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2013年6月21日 (金)

科学のことを熱く語って!

 6/2 NHK Eテレのスーパープレゼンテーション再放送は、メリッサ・マーシャル「科学のことを熱く語って!」、本家TED Talksは、メリッサ・マーシャル 「私に科学を熱く語って!」

 5分足らずのプレゼンで、もう少し詳しく聞きたいなあと思わせる、短いプレゼンのお手本のようなプレゼンである。

 科学者・技術者は非専門家に分かりやすくプレゼンすべきという主張。
具体的には

  1. 関連性を説明する。
  2. 専門用語を使わない
  3. 箇条書きでなく図や写真を使う

という3点を提案している。基本的にはそのとおりだと思う。

1. 関連性を説明する。

 聞き手に対して説明者の知識・技術がどのように関係しているかを説明することは重要である。自分に関係もなく興味もない話は聞きたくないよね。

2. 専門用語を使わない

専門用語を使わないという説明で、アインシュタイン大先生の

Make everything as simple as possible, but no simpler.

を引いて、「なぜ"spatial and temporal"を"space and time"と言えないのか」と仰る。分からなくもないが、少なくとも彼らの認識では"spatial and temporal"と"space and time"は異なる概念で、同じように扱うにはかなりの抵抗があるのではないか。

 彼らにとって異なる概念である言葉を使って分かったつもりにさせる行為は科学者、技術者にとって越えがたい行為であることを知ってほしい。

 説明の目的が、「できるだけ正確に説明する」なのか、「分かったつもりにさせる」なのかを説明の目的によって使い分ける必要がある。

という主張なら同意だけど。

 このプレゼンが、科学者・技術者に向けてのものならば、なぜ、科学者・技術者が分かりやすく説明することが重要かについてもう少し丁寧に説明する必要があるのではないか。

現代社会が抱える問題を解決するためには科学・技術が必要である。

という主張については、まったくそのとおりだと思うが、彼らにコミニュケーションの重要性を説くには不十分である。
科学者・技術者が、なぜ、
  「説明を受ける側が予め専門家の説明を理解できるだけの基礎知識を得るべき。」
ではなく、
  「専門家がsimpleとnot simplerのバランスを考えた説明をしなくてはならない。」
なのかを理解しなければならないのだろう。

 これを承知しているなら、後はテクニックの問題なのでこのプレゼンは大変参考になる。

 メリッサ・マーシャル氏の講義をEテレの白熱教室でやらないかな。

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