技術者たちの敗戦
第4章 なぜ日本の「電探」開発は遅れたのか―緒方研二の敗戦
イノベーションにおける魔の川と死の谷を1人で超えられる人材がいなかったということか。マグネトロンというイノベーションをレーダ開発に応用できなかった。
魔の川を越える能力を持った者は必ずしも死の谷を越えられるとは限らない。常識的に考えれば、魔の川を越える者と死の谷を越える者を分ければよいのだが、軍部は超官僚組織だったので適材を配置できなかったということ。
官僚組織において、適所に配置されていない者は適材を適所に配置することはできないという例であろうか。
電探の開発について失敗例は
「失敗の本質−日本軍の組織論的研究」 ダイヤモンド社
英国が技術的に未熟であったレーダを使用した防空システムを構築した成功例は
「戦略の本質−戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ」 日本経済新聞社
にあったと思う。
研究者、技術者が悪いとか軍部が悪いとか説はいろいろあるようだけれど、研究・研究者、技術・技術者のマネージメントは官僚組織では無理だということで、これは70年を過ぎた今でも変わらない。
- 日本軍「戦略なき組織」 検証失敗の本質 (2018/08/28)
- 日本軍「戦略なき組織」 検証失敗の本質(2) (2018/09/05)
- 失敗の本質 日本軍の組織的研究 (2018/07/11)
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