<4)
#define PD(d) ((d)&0x0F)

/* ポートの状態 */
#define HI PD(ON)|DDR(ON)
#define LOW PD(ON)|DDR(OFF)
#define HIZ PD(OFF)|DDR(OFF)

/* PB0,PB1,PB2の状態
*  xxxx xxxx
*   ||| |||+--- PORTB(0)
*   ||| ||+---- PORTB(1)
*   ||| |+----- PORTB(2)
*   ||+-------- DDRB(0)
*   |+--------- DDRB(1)
*   +---------- DDRB(2)
*/
#define P0H HI
#define P0L LOW
#define P0Z HIZ
#define P1H (HI<<1)
#define P1L (LOW<<1)
#define P1Z (HIZ<<1)
#define P2H (HI<<2)
#define P2L (LOW<<2)
#define P2Z (HIZ<<2)

/**/
#define MIN1_1 P2Z | P1Z | P0L
#define MIN1_2 P2Z | P1Z | P0H
#define MIN1_4 P2Z | P1H | P0L
#define MIN1_8 P2Z | P1L | P0H
#define MIN10_1 P2Z | P1L | P0Z
#define MIN10_2 P2Z | P1H | P0Z
#define MIN10_4 P2H | P1L | P0Z
#define HOUR1_1 P2L | P1Z | P0Z
#define HOUR1_2 P2H | P1Z | P0Z
#define HOUR1_4 P2L | P1Z | P0H
#define HOUR1_8 P2H | P1Z | P0L
#define HOUR10_1 P2L | P1H | P0Z
#define ALL_OFF   0x00

 

#define LED_OFF() PORTB = DDRB = 0x00
#define LED_ON(d) do { register uint8_t pd, dd; \
dd = pd = (d); \
dd &= 0x0F; \
pd >>= 4; \
} while(0)

 

/* output data */
const uint8_t port_data[] =
{
ALL_OFF,
    MIN1_1,  MIN1_2,  MIN1_4,  MIN1_8,
MIN10_1, MIN10_2, MIN10_4,
HOUR1_1, HOUR1_2, HOUR1_4, HOUR1_8,
HOUR10_1
};

 

/* display LED
* 指定したLEDを時刻に応じてON/OFFする
* void disp(uint8_t pos)
*  arg : uint8_t pos : LED number
*        uint8_t data : 0: off, 1: on
*  ret : void
*  global: uint8_t min, hour : 時分BCD
*/
void disp(uint8_t pos, uint8_t data)
uint8_t  p;

 

/* all off */
LED_OFF();
if (pos < 4) { /* 分 */
if (BCD_L(min) & _BV(pos))
p = port_data[pos+1];
} else
if (pos < 7) { /* 10分 */
if (BCD_H(min) & _BV(pos-4))
p = port_data[pos+1];
} else
if (pos < 11) { /* 時 */
if (BCD_L(hour) & _BV(pos-7))
p = port_data[pos+1];
} else
if (pos < 12) { /* 10時 */
if (BCD_H(hour) & _BV(pos-11))
p = port_data[pos+1];
}
LED_ON(p);
}

 

ポート(PB(x))をHにするときはDDR(x)←1、PORTB(x)←1
ポート(PB(x))をLにするときはDDR(x)←1、PORTB(x)←0
ポート(PB(x))をHizにするときはDDR(x)←0、PORTB(x)←0
このデータをLED0-LED11毎にテーブルで用意しておいて、表示するLED番号で出力データを検索して、上位4bitをDDRBに、下位4bitをPORTBに出力する。

 そうしているうちに完成
Binaryclock Binalyclock2
↑11:54を表示
後ろは学研のArduino、もっぱらISPに使っている。

動いているところ

Binaryclock20267 ←リンク先にAVI

 リセット時には、全てのLEDが右下から順に点灯し、11:40からカウントが始まる。
時分しか表示できないので撮影用に1秒毎にカウントアップするようにしている。

 まあ動いたから良しとしよう。
 I/Oポートがもう一個あって4個あるなら普通にCharlieplexingで駆動するのが簡単だと思う。

 本当に時計として使うならC3をトリマに変えて発振周波数を合わせる必要がある。

2013年1月 9日 (水)

採用基準

採用基準 伊賀泰代 ダイヤモンド社
Photo

マッキンゼーの採用担当だった著者が書いたリーダシップ論。

 あえてタイトルを「採用基準」にしたのはこれから就活しようとする学生の目を引くためか?

 伊賀泰代氏がいうようにマッキンゼーにおける思考様式、行動様式(社風)は理想的であろうが、人の思考様式、行動様式を変えることは困難である。

オヤジの感想はだいたいこんなもんだ。伊賀泰代氏もそのあたりは分かっているのか、思考様式、行動様式を変えることが難しいオヤジたちは措いておいて次世代を担う若者(学生)の啓蒙をしているのかと思う。

 日本型社会においては、リーダー≒管理者だけど、リーダーシップは誰でも習得、発揮できるスキルであって、誰でもリーダシップが発揮する組織にすることが重要というもの。

 日本型社会においてリーダーシップを発揮することは難しい。出る杭は打たれるのである。打たれないほど出る(カリスマ)か、役を与えられた者でなければリーダーとして認められない。
「役職は与えられるもの、リーダーは認められるもの」という考え方も根底は同じで、リーダーシップは誰でも発揮できるものではないという前提の下にある。

 伊賀康代のいうリーダーシップは「問題解決のために論理的に思考し積極的に行動する能力」といったところか?従来のリーダーシップより広い概念のようだ。
抽象的だけれど「自らを律する能力」か。

 伊賀泰代がいうリーダーシップを考えて行動していれば、マネージャになったとしても困ることはないだろう。日本型社会の問題点は、フォロワーの時にはリーダーシップを期待されず、マネージャになった途端リーダシップも期待されるところにある。リーダーシップを昇任の前提にもしていないことも問題である。

 リーダーは参謀として地頭のいい人を使うことができますが、「頭のいい人がリーダーシップのある人を参謀として登用し、成果を出す」ということは概念上ありません。 
 引用:P221

 オヤジは諸葛孔明が好きだからなあ...

 伊賀康代氏は、「問題解決のために論理的に思考し、議論し、最善手を見つけ、実行する」組織にするために、自らの意志で採用を担当し、そういう世の中にするために、若者の啓蒙をしているわけだ。

 オヤジたちも半径3mから始めよう。

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 ところで、ネットの噂によると著者の伊賀泰代氏は社会派ブロガーちきりん氏疑惑があるらしい。

2013年1月 7日 (月)

原理主義者

原理主義者:原理・原則に忠実、悪くいえば固執する人

 mmpoloの日記 職場の原理主義者 を読んだ。よくある話である。

 原理主義の対極を現実主義とすると、実は筋金入りの原理主義者、現実主義者は少ない。原理主義・現実主義を極めるにはとてつもないエネルギーを要する。特に日本社会では。

 大抵は、適当な現実主義になっているもので、他人には原理主義を強要するが、自分は他人から見えないところで現実主義であったり、原理主義的な人には現実主義的に振る舞い、現実主義的な人には原理主義的に振る舞うなどだ。

  これは現実主義ではなく御都合主義である。

 人が見ていないところにおいても原理主義を貫く人は立派な人である。
例えば、闇米を拒否し死亡した山口判事のように原理主義を貫くことができる人は立派である。

 相手によって原理主義的対応、現実主義的対応を変えるのは究極の御都合主義である。
原理主義者が忌み嫌われるのは、自分の利益を原理・原則で守ろうとするものは論外として、困った時に自分の都合で原理主義を撤回してしまうことでははないだろうか。
困った時に自分の都合で原理・原則を棚上げしてしまうのはよくあることで、しかも避けることが困難である。普段原理主義者然としていればいるほど、いざとなれば御都合主義者に豹変することを皆知っているのだろう。

 原理主義者は何かにつけ正論をぶつわけだが、 正論をぶつ者=原理主義者ではない。 自分も含め大抵の人が御都合主義であるとすると、御都合主義の者が正論をぶってはならないのであろうか?
現実主義の人はそのあたりをうまく回避しているように見える。

 正論をぶったとき、正論として受け入れられるか、御都合主義のたわごととして受け入れられるかが問題である。

2013年1月 4日 (金)

USB DAC

Stereo誌213/1のオマケUSB-DAC(PCM2702+NJM4558++NJM4556)について書いた。

 以前CQ誌に掲載されたSDRを作ろうとしたら、ノートパソコンにオーディオ入力がなく、USB-CODECを作ったのを思い出した。
Pcm2902

CODECはBBのPCM2902E
Pcm2902e1


OP-AMPはBBのOPA2353
Opa23531

回路はTIのアプリケーションノートのとおりである。
DAC出力も付けておいたので聴いてみた。

 どちらが良いというわけではないが、確かにLXU-OT2(Stereo誌のオマケ)とは違う。(ここでうまく言い表せたらオーディオ雑誌に記事が書けるかも)

 PCM2902とPCM2704との違いはADCの有無だから音の差はOP-AMPなどのアナログ部品・回路の差ということだ。
USBケーブルの差は分からなったけれどOP-AMPの差なら分かりそうだ。

 いかんいかん、どっちで聴いても不満はないのだから深入りしないようにしなくては。

 

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