機会損失
費用概念の一つ。実際に取引を行い発生した費用ではなく、最善の決定をしなかったがために、利益を得る機会を逃した場合の費用概念のこと。
出展:マネー辞典m-Wowrd
通勤途中に週に3,4日立ち寄る本屋がある。23時まで営業していて売り場も結構広く専門書も置いてあるので重宝している。
丸善や八重洲ブックセンターなどの大手書店には、客が在庫を検索できる端末が各フロアに設置してあるが、この書店では店員さんがパソコンで在庫を検索してくれる。在庫があった場合には親切に取って来てくれるので、思いの他、高いなと思っても買ってしまう。(いいサービスだ^^)
在庫が無い場合には「取り寄せましょうか」と聞かれるのだが、東京駅近辺の大型書店で買うか、Netで購入するので「結構です」と答えている。この時に、この書店にとって、機会損失が発生したことになる。
ところが、他の書店で購入した後、大抵次の週くらいには入荷して棚に並べてある。
書店ではすべての本を在庫することできない。フロア面積の制限から需要の低い本の在庫をあきらめざるをえないため機会損失は避けられない。
問い合わせがあった本に関しては、非在庫から在庫にして次の機会損失を防止することが、この書店の機会損失に対する戦略なのであろう。この戦略が有効かどうかは分からないが、機会損失について何らかの対策は講じなければならない。
閑話休題
技術サポート部門にいたことがある。「よろず相談受け付けます」的なサポートを行って{いた|いる}ので取り扱ったことが無い相談が多い。解決案を提供することが第一なので、自ら解決できない場合や、時間的な制約がある場合には、忸怩たる思いで、よそを紹介することがある。
サポート部門にいる技術者にとっては自らの知識・技術で解決できな場合が機会損失と考えられる。
このとき、次回同様のサポート依頼があった時のために、解決方法用意しておくことが、技術者としての成長のカギではないだろうか。
今後同じ依頼は無いかもしれない。(事実無いことが多い。) しかし、同じ依頼が少ないとしてもその解決に必要な技術を修得しておくのは、技術者としての矜持であり誇りである。忙しさに流されて、この誇りが無くなったとき、個人の技術力はもとより組織としての技術力も失われるのであろう。
解決できなかった場合は分かりやすいが、解決できた場合でも、次回の依頼に備えて、
- H/Wを預かって試行錯誤したところを、担当者向けマニュアルを作成してH/Wを預からなくても良いようにする
- 誰でも使えるS/W、ツールを作成して専門知識がない者でも処理できるようにする
ことも重要である。
ともすれば、試行錯誤して解決したことで安心してしまうが、試行錯誤を蓄電池に例えると放電である。放電ばかりの仕事が続くと過放電して再起不能になってしまう。一方、習得した技術のマニュアル化や、ツールの作成は充電である。充電と放電のバランスが取れているとき、技術者として成長するのであろう。
マネージャは、「一丁あがり」の仕事を見逃してはならない。組織としての技術力が低下し始めた瞬間だからである。
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