ABUロボコン
8/28にベトナムで開催されたABUロボコンの様子をNHKが9/23に放映していた。(台風報道の影響で、2013/9/23になったらしい)
今年のABUロボコンは金沢工大が優勝した。 おめでとうございます。
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競技的には日本代表が優勝してうれしいのだけれど、技術的な観点でみると、ちょっと気になる。
、 今年のABUロボコンはベトナムで開催され、国内予選とは床などの材質が違うため、各国苦戦していた。
手動ロボットは人間が操縦するので、人間の能力しだいで適応できるけれど、問題は自動ロボットだ。
金沢工大の自動ロボットはテストランで満足に動作しなかった。
自動ロボットに与えられた課題は、自律走行し、発泡スチロールの円柱を取って、指定された3つの円の中に置くというものである。最初のテストランの時には発泡スチロールが取れない状態だったが、ハードウェアを修正して対応していた。しかし、 1つの円の中に置けない問題が発生していた。
放送を見る限りでは、自動ロボットの位置の検出はタイヤの回転数で検出しているため、床の素材が国内予選で使用されたものと異なっていた影響で狂いが生じたという説明だった。
この問題に対して、発泡スチロールを置くタイミングを僅かに遅らせるというプログラム変更を加えて乗り切ったようだ。
NHKは例によって、ヒューマンドラマにしたいので
しかしそれらを強烈な集中力とチームワークで乗り切った彼らは、まさに王者です。
http://www.nhk.or.jp/robocon-blog/165248.html
と持ち上げているが、そもそも自動ロボットを開ループで制御しているというのがちょっと驚きだ。 オープンループのシステムをカリカリにチューニングすると外乱に対して極めて脆弱になるよね。(国内予選では外乱がなかったから吉と出たけれど)
目指すは、人(使用者、操縦者)の熟練を必要としない手動ロボット、環境(床、照明、素材)が変わっても機能をが失われない自動ロボット、そして高いパフォーマンスじゃないかな。
日本代表は8年ぶりの優勝だそうだけど、デザインの不備を気合と根性でカバーするという考え方が主流だと日本の連覇は難しいんじゃないのかな。
「ABU アジア・太平洋ロボットコンテスト」の開催趣旨には
競技を通じて技術力と独創力を競う、
と書いてあるが
日本代表チームとして「ABU ロボコン大会」で活躍できるロボットかどうか、を主眼において選定します。
とも書いてある。
つまり勝利至上だと...
テレビ屋さんとしては、オタクしかわからないところに拘らないで、気合いと根性で勝ってくれと...
技術力、独創力は自分との戦いだよね、他人に勝っても自分の技術力や独創力は向上しないよね。技術者を目指すなら、優勝でなくても「BEST ENGINEERING AWARD」を取りたいよね。
教育界や産業界の人は何も文句言わないのかな?テレビ屋の言いなりなのかな?
モノづくり日本の先行きがますます不安になるのはオジサンだけだろうか。
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