風立ちぬ
単に「二郎と菜穂子」の恋物語と見ればよいのかもしれない。一緒に見た娘は堀越二郎も堀辰夫の「風立ちぬ」も知らないらしく悲恋の恋物語として見たらしい。
オヤジにとっては、堀越二郎は零戦の栄光と挫折、堀辰夫「風立ちぬ」は山口百恵&三浦友和が演じた悲恋の物語だけれど、これらに重ね合わせてはいけないようだ
あくまで、宮崎駿氏が考え出した「二郎と菜穂子の恋物語」である。自分の死を覚悟した菜穂子と、死期が迫った恋人がいながら「美しいもの」を追い続ける覚悟をした二郎の、お互いの覚悟を理解していた二人の恋物語であって、決して悲恋の物語ではないのかもしれない。
堀越二郎の「零戦 (角川文庫)」には設計者としての葛藤は書いてある。
しかし、兵器を作ること、作ったことにより大勢の命が失われたことについては言及が無い。このことについて、宮崎駿氏は半藤一利氏との対談の中で、「堀越二郎は言及するつもりがなかったのだろう」と言っていた。
宮崎駿的堀越二郎の解釈は「『美しいもの』のために迷い無く邁進した」なのだろう。
堀越二郎氏が兵器を設計し、その結果として大勢の人が死んだことの葛藤について知りたいと思いながらこの映画を見たので、フィクションである宮崎アニメをノンフィクションのように捉えてしまった。
(この件についての宮崎駿氏の見解は、宮崎駿氏、高畑勲氏、鈴木敏夫氏鼎談(2014/4/27)にあった。(2014/4/29))
テレビで放送されたらまた見てみよう。(編集されて悲恋の恋物語になるんだろうな)
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