学び続ける力
この本も学生向けか。文字が大きく1ページの文字数が少ないのですぐに読める。
福島原発事故の際にエライ先生達の説明が分かりにくかったことを例に
平易な言葉で説明できない理系と
科学的思考ができない文系
という件がある。
よくある対比構図だけれど、説明が分かるためには、
- 説明に使用されている用語の概念
- 説明の論理構造
が分かる必要がある。
よく考えると。平易な言葉で用語の概念を説明できない人は文系理系に関係無くいるし、説明の論理構造が矛盾していたり崩壊していたりする人は文系にも理系にもいる。
日本語は常識を説明しない言語なので、自分が常識だと思っている専門用語を相手に説明しないところに問題があるのではないか。
平易な言葉で説明すると、専門用語の概念は、分かり易く説明することができるかもしれない。しかし、説明するべき論理構造が変わるわけではないので論理構造を理解できない人はやはり理解できない。
「一生懸命説明してくれたのは分かるけど、内容は分からない」になってしまう。
そこで、 厳密でなくても分かった気にさせる説明が必要になることもあるのだけれど、相手が分かった気にさせる説明をしているなと感じるとちょっとヤな感じがする。「君には分からないだろうけどね」感が出ていると理解以前の問題になる。
若い人たちには、説明する相手と常識を共有するレベルで説明するようにとアドバイスしている。
例えば、「アパッチが落ちた」をIT技術者と軍関係者に説明すると全く違う意味に取られる。”アパッチ”はIT技術者の常識ではhttpdだが、軍関係者の常識では攻撃ヘリAH-64なので、IT技術者は、「Webサーバ用のプログラムが終了した」と思うし、軍関係者は、「攻撃ヘリが墜落した」と思うだろう。
自分はというと、最近文系の人たちの前で喋ることが多く、専門用語で誤魔化してはいないつもりなのだが、今日は上手く喋れたという感じがいまいち無い。
担当の方は「大変参考になりました」と仰るのだが、そこはKYの悲しさで、その言葉が本心か気遣いなのか分からない。
アンケートなどのフィードバックを頂けると参考になるのだが、アンケート結果はスクリーニング(日本人的気遣い)されているような気もして疑心暗鬼状態である。
他の研修でも喋ってほしいという依頼があったので「何言ってるのかチンプンカンプン」ってわけではなさそうだ。ちょっと安心した。
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