京都花街の経営学
「舞妓のことば」(2013/4/17)は新人の育成がテーマで、この本は花街全体のシステムについて述べた本である。「舞妓のことば」ではあまり触れられていなかった、置屋・茶屋の経営者(お母さん)の育成について、興味があったので読んでみた。
舞妓は年齢的制限から早期育成する必要があるので、1年間の見習い期間後現場投入して先輩の舞妓、芸妓、置屋・茶屋のお母さんなど花街全体がOJTで育てる。
一方、置屋・茶屋のお母さんは、舞妓、芸妓の経験者らしい。置屋・茶屋のお母さんを育てるのは客や花街ということであろうか。
舞妓、芸妓の経験から、もてなしの心と具体的な行動を学び、周りから教えてもらうことの重要性や自ら学ぶ習慣が重要であることを理解しているので、置屋・茶屋のお母さんになったときに、直接指導されることがない客や花街全体から学び成長することができるのであろう。
また、置屋、茶屋の数が少なく新規参入の障壁が高いため、花街全体としては、お母さん候補の選定や育成に時間がかけられる。
花街の
- 新人(舞妓)に対しては徹底したOJTで短期間で育てる
- 指導者(お母さん)に対しては自主的な成長を促し長期間で育てる。
という育成システムは理想的に見えるが、300年以上かけて培った花街の空気があるから可能なのであろう。
このシステムを真似ても一朝一夕に同じような育成システムを作るのは困難なのかもしれない。
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